| 【発明の名称】 |
対地作業機付トラクタ |
| 【発明者】 |
【氏名】上路 仁志
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| 【要約】 |
【課題】従来の三点リンク機構では、作業機全体の左右傾斜姿勢を変更する構成であるので、緩やかな傾斜変化に対しては所定の姿勢を良好に保持するものであるが、地表の急激な傾斜変化に対しては、リンク機構のガタや、作業機の重量に起因する作動応答遅れが生じ作業面に対して追従性が悪いという課題があった。
【解決手段】ロータリカバー3の後端にリヤカバー5をローリング自在に連結し、ロータリカバー3とリヤカバー5との間に、前記左右中央位置よりちらか一方に変位させた電動シリンダ6を設ける。また、車体の傾斜角や左右角速度に応じて作業状態を判定し、これに応じてローリング用油圧シリンダ、または電動シリンダを選択、または同時に作動する制御構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右横軸1周りに回転するロータリ爪2の上方に第一カバー3を設け、この第一カバー3の後部に、同カバー3に対して左右ローリング自在に連結する第二カバー5を設けると共に、この第一カバー3と第二カバー5との間には、前記左右中央位置よりちらか一方に変位させた伸縮自在の作業機側アクチュエータ6を設けたことを特徴とする対地作業機付トラクタ。 【請求項2】 請求項1に記載の対地作業機をリンク機構8を介して連結すると共に、このリンク機構8には前記対地作業機全体の左右ローリング姿勢を変更するリンク側アクチュエータ7を備えるトラクタであって、このトラクタには、作業状態に応じて前記作業機側アクチュエータ6、及びリンク側アクチュエータ7を選択、または同時に作動する制御手段10を備えた対地作業機付トラクタ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ロータリ作業機や代掻きハローのような対地作業機の構成、及びこの作業機を連結したトラクタのローリング制御装置の構成に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ロータリ、または代掻き用の対地作業機は、トラクタに対しトップリンクと左右ロアリンクとからなる所謂三点リンク機構を介して連結され、この三点リンク機構の左右どちらか一方のリンク構成部材を伸縮自在のアクチュエータにて構成することで、作業機全体の左右傾斜姿勢を変更する構成となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記リンク機構に伸縮自在のアクチュエータを備えないような廉価型のリンク機構の場合では、地表の左右傾斜に対して作業機をコントロールすることができず、整地性が悪いという課題があった。また、前記従来の技術のような三点リンクであっても、作業機全体の左右傾斜姿勢を変更する構成であるので、例えば緩やかな傾斜変化に対しては所定の姿勢を良好に保持するものであるが、地表の急激な傾斜変化に対しては、リンク機構のガタや、作業機の重量に起因する作動応答遅れが生じ作業面に対して追従性が悪いという課題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を鑑みて、対地作業機を以下のように構成した。即ち、請求項1の発明では、左右横軸1周りに回転するロータリ爪2の上方に第一カバー3を設け、この第一カバー3の後部に、同カバー3に対して左右ローリング自在に連結する第二カバー5を設けると共に、この第一カバー3と第二カバー5との間には、前記左右中央位置よりちらか一方に変位させた伸縮自在の作業機側アクチュエータ6を設けたことを特徴とする対地作業機付トラクタとした。 【0005】また、請求項2の発明では、請求項1に記載の対地作業機をリンク機構8を介して連結すると共に、このリンク機構8には前記対地作業機全体の左右ローリング姿勢を変更するリンク側アクチュエータ7を備えるトラクタであって、このトラクタには、作業状態に応じて前記作業機側アクチュエータ6、及びリンク側アクチュエータ7を選択、または同時に作動する制御手段10を備えた対地作業機付トラクタとした。 【0006】 【発明の効果】以上のように構成した請求項1に記載の対地作業機付トラクタは、作業機側アクチュエータ6により第二カバー5を第一カバーに対して左右ローリング自在に連結する構成としたので、トラクタ側の装備、詳しくはリンク機構の装備に関わらず作業機側で独自に第二カバー5の角度を変更し、作業面を均平にすることができる。よって、前述のような廉価型のリンク機構に連結した場合でも整地性を損なうことが無い。 【0007】また、請求項2のように、作業機全体の左右傾斜姿勢を変更可能なリンク機構8に連結する場合には、例えば傾斜変化の緩急や作業速、またはオペレータの指定による作業状態に応じて、リンク側アクチュエータ7、または作業機側アクチュエータ6を選択、または同時に作動する制御手段10を設けたので、作業条件に合った整地作業を行うことができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。最初にトラクタTの全体構成に付いて説明する。トラクタTは、図1に示すように、ボンネット11内部にエンジン12を備え、このエンジン12の回転動力をメインクラッチや各種変速装置を介して後輪13、または前後輪14,13へ伝達して走行する構成となっている。 【0009】操縦席15の前方には前記前輪14を操舵するステアリングハンドル16を突出して設け、また同ハンドル16の下方に、アクセルペダルや左右ブレーキペダル17L(17R)を設けている。また、操縦席15側方には、前記変速装置を切り替える変速レバー18、及び車体後部の後述する作業機Rの高さを変更する作業機昇降用レバー19等を設け、この作業機昇降用レバー19の回動基部には操作位置を検出するポテンショメータ20を設けている。また更に前記レバー19のガイド近傍には後述する作業機ローリング姿勢のモードを指定する手段であるローリング制御モード切替スイッチ21等を設けている。前記ローリング制御モード切替スイッチ21は、作業機をトラクタの車体と平行状態に保つ「平行モード」と、水平状態に保つ「水平モード」と、これら制御を行わなわずアクチュエータへ連通する圧油をロックする「切」の位置を選択する構成となっている。 【0010】そして、前記検出器20や設定器21は、操縦席15下方に着脱自在に設けた内部に電解液を充填した左右傾斜センサ22、及びジャイロ式の角速度センサ23と共に、制御手段であるコントローラ10に接続する構成となっている。トラクタTの車体後部には、作業機昇降用アクチュエータである油圧シリンダ30を内装するシリンダケース31を備え、前記シリンダ30のピストン伸縮によりケース左右に支持するリフトアーム32L,32Rを上下回動する構成となっている。また、車体後部には、トップリンク33と左右のロワーリンク34L,34Rとからなる三点リンク機構8を設け、同リンク機構8に作業機Rを連結する構成となっている。 【0011】前記三点リンク機構8は、左右片側(図中右側)のロアリンク34Rとリフトアーム32Rとを作業機全体の左右傾斜姿勢を変更するアクチュエータであるリンク側ローリング用油圧シリンダ7を介して連結した構成となっている。尚、符号35はリンク側ローリング用油圧シリンダ7のピストン伸縮量を検出するストロークセンサを示す。 【0012】また、前記リフトアーム32Rの片側には、この回動基部にリフトアーム角センサ36を設けている。これにより、前記コントローラ10は、作業機昇降用レバー19の検出角度とリフトアーム32R(32L)の設定角度とを一致するよう油圧回路の作業機上昇用、若しくは下降用制御弁のソレノイド37A,37Bへ通電する構成となっている。 【0013】次に、対地作業機の一例としてロータリ作業機Rについて、図2、図3及び図4を加えて説明する。ロータリ作業機Rは、トラクタTの後部に突出するPTO軸24の回転動力をユニバーサルジョイントを介してメインビーム41内の動力伝達機構へ伝達し、減速機構等を介して耕耘軸1へ伝達し、同軸1に設けたロータリ爪2を回転する構成となっている。これにより圃場を耕起、撹拌することができる。そしてロータリ爪2の上方にはサイドカバー40に固定された第一カバーであるロータリカバー3を設け、このロータリカバー3の左右中央位置には前後方へ突設するリヤカバー回動軸4を設けている。 【0014】また、ロータリカバー3後部に取り付ける第二カバーであるリヤカバー5には、前記回動軸4を挿通する筒体43を設け、前記回動軸4を筒体43に挿通して支持する構成となっている。また、これと共に前記筒体43の後方には同軸心上にステーにより支持したポテンショメータ9を設け、前記回動軸4先端にポテンショメータ9を一体構成することでロータリカバー3に対するリヤカバー5の左右傾斜姿勢を検出する構成となっている。また更に、前記筒体43よりも右側には、前記メインビーム41とリヤカバー5間を接続する作業機側用アクチュエータである電動シリンダ6を変位させて設けている。 【0015】これにより、前記電動シリンダ6のピストンを伸縮すると、リヤカバー5が前記回動軸4を中心に、ロータリカバー3に対して左右ローリング姿勢を変更し、この状態をポテンショメータ9により検出することができる。また、ロータリカバー3とリヤカバー5との間はゴム板44により連結され、通常時には板バネ45により水平状態に付勢する構成となっている。また、図1中の符号46は、尾輪47を支持する取り付けフレームを示す。また、前記電動シリンダ6は、前記ローリング用油圧シリンダ7よりも応答性が良い反面、一定以上の作業負荷に対して作動できないという特性を有するものである。 【0016】これにより、ロータリ作業機Rは、電動シリンダ6のピストンが伸縮することでリヤカバー5をロータリカバー3に対して左右ローリング自在に連結する構成としたので、後述するローリング制御装置によって作業機側で独自にリヤカバー5の角度を変更し圃場面を均平にすることがでる。次に、トラクタTの制御系統について図5に基づいて説明する。 【0017】前記トラクタTのコントローラ10は、内部に各種信号を処理するCPUと、これら信号情報を一時記憶するRAMと、この発明のローリング制御装置等の各種制御プログラムを格納するEEPROM等を有する構成となっている。そして入力部には、作業機昇降用レバー19のポテンショメータ20、リフトアーム角センサ36、ローリング制御モード切替スイッチ21、左右傾斜センサ22、角速度センサ23、ストロークセンサ35、そして前記リヤカバー5のポテンショメータ9を接続して設けている。 【0018】また、出力部には、前記作業機昇降用油圧シリンダ30へ油路を接続する作業機上昇用、及び下降用の制御弁のソレノイド37A,37Bと、作業機ローリング用油圧シリンダ7のピストンを伸縮する制御弁のソレノイド38A,38Bと、前記電動シリンダ6等を接続して設けている。以上のように構成した対地作業機付トラクタTでは、作業機Rのローリング制御が図6の制御プログラムの概要を示す制御フローチャートのように行われる。 【0019】最初に、STEP1で、トラクタTのコントローラ10は、エンジンのキースイッチONと共に、前記各種センサや設定器の接続状態や設定状態を読み込む。そして、STEP2、STEP3で前記ローリング制御モード切替スイッチ21が入りであるかどうかを検出し、制御モードを判定する。ここでは車体と平行に保つSTEP4の「水平モード」について図7に基づき説明する。この「水平モード」では、最初にSTEP1で、トラクタTの左右傾斜センサ22と角速度センサ23の検出値を入力する。そして、角速度センサ23の検出値が所定値以上である場合は、この角速度の大きさに応じ、且つこの角速度を打ち消す方向に前記電動シリンダ6のピストンを伸縮する。また、前記電動シリンダの伸縮作動が完了すると、STEP4以降で、前記傾斜センサ22の検出値に応じて、ローリング用油圧シリンダ7のピストンを伸縮しロータリ作業機R全体を水平状態に維持する。 【0020】これにより、「水平モード」では、角速度センサ23の検出値が所定値をこえるような急激な左右傾斜変化、または凹凸の激しい圃場では、応答性の良い電動シリンダ6の作動により圃場面を均平に整地し、一方角速度が所定値以下のような緩やかな傾斜地、または平坦な圃場では、作業抵抗に強いローリング用油圧シリンダ7を作動させて作業機全体のローリング姿勢を変更することにより圃場面を均平に整地し作業条件に合った作業機のローリング制御を行うことができる。 【0021】また、この発明の別形態としては、前記ローリング制御モード切替スイッチに替えて、「ロータリ/代掻き」といった作業選択式のスイッチや、「電動シリンダ/油圧シリンダ」といったアクチュエータ選択式のスイッチのように、ローリング制御に係るアクチュエータをオペレータが作業状態に応じて任意に設定する構成としても良い。また、作業状態を判定する方法としては、トラクタTの作業速を検出し、この作業速が一定値以上である場合は、前記電動シリンダ6とローリング用油圧シリンダ7とを同時に駆動し、応答性の良いローリング制御としても良い。 【0022】次に、前記対地作業機の独自の制御形態について説明する。図8に示した対地作業機は、前記ロータリ作業機Rを代掻き作業用に変更したもので、左右両側部に、圃場面に追従して上下する左右フロートセンサ50L(50R)を備え、同センサ50L(50R)の検出値を図9に示すように、前記コントローラ10へ入力する構成となっている。 【0023】そして、ローリング制御は図10に示す制御フローチャートのように行われる。この場合のローリング制御は、前記ローリング制御モード切替スイッチ21が「切」の状態で、且つ作業機側のセンサ、即ち左右フロートセンサ50L(50R)とリヤカバー5のポテンショメータ9の接続と、電動シリンダ6の接続を判定し、これらがYESの時に作動し、作業機独自の制御で圃場面を均平に整地する構成となっている。 【0024】詳しくは、STEP1で、左右のフロートセンサ50L(50R)値を検出し、これが所定値以上となれば、前記リヤカバー5に設けたポテンショメータ9の目標値が演算され(STEP2)、これに応じて電動シリンダ6のピストンを伸縮作動する(STEP5,6)。そして、前記ポテンショメータ9が目標値の不感帯内に入れば通電が停止されエンドとなり、他の制御を完了した後に繰り返される。 【0025】尚、前記トラクタTの傾斜センサ22は着脱式に構成しているため、これを取り外して、リヤカバー5の左右中心位置に設けて、前記フロートセンサ50L(50R)の代用としても良い。また、この場合着脱操作によるセンサの損傷、或いは装着不備を自動的に判定する方法として、前記EEPROMに、作業開始後所定時間、または車両の停止時にリヤカバー5のポテンショメータ9と傾斜センサ22の検出値を比較して、所定以上の差ががあればエラーを表示する故障診断処理プログラムを格納する構成となっている。 【0026】以上のように構成したトラクタTは、電動シリンダ6によりリヤカバー5をロータリカバー3に対して左右ローリング自在に連結する構成としたので、作業機側で独自にリヤカバー5の角度を変更し整地面を均平にすることがでる。よって、前述のようなリンク機構8とは違ってローリング用の油圧シリンダ7を備えない場合でも圃場の整地性を損なうこと無く作業ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月7日(1999.4.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−287502(P2000−287502A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月17日(2000.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−100243 |
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