| 【発明の名称】 |
耕耘機 |
| 【発明者】 |
【氏名】丹治 光彦
【氏名】中野 将憲
【氏名】早田 裕光
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| 【要約】 |
【課題】耕耘機において、主変速レバーやデフロックレバー等の操作手段が、クラッチレバーを操向ハンドルと一体的に握った状態でなければ操作しにくいようにして、該操作手段の誤操作を防止する。
【解決手段】耕耘機の動力を断接するクラッチと連係され、平面視ループ状の操向ハンドル5と一体的に握ることにより「接」位置となるクラッチレバー7を操作部9に有し、走行操作する操作手段(主変速操作手段6・デフロック操作手段8)を操作部9に設けた構成の耕耘機において、該クラッチレバーが「断」位置7' であるときは、上記操作手段6・8とクラッチレバー7が側面視で少なくとも一部重複するように配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕耘機の動力を断接するクラッチと連係され、平面視ループ状の操向ハンドルと一体的に握ることにより「接」位置となるクラッチレバーを操作部に有し、走行操作する操作手段を操作部に有する構成の耕耘機において、該クラッチレバーが「断」位置であるときは、上記操作手段とクラッチレバーが側面視で少なくとも一部重複するように配置したことを特徴とする耕耘機。 【請求項2】 上記操作手段を主変速操作手段としたことを特徴とする請求項1記載の耕耘機。 【請求項3】 上記操作手段をデフロック操作手段としたことを特徴とする請求項1記載の耕耘機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば中耕除草又は耕耘作業等を行う歩行型の耕耘機に関する。詳細には、該耕耘機の操作部において、操作しやすいレイアウトを提供し、誤操作を防止するための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、走行輪を装設させるミッションケースの後方斜上方に走行ハンドルを設けた構成の、耕耘作業等を行う耕耘機の技術が公知となっている。また、以下のような構成の耕耘機も公知となっている。即ち、耕耘機の動力伝達経路に配置したクラッチを操作するためのクラッチレバーを操作部に装設しており、このクラッチレバーは非作業時は上方に跳ね上げられて「断」位置となるよう付勢され、該付勢力に抗してクラッチレバーをオペレータが押下すると「接」位置となるようにしており、クラッチレバーは操向ハンドルに沿うように形成されて、作業時においてはオペレータは操向ハンドルとクラッチレバーを一体的に握ることができるように構成している。所謂、デッドマンクラッチレバーとしている。以上構成により、作業時においては、オペレータは操向ハンドルとクラッチレバーを一体的に握ることにより、クラッチを「接」状態として、エンジンの動力を走行輪や作業機に伝達して、耕耘作業や草刈作業を行い、非作業時においてはオペレータは操向ハンドル及びクラッチレバーから手を離すことにより、クラッチレバーは上記付勢力により「断」位置とされ、動力の伝達が断たれて耕耘機が停止するように構成している。この構成により、クラッチレバーを握れば駆動し、離せば停止することから、駆動停止操作が理解しやすく、慣れない者でも楽に操作できる。また、万一ハンドルから手を離したときでもすぐに耕耘機の駆動が停止することとなるので、誤操作が防止されて、効率の良い作業を可能としている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の耕耘機は、操作方法が理解し易いという点でかなり有用であったが、主変速装置を無段変速装置とした場合には、手を触れただけで前進または後進に変速されることがあり、クラッチレバーを握ると、突然動き出すおそれがあった。よって、更に操作方法の分かり易い耕耘機の技術が要望されていた。本発明はこのような観点からされたもので、主変速レバーやデフロックレバーが、クラッチレバーを操向ハンドルと一体的に握った状態でなければ操作しにくいような、操作部のレイアウトを提供するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0005】即ち、請求項1においては、耕耘機の動力を断接するクラッチと連係され、平面視ループ状の操向ハンドルと一体的に握ることにより「接」位置となるクラッチレバーを操作部に有し、走行操作する操作手段を操作部に有する構成の耕耘機において、該クラッチレバーが「断」位置であるときは、上記操作手段とクラッチレバーが側面視で少なくとも一部重複するように配置したものである。 【0006】請求項2においては、上記操作手段を主変速操作手段としたものである。 【0007】請求項3においては、上記操作手段をデフロック操作手段としたものである。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明する。最初に、本発明の一実施例に係る耕耘機の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施例に係る耕耘機の全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図である。 【0009】即ち、図1・図2に示す如く、この耕耘機は、左右一対の走行輪1・1をミッションケース2に車軸3・3を介して装設させ、ミッションケース2後部にハンドル台4下部を固定し、ハンドル台4上部に平面視ループ状の操向ハンドル5を連結させて、ミッションケース2の後方斜上方に操向ハンドル5が位置する構成としている。そして、クラッチレバー7や、主変速操作手段たる主変速レバー6や、デフロック操作手段たるデフロックレバー8や、エンジンの回転数を変更するアクセルレバー10等を操向ハンドル5近傍の操作部9に取り付けている。主変速レバー6は後述するPTOクラッチの断接操作兼用としており、レバーの前後傾動により耕耘機の前後進及び速度の変更操作を行い、左右傾動によりPTOクラッチの断接操作を行うようにしている。 【0010】また、図1に示すように、前記ミッションケース2上面の略水平面2a上にエンジン11を載置固定し、エンジン11の出力を無段変速する静油圧式無段変速装置(以下「HST」)12をミッションケース2後部の左右一側(本実施例では進行方向右側)側面に設け、エンジン11の出力軸17とHST12の入力軸18とを、出力プーリ15、入力プーリ16、ベルト14により連結している。エンジン11の上部には燃料タンク34を設けている。また、両軸17・18の動力伝達を断接するためのベルトテンションクラッチ13が設けられ、該テンションクラッチ13は図示せぬリンク機構、ワイヤー等を介して上記操作部9のクラッチレバー7に連係され、該クラッチレバー7によりテンションクラッチ13の断接が操作される。また、テンションクラッチ13の「断」への切替と連動して制動を行うブレーキがHST12の入力軸18に配設され、クラッチ「断」操作直後の慣性力による回転を制動して、駆動停止を素早く行うようにしている。 【0011】また、前記ミッションケース2は側面視「L」型に形成して、後側を下方に突出させて上下延設部19とし、ミッションケース2後側の下部に左右の車軸3・3を軸支させ、ミッションケース2後部の上下延設部19内に走行変速機構20を設け、車軸3・3の略直上方に入力軸18を配設させ、入力軸18の略直上方に出力軸17を配設させている。更に、エンジン11の下方にはHST12を配設させ、HST12の下方に車軸3・3を配設させ、エンジン11の駆動力を上方から下方に伝えて走行輪1・1を駆動させる。この構成により、伝動レイアウトをシンプルとすることができ、メンテナンス性を向上させることができる。また、ミッションケース2をコンパクトとすることができ、機体の小型化をも図ることができる。 【0012】さらに、前記ミッションケース2上部は前方に突出させて前後延設部28とし、その前部にPTO軸21を軸支させ、図2に示すようにミッションケース2前部左右にパイプ部材99・99を突出させ、該パイプ部材99・99を介して伝動ケース22及びサイドフレーム23をミッションケース2前部に固定させ、伝動ケース22及びサイドフレーム23を介して作業機24を設け、ミッションケース2前側に作業機24を装設させており、伝動ケース22とサイドフレーム23にロータリ軸25の両端を回転自在に軸支し、該作業機24はロータリ耕耘装置兼草刈り機としている。つまり、耕耘と草刈に兼用する複数の切削ロータリ刃26・26・・・をロータリ軸25に取り付け、各切削ロータリ刃26・26・・・の上面及び左右をロータリカバー27によって閉塞させている。 【0013】また、前記ミッションケース2の前後延設部28にはPTOクラッチや正逆転切替機構や減速機構等からなるPTO変速機構29を設け、前記入力軸18前方にPTO軸21を設けて作業機24のロータリ軸25に連結させ、切削ロータリ刃26・26・・・を走行輪1・1の前進側回転と同一方向(矢視Aの方向。以下「正転方向」)に低速で回転させることによって耕耘作業を行わせる一方、上記と逆方向(以下「逆転方向」)に切削ロータリ刃26・26・・・を高速回転させて草刈作業を行わせる。 【0014】さらに、この耕耘機は、前記作業機24の耕耘作業と同時に畔立作業を行わせる後作業機30を備え(図1)、ミッションケース2後面の後ヒッチ31にヒッチピン32を介して後作業機30を着脱自在に設けるとともに、後作業機30をヒッチピン32回りに回転させて昇降自在としており、後作業機30を下降着地させて畔立作業位置に支持させたり、ハンドル台4後側に後作業機30を持ち上げて非作業位置に支持させる。 【0015】次に、作業機24の構成について、主に図3及び図4を参照して説明する。図3は耕耘機の前部に取り付けられる作業機の構成を示した側面図、図4は同じく平面図である。図5は作業機におけるロータリ刃の取り付け構成を示した側面図一部断面図である。 【0016】即ち、作業機24左右の適宜位置にて調高アーム39・39及びゲージフレーム35・35を支軸40・40を介して傾動自在に枢支し、ゲージフレーム35・35の先端は前方に突出されてゲージ輪36・36をそれぞれ方向転換自在に取り付け、ゲージフレーム35を介してゲージ輪36が昇降可能となるようにしている。更に、ゲージフレーム35・35にはブラケット81を固定させ、平面視門型の前面カバー45の左右両端部を該ブラケット81に支軸46・46を介して回転自在に取り付けており、ゲージフレーム35の上下傾動操作と連動して前面カバー45の上昇又は下降が行われるようにしている。 【0017】該前面カバー45の左右側面上縁には板状部材82を突出して、該板状部材82にピン83を突設する一方、上記調高アーム39は、その前縁部に上下二つの凹部39a・39bを設けている。この構成により、上記ピン83を上側凹部39aに係止することにより、ゲージフレーム35を上方へ傾動させてゲージ輪36を耕耘作業位置Naへ上昇させた状態で保持固定できるようにしている。一方、ピン83を下側凹部39bに係止することにより、ゲージフレーム35を下方へ傾動させてゲージ輪36を草刈作業位置Nbへ下降させた状態で保持固定できるようにしている。上記ゲージ輪36の高さの変更は、前面カバー45前部に設けた把持部84をオペレータが握って昇降操作することにより行われる。また、上記ブラケット81にはワイヤー85が連結されて、ミッションケースのPTO変速機構29に配設された、後述の正逆転切替クラッチスライダ(図6における符号78)に連係されており、上記ゲージ輪36が耕耘作業位置Naにあるときは正転方向の低速回転がロータリ軸25に伝達され、上記ゲージ輪36が草刈作業位置Nbにあるときは逆転方向の高速回転がロータリ軸25に伝達されるようにしている。 【0018】以上構成により、上記前面カバー45の把持部84をオペレータが握って持ち上げたときは、ゲージフレーム35が上方へ傾動され、ゲージ輪36が耕耘作業位置Naまで上昇され、ロータリ軸25のゲージ輪36に対する相対高さが低くなって、耕耘作業に適した深さで切削ロータリ刃26を地中に突入可能とするとともに、前面カバー45も上昇退避されて耕耘作業の邪魔にならないようにしている。また、ブラケット81によるワイヤーの張引が解除され、これに連動してPTO変速機構29内の正逆転クラッチスライダ78が摺動されてクラッチの係脱が行われ、この状態で耕耘機を駆動させた場合は上記ロータリ軸25に正転方向(矢視A)の低速回転が伝達されて、耕耘作業が行われるようにしている。一方、上記把持部84を握って押下したときは、ゲージフレーム35が下方へ傾動され、ゲージ輪36が草刈作業位置Nbまで下降され、ロータリ軸25のゲージ輪36に対する相対高さが高くなって草刈作業に適した位置となるとともに、前面カバー45が下降してロータリカバー27の前部を遮蔽して、刈り取られた草等が飛散するのを防止するようにしている。また、ブラケット81がワイヤーを張引するので、連動してPTO変速機構29内のクラッチの係脱が行われ、この状態で耕耘機が駆動された場合は上記ロータリ軸25に逆転方向の高速回転が伝達されて、草刈作業が行われるようにしているのである。 【0019】上記のように、耕耘機の草刈作業及び耕耘作業の切替操作を耕耘機前方の上記把持部84により行うように構成していることにより、この切替操作は、オペレータが耕耘機後部の操作部9から一旦離れて、作業機24前方にまわって把持部84を操作することにより行わなければならないこととなる。このことは、耕耘機の操作部9のクラッチレバー7から手を離した状態で該切替操作をしなければならないことを意味するから、この切替は必ず作業機24及び走行輪1・1に動力が伝達されない状態で行われることとなり、誤操作等が防止され、故障等の可能性も低くなるのである。 【0020】また、前記左右のパイプ部材99・99のうち一側の中途部に固定させる受け台41に調高ハンドル軸42aが回転自在及び摺動不能に取り付けられ、該調高ハンドル軸42aの前端にはネジ部44が設けられる一方、左右の調高アーム39・39はその上部を連結パイプ80により連結され、該連結パイプ80の中途部に取り付ける螺着子43に上記ネジ部44を螺挿し、調高ハンドル軸42a後端に基端を固設する調高ハンドル42の回転操作によって支軸40回りにゲージフレーム35を揺動させ、ゲージ輪36の高さの細かい調整が行えるようにしている。 【0021】また、図3・図4に示すように、前記ロータリ軸25には爪台49を固定させ、爪台49に支軸50を介して切削ロータリ刃26を枢支しており、草刈作業時にはロータリ軸25を逆転方向(矢視Aと逆方向)に高速回転させることにより、切削ロータリ刃26は遠心力によって放射線方向に保持されながら回転するようにしている。また、草刈作業時に切削ロータリ刃26が石等に当たっても、その衝撃は、切削ロータリ刃26の支軸50回りの回転によって吸収されるようにしており、作業機24の破損を防止する構成となっている。一方、前記爪台49には後退ストッパ51が固設されており、ロータリ軸25を矢視A方向に正転させて耕耘作業を行うときは、切削ロータリ刃26が該ストッパ51に当接して、切削ロータリ刃26を後傾姿勢で保持させるようにしており、形成される後退角により耕耘抵抗を低減させるとともに、耕耘力(耕耘深さ)を確保するようにしている。 【0022】次に、ミッションケース2の上下延設部19内に配設された、上述の走行変速機構20を説明する。図6はミッションケース内部の伝動系の構成を示した平面断面展開図である。 【0023】即ち、図6に示す如く、上記HST12には、その出力軸52の回転方向及び回転速度を変更するためのトラニオンレバー12aが装設され、該トラニオンレバー12aは、ワイヤーやリンク機構等を介して、上記操作部9の主変速レバー6に連係される。そして該HST12の出力軸52にはパイプ状の減速出力軸53が相対回転不能に取り付けられ、該減速出力軸53の外周面にはギア53aが刻設される。また、上記減速出力軸53下方(図6における上方)には減速中間軸65が配設され、該減速中間軸65にはギア66が固定され、該ギア66は上記減速出力軸53のギア53aに噛合される。上記減速中間軸65にはギア65aが形設され、該ギア65aは、上記減速出力軸53上に遊嵌した減速最終軸70上に固定したギア67に噛合される。該減速最終軸70にはスプロケット68が一体的に形設されており、該スプロケット68は、左右車軸3・3を差動的に結合するボールデフ機構55に設けられた入力スプロケット69に、走行駆動チェーン54を介して連動連結される。ボールデフ機構55には、操作部に配設された上述のデフロックレバー8に連係される、デフロック機構55aが配設される。 【0024】以上構成により、入力プーリ16を介して入力軸18に入力されたエンジン11の動力は、HST12にて回転速度及び回転方向の制御が行われた後、出力軸52から減速出力軸53→ギア53a→ギア66→減速中間軸65と伝達されて減速された後、ギア65a→ギア67→減速最終軸70と伝達され、スプロケット68から走行駆動チェーン54を経由し、ボールデフ機構55を介して左右車軸3・3を駆動する。 【0025】次に、ミッションケース2の前後延設部28内に配設された、上述のPTO変速機構29を説明する。即ち、図6に示すように、上記入力軸18にはPTO出力スプロケット71が一体的に形設され、該入力軸の前方に設けられた伝動軸72には入力スプロケット73が相対回転自在に遊嵌され、両スプロケット71・73はPTO入力チェーン56を介して連動連結される。そして、上記伝動軸72にはPTOクラッチスライダ74が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該クラッチスライダ74には爪クラッチ74aを設けている。従って、PTOクラッチスライダが図6における右方向へ摺動することにより、上記爪クラッチ74aが上記入力スプロケットに係合し、PTOクラッチが「接」となり、入力スプロケット73の回転が該PTOクラッチスライダ74を介して伝動軸72に伝達される。また、PTOクラッチスライダ74には逆転ギア77が固定される。このPTOクラッチスライダは、リンク機構を介して上記操作部9の主変速レバー6に連係されており、該主変速レバー6を機体左右方向に傾動することによってPTOクラッチの断接操作が行えるようにしている。 【0026】更に伝動軸72には耕耘側出力スプロケット75が一体的に形設され、該スプロケット75は、伝動軸72前方に軸支された上述のPTO軸21に相対回転自在に取り付けられたスプロケット76に、低速正転チェーン61を介して連動連結される。そして、PTO軸21には正逆転切替クラッチスライダ78が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該正逆転切替クラッチスライダ78には、耕耘側入力爪クラッチ78aと草刈側入力ギア78bとを設けている。 【0027】以上の構成により、正逆転切替クラッチスライダ78が図6における右方向へ摺動したときは、上記逆転ギア77と草刈側入力ギア78bとの噛合が解除され、上記スプロケット76に耕耘側入力爪クラッチ78aが係合して、該スプロケット76の回転が正逆転切替クラッチスライダ78を介してPTO軸21に伝達されて、上述のロータリ軸25を低速で正転させ、耕耘作業を行わせる。一方、正逆転切替クラッチスライダが図6における左方向へ摺動した場合は、上記スプロケット76と耕耘側入力爪クラッチ78aの係合が解除され、上記逆転ギア77と草刈側入力ギア78bとが噛合されて、逆転ギア77の回転が正逆転切替クラッチスライダ78を介してPTO軸21に伝達されて、上述のロータリ軸25を高速逆転させて、草刈作業を行わせるのである。 【0028】即ち、入力軸18からPTO出力スプロケット71→PTO入力チェーン56→入力スプロケット73→PTOクラッチスライダ74と伝達された動力は、二手に分岐されて、一方は伝動軸72→スプロケット75→低速正転チェーン61→スプロケット76と減速されながら伝達され、他方は逆転ギア77にて増速及び回転方向の正逆変換を行う。そして、スプロケット76又は逆転ギア77の動力が択一的に正逆転切替クラッチスライダ78に入力されて、PTO軸21に低速正転又は高速逆転の動力を伝達しているのである。 【0029】また、図4に示すように、上記PTO軸21は前記パイプ部材99・99のうち一側の内部を挿通して伝動ケース22内に突出されて、該突出部分にはスプロケット90が取り付けられる一方、作業機のロータリ軸25には基軸91を介してスプロケット92が相対回転不能に取り付けられており、伝動チェーン63により両スプロケット90・92が連動連結されて、PTO軸21の回転をロータリ軸25に伝達している。更には、ミッションケース内壁には制動部材58が設けられており、前記PTOクラッチスライダ77が「断」となったときは、該制動部材58を上記逆転ギア77の側面に圧接させて制動作用を行わせて、特に草刈作業におけるPTOクラッチ「断」操作直後の、切削ロータリ刃26の慣性力による回転を素早く停止するようにしている。 【0030】次に、本発明の要部たる上記操作部9のレイアウトについて詳説する。図7は操作部の各レバーのレイアウトを示した側面図である。 【0031】即ち、図2に示すように、この耕耘機の操向ハンドル5は平面視ループ状としており、該操向ハンドル5にクラッチレバー7の両端を枢支して、該クラッチレバー7も平面視ループ状に構成して操向ハンドル5の形状に合わせている。該クラッチレバー7は非作業時においては図略の付勢バネにより上方に起立されて、図7の符号7' に示す「断」位置とされており、オペレータが該付勢バネに抗してクラッチレバー7を押下して「接」位置としたときは、クラッチレバー7が上記操向ハンドル5に略沿うように構成して、オペレータがクラッチレバー7を操向ハンドル5と一体的に握ることが可能な構成としている。主変速レバー6は上記HST12のトラニオンレバー12aに連係され、前後傾動により耕耘機の前後進及び速度調整を行うものであり、本実施例では更にこのレバー6はPTO変速機構29内のPTOクラッチスライダ74に連係されて、PTOクラッチの断接操作兼用とされ、左に傾動するとPTOクラッチが「接」とされ、右に傾動するとPTOクラッチが「断」とされるように構成している。デフロックレバー8は機体の中央に配置されて、左右どちらからでも容易に操作できるようにしており、該デフロックレバー8は、前方に傾動すると「直進」位置8sとなって、上記デフロック機構55aが作動して、片側の走行輪1のスリップを防止する構成としており、後方に傾動すると「旋回」位置8tとなって、上記デフロック機構55aが解除されて、旋回をスムーズに行えるようにしている。 【0032】そして、図7に示すように、該クラッチレバー7が上記「断」位置7' であるときは、上記主変速レバー6とクラッチレバー7が側面視で少なくとも一部重複するように配置しているのである。この構成により、クラッチレバーが「断」位置7' であるときは、該クラッチレバー7が邪魔になって主変速レバー6を操作しづらいレイアウトを提供でき、クラッチ13を切った状態で主変速レバー6を操作する誤操作が防止されるように構成している。 【0033】また、該クラッチレバー7が上記「断」位置7' で、上記デフロックレバー8が「直進」位置8sにあるときは、デフロックレバー8とクラッチレバー7が側面視で少なくとも一部重複するように配置している。この構成により、クラッチレバーが「断」位置7' であるときは、該クラッチレバー7が邪魔になってデフロックレバー8を操作しづらいレイアウトを提供でき、クラッチ13を切った状態でデフロックレバー8を操作する誤操作が防止されるように構成しているのである。尚、本実施例では、デフロックレバー8が「直進」位置8sにあるときのみクラッチレバー7と側面視で重複し、「旋回」位置8tにあるときはクラッチレバー7と側面視で重複していないが、「旋回」位置8tにあるときもクラッチレバー7と側面視で重複する構成も可能であり、上記実施例に限定するものではない。 【0034】次に、PTOクラッチの断接操作兼用とした主変速レバー6の構成について説明する。図8は操作部の平面図、図9は操向ハンドルの平面図(操作台を図示せず)、図10は操作部の背面図、図11は操作部の右側面図、図12は同じく要部拡大図、図13はワイヤーケーブルを示す図である。 【0035】図8及び図9に示すように、前記操向ハンドル5には左右方向にパイプ132が横設され、該パイプ132は平面視ループ状の操向ハンドル5を補強するとともに、中央右寄りに前記操作部9の主変速レバー6等を配設する操作台130を載置している。操作台130は図に示すように、パイプ132に固設された2本の支持プレート131・131上に取付けられており、該操作台130には、主変速レバー6、デフロックレバー8等が配置されている。デフロックレバー8は操作台130上において、機体中央側へ配置させており、操向ハンドル5の左右方向で略中央に位置させている。これにより、オペレータは左右どちらの手でもデフロックレバー8の操作が可能であり、また、操向ハンドル5が本実施例の如くループ形状の場合等は、ハンドルの左右側部に位置して操作することがあるが、この場合においてもデフロックレバー8が操作しやすくなっており、作業性を向上させている。 【0036】そして図8及び図10に示すように、主変速レバー6のレバーシャフト6aが操作台130に設けられたレバーガイド孔140を貫通して下方に延設し、下部が右側に屈曲して、その端部にワイヤー支持板141を固設している。レバーガイド孔140は図8で示すように、HST12の回転方向、回転数を制御する変速操作用の主変速用ガイド孔140aと、草刈作業及び耕耘作業用の作業用ガイド孔140bがそれぞれ前後方向に配列されている。そして主変速レバー6は主変速用ガイド孔140a内の中立位置140Nにおいて、HST12の出力を遮断して耕耘機を停止させ、中立位置140Nよりも前方側に傾動させることで前進増速し、中立位置140Nよりも後方側に傾動させた場合には、後進増速するようにしている。そして中立位置140Nと前記作業用ガイド孔140bの後端が連結されてPTOクラッチ切換路140cを形成している。作業用ガイド孔140bは、PTOクラッチ切換路140cの連結部より前方のみに穿設されているので、PTOクラッチ「接」の状態で後進側へ変速されることはなく、また、作業用ガイド孔140bの前後方向の長さを主変速用ガイド孔140aより短く構成し、作業中には高速走行とならないよう適切な作業速度(以下、作業速とする)を確保できるようにしている。 【0037】また、前記ワイヤー支持板141は図10乃至図12に示すように、2枚の円板を接合したもので、その外周端部をそれぞれ外方側に屈曲させることにより、ワイヤー支持板141の外周部に断面略V字状のワイヤ溝141aを形成している。そして、該ワイヤ溝141aにワイヤケーブル144を巻回し、ワイヤ溝141aの後端側の固定点141bにおいてワイヤケーブル144を固定し、ワイヤ支持板141の略上下端141u・141dから前下方に向けて該ワイヤケーブル144を延設している。そして、該ワイヤケーブル144は後述するブラケット142のワイヤ支持部142u・142dにおいて支持され、アウタワイヤ144a・144aに被装されて、さらに延設して前述したHST12のトラニオンレバー12aに連結されHST12の回転数及び回転方向の制御を行うのである。 【0038】また、図8で示すようにワイヤ支持板141が固設される前記レバーシャフト6aの端部は、さらに延設してワイヤ支持板141の右側部に配設されるブラケット142を貫通し、摩擦部材、ボルト等でブラケット142を支持し、ある程度の抵抗を与えながら、ブラケット142に対してレバーシャフト6aが相対回転可能となるように構成している。ブラケット142は前面板142a及び側板142bより構成される平面視略L字状の部材であり、側板142bの後端部がレバーシャフト6aに回転摺動自在に支持されている。一方、図8及び図9で示すように前記パイプ132には、前記支持プレート131・131間に支持ブラケット133を装着している。支持ブラケット133は平面視略U字状の部材であり、その前後のプレート133f・133rが上方に突出しており、その突出した部位においてパイプ132を前後から挟みこむようにして取付けられている。そして、図12等で示すように支持ブラケット133はパイプ132から下方に向けて延設し、その下部において、前後プレート133f・133r間にパイプ134bを支持固定し、該パイプ134b内に回転自在に回動支点ピン134aを挿嵌している。そして、該回動支点ピン134aの後端部に前記ブラケット142の前面板142aを固設しているのである。 【0039】以上の構成により、主変速レバー6、ワイヤ支持板141、ブラケット142が回動支点ピン134aを中心に図10に示す矢視R3方向に一体的に回動可能としている。また、主変速レバー6を前後方向に傾動させることにより、主変速レバー6及びワイヤ支持板141が、該主変速レバー6とワイヤ支持板141の固設部を回動中心として、図11及び図12における矢視R6方向に回動する。これによって、ワイヤケーブル144のトラニオンレバー12aに対する操作が行われ、HST12の回転数及び回転方向の調整を可能としているのである。 【0040】このように、HST12の操作を行うワイヤケーブル144は、インナケーブルであるワイヤケーブル144を支持しているワイヤ支持板141と、アウタワイヤ144aを支持しているブラケット142が、ユニットとして一体構成になっている。これにより、主変速ワイヤであるワイヤケーブル144のPTOクラッチ操作によるねじれを防止し、主変速操作の信頼性を確実なものとしている。また、図13に示すように、本実施例においては1本のワイヤケーブル144に対して2本のアウタワイヤ144a・144aをセットする構成としているので、従来2本必要であったワイヤケーブル144を1本とすることで、部品点数を削減し、低コスト化が図れた。 【0041】また、前記ブラケット142の側板142bには、該側板142bの側面に対して略垂直方向にピン143が突設され、該側板142bの右側部方向に延設している。一方、前記支持ブラケット133の下部に取付けられたパイプ134bの右側部には支持軸135が固設されている。支持軸135は図8で示すように、左端をパイプ134bに固設するとともに、前面側を支持ブラケット133の前プレート133fに固定して右方向に延設し、その右端の外周には回動パイプ150aを遊嵌している。そして該回動パイプ150aの右端には主変速レバーPTOクラッチ連動用の連動プレート150が固設されている。連動プレート150は図11及び図12に示すように、側面視略三角形状のプレートであり、その後部側には、ガイド溝150bが形成されており、該ガイド溝150bには、前記ブラケット142に突設されたピン143を挿嵌している。 【0042】以上の構成により、主変速レバー6を図10における矢視R4方向に回動させて、主変速用ガイド孔140a側からPTOクラッチ切換路140cを経由して、作業用ガイド孔140b側に移動させた場合には、回動支点ピン134aを中心にレバーシャフト6a、ワイヤ支持板141、ブラケット142、ピン143が一体的に矢視R3方向で図の上方側に回動する。これによってピン143が連動プレート150のガイド溝150bに係止された状態で、矢視R3方向で図の上方側に回動し、このピン143の回動運動によって、連動プレート150が支持軸135を回動中心として、図11及び図12における矢視R5方向に回動するのである。そして、連動プレート150の前下部には前述したPTOクラッチ機構の操作用ケーブルである前記ワイヤケーブル106が連結されており、該連動プレート150の回動に伴い、ワイヤケーブル106を後方側(図11及び図12における右方向)に引張ることによってPTOクラッチ「接」の切換が行われるのである。 【0043】このように本実施例においては、HST12の回転数及び回転方向を制御することにより車速の操作を行う主変速レバー6が、PTOクラッチの断接切換用操作レバーとして兼用されている。このため操作が簡単で作業性がよく、また、操作部9のレバー本数を削減することが可能となり、操作部9をコンパクトな構成とすることができ、耕耘機の小型化を可能とした。そして、耕耘機の走行移動中においては、PTOクラッチ「断」の状態を維持し、PTOクラッチ「接」の状態においては、前述した作業速を維持できるので、誤動作の防止と、安定した作業を可能としているのである。また、前述したように、主変速レバー6によるPTOクラッチ「接」側への操作は、必ず主変速レバー6が主変速用ガイド孔140a内の中立位置140Nを経由した場合のみ操作可能とする構成としたので、高速移動中などに誤ってPTOクラッチ「接」の操作が行われる等、誤動作を防止することができ、安定した作業を可能としているのである。 【0044】そして、ワイヤケーブル106は前述したPTOクラッチ機構のばね力によって常時クラッチ「断」側へ付勢されているので、この付勢力によってワイヤケーブル106が前方側(図11及び図12における左方向)に常時付勢されている。これによって、前記連動プレート150は矢視R5方向とは逆方向に回動するため、ブラケット142に突設されたピン143を下方側に回動させ、主変速レバー6を図10における右方向、つまり主変速用ガイド孔140a側に傾動させるのである。このような構成としたことで、オペレータの意図しない操作によって、主変速レバー6がPTOクラッチ「接」の方向へ切り換わることがなく、誤操作を防止することができ、作業性を安定して良好に維持するようにしている。 【0045】また、主変速レバー6が作業用ガイド孔140b内を前後方向に傾動操作される場合には、主変速レバー6は主変速用ガイド孔140の中立位置140Nよりも前方側でのみ傾動することとなるので、作業中に誤って後進側への操作をすることがなく安定した作業が可能となっている。そして、主変速レバー6による主変速用ガイド孔140内における傾動操作と、作業用ガイド孔140b内における傾動操作は、側面視においてレバーのストレート部延長上に回動軸心があるためレバーの左右傾動によるレバーのレバーガイドからの突出長さが変化しないので操作性がよい。 【0046】また、作業用ガイド孔140b内の前後方向中央よりもやや前方で、左側部には、図8で示すように係止ガイド140Sが突設している。この係止ガイド140Sを設けたことによって、PTOクラッチ「接」の状態で高速側へ主変速レバー6を傾動させるためには、オペレータが積極的に係止ガイド140Sを避けて主変速レバー6を前方側へ傾動させる操作を行わなければならないので、前述した低速正回転で行われる耕耘作業中に誤って、車速を高速にすることなく作業性が向上した。このようにして、主変速レバー6を係止ガイド140Sの手前側で操作することにより耕耘作業を行い、係止ガイド140Sよりも前方側で操作することにより草刈作業を行うようにしているのである。 【0047】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。 【0048】即ち、請求項1に示す如く、耕耘機の動力を断接するクラッチと連係され、平面視ループ状の操向ハンドルと一体的に握ることにより「接」位置となるクラッチレバーを操作部に有し、走行操作する操作手段を操作部に有する構成の耕耘機において、該クラッチレバーが「断」位置であるときは、上記操作手段とクラッチレバーが側面視で少なくとも一部重複するように配置したので、クラッチレバーが「断」位置であるときは、該クラッチレバーが邪魔になって操作手段が操作しづらい構成であるので、クラッチレバーから手を離した状態で操作手段を操作してしまう誤操作が防止されるのである。 【0049】請求項2に示す如く、上記操作手段を主変速操作手段としたので、クラッチレバーが「断」位置であるときは、該クラッチレバーが邪魔になって主変速操作手段が操作しづらい構成であるので、クラッチレバーから手を離した状態で主変速操作手段を操作する誤操作が防止されるのである。 【0050】請求項3に示す如く、上記操作手段をデフロック操作手段としたので、クラッチレバーが「断」位置であるときは、該クラッチレバーが邪魔になってデフロック操作手段が操作しづらい構成であるので、クラッチレバーから手を離した状態でデフロック操作手段を操作する誤操作が防止されるのである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月7日(1999.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−342003(P2000−342003A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−159360 |
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