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【発明の名称】 除草用具
【発明者】 【氏名】五十木 義隆

【要約】 【課題】広範囲に亘る除草作業も簡単に、かつ軽労力で行うことができる携帯用の除草用具を提供する。

【解決手段】枢支ピン1を介してX字状に連結されたプライヤ形の除草用具であって、一対の握り部2の開閉操作に応じて枢支ピン1を支点に開閉する一対のクチバシ状の雑草くわえ部3と、この雑草くわえ部3の閉状態で雑草を保持可能な保持空間4を形成する一対の雑草保持部5とが連続して設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 枢支ピンを介してX字状に連結されたプライヤ形の除草用具であって、一対の握り部の開閉操作に応じて枢支ピンを支点に開閉する一対のクチバシ状の雑草くわえ部と、この雑草くわえ部の閉状態で雑草を保持可能な保持空間を形成する一対の雑草保持部とが連続して設けられていることを特徴とする除草用具。
【請求項2】 請求項1に記載の除草用具であって、雑草くわえ部が雑草保持部に対して100〜160度の角度で屈曲していることを特徴とする除草用具。
【請求項3】 請求項1または2に記載の除草用具であって、一対の雑草くわえ部は、その閉状態で先端部を除く部分にクサビ状の間隙を形成することを特徴とする除草用具。
【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の除草用具であって、一対の雑草くわえ部の相互に対向する内面には、滑止めパターンが形成されていることを特徴とする除草用具。
【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の除草用具であって、一対の握り部が開方向へバネ付勢されていることを特徴とする除草用具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の雑草を根元から引抜く除草作業に好適な携帯用の除草用具に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用の除草用具としては、図7に示すような先曲りピンセットAが従来一般に知られている。この先曲りピンセットAは、盆栽や鉢植に生えた雑草を1本づつ引抜く作業に好適な除草用具であり、左右一対の胴部Bの先端部には、雑草の根元を挟む左右一対の摘み部Cが斜めに屈曲して形成され、また、胴部Bの基端部にはコテDが突設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した先曲りピンセットAは、弾力のある胴部Bを指先で閉じることにより、先端の摘み部Cが閉じる二股状の構造であるため、摘み部Cで雑草の根元を強く挟むには、指先に大きな力を込めて胴部Bを閉じる必要がある。従って、先曲りピンセットAを使用して多数の雑草を引抜く場合には、指先に多大な負担が掛かり、疲労が激しいという問題がある。
【0004】加えて、先曲りピンセットAを使用した除草作業においては、雑草を1本引抜く度にピンセットAを、雑草を保持したままで、所定の場所に移動し、引抜いた雑草を廃棄する必要がある。このように、ピンセットAのような従来の除草用具では、除草作業を連続的に行うことができず、路地や庭などの広範囲に亘る除草作業には多大な手間が掛かるという問題もある。
【0005】そこで、本発明は、広範囲に亘る除草作業であっても簡単に、かつ軽労力で行うことができる携帯用の除草用具を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する手段として、本発明に係る除草用具は、枢支ピンを介してX字状に連結されたプライヤ形の除草用具であって、一対の握り部の開閉操作に応じて枢支ピンを支点に開閉する一対のクチバシ状の雑草くわえ部と、この雑草くわえ部の閉状態で雑草を保持可能な保持空間を形成する一対の雑草保持部とが連続して設けられていることを特徴とする。
【0007】本発明の除草用具においては、一対の握り部を手で握って閉じることにより、一対のクチバシ状の雑草くわえ部が雑草の根元を強固に挟持する。この状態で雑草くわえ部を引上げれば、雑草が根元から引抜かれる。引抜かれた雑草は、次のようにして、雑草くわえ部から保持空間内に移送される。すなわち、既に引き抜いた雑草を雑草くわえ部に保持したままで、次の雑草を引抜くために一対の握り部を緩めて一対の雑草くわえ部の間に隙間を設け、この隙間に新たな雑草の根元を挟持する。この動作で、既に引抜かれた雑草は、新たな雑草により押されて、雑草くわえ部の間を少しずつ移動し、遂には一対の雑草保持部間の保持空間内まで移送されて該空間内に保持される。また、場合によっては、引抜かれた雑草は、一対の握り部を緩めて一対の雑草くわえ部の間に隙間を設け、この状態で雑草くわえ部を前進させるだけで(すなわち、上記のように新たな雑草を挟持することなしに)、一対の雑草保持部間の保持空間内に移送されて保持されることもある。
【0008】本発明の除草用具において、雑草くわえ部が雑草保持部に対して100〜160度の角度で屈曲していると、石の間などの狭い場所に生えている雑草であっても、一対の握り部を横に寝かせた楽な態勢で一対の雑草くわえ部により雑草の根元を確実に挟持することができるばかりか、雑草の根元の土を掘り返す作業もこの雑草くわえ部で容易に行うことができるので好ましい。
【0009】また、一対の雑草くわえ部が、その閉状態で先端部を除く部分にクサビ状の隙間を形成する場合には、一対の雑草くわえ部が挟持して引抜いた雑草を一対の雑草保持部間の保持空間へ円滑に移動させて保持することができるので好ましい。
【0010】さらに、一対の雑草くわえ部の相互に対向する内面に滑止めパターンが形成されていると、雑草の根元を確実に挟持して引抜くことができるので好ましい。加えて、一対の雑草保持部の相互に対向する内面にも、滑止めパターンが形成されていると、雑草を確実に保持することができるので好ましい。
【0011】また、一対の握り部が開方向へバネ付勢されていると、握り部の開閉操作の労力が半減するので好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係る除草用具の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る除草用具の全体構造を示す斜視図、図2は一実施形態に係る除草用具の構造を示す平面図、図3は一実施形態に係る除草用具の構造を示す側面図である。
【0013】一実施形態の除草用具は、図1に示すように、枢支ピン1を介してX字状に連結されたプライヤ形の除草用具である。この除草用具には、一対の握り部2の開閉操作に応じて枢支ピン1を支点に開閉する一対のクチバシ状の雑草くわえ部3と、この雑草くわえ部3の閉状態で雑草を保持可能な保持空間4を形成する一対の雑草保持部5とが連続して設けられている。
【0014】前記除草用具の本体は、耐久性および耐摩耗性のある材料、例えば、鉄系、その他各種の合金、合成樹脂、セラミックなどにより構成されている。一対の握り部2は、合成ゴム、合成樹脂などの弾力性のある材料により被覆されている。
【0015】図1および図2に示すように、前記一対の握り部2は、手で握り易いように、相互に内側へ湾曲した形状を呈しており、その長さは70〜120mm、被覆を含めた太さは、側面視における上下方向の厚さで7〜15mm程度に設定されている。また、開閉操作の労力を半減させるため、一対の握り部2は、枢支ピン1側の基端部間に介設されたコイルスプリング6によって常時開方向へ付勢されている。この握り部2の最大幅は、開状態で60〜100mm前後、閉状態で30〜60mm前後の手に馴染み易い幅に設定されている。
【0016】一方、一対の雑草くわえ部3は、前記握り部2を横に寝かせた楽な態勢で雑草の根元を挟持できるようにするため、図3に示す側面視において、握り部2に連続して直線状に延びる雑草保持部5に対し、100〜160度、例えば140度の角度θを形成して屈曲している。この雑草くわえ部3は、長さが20〜40mm程度、側面視における上下方向の厚みが最小部分(一般に先端部)で2mm程度であり、その内面は相互に対向する平行面として形成され、その外面は半円状の円弧面に形成されている。
【0017】一対の雑草くわえ部3の相互に対向する内面には、雑草の根元を確実に挟持できるようにするために、滑止めパターン7が形成されている。この滑止めパターン7は、例えば図4(a)に示すように、雑草くわえ部3の長手方向に直交する筋目状の山形断面の凹凸パターンとして形成される。
【0018】なお、前記滑止めパターン7は、図4(b)に示すように、雑草くわえ部3の長手方向に斜交する筋目状の山形断面の凹凸パターンとして形成してもよい。また、図4(c)に示すような格子状の凹凸パターンや、図4(d)に示すようなドット状の凹凸パターンとして形成してもよい。いずれの凹凸パターンにおいても、土の付着による目詰りを防止するためには、粗目の凹凸パターンとするのが好ましい。
【0019】前記一対の雑草くわえ部3は、その閉状態で先端部のみが当接し、先端部を除く部分にクサビ状の間隙を形成している。このクサビ状の間隙は、引抜いた雑草を一対の雑草保持部5間の保持空間4内に円滑に移送させるためのものであり、その最大幅は0.3〜1.5mm程度に設定される。
【0020】また、前記の一対の雑草保持部5は、長さが40〜100mm程度であり、側面視における上下方向の厚みは、枢支ピン1側から雑草くわえ部3側へ向って5〜2mmに漸次減少している。この一対の雑草保持部5は、前記保持空間4を形成するようにそれぞれ左右対称に湾曲した形状を呈し、形成される保持空間4の最大幅は、小石などが挟らないように、8〜50mm程度、図示の例では13mm程度に設定されている。
【0021】以上のように構成された一実施形態の除草用具は、図5に示すように、雑草の根元を挟んで引抜く除草作業に使用される。この除草作業に当っては、まず、一対のクチバシ状の雑草くわえ部3を開いて雑草の根元の両側に差込み、一対の握り部2を閉じて一対の雑草くわえ部3間に雑草の根元を挟持する。この状態で雑草くわえ部3を引上げれば、雑草が自ずと引抜かれる。
【0022】この除草作業においては、雑草くわえ部3が雑草保持部5に対して、例えば140度の角度で屈曲しているため、一対の握り部2を、図5に示すように、横に寝かせた楽な態勢のままで、雑草くわえ部3により雑草の根元を挟持することができる。この一対の雑草くわえ部3の相互に対向する内面には、図4(a)に示すような滑止めパターン7が形成されているため、雑草の根元を確実に挟持して引抜くことができる。
【0023】また、除草作業の労力についてみると、一対の握り部2を手で握って閉じるため、指先に全く負担が掛からず、軽労力で除草作業を進めることができる。しかも、一対の握り部2は、コイルスプリング6によって常時開方向へ付勢されているため、開閉操作の労力は閉方向のみであり、その労力は半減される。
【0024】本発明の除草用具においては、前述のように雑草を引抜いた後、同様の操作で次々と連続して雑草を引抜くことにより、既に引抜かれた複数の雑草が、新たに引抜かれた雑草に次々に押されて、一対の雑草保持部5間の保持空間4内に順次移送されて保持される。従って、多数の雑草の除草作業を連続的に行うことができ、広範囲に亘る除草作業も簡単に、かつ、軽労力で行うことができる。
【0025】なお、本発明の除草用具は、以上の実施形態に限定されることなく、例えば、図6に示すように、一対の雑草保持部5に対して一対の雑草くわえ部3が、屈曲することなく、ストレートに連続する形態であってもよい。また、一対の雑草くわえ部3の対向する内面は、滑止めパターンの無い平面状に形成されていてもよい。さらに、一対の握り部2を開方向に付勢するバネは、相互に交差して係合する一対の板バネ8で構成してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る除草用具によれば、一対の握り部を手で握って閉じることにより、一対のクチバシ状の雑草くわえ部が雑草の根元を強固に挟持するため、指先に全く負担が掛からず、軽労力で雑草を根元から引抜くことができる。また、雑草を引抜いた後、同様の操作で次々と連続して雑草を引抜くことにより、既に引抜かれた複数の雑草が、新たに引抜かれた雑草に次々に押されて、一対の雑草保持部間の保持空間内に順次移送されて保持されるため、多数の雑草の除草作業を連続的に行うことができる。すなわち、本発明の除草用具によれば、広範囲に亘る除草作業も簡単に、かつ軽労力で行うことができる。
【0027】また、本発明の除草用具において、雑草くわえ部が雑草保持部に対して100〜160度の角度で屈曲している場合には、一対の握り部を横に寝かせた楽な態勢で一対の雑草くわえ部により雑草の根元を確実に挟持することができる。
【0028】さらに、一対の雑草くわえ部が、その閉状態で先端部を除く部分にクサビ状の間隙を形成する場合には、一対の雑草くわえ部が挟持して引抜いた雑草を一対の雑草保持部間の保持空間内へ円滑に移動させて保持することができる。
【0029】しかも、一対の雑草くわえ部の相互に対向する内面に滑止めパターンが形成されている場合には、雑草の根元を確実に挟持して引抜くことができる。また、一対の握り部が開方向へバネ付勢されている場合には、握り部の開閉操作の労力を半減することができる。
【出願人】 【識別番号】599066687
【氏名又は名称】五十木 義隆
【出願日】 平成11年5月14日(1999.5.14)
【代理人】 【識別番号】100095485
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 千賀志 (外1名)
【公開番号】 特開2000−316301(P2000−316301A)
【公開日】 平成12年11月21日(2000.11.21)
【出願番号】 特願平11−134766