| 【発明の名称】 |
刈取収穫機 |
| 【発明者】 |
【氏名】高原 一浩
【氏名】花木 誠一
【氏名】池田 博
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| 【要約】 |
【課題】未刈茎稈群の外周までの離間距離を的確に検出することにより、上記したような適正でない旋回走行状態から極力適正な走行状態に復帰できるようにして、作業行程切換え用の旋回走行を適切に行えるようにする。
【解決手段】1つの作業行程の終端位置に達するに伴って、未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、次の作業行程の手前個所に後進旋回走行させるように走行装置1R、1Lの作動を制御するように構成され、未刈茎稈群の外周までの距離の情報に基づいて未刈茎稈群の外周に対する走行機体9の位置を検出して、その検出情報に基づいて、旋回走行が適正旋回状態でないことが検出されると、その旋回走行を中断して、その旋回走行とは異なる走行形態で走行機体9を設定距離走行させた後に旋回走行を再開する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 未刈茎稈群の外周に沿う1つの作業行程の終端位置に達するに伴って、前記未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に後進旋回走行させる作業行程切換用の旋回走行を行わせるように、走行装置の作動を制御する旋回制御手段が設けられた刈取収穫機であって、前記未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その検出距離の情報に基づいて前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を検出する位置検出手段が設けられ、前記旋回制御手段は、前記位置検出手段の検出情報に基づいて、前記旋回走行が適正旋回状態でないことが検出されると、その旋回走行を中断して、その旋回走行とは異なる走行形態で走行機体を設定距離走行させた後に、前記旋回走行を再開するように構成されている刈取収穫機。 【請求項2】 前記旋回制御手段は、前記異なる走行形態として、前記走行機体を直進走行させるように構成されている請求項1記載の刈取収穫機。 【請求項3】 前記旋回制御手段は、前記異なる走行形態として、前記走行機体を前記旋回走行における走行方向と反対方向に走行させ、且つ、前記旋回走行における旋回方向と反対方向に旋回させるように構成されている請求項1記載の刈取収穫機。 【請求項4】 前記位置検出手段は、前記未刈茎稈群の外周までの距離を検出する距離検出手段と、その距離検出手段の検出情報に基づいて、前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別する位置判別手段とを備えて構成され、前記距離検出手段は、検出対象物までの離間距離を計測する非接触式の計測手段と、前記計測手段の距離検出方向を設定角度範囲に亘って上下方向に走査させる走査手段と、前記距離検出方向の前記上下走査位置を検出する上下位置検出手段とを備えて構成され、前記離間距離の計測結果をそのときの前記上下走査位置に対応させた状態で逐次検出するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の刈取収穫機。 【請求項5】 前記距離検出手段が、走行機体の横一側に機体前後方向に適宜間隔をあけて複数設けられている請求項4記載の刈取収穫機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、未刈茎稈群の外周に沿う1つの作業行程の終端位置に達するに伴って、前記未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に後進旋回走行させる作業行程切換用の旋回走行を行わせるように、走行装置の作動を制御する旋回制御手段が設けられた刈取収穫機に関する。 【0002】 【従来の技術】上記刈取収穫機の一例であるコンバインでは、例えば特開昭62‐163117号公報に示されるように、各作業行程の終端位置から90度の角度で交差する状態で隣接する次の作業行程の手前箇所に移動させるべく、地磁気方位センサ等による機体向きの検出情報や走行駆動軸の回転パルスを積算する走行距離センサの距離検出情報等に基づいて、未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を求めながら、予め設定された経路に沿って、先ず前進状態で次の作業行程側に設定角度になるまで旋回走行させ、次に、後進状態に切り換えて次の作業行程の手前箇所に位置するまで旋回走行させるように旋回制御している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、未刈茎稈群の外周に対する機体位置を、地磁気方位センサや走行距離センサの検出情報に基づいて間接的に求めていたので、未刈茎稈群に対する機体位置を的確に検出することができ難く、その結果、未刈茎稈群に対する前記作業行程切換え用の旋回走行を的確に行うことができないという不具合があった。因みに、上記従来技術において未刈茎稈群に対する機体位置が的確に検出でき難い原因としては、例えば走行装置と地面との間でスリップが発生した場合に、走行距離センサの検出値が実際の走行距離に対して誤差が生じることが挙げられる。又、上記従来技術では、隣接する次の行程へ移動するときの旋回角度は、例えば矩形形状の未刈茎稈群では90度のように、未刈茎稈群の形状に基づいて予め設定しているので、実際に旋回走行させる箇所における未刈茎稈群の外周形状が、例えば上記90度に対して鈍角や鋭角になるように、少し異形形状であるような場合には、設定角度で旋回走行させると、走行機体が次の作業行程の手前箇所に適切に位置していないおそれもあった。 【0004】また、この種の刈取収穫機においては、走行機体が上記したような旋回走行を行っているときに、走行路面が軟弱な場合等において走行装置が空回りして旋回走行が不能に陥る等、旋回走行が適正旋回状態でないことを的確に検出できずに、いつまでも目標位置に到達できずに制御不能になってしまうことになる。 【0005】本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、未刈茎稈群の外周までの離間距離を的確に検出することにより、上記したような適正でない旋回走行状態から極力適正な走行状態に復帰できるようにして、作業行程切換え用の旋回走行を適切に行えるようにすることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構成によれば、前記未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その検出距離の情報に基づいて前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を検出する位置検出手段が設けられ、前記旋回制御手段は、前記位置検出手段の検出情報に基づいて、前記旋回走行が適正旋回状態でないことが検出されると、その旋回走行を中断して、その旋回走行とは異なる走行形態で走行機体を設定距離走行させた後に、前記旋回走行を再開するように構成されている。 【0007】従って、未刈茎稈群の外周までの検出距離に基づいて未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を検出しながら、その位置検出情報に基づいて、前記旋回走行が適正旋回状態でないことが検出されると、その旋回走行とは異なる走行形態で走行機体を設定距離走行させた後に旋回走行を再開することで、例えば、左右の走行装置のうち旋回するために駆動する一方の走行装置が空回り等によって走行不能に陥っているような場合であっても、異なる走行形態で走行機体を設定距離走行させることで、極力、そのような適正でない旋回走行状態から脱出させて、元の旋回走行を再開させるようにするのである。 【0008】その結果、未刈茎稈群の外周までの離間距離の検出情報により適正旋回状態でないことを的確に検出して、極力、適正な走行状態に復帰できるようにして、作業行程切換え用の旋回走行を適切に行えるようになった。 【0009】請求項2に記載の特徴構成によれば、請求項1において、前記旋回制御手段は、前記異なる走行形態として、前記走行機体を直進走行させるように構成されている。 【0010】例えば、左右の走行装置のうち旋回するために駆動する一方の走行装置が空回り等によって走行不能に陥っているような場合、走行機体を直進走行させることにより、左右の走行装置をほぼ同じ駆動状態にさせることにより、空回り等していない走行装置にて前進させることで、極力、適正でない旋回走行状態から脱出させて、元の旋回走行を再開させるようにするのである。 【0011】請求項3に記載の特徴構成によれば、請求項1において、前記旋回制御手段は、前記異なる走行形態として、前記走行機体を前記旋回走行における走行方向と反対方向に走行させ、且つ、前記旋回走行における旋回方向と反対方向に旋回させるように構成されている。 【0012】例えば、前進方向に左旋回走行しているとき、左右の走行装置のうち旋回するために駆動する右側の走行装置が空回り等によって走行不能に陥っているような場合、走行機体を、反対の走行方向で、且つ、反対の旋回方向、つまり、後進しながら右側に旋回走行させることにより、走行不能に陥っている右側の走行装置を停止させ、空回り等していない左側の走行装置を駆動させることにより、極力、適正でない旋回走行状態から脱出させて、元の旋回走行を再開させるようにするのである。 【0013】請求項4に記載の特徴構成によれば、請求項1において、前記位置検出手段は、前記未刈茎稈群の外周までの距離を検出する距離検出手段と、その距離検出手段の検出情報に基づいて、前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別する位置判別手段とを備えて構成され、前記距離検出手段は、検出対象物までの離間距離を計測する非接触式の計測手段と、前記計測手段の距離検出方向を設定角度範囲に亘って上下方向に走査させる走査手段と、前記検出方向の前記上下走査位置を検出する上下位置検出手段とを備えて構成され、前記離間距離の計測結果をそのときの前記上下走査位置に対応させた状態で逐次検出するように構成されている。 【0014】つまり、計測手段がその距離検出方向を設定角度範囲に亘って上下方向に走査され、その距離検出方向における検出対象物までの離間距離が、そのときの上下走査位置に対応させた状態で逐次検出されて、その距離検出情報に基づいて、未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置が判別されることになる。このように距離検出方向を設定角度範囲に亘って上下方向に走査させる構成としたから、例えば、その距離検出情報における極値的に変化する点の距離情報を用いる等の構成を採用することで、距離検出方向を機体に対して位置固定状態に設定する場合に比べて、未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を、極力誤差の少ない状態で検出することが可能となる。 【0015】請求項5に記載の特徴構成によれば、請求項4において、前記距離検出手段が、走行機体の横一側に機体前後方向に適宜間隔をあけて複数設けられているので、走行機体の横一側にて離れた複数箇所において、未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その複数の検出情報に基づいて、未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別するので、1箇所で検出するものに比べてより精度の高い状態で検出することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る刈取収穫機の一例としてのコンバインについて図面に基づいて説明する。図1に示すように、コンバインには、左右一対のクローラ走行装置1R,1L、脱穀装置2、操縦部4等を備えた走行機体9の前部側に、走行に伴って圃場の植立穀稈Tを刈り取る刈取部3が、刈取昇降用の油圧シリンダ23によって昇降自在な状態で設けられている。 【0017】刈取部3は、倒伏している穀稈を引き起こす引き起こし装置5、引き起こされた植立穀稈の株元を切断する刈刃6、刈取穀稈を横倒れ姿勢に変更しながら機体後部側の脱穀用のフィードチェーン8に向けて搬送する搬送装置7等を備えている。上記引き起こし装置5の下部後方側個所に、刈取部3の対地高さを検出する超音波式の刈高センサS5が設けられ、搬送装置7の搬送始端側箇所に、刈取穀稈の株元が接当するとオン作動し、刈取穀稈の株元が接当しない状態ではオフ作動する株元センサS0が設けられている。つまり、この株元センサS0の検出情報に基づいて刈取作業状態であるか否かが判別される。 【0018】次に、図2に基づいてコンバインの動力伝達系、及び、制御構成について説明する。エンジンEの動力が油圧式の無段変速装置10に伝動され、この変速装置10の変速後の出力が、ミッションケース11を介してクローラ走行装置1R,1Lに伝達されている。ミッションケース11には、上記変速装置10の変速後の出力を前進又は後進状態に切り換えるための前後進切換機構(図示しない)と、上記変速後の出力を左右クローラ走行装置1L,1Rに各別に断続して伝えると共に各クローラ走行装置1L,1Rを各別に制動作動させるための左右一対の操向クラッチブレーキ17L,17Rとが設けられている。 【0019】上記無段変速装置10は、変速操作用の電動モータ13によって変速操作されるとともに、操縦部4に設けた変速レバー12に連動連結され、且つ、この変速レバー12による人為的な変速操作を電動モータ13による変速操作に優先させるようにするために、変速レバー12と変速装置10との連係経路中に、電動モータ13が摩擦式の伝動機構14を介して連係されている。又、前記刈取昇降シリンダ23に対する圧油の供給を制御して刈取部3を昇降操作するための電磁弁25と、前記左右の各操向クラッチブレーキ17L,17Rに対する圧油の供給を制御して各クラッチを入り切り及び制動操作するための操向用の電磁弁19とが設けられている。尚、クラッチ切り操作状態とするかブレーキ状態とするかは電磁弁19に対する供給電流のデューティ制御により切り換え可能に構成されている。 【0020】又、エンジンEと脱穀装置2及び刈取部3とがベルトテンション式の脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を介して夫々連動連結されている。そして、脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を夫々人為的に入り切り操作する脱穀クラッチレバー32及び刈取クラッチレバー31が操縦部4に設けられ、それらの入り操作に伴ってオン作動する脱穀スイッチSW2及び刈取スイッチSW1が設けられている。エンジンEの回転数を検出する回転数検出センサS1と、ミッションケース11の入力軸に伝動される変速装置10の出力回転数に比例するパルスを計数して、走行距離や車速を検出するためのロータリーエンコーダS2とが設けられている。尚、エンジンEの出力は、エンジン始動後、図示しないアクセルレバー等によって上昇操作されて、作業用の回転数にセットされる。前記エンジン回転数や車速等の検出情報を用いて、刈取作業中においてエンジンEの無負荷回転数との差によってエンジン負荷を検出するとともに、機体操縦部4に備えられた上限車速設定器22によって設定される上限車速を越えない範囲で、エンジン負荷が設定負荷に維持されるように車速(具体的には、変速用電動モータ13の作動状態)を自動調節する車速制御を実行する構成となっている。 【0021】又、前記刈取部3の引き起こし装置5の下部側には、走行に伴って刈取部3に導入される植立穀稈に接当して機体後方側に揺動する検出バーを備えて、その検出バーの揺動状態に基づいて植立穀稈の機体横方向での位置を検出する接触式の方向センサS4が設けられている。尚、この方向センサS4の検出情報は、前記未刈茎稈群Mの外周に沿って刈取走行するときに、走行機体9を操向制御する際の制御情報として使用される。 【0022】図1、図2、図4に示すように、走行機体9の前部側の既刈り側(機体右側)箇所に、機体前方に位置する植立穀稈Tまでの距離Lを検出する一対の超音波センサS3a1,S3a2が検出方向を機体前方に向ける状態で左右方向に並んで設けられている。又、走行機体9の未刈り側(機体左側)の横側部には、機体横側方に位置する植立穀稈Tまでの距離Lを検出する一対の超音波センサS3b,S3cが、検出方向を機体横側方に向ける状態で機体前後方向に設定間隔を隔てて設けられている。前記各超音波センサS3a1,S3a2,S3b,S3cは、夫々、機体外方側に向けて超音波を発信する発信器と、検出対象物にて反射された超音波を受信する受信器とを備えて、超音波を発信してから受信するまでの時間に基づいて、検出対象物(植立穀稈Tや地面)までの距離を検出するように構成されている。尚、機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2及び機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3bは、植立穀稈Tよりも上方に位置して、検出方向が機体外方側で且つ斜め下方に向かう状態で超音波を発信して距離を計測するように構成され、機体横側方の後部側に位置する超音波センサS3cは機体横側部の低い位置に設けられている。具体的には、機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2は機体の操縦筒45に備えられ、機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3bは機体固定部から延設されたステー46に取り付け支持されている。 【0023】前記機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3b(計測手段の一例)は、図9に示すように、機体前後方向に沿う水平軸芯X周りで上下揺動自在に支持されるとともに、走査機構47によってその超音波発信方向(距離検出方向)を設定角度範囲に亘って上下方向に走査されるように構成されている。前記走査機構47は、駆動用アクチュエータである電動モータ48と、この電動モータ48の回転動力を減速させて前記超音波センサS3bを前記水平軸芯X周りで上下揺動操作(走査)させるための減速ギア機構49等を備えて構成され、この走査機構47の操作によって変化する前記超音波センサS3bの超音波発信方向(距離検出方向)の上下揺動操作位置を検出するポテンショメータ式の角度検出センサS6(上下位置検出手段の一例)が設けられている。 【0024】そして、超音波センサS3bは、後述するように、走査機構47により超音波発信方向を設定角度範囲に亘って上下方向に走査しながら、検出対象物までの離間距離の検出情報をそのときの上下走査位置(上下位置センサの検出値)に対応させた状態で逐次検出するように構成されている。 【0025】図2に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置16が設けられ、この制御装置16に、株元センサS0、回転数検出センサS1、ロータリーエンコーダS2、方向センサS4、刈高センサS5、各超音波センサS3a1,S3a2,S3b,S3c、角度検出センサS6、脱穀スイッチSW2、刈取スイッチSW1、上限車速設定器22の各検出情報が入力されている。一方、制御装置16からは、前記変速操作用の電動モータ13、前記揺動操作用の電動モータ48、刈取昇降用の電磁弁25及び操向用の電磁弁19に対する各駆動信号が出力されている。 【0026】コンバインは、図3に示すように、矩形状の未刈茎稈群Mに対して、いわゆる回り刈り形式で、未刈茎稈群Mの外周の各辺M1〜M4に沿う各作業行程を順次刈取走行し、各作業行程の終端位置に達すると、隣接する次の作業行程に移動するように走行制御される。つまり、前記制御装置16を利用して、未刈茎稈群Mの外周に沿う1つの作業行程の終端位置に達するに伴って、未刈茎稈群Mに接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前箇所に後進旋回走行させる作業行程切換用の旋回走行を行わせるように、前記クローラ走行装置1R、1Lの作動を制御する旋回制御手段100が構成されている。 【0027】前記制御装置16は、前記前進旋回走行を実行するときに、前記超音波センサS3bによる超音波発信方向を設定角度範囲(例えば、約30度)に亘って上下方向に振らせるように揺動操作用の走査機構47、具体的には、揺動操作用の電動モータ48の作動を制御するとともに、超音波センサS3bにより検出される検出対象物までの離間距離の計測情報をそのときの上下走査位置(上下位置センサの検出値)に対応させた状態で逐次取り込み、計測距離が上下位置情報の変化に応じて極値的に変化する変化点、具体的には、順次長くなる状態から順次短くなるように変化する変化点(又は、計測距離が上下振れ角度の変化に応じて順次短くなる状態から順次長くなるように変化する変化点)における計測距離に基づいて、前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体9の位置情報(具体的には、図4(ロ)に示すように未刈茎稈群の外周辺に対する走行機体の位置状態)を判別するように構成され、その判別結果に基づいて、前記前進旋回走行を停止すべくクローラ走行装置1R,1Lの作動を制御する構成となっている。従って、制御装置16を利用して前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別する位置判別手段101が構成されている。 【0028】又、制御装置16は、前記超音波センサS3bによる超音波発信方向(検出方向)が下方側に位置するほど速く、且つ、上方側に位置するほど遅くなるように、前記超音波センサS3bの上下移動速度を変更調節するとともに、上記距離検出作動に伴って、前記未刈茎稈群の外周までの距離の検出値が小さくなるほど下方側に位置するように、前記移動操作域を位置変更調節するように構成されている。従って、制御装置16を利用して、走査機構47の作動を制御する走査制御手段102が構成されている。つまり、超音波発信方向(検出方向)が下方側に位置する場合には、検出対象物までの離間距離は短くなり、下方側に位置すると離間距離は長くなるので、上方側に位置するほど上下移動速度を遅くさせることで、上下位置の検出値の変化に対する計測距離データの変化を検出し易く、未刈茎稈の外周までの距離を精度よく検出し易いものとなる。又、検出対象物である未刈茎稈群の外周までの距離の検出値が小さくなるほど移動操作域を下向きに位置変更させることにより、未刈茎稈群の外周に対する検出点(前記変化点)が移動操作域の中央側よりの位置に存在することになり、適正な検出タイミングで前記変化点を検出することができるものとなる。 【0029】以下、この制御装置16による走行制御について、図7〜図9のフローチャートに従って具体的に説明する。図7に示すように、未刈茎稈群Mの外周に沿う1つの作業行程の始端位置から走行を開始すると、前記方向センサS4の検出情報に基づいて走行機体9を作業行程に沿って直進しながら刈取走行させるべく操向用の電磁弁19を制御する操向制御と、前記刈高センサS5の検出情報に基づいて刈取部3の対地高さを適正高さに維持するように刈取昇降用の電磁弁25を制御する刈高制御と、上限車速を越えない範囲でエンジン負荷が目標負荷に維持されるように車速を制御する車速制御とを株元センサS0がオフして作業行程の終端位置に達したことが判別されるまで実行する。作業行程の終端位置に達したことが判別されると、未刈茎稈群Mに対する刈取作業が終了したか否かを判断して、作業終了でなければ、隣接する次の作業行程に移動させるための旋回制御を実行する。一方、作業終了であれば、走行を停止して制御を終える。 【0030】旋回制御では、図8、図9に示すように制御が実行される。つまり、刈取部3を上昇させるとともに、図4(イ)に示すように、先ず直進状態で旋回走行開始位置まで前進走行させる。ここで、走行機体9が上記旋回走行開始位置に達したことは、図6に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが先に距離小から距離大に変化した後、さらに機体が前進走行して、機体左後側の超音波センサS3cの距離検出信号cが距離小から距離大に変化したことによって判別する。 【0031】旋回走行開始位置に達すると、図4(ロ)に示すように、左側のクローラ走行装置1Lをブレーキ作動させて、機体前部側が未刈茎稈群Mに接近するように走行機体9を左旋回走行させるとともに、その旋回走行中において機体左側の前部側に位置する超音波センサS3bの検出距離情報に基づいて、走行機体9が未刈茎稈群Mに対して位置する角度(例えば次の辺に対してなす角度θ)を判断して(この動作が位置判別処理に対応する)、その角度が設定角度(例えば45度)になるに伴って前進の左旋回走行を停止させ、左側のクローラ走行装置1Lのブレーキ作動を解除する。 【0032】この前進の左旋回走行を実行するときに、超音波センサS3bによる超音波発信方向を設定角度範囲に亘って上下方向に走査させるように揺動操作用の電動モータ48の作動を制御するとともに、超音波センサS3bにより検出される検出対象物までの離間距離の計測情報をそのときの上下位置情報(角度検出センサS6の検出値)に対応させた状態で逐次検出する。前記設定角度範囲は、図10に示すように、走行機体9に対する相対位置が予め設定されており、角度検出センサS6の検出値(上下位置情報)に対応させて超音波センサS3bにより検出される計測情報を検出するのである。そして、図11に示すように、上下位置が大側に変化するに伴って計測距離が順次長くなる状態から順次短くなるように変化する変化点Qにおける距離を未刈茎稈の外周までの距離情報として、その距離情報に基づいて走行機体9が未刈茎稈群Mに対して位置する角度(例えば次の辺に対してなす角度θ)を判別する。そして、その角度が設定角度(例えば45度)になるに伴って前進の左旋回走行を停止させる(図4(ロ)参照)。 【0033】つまり、図12に示すように、超音波センサS3bによる超音波発信方向を例えば下から上方向に振らせると、未刈茎稈の外周に達するまでに地面を検出しながら、検出距離が徐々に大側に変化していく。未刈茎稈が存在する個所に達すると、未刈茎稈の外周面に沿って検出距離が逆に短くなり、未刈茎稈の上部側に達すると、再度、検出距離が大側に変化していくことになるので、上記変化点Qを未刈茎稈の外周までの距離として求めることができるのである。このとき、前記超音波センサS3bによる超音波発信方向(検出方向)が下方側に位置するほど速く且つ上方側に位置するほど遅くなるように、超音波センサS3bの上下移動速度を変更調節するとともに、上記距離検出作動によって、未刈茎稈群の外周までの距離の検出値が小さくなるに伴って下方側に位置するように、移動操作域を位置変更調節すべく、角度検出センサS6の検出情報に基づいて揺動操作用の電動モータ48の作動を制御する(図10(ハ)参照)。このように超音波の発信方向が上下方向に走査されることで、例えば、図10(ロ)に示すように、走行機体9が左右に傾斜したような場合であっても、未刈茎稈までの距離を精度よく検出することができる。 【0034】この前進旋回走行において、前記超音波センサS3bによる距離検出情報に基づいて、旋回走行を開始してから設定時間以上経過しても、前記目標位置に達しないような場合には、例えば、駆動している走行装置が空回りしている等、旋回走行が適正に実行されていないものと判断し、このような状態が判別されると、図5に示すように、その旋回走行を停止して、走行形態を直進状態に切り換えて設定距離走行させた後に、再度、上記前進旋回走行を再開するようにしている。 【0035】次に、図4(ハ)に示すように、上記旋回走行の停止位置から、直進状態で旋回走行開始位置まで後進走行させる。ここで、走行機体9が旋回走行開始位置に達したことは、図5に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが極小値を過ぎて増加に転じたことによって判別される。このとき、上記した制御と同様に角度検出センサS6の検出情報と対応付けて超音波センサS3bによる計測を逐次実行し、上記距離検出作動によって、未刈茎稈群の外周までの距離の検出値が小さくなるに伴って下方側に位置するように(図10(ハ)参照)、移動操作域を位置変更調節すべく、角度検出センサS6の検出情報に基づいて揺動操作用の電動モータ48の作動を制御する。 【0036】旋回走行開始位置に達すると、図4(ハ)〜(ニ)に示すように、右側の操向クラッチブレーキ17Rを切り操作して、走行機体9を緩旋回状態で後進左旋回走行させる。そして、走行機体9が隣接する次の作業行程の手前箇所に位置するに伴って、後進左旋回走行を停止させる。ここで、走行機体9が次の作業行程の手前箇所に位置したことは、機体前部側における左右一対の超音波センサS3a1,S3a2のうち左側に位置する超音波センサS3a1の距離検出信号aが距離大の状態から、機体前方側の植立穀稈Tを検出する状態に変化したことによって判断される。次に、次の作業行程の手前箇所から、機体前部側における左右一対の超音波センサS3a1,S3a2のうち左側に位置する超音波センサS3a1の距離検出信号aが機体前方側の植立穀稈Tを検出する状態を維持し、他方側の超音波センサS3a2の距離検出信号aが距離大を検出する状態を維持するように操向用の電磁弁を制御しながら直進前進走行させて、刈取部3を下降させた後に次の作業行程での刈取作業を開始させる。刈取作業が開始されて株元センサS0がオンするに伴って前記操向制御、刈高制御及び車速制御に移行する。 【0037】この実施形態では、前記位置判別手段101にて判別される未刈茎稈群Mの外周に対する走行機体9の位置として、具体的には、前進左旋回走行の停止位置(図4(ロ))を用いている。従って、機体横前部側の超音波センサS3bにより計測手段が構成され、前記走査機構47と走査制御手段102とにより走査手段ISが構成され、超音波センサS3b、走査手段IS及び角度検出センサS6の夫々により、距離検出手段が構成されることになる。そして、この位置検出手段と位置判別手101により、未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その検出距離の情報に基づいて前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を検出する位置検出手段が構成される。 【0038】〔別実施形態〕 (1)上記実施形態では、前記旋回走行が適正旋回状態でないことが検出されると、異なる走行形態として、走行機体を直進走行させる構成としたが、このような構成に代えて、前記異なる走行形態として、走行機体を旋回走行における走行方向と反対方向に走行させ、且つ、旋回走行における旋回方向と反対方向に旋回させるように構成するものでもよい。例えば、図12に示すように、前進左旋回走行させているときに、適正旋回状態でないことが検出されると、走行機体を旋回走行における走行方向と反対の後進方向に、且つ、旋回走行における旋回方向と反対の右方向に旋回走行させるのである。そして、設定距離走行させた後に、前記前進旋回走行を再開するのである。 【0039】(2)上記実施形態では、前記距離検出手段として、計測手段(超音波センサS3b)の計測距離が上下位置情報の変化に応じて極値的に変化する変化点の情報に基づいて未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別するようにしたが、このような構成に代えて、例えば、上下位置情報の変化に応じて変化する計測手段(超音波センサS3b)の計測距離の平均値に基づいて未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別する構成としてもよく、この場合、全ての計測距離の情報を用いて平均値を求めてもよく、あるいは、それらの情報のうち、特異的に突出する情報(例えば、茎稈や圃場以外の畦や圃場外の物までの検出情報等)を除外した後の情報の平均値を求める等、各種の形態で実施してもよい。 【0040】(3)上記実施形態では、前記距離検出手段として、計測手段(超音波センサS3b)と、走査手段(IS)と、上下位置検出手段(S6)とで構成する場合を例示したが、このような構成に代えて、前記計測手段を予め定めた設定速度で上下方向に振らせながら、経過時間を上下位置の情報として代用することで、時間の経過に伴う計測手段(超音波センサS3b)の計測結果に基づいて前記位置判別処理を実行するようにしてもよい。 【0041】(4)上記実施形態では、機体左前側の超音波センサS3bに対してのみ、走査手段が設けられるようにしたが、その他のセンサに対しても、走査手段を備えて上下方向に走査させて、上下走査位置と計測情報とを対応つけて計測する構成としてもよい。例えば、図14に示すように、機体左後側の超音波センサS3cを、上記機体左前側の超音波センサS3bと同様に、植立穀稈よりも上方に位置させて、揺動操作手段にて上下揺動自在に設けるとともに、上下位置に対応させて距離を計測する構成とし、図13に示すように、前進左旋回走行の停止位置を判別するときに、機体左前側の超音波センサS3bの検出情報Lbと、機体左後側の超音波センサS3cの検出情報Lcとを用いて、それらの間の離間距離が予め判別しているので、それらの検出情報に基づいて、未刈茎稈に対する走行機体の正確な位置を判別するようにしてもよい。 【0042】(5)上記実施形態では、機体左後側の超音波センサS3cは、一つの作業行程が終了してから旋回走行開始位置の検出するために茎稈群の存否を確実に検出するために低い位置に設けられる構成としたが、このような構成に代えて、このセンサについても、機体左前側の超音波センサS3bと同様に高い位置に設置して角度変更可能に構成する等、種々の形態で実施してもよい。 【0043】(6)上記実施形態では、前記旋回制御手段100が、前記位置判別手段101の判別情報に基づいて走行装置の作動を制御するときに、走行機体9の位置として、前進左旋回走行の停止位置(図4(ロ))を用いたが、これ以外の機体位置を判別する構成としてもよい。 【0044】(7)上記実施形態では、未刈茎稈群Mの外周までの距離を検出する距離検出手段として、走行機体9に、超音波式の距離検出手段を設けたが、これ以外に、例えば、検出光を植立茎稈Tに対して投受光する光式の距離検出手段を用いてもよい。 【0045】(8)上記実施形態では、各走行装置1L,1Rを各別に制動作動させるための左右一対の操向クラッチブレーキを設ける構成としたが、このような構成に限らず、左右一対の油圧式無段変速装置を備えて左右各別に無段変速可能な構成としたり、遊星ギア式の変速機構とする等、各種の駆動形態で実施してもよい。 【0046】(9)上記実施形態では、刈取収穫機をコンバインにて構成したが、コンバイン以外に、例えば、イグサ用の刈取収穫機等でもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年3月26日(1999.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−270609(P2000−270609A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−82893 |
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