| 【発明の名称】 |
耕耘機の操作レバー |
| 【発明者】 |
【氏名】丹治 光彦
【氏名】中野 将憲
【氏名】早田 裕光
|
| 【要約】 |
【課題】従来の耕耘機においては、HSTを操作する主変速レバーと、作業機への駆動伝達を断接するためのPTOクラッチレバーとを操作部に配置していたため、操作レバーの本数が多く、作業が煩わしかった。また、小型化の進む耕耘機においては、操作部のコンパクト化が必要であった。
【解決手段】HSTの操作を行う主変速レバー12と、PTOクラッチの断接切換を行う操作レバーとを兼用する構成とした。また、PTOクラッチ「接」側への操作は、主変速レバー12の中立位置140Nを経由した場合のみ操作可能とし、PTOクラッチ「接」の状態でHST12の操作を行う作業用ガイド孔140bに、低速側と高速側の傾動を規制する係止ガイド140Sを設けた。また、主変速レバー12を、常時PTOクラッチ「断」側へ付勢する構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジン出力をHSTで変速した後、車軸を駆動して走行するとともに、エンジン出力をPTO軸に入力して作業機を駆動させる構成の耕耘機において、HSTの操作を行う主変速レバーと、PTO軸への駆動伝達を断接切換する操作レバーとを兼用する構成としたことを特徴とする耕耘機の操作レバー。 【請求項2】 前記主変速レバーによるPTOクラッチ「接」側への操作は、主変速レバーの中立位置を経由した場合のみ操作可能とする構成としたことを特徴とする請求項1記載の耕耘機の操作レバー。 【請求項3】 前記主変速レバーは、作業用ガイド孔内を傾動させることにより、PTOクラッチ「接」の状態で前記HSTの操作を可能とし、該作業用ガイド孔の途中部に係止ガイドを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の耕耘機の操作レバー。 【請求項4】 前記主変速レバーは、常時、PTOクラッチ「断」側へ付勢される構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の耕耘機の操作レバー。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耕耘機の操作レバーの構成に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、エンジン回転出力を油圧式無段変速装置において変速した後、さらにギア伝達構造により回転出力を減速し、その後、車軸に動力を伝達するよう構成した耕耘機が公知となっている。また、エンジン回転出力をPTO軸に入力し、該PTO軸から駆動力を作業機側へ伝達して作業機の駆動を行うよう構成していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術においては、エンジン回転出力を変速するため、HSTを操作する主変速レバーを操作部に有しており、また、作業機への駆動伝達を断接するためのPTOクラッチレバーを操作部に有していた。このため、操作レバーの本数が多くて操作が煩わしく、作業性の向上が望まれていた。また、小型化の進む耕耘機においては、できるだけ部品点数を減らす必要があり、操作部のコンパクト化が必要であった。 【0004】 【課題を解決するための手段】以上が本発明の解決する課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。即ち、エンジン出力をHSTで変速した後、車軸を駆動して走行するとともに、エンジン出力をPTO軸に入力して作業機を駆動させる構成の耕耘機において、HSTの操作を行う主変速レバーと、PTO軸への駆動伝達を断接切換する操作レバーとを兼用する構成とした。 【0005】また、前記主変速レバーによるPTOクラッチ「接」側への操作は、主変速レバーの中立位置を経由した場合のみ操作可能とする構成とした。 【0006】また、前記主変速レバーは、作業用ガイド孔内を傾動させることにより、PTOクラッチ「接」の状態で前記HSTの操作を可能とし、該作業用ガイド孔の途中部に係止ガイドを設けた。 【0007】また、前記主変速レバーは、常時、PTOクラッチ「断」側へ付勢される構成とした。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明する。最初に、本発明の一実施例に係る耕耘機の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施例に係る耕耘機の全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図である。 【0009】即ち、図1・図2に示す如く、この耕耘機は、左右一対の走行輪1・1をミッションケース2に車軸3・3を介して装設させ、ミッションケース2後部にハンドル台4下部を固定し、ハンドル台4上部に平面視ループ状の操向ハンドル5を連結させて、ミッションケース2の後方斜上方に操向ハンドル5が位置する構成としている。そして、主変速レバー6、クラッチレバー7、デフロックレバー8や、エンジンの回転数を変更するアクセルレバー10等を操向ハンドル5近傍の操作部9に取り付けている。主変速レバー6は後述するPTOクラッチの断接操作兼用としており、レバーの前後傾動により耕耘機の前後進及び速度の変更操作を行い、左右傾動によりPTOクラッチの断接操作を行うようにしている。 【0010】また、図1に示すように、前記ミッションケース2上面の略水平面2a上にエンジン11を載置固定し、エンジン11の出力を無段変速する静油圧式無段変速装置(以下「HST」)12をミッションケース2後部の左右一側側面に設け、エンジン11の出力軸17とHST12の入力軸18とを、出力プーリ15、入力プーリ16、ベルト14により連結している。エンジン11の上部には燃料タンク34を設けている。 【0011】また、前記ミッションケース2は側面視「L」型に形成して、後側を下方に突出させて上下延設部19とし、ミッションケース2後側の下部に左右の車軸3・3を軸支させ、ミッションケース2後部の上下延設部19内に走行変速機構20を設け、車軸3・3の略直上方に入力軸18を配設させ、入力軸18の略直上方に出力軸17を配設させている。更に、エンジン11の下方にはHST12を配設させ、HST12の下方に車軸3・3を配設させ、エンジン11の駆動力を上方から下方に伝えて走行輪1・1を駆動させる。 【0012】さらに、前記ミッションケース2上部は前方に突出させて前後延設部28とし、その前部にPTO軸21を軸支させ、図2に示すようにミッションケース2前部左右にパイプ部材99・99を突出させ、該パイプ部材99・99を介して伝動ケース22及びサイドフレーム23をミッションケース2前部に固定させ、伝動ケース22及びサイドフレーム23を介して作業機24を設け、ミッションケース2前側に作業機24を装設させており、伝動ケース22とサイドフレーム23にロータリ軸25の両端を回転自在に軸支し、耕耘と草刈に兼用する複数の切削ロータリ刃26・26・・・をロータリ軸25に取り付け、各切削ロータリ刃26・26・・・の上面及び左右をロータリカバー27によって閉塞させ、前記作業機24を構成している。 【0013】また、前記ミッションケース2の前後延設部28にはPTOクラッチや正逆転切替機構や減速機構等からなるPTO変速機構29を設け、前記入力軸18前方にPTO軸21を設けて作業機24のロータリ軸25に連結させ、切削ロータリ刃26・26・・・を走行輪1・1の前進側回転と同一方向(矢視Aの方向。以下「正転方向」)に低速で回転させることによって耕耘作業を行わせる一方、上記と逆方向(以下「逆転方向」)に切削ロータリ刃26・26・・・を高速回転させて草刈作業を行わせる。 【0014】さらに、この耕耘機は、前記作業機24の耕耘作業と同時に畔立作業を行わせる後作業機30を備え(図1)、ミッションケース2後面の後ヒッチ31にヒッチピン32を介して後作業機30を着脱自在に設けるとともに、後作業機30をヒッチピン32回りに回転させて昇降自在としており、後作業機30を下降着地させて畔立作業位置に支持させたり、ハンドル台4後側に後作業機30を持ち上げて非作業位置に支持させる。 【0015】次に、作業機24の構成について、主に図3乃至図5を参照して説明する。図3は耕耘機の前部に取り付けられる作業機の構成を示した側面図、図4は同じく平面図である。図5は作業機におけるロータリ刃の取り付け構成を示した側面図一部断面図である。 【0016】即ち、作業機24左右の適宜位置にて調高アーム39・39及びゲージフレーム35・35を支軸40・40を介して傾動自在に枢支し、ゲージフレーム35・35の先端は前方に突出されてゲージ輪36・36をそれぞれ方向転換自在に取り付け、ゲージフレーム35を介してゲージ輪36が昇降可能となるようにしている。更に、ゲージフレーム35・35にはブラケット81を固定させ、平面視門型の前面カバー45の左右両端部を該ブラケット81に支軸46・46を介して回転自在に取り付けており、ゲージフレーム35の上下傾動操作と連動して前面カバー45の上昇又は下降が行われるようにしている。 【0017】該前面カバー45の左右側面上縁には板状部材82を突出して、該板状部材82にピン83を突設する一方、上記調高アーム39は、その前縁部に上下二つの凹部39a・39bを設けている。この構成により、上記ピン83を上側凹部39aに係止することにより、ゲージフレーム35を上方へ傾動させてゲージ輪36を耕耘作業位置Naへ上昇させた状態で保持固定できるようにしている。一方、ピン83を下側凹部39bに係止することにより、ゲージフレーム35を下方へ傾動させてゲージ輪36を草刈作業位置Nbへ下降させた状態で保持固定できるようにしている。上記ゲージ輪36の高さの変更は、前面カバー45前部に設けた作業高さ変更部材である把持部84をオペレータが握って昇降操作することにより行われる。また、上記ブラケット81にはワイヤー85が連結されて、ミッションケースのPTO変速機構29に配設された、後述の正逆転クラッチ機構115に連係されている。 【0018】また、図3・図4に示すように、前記ロータリ軸25には爪台49を固定させ、爪台49に支軸50を介して切削ロータリ刃26を枢支しており、草刈作業時にはロータリ軸25を逆転方向(矢視Aと逆方向)に高速回転させることにより、切削ロータリ刃26は遠心力によって放射線方向に保持されながら回転するようにしている。また、草刈作業時に切削ロータリ刃26が石等に当たっても、その衝撃は、切削ロータリ刃26の支軸50回りの回転によって吸収されるようにしており、作業機24の破損を防止する構成となっている。一方、前記爪台49には後退ストッパ51が固設されており、ロータリ軸25を矢視A方向に正転させて耕耘作業を行うときは、切削ロータリ刃26が該ストッパ51に当接して、切削ロータリ刃26を後傾姿勢で保持させるようにしており、形成される後退角により耕耘抵抗を低減させるとともに、耕耘力(耕耘深さ)を確保するようにしている。このように、本発明に係る耕耘機のロータリ軸25は、同一の爪台49及び支軸50により、草刈及び耕耘兼用の切削ロータリ刃26を支持する構成としているので、シンプルな構成で他用途の作業に対応可能としているのである。 【0019】次に、エンジン11とミッションケース2間に配されるベルトテンションクラッチ機構について説明する。図12はベルトテンションクラッチ機構を示す背面断面図、図13は同じく左側面図である。エンジン11の出力軸17は、図12に示すようにエンジン11の左側面からエンジン外方に突出し、その端部に出力プーリ15を固設している。また、エンジン11の下部に配されるミッションケース2の左側面からは、HST12の入力軸18がミッションケース外方に突出し、その端部に入力プーリ16及びブレーキ用プーリ120を固設している。そして、該出力プーリ15と入力プーリ16間にベルト14を巻装し、該プーリ15・16・102、ベルト14等をベルトケース121で被装している。 【0020】そして、図12及び図13に示すように、プーリ15・16間のベルト14には、ベルトテンションクラッチ13が配置されている。ベルトテンションクラッチ13はスウィング軸122上に回転自在に取付けられており、該スウィング軸122の一端がミッションケース2側に延設して、その端部に回動アーム123を固設している。一方、ミッションケース2とベルトケース121間に軸支された支点軸124上にはパイプ124aが遊嵌されており、回動アーム123の基部が該パイプ124aに固設されている。また、パイプ124aの外周には、ばね125が巻装されており、該ばね125の一端125aはミッションケース2側に係止されるとともに、他端125bが屈曲して、前記回動アーム123の基部付近に係止されている。 【0021】この構成により、ばね125の付勢力によってパイプ124aと回動アーム123とが一体的に図13における矢視R1方向(図12における紙面の奥側)に回動し、前記ベルトテンションクラッチ13がベルト14から外れてクラッチ「断」の切換を行うのである。また、前記スウィング軸122の他端には、連結アーム126が回動自在に連結され、さらに連結アーム126の先端はブレーキプレート127が回動自在に連結されている。ブレーキプレート127は、前記ブレーキ用プーリ120に嵌合する側面視で略半円上のブレーキパット127aを有し、該ブレーキプレート127の端部が、ベルトケース121内に固定された回動軸128上に回動自在に支持されている。 【0022】以上の構成により、前記ばね125の付勢力によって前記ベルトテンションクラッチ13が図13の矢視R1方向に回動した場合には、これに連動して、ブレーキプレート127が回動軸128を中心に図の矢視R2方向に回動し、ブレーキパット127aがブレーキ用プーリ120に嵌合圧接するのである。このようにして、ベルトテンションクラッチ13のクラッチ「断」切換により入力軸18への回転駆動を遮断しているのである。また、ブレーキパット127aの内径を、ブレーキ用プーリ120の外径よりも小さく構成し、ブレーキパット127aが確実にブレーキ用プーリ120に食い込むよう構成して、動力遮断後の慣性による入力軸18の回転を制動するとともに、耕耘機の静止時におけるブレーキ作用としても作用するため、耕耘機の停止状態を確実に維持可能としているのである。そして、前記回動アーム123の基部には、スプリング129が係止されており、該スプリング129が図示せぬリンク機構を介して上記操作部9のクラッチレバー7に連係され、該クラッチレバー7の操作により、該スプリング129が引かれると、回動アーム123が図12における紙面の手前側に回動し、これによってベルトテンションクラッチ13が図13の矢視R1方向とは逆方向に回動して、ベルト14に当接してベルト14を図13における右方向に押圧し、ベルト14に充分緊張力を与えてクラッチ「接」の切換を行うのである。 【0023】次に、ミッションケース2内の駆動伝達構造について説明する。まず、ミッションケース2の上下延設部19内に配設された、上述の走行変速機構20を説明する。図6はミッションケース内部の伝動系の構成を示した平面断面展開図であり、図7はミッションケース右側面図(一部内部を示す)、図8はミッションケース内部の走行変速機構20を示した平面断面展開図である。 【0024】即ち、図6に示す如く、上記HST12には、その出力軸52の回転方向及び回転速度を変更するためのトラニオンレバー12aが装設され、該トラニオンレバー12aは、ワイヤーやリンク機構等を介して、上記操作部9の主変速レバー6に連係される。そして、図6及び図8に示すように、該HST12の出力軸52にはパイプ状の減速出力軸53が相対回転不能に取り付けられ、該減速出力軸53の外周面にはギア53aが刻設され、出力軸52と同回転で駆動される。また、上記減速出力軸53下方(図6及び図8における上方)には減速中間軸65が配設され、該減速中間軸65にはギア66が固定され、該ギア66は上記減速出力軸53のギア53aに噛合される。上記減速中間軸65にはギア65aが形設され、該ギア65aは、上記減速出力軸53上に遊嵌したパイプ状の減速最終軸70上に固定したギア67に噛合される。こうして、ギア53a、ギア66、ギア65a、ギア67によって減速され、低回転数の駆動力が減速最終軸70に伝えられる。該減速最終軸70にはスプロケット68が一体的に形設されており、該スプロケット68は、左右車軸3・3を差動的に結合するボールデフ機構55に設けられた入力スプロケット69に、走行駆動チェーン54を介して連動連結される。ボールデフ機構55には、操作部に配設された上述のデフロックレバー8に連係される、デフロック機構55aが配設される。 【0025】以上構成により、入力プーリ16を介して入力軸18に入力されたエンジン11の動力は、HST12にて回転速度及び回転方向の制御が行われた後、出力軸52から減速出力軸53→ギア53a→ギア66→減速中間軸65と伝達されて減速された後、ギア65a→ギア67→減速最終軸70と伝達され、スプロケット68から走行駆動チェーン54を経由し、ボールデフ機構55を介して左右車軸3・3を駆動する。 【0026】次に、ミッションケース2の前後延設部28内に配設された、上述のPTO変速機構29を説明する。図9は、ミッションケース内部のPTO変速機構を示した平面断面展開図、図10はPTOクラッチ機構を示す平面断面図である。即ち、図6に示すように、上記入力軸18にはPTO出力スプロケット71が一体的に形設され、該入力軸の前方に設けられた伝動軸72には図9に示すように入力スプロケット73が相対回転自在に遊嵌され、両スプロケット71・73はPTO入力チェーン56を介して連動連結される。そして、上記伝動軸72にはPTOクラッチスライダ74が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該クラッチスライダ74には爪クラッチ74aを設けている。従って、PTOクラッチスライダが図9における右方向(同じく図6における右方向)へ摺動することにより、上記爪クラッチ74aが上記入力スプロケット73に係合し、PTOクラッチが「接」となり、入力スプロケット73の回転が該PTOクラッチスライダ74を介して伝動軸72に伝達される。また、PTOクラッチスライダ74には逆転ギア77が固定される。 【0027】このPTOクラッチスライダ74には、図7及び図10に示すようにPTOクラッチフォーク102が嵌合しており、該クラッチフォーク102の摺動によりPTOクラッチの断接操作が行えるようにしている。該クラッチフォーク102は図10に示すように、ミッションケース内でその一端を軸支されたシャフト100上に固設されており、該シャフト100外周上にはミッションケース2の内壁と該クラッチフォーク102間にばね101を巻装させ、該クラッチフォーク102を図の矢視F1方向に付勢している。また、シャフト100の他端はミッションケース2の外側に突出しており、その端部にピン100aを固設し、該ピン100aにおいてアーム104を回動自在に支持している。アーム104は略U字状のプレートであり(図7に示す)、その一端が回動支点104aにおいてミッションケース2に回動自在に支持され、ピン100aに軸支される部分からミッションケース2の外方側に屈曲し、その他端にはピン104bを固設し、該ピン104bにばね105の一端を係止している。さらに該ばね105の他端にはワイヤケーブル106が連結され、該ワイヤケーブル106がリンク機構を介して後述する操作部の主変速レバー6に連係されている。 【0028】以上の構成において、ばね101の付勢力により図10の矢視F1方向に付勢されるクラッチフォーク102により前記PTOクラッチスライダ74が同じく矢視F2方向に付勢され、PTOクラッチスライダ74が図9における左方向へ摺動することにより、PTOクラッチが「断」の状態となる。そして、前記主変速レバー6の左右傾動によりPTOクラッチ「断」の操作が行われると、ワイヤケーブル106が図10の矢視F3方向に引張られ、前記アーム104が回動し、前記シャフト100及びクラッチフォーク102を一体的に矢視F1(F2)方向とは逆方向に摺動させる。これにより、PTOクラッチスライダ74が図9における右方向へ摺動して、PTOクラッチが「接」の操作が行われるのである。 【0029】次に、作業高さの変更操作と正逆転切換クラッチスライダ78の連動構造について説明する。図11は正逆転クラッチ機構を示す断面図である。図9において伝動軸72には耕耘側出力スプロケット75が一体的に形設され、該スプロケット75は、伝動軸72前方に軸支された上述のPTO軸21に相対回転自在に取り付けられた耕耘側入力スプロケットであるスプロケット76に、低速正転チェーン61を介して連動連結される。そして、PTO軸21には正逆転切替クラッチスライダ78が相対回転不能及び軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、該正逆転切替クラッチスライダ78には、耕耘側入力爪クラッチ78aと草刈側入力ギア78bとを設けている。 【0030】正逆転切換クラッチスライダ78には、図7及び図11に示すように、正逆転クラッチフォーク110が嵌合しており、該正逆転クラッチフォーク110がミッションケース内に摺動自在に支持されたシャフト111に固設されている。シャフト111は、その両端をミッションケース2の外方に突出させ、その一端は、ミッションケース2の外面に固定されたプレート112を貫通して外方に突出し、その先端部外周にはストッパプレート113を固設している。そして、該プレート112とストッパプレート113間においてシャフト111の外周には2本のばね114a・114bを巻装し、該シャフト111を図の矢視F4方向に付勢している。これにより、クラッチフォーク110が摺動移動し、正逆転クラッチスライダ78を図の矢視F5方向に付勢するのである。以上の構成より正逆転クラッチ機構115を構成している。また、シャフト111の他端側(ストッパプレート113が配設される端部とは逆側の端部)は、前述したブラケット81(ゲージフレーム35の上部に固定されている。)に連結されたワイヤー85と図示せぬリンク機構を介して連係されている。 【0031】以上の構成により、上記前面カバー45の把持部84をオペレータが握って持ち上げたときは、ゲージフレーム35が上方へ傾動され、ゲージ輪36が耕耘作業位置Naまで上昇され、ロータリ軸25のゲージ輪36に対する相対高さが低くなって、耕耘作業に適した深さで切削ロータリ刃26を地中に突入可能とするとともに、前面カバー45も上昇退避されて耕耘作業の邪魔にならないようにしている。また、ブラケット81によるワイヤー85の張引が解除され、これに連動して正逆転正クラッチ機構115のシャフト111がばね114a・114bの付勢力により図の矢視F4方向に摺動し、これに伴って逆転クラッチスライダ78が矢視F5方向に摺動され、逆転ギヤ77との接続が解除されて、耕耘側入力爪クラッチ78bと(耕耘側入力)スプロケット76との係合が行われ、この状態で耕耘機を駆動させた場合は上記ロータリ軸25に正転方向(矢視A)の低速回転が伝達されて、耕耘作業が行われるようにしている。 【0032】一方、上記把持部84を握って押下したときは、ゲージフレーム35が下方へ傾動され、ゲージ輪36が草刈作業位置Nbまで下降され、ロータリ軸25のゲージ輪36に対する相対高さが高くなって草刈作業に適した位置となるとともに、前面カバー45が下降してロータリカバー27の前部を遮蔽して、刈り取られた草等が飛散するのを防止するようにしている。また、ブラケット81がワイヤー85を張引するので、連動して正逆転クラッチ機構115のシャフト111がばね114a・114bの付勢力に抗して図11における矢視F4方向とは逆方向に摺動する。これにより正逆転クラッチスライダ78が図の矢視F5方向とは逆方向に摺動し、(耕耘側入力)スプロケット76との係合が解除され、草刈側入力ギア78bと逆転ギア77とが噛合し、この状態で耕耘機が駆動された場合は上記ロータリ軸25に逆転方向の高速回転が伝達されて、草刈作業が行われるようにしているのである。 【0033】以上構成より、入力軸18からPTO出力スプロケット71→PTO入力チェーン56→入力スプロケット73→PTOクラッチスライダ74と伝達された動力は、二手に分岐されて、一方は伝動軸72→(耕耘側出力)スプロケット75→低速正転チェーン61→(耕耘側入力)スプロケット76と減速されながら伝達され、他方は逆転ギア77にて増速及び回転方向の正逆変換を行う。そして、スプロケット76又は逆転ギア77の動力が択一的に正逆転切替クラッチスライダ78に入力されて、PTO軸21に低速正転又は高速逆転の動力を伝達している。 【0034】また、図3に示すように前面カバー45の上部位置には、前面カバー45とゲージフレーム35の上下高さを微調整するための微調整機構116が設けられている。微調整機構116は、調高ハンドル42、螺着子43、前記調高アーム39等より構成されており、前記左右のパイプ部材99・99のうち一側の中途部に固定させる受け台41には、調高ハンドル軸42aが回転自在及び摺動不能に取り付けられ、該調高ハンドル軸42aの前端にはネジ部44が設けられる一方、左右の調高アーム39・39はその上部を連結パイプ80により連結され、該連結パイプ80の中途部に取り付ける螺着子43に上記ネジ部44を螺挿し、調高ハンドル軸42a後端に基端を固設する調高ハンドル42の回転操作によって支軸40回りにゲージフレーム35を揺動させ、ゲージ輪36の高さの細かい調整が行えるようにしている。 【0035】このように構成とすることで、調高ハンドル42の操作により、ゲージ輪36が耕耘作業位置Naにある場合には、位置Na付近での耕耘作業に適したゲージ輪36の最適位置調整が行えるとともに、ゲージ輪36が草刈作業位置Nbにある時には、位置Nbの付近で草刈作業に適したゲージ輪36の最適位置調整を可能としているのである。 【0036】また、図4に示すように、上記PTO軸21は前記パイプ部材99・99のうち一側の内部を挿通して伝動ケース22内に突出されて、該突出部分にはスプロケット90が取り付けられる一方、作業機のロータリ軸25には基軸91を介してスプロケット92が相対回転不能に取り付けられており、伝動チェーン63により両スプロケット90・92が連動連結されて、PTO軸21の回転をロータリ軸25に伝達している。更には、ミッションケース内壁には制動部材58(図6、図9に示す)が設けられており、前記PTOクラッチスライダ74が「断」となったときは、該制動部材58を上記逆転ギア77の側面に圧接させて制動作用を行わせて、特に草刈り作業におけるPTOクラッチ「断」操作直後の、切削ロータリ刃26の慣性力による回転を素早く停止するようにしている。 【0037】次に、図20を用いて上記ミッションケース内の伝達構造について別実施例を説明する。まず、走行変速機構20に副変速機構を配設した実施例について説明する。図に示すように前記減速出力軸53には、低速用ギア53b及び高速用ギア53cが固設されており、出力軸52と同回転で駆動する。また、前記減速中間軸65には、クラッチスライダ62が相対回転不能で摺動自在にスプライン嵌合されており、該クラッチスライダ62は低速用ギア62b及び高速用ギア62cが固設されている。以上の構成より、前述した減速出力軸53→減速中間軸65→減速最終軸70へと至る変速機構に、副変速機構を装備し、低速ギア53b・62bを介して駆動伝達する低速副変速と、高速ギア53c・62cを介して駆動伝達する高速副変速を可能としている。 【0038】次に、PTO変速機構29の別実施例について説明する。図20に示すように、本実施例においては、前記PTOクラッチスライダ74と逆転ギア77は別構成としている。そして、前述した実施例と同様に、PTOクラッチスライダ74が前記入力スプロケット73に係合することにより、エンジン駆動力を伝動軸72に伝達し、伝動軸72上に固設された逆転ギア77、草刈側入力ギア78bを介してPTO軸21に駆動伝達し、草刈作業を行う。また、正逆転クラッチスライダ78が耕耘側に切換えられた場合には、耕耘側出力スプロケット75、低速正転チェーン61、耕耘側入力スプロケット76を介してPTO軸21に駆動伝達し、耕耘作業を行うのである。 【0039】また、該PTO軸21には、ブレーキ板79がスプライン嵌合されており、該ブレーキ板79のディスク部分が、前記PTOクラッチスライダ74のクラッチ「断」側に配置され、ばね等によって矢視F6方向に付勢されている。一方、PTO軸21上には、ストッパ79aが装着され、ブレーキ板79の矢視F6方向への移動の限界を規定し、PTOクラッチ「接」の状態でブレーキ作用が働かないように構成している。以上の構成により、該PTOクラッチスライダ74が切断された後には、該ブレーキ板79のディスクがPTOクラッチスライダ74に当接し、伝動軸72の慣性力による回転を素早く停止させるようにしている。 【0040】また、上述した走行変速機構20の副変速機構のクラッチスライダ62と、PTO変速機構29のPTOクラッチスライダ74の切換動作を連係させる構成とすることが可能である。つまり、図21の模式図で示すように、該クラッチスライダ62のフォーク軸62hと、PTOクラッチスライダ74のフォーク軸74hとをリンク板160で連結するのである。これにより、PTOクラッチ「接」となるフォーク軸74hの状態(図の位置74C)では、フォーク軸62hが図の62Cの状態となり副変速機構が低速(つまり、前記低速ギア53b・62bが噛合する)となるよう構成し、PTOクラッチ「断」となるフォーク軸74hの状態(図の位置74S)では、フォーク軸62hが図の62Sの状態となり副変速機構が高速(つまり、前記高速ギア53c・62cが噛合する)となるよう構成するのである。このような構成とすることで、1本の操作レバーにより、副変速が低速で作業時の時のみPTOクラッチを「接」に切換え、移動時の場合にはPTOクラッチが「断」への切換となる操作が可能となり、作業性が向上するのである。 【0041】次に本発明に係るPTOクラッチの断接操作兼用とした主変速レバー6の構成について説明する。図14は操作部の平面図、図15は操向ハンドルの平面図(操作台を図示せず)、図16は操作部の背面図、図17は操作部の右側面図、図18は同じく要部拡大図、図19はワイヤーケーブルを示す図である。 【0042】図14及び図15に示すように、前記操向ハンドル5には左右方向にパイプ132が横設され、該パイプ132は平面視ループ状の操向ハンドル5を補強するとともに、中央右寄りに前記操作部9の主変速レバー6等を配設する操作台130を載置している。操作台130は図に示すように、パイプ132に固設された2本の支持プレート131・131上に取付けられており、該操作台130には、主変速レバー6、デフロックレバー8等が配置されている。デフロックレバー8は操作台130上において、機体中央側へ配置させることにより、操向ハンドル5の左右方向で略中央に位置することとなる。これにより、オペレータが左右どちらの手でも操作が可能であり、また、操向ハンドル5が本実施例の如くループ形状の場合等は、ハンドルの左右側部に位置して操作することがあるが、この場合にもデフロックレバー8が操作しやすく、作業性が向上した。 【0043】そして図14及び図16に示すように、主変速レバー6のレバーシャフト6aが操作台130に設けられたレバーガイド孔140を貫通して下方に延設し、下部が右側に屈曲して、その端部にワイヤー支持板141を固設している。レバーガイド孔140は図14で示すように、HST12の回転方向、回転数を制御する変速操作用の主変速用ガイド孔140aと、草刈作業及び耕耘作業用の作業用ガイド孔140bがそれぞれ前後方向に配列されている。そして主変速レバー6は主変速用ガイド孔140a内の中立位置140Nにおいて、HST12の出力を遮断して耕耘機を停止させ、中立位置140Nよりも前方側に傾動させることで前進増速し、中立位置140Nよりも後方側に傾動させた場合には、後進増速するようにしている。そして中立位置140Nと前記作業用ガイド孔140bの後端が連結されてPTOクラッチ切換路140cを形成している。作業用ガイド孔140bは、PTOクラッチ切換路140cの連結部より前方のみに穿設されているので、PTOクラッチ「接」の状態で後進側へ変速されることはなく、また、作業用ガイド孔140bの前後方向の長さを主変速用ガイド孔140aより短く構成し、作業中には高速走行とならないよう適切な作業速度(以下、作業速とする)を確保できるようにしている。 【0044】また、前記ワイヤー支持板141は図16乃至図18に示すように、2枚の円板を接合したもので、その外周端部をそれぞれ外方側に屈曲させることにより、ワイヤー支持板141の外周部に断面略V字状のワイヤ溝141aを形成している。そして、該ワイヤ溝141aにワイヤケーブル144を巻回し、ワイヤ溝141aの後端側の固定点141bにおいてワイヤケーブル144を固定し、ワイヤ支持板141の略上下端141u・141dから前下方に向けて該ワイヤケーブル144を延設している。そして、該ワイヤケーブル144は後述するブラケット142のワイヤ支持部142u・142dにおいて支持され、アウタワイヤ144a・144aに被装されて、さらに延設して前述したHST12のトラニオンレバー12aに連結されHST12の回転数及び回転方向の制御を行うのである。 【0045】また、図14で示すようにワイヤ支持板141が固設される前記レバーシャフト6aの端部は、さらに延設してワイヤ支持板141の右側部に配設されるブラケット142を貫通し、摩擦部材、ボルト等でブラケット142を支持し、ある程度の抵抗を与えながら、ブラケット142に対してレバーシャフト6aが相対回転可能となるように構成している。ブラケット142は前面板142a及び側板142bより構成される平面視略L字状の部材であり、側板142bの後端部がレバーシャフト6aに回転摺動自在に支持されている。一方、図14及び図15で示すように前記パイプ132には、前記支持プレート131・131間に支持ブラケット133を装着している。支持ブラケット133は平面視略U字状の部材であり、その前後のプレート133f・133rが上方に突出しており、その突出した部位においてパイプ132を前後から挟みこむようにして取付けられている。そして、図18等で示すように支持ブラケット133はパイプ132から下方に向けて延設し、その下部において、前後プレート133f・133r間にパイプ134bを支持固定し、該パイプ134b内に回転自在に回動支点ピン134aを挿嵌している。そして、該回動支点ピン134aの後端部に前記ブラケット142の前面板142aを固設しているのである。 【0046】以上の構成により、主変速レバー6、ワイヤ支持板141、ブラケット142が回動支点ピン134aを中心に図16に示す矢視R3方向に一体的に回動可能としている。また、主変速レバー6を前後方向に傾動させることにより、主変速レバー6及びワイヤ支持板141が、該主変速レバー6とワイヤ支持板141の固設部を回動中心として、図17及び図18における矢視R6方向に回動する。これによって、ワイヤケーブル144のトラニオンレバー12aに対する操作が行われ、HST12の回転数及び回転方向の調整を可能としているのである。 【0047】このように、HST12の操作を行うワイヤケーブル144は、インナケーブルであるワイヤケーブル144を支持しているワイヤ支持板141と、アウタワイヤ144aを支持しているブラケット142が、ユニットとして一体構成になっている。これにより、主変速ワイヤであるワイヤケーブル144のPTOクラッチ操作によるねじれを防止し、主変速操作の信頼性を確実なものとしている。また、図19に示すように、本実施例においては1本のワイヤケーブル144に対して2本のアウタワイヤ144a・144aをセットする構成としているので、従来2本必要であったワイヤケーブル144を1本とすることで、部品点数を削減し、低コスト化が図れた。 【0048】また、前記ブラケット142の側板142bには、該側板142bの側面に対して略垂直方向にピン143が突設され、該側板142bの右側部方向に延設している。一方、前記支持ブラケット133の下部に取付けられたパイプ134bの右側部には支持軸135が固設されている。支持軸135は図14で示すように、左端をパイプ134bに固設するとともに、前面側を支持ブラケット133の前プレート133fに固定して右方向に延設し、その右端の外周には回動パイプ150aを遊嵌している。そして該回動パイプ150aの右端には主変速レバーPTOクラッチ連動用の連動プレート150が固設されている。連動プレート150は図17及び図18に示すように、側面視略三角形状のプレートであり、その後部側には、ガイド溝150bが形成されており、該ガイド溝150bには、前記ブラケット142に突設されたピン143を挿嵌している。 【0049】以上の構成により、主変速レバー6を図16における矢視R4方向に回動させて、主変速用ガイド孔140a側からPTOクラッチ切換路140cを経由して、作業用ガイド孔140b側に移動させた場合には、回動支点ピン134aを中心にレバーシャフト6a、ワイヤ支持板141、ブラケット142、ピン143が一体的に矢視R3方向で図の上方側に回動する。これによってピン143が連動プレート150のガイド溝150bに係止された状態で、矢視R3方向で図の上方側に回動し、このピン143の回動運動によって、連動プレート150が支持軸135を回動中心として、図17及び図18における矢視R5方向に回動するのである。そして、連動プレート150の前下部には前述したPTOクラッチ機構の操作用ケーブルである前記ワイヤケーブル106が連結されており、該連動プレート150の回動に伴い、ワイヤケーブル106を後方側(図17及び図18における右方向)に引張ることによってPTOクラッチ「接」の切換が行われるのである。 【0050】このように本発明においては、HST12の回転数及び回転方向を制御することにより車速の操作を行う主変速レバー6が、PTOクラッチの断接切換用操作レバーとして兼用されている。このため操作が簡単で作業性がよく、また、操作部9のレバー本数を削減することが可能となり、操作部9をコンパクトな構成とすることができ、耕耘機の小型化を可能とした。そして、耕耘機の走行移動中においては、PTOクラッチ「断」の状態を維持し、PTOクラッチ「接」の状態においては、前述した作業速を維持できるので、誤動作の防止と、安定した作業を可能とした。また、前述したように、主変速レバー6によるPTOクラッチ「接」側への操作は、必ず主変速レバー6が主変速用ガイド孔140a内の中立位置140Nを経由した場合のみ操作可能とする構成としたので、高速移動中などに誤ってPTOクラッチ「接」の操作が行われる等、誤動作を防止することができ、安定した作業が可能となった。 【0051】そして、ワイヤケーブル106は前述したPTOクラッチ機構のばね力によって常時クラッチ「断」側へ付勢されているので、この付勢力によってワイヤケーブル106が前方側(図17及び図18における左方向)に常時付勢されている。これによって、前記連動プレート150は矢視R5方向とは逆方向に回動するため、ブラケット142に突設されたピン143を下方側に回動させ、主変速レバー6を図16における右方向、つまり主変速用ガイド孔140a側に傾動させるのである。このような構成としたことで、オペレータの意図しない操作によって、主変速レバー6がPTOクラッチ「接」の方向へ切り換わることがなく、誤操作を防止することができ、作業性が安定した。 【0052】また、主変速レバー6が作業用ガイド孔140b内を前後方向に傾動操作される場合には、主変速レバー6は主変速用ガイド孔140の中立位置140Nよりも前方側でのみ傾動することとなるので、作業中に誤って後進側への操作をすることがなく安定した作業が可能となっている。そして、主変速レバー6による主変速用ガイド孔140内における傾動操作と、作業用ガイド孔140b内における傾動操作は、背面視においてレバーのストレート部延長上に回動軸心があるためレバーの左右傾動によるレバーのレバーガイドからの突出長さが変化しないので操作性がよい。 【0053】また、作業用ガイド孔140b内の前後方向中央よりもやや前方で、左側部には、図14で示すように係止ガイド140Sが突設している。この係止ガイド140Sを設けたことによって、PTOクラッチ「接」の状態で高速側へ主変速レバー6を傾動させるためには、オペレータが積極的に係止ガイド140Sを避けて主変速レバー6を前方側へ傾動させる操作を行わなければならないので、前述した低速正回転で行われる耕耘作業中に誤って、車速を高速にすることなく作業性が向上した。このようにして、主変速レバー6を係止ガイド140Sの手前側で操作することにより耕耘作業を行い、係止ガイド140Sよりも前方側で操作することにより草刈作業を行うようにしているのである。 【0054】 【発明の効果】本発明の耕耘機の駆動伝達構造は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏するものである。即ち、エンジン出力をHSTで変速した後、車軸を駆動して走行するとともに、エンジン出力をPTO軸に入力して作業機を駆動させる構成の耕耘機において、HSTの操作を行う主変速レバーと、PTO軸への駆動伝達を断接切換する操作レバーとを兼用する構成としたので、操作が簡単で作業性がよく、また、操作部のレバー本数を削減することが可能となり、操作部をコンパクトな構成とすることが可能となった。 【0055】また、前記主変速レバーによるPTOクラッチ「接」側への操作は、主変速レバーの中立位置を経由した場合のみ操作可能とする構成としたので、高速移動中などに誤ってPTOクラッチ「接」の操作が行われる等、誤動作を防止することができ、安定した作業が可能となった。 【0056】また、前記主変速レバーは、作業用ガイド孔内を傾動させることにより、PTOクラッチ「接」の状態で前記HSTの操作を可能とし、該作業用ガイド孔の途中部に係止ガイドを設けたので、低速正回転で行われる耕耘作業中に誤って、車速を高速にすることを防止する等、作業状態に合わせた速度規制を行うことが可能となった。 【0057】また、前記主変速レバーは、常時、PTOクラッチ「断」側へ付勢される構成としたので、オペレータの意図しない操作によって、主変速レバーがPTOクラッチ「接」の方向へ切り換わることがなく、誤操作を防止することができ、作業性が安定した。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年6月7日(1999.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2000−342002(P2000−342002A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−159358 |
|