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【発明の名称】 管理作業車
【発明者】 【氏名】新古 忠之

【氏名】丹治 光彦

【氏名】中村 正美

【要約】 【課題】作業者が左手で操向ハンドルを操作する一方、右手で各種操作レバーの操作性の向上を図ることができる管理作業車を得ることを目的とする。

【解決手段】リンク機構及び昇降シリンダを介して車体前部に作業機を取付けると共に、運転席、操向ハンドル、エンジンミッションケースを車体後部に取付ける管理作業車において、PTOレバー、アクセルレバー、HST主変速レバー及び作業機昇降レバーを機体幅方向の中心より右側に配置するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リンク機構及び昇降シリンダを介して車体前部に作業機を取付けると共に、運転席、操向ハンドル、エンジン、及びミッションケースを車体後部に取付ける管理作業車において、PTOレバー、アクセルレバー、HST主変速レバー及び作業機昇降レバー等の操作レバーを機体幅方向の中心より右側に配置したことを特徴とする管理作業車。
【請求項2】 操向ハンドルにノブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の管理作業車。
【請求項3】 前記操向ハンドルのノブは直進時において、機体幅方向の中心より左側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の管理作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば耕耘及び中耕除草、または畝立及び土寄せ等の対地作業、並びに野菜の苗移植または収穫などの作業を行う管理作業車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術において、前後方向に機体フレームを配備し、機体の前部に操向輪として前輪を一輪配し、後部に後輪二輪を配して三輪駆動式とし、機体フレームの後部に動力部を配し、該動力部の前方に運転部を配し、前輪と後輪の間の腹部に昇降自在に作業機を配した乗用型の管理作業車は知られている。このような管理作業車においては、運転席の右側にアクセルレバー、主変速レバー、及び作業機昇降レバーが、左側にPTOレバーがそれぞれ配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような各種操作レバーを配置した管理作業車において、作業者は通常、左手でハンドルを、右手で各操作レバーを操作するが、旋回時にPTO動力の伝達を停止したい場合、運転席左側に配置されたPTOレバーを操作するため、操向ハンドルを右手に持ち替えなければならず、操作性が良くないという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような問題を解決すべくなされたもので、次のような管理作業車を提供するものである。すなわち、リンク機構及び昇降シリンダを介して車体前部に作業機を取付けると共に、運転席、操向ハンドル、エンジン、及びミッションケースを車体後部に取付ける管理作業車において、PTOレバー、アクセルレバー、HST主変速レバー及び作業機昇降レバー等の操作レバーを機体幅方向の中心より右側に配置したことを特徴とする管理作業車である。また、操向ハンドルにノブが設けられていることを特徴とする管理作業車である。さらに、操向ハンドルのノブは直進時において、機体幅方向の中心より左側に設けられていることを特徴とする管理作業車である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は管理作業車の全体側面図、図2は同平面図、図3は動力伝達の説明図である。車体(1)を形成する前車体フレーム(1a)前部にフロントケース(2)を介してフロントアクスルケース(3)を左右に方向転換自在に設け、該フロントアクスルケース(3)に前輪(4)を回転自在に軸支させると共に、エンジン(5)及びミッションケース(6)を車体(1)を形成する後車体フレーム(1b)後部に搭載させ、ミッションケース(6)両側に車軸ケース(7)及びリヤアクスルケース(8)を介して左右一対の後輪(9)を回転自在に軸支させる。また、後車体フレーム(1b)上側のステップ(10)上面側に操向ハンドル(11)及び運転席(12)を装設させ、左右一対の支柱(13)を立設させてサンバイザー(14)を取付けると共に、運転席(12)両側に左右アームレスト(15)を固定させ、運転席(12)右側前部にHST主変速レバー(16)、作業機昇降レバー(17)及びステアリングコラムの右側部に突出してアクセルレバー(18)を、同じく右側後部にPTOレバー(20)を配設させ、運転席(12)左側に燃料タンク(19)を設け、さらに運転席(12)前側に副走行変速レバー(21)を設け、ステップ(10)左側前部に走行クラッチペダル(22)を取付けている。そして、ミッションケース(6)の走行駆動力を前輪駆動軸(23)によって前輪(4)に伝え、前記HST主変速レバー(16)を操作して三輪構造の前輪(4)と左右後輪(9)を駆動すると共に、操向ハンドル(11)操作によって前輪(4)を左右に方向転換して走行進路を変更させ、また操向ハンドル(11)のの操舵角が一定以上に大きくなったとき、左右サイドクラッチ(24)の旋回内側を自動的に「切」にして旋回内側の後輪(9)の駆動を中止し、圃場枕土でのUターンなどを行うように構成している。
【0006】また、前車体フレーム(1a)前部下側にヒッチ(25)を固定させて平行リンク(26)を取付け、ロータリ爪(27)及び培土板(28)を備える作業機(29)を平行リンク(26)に着脱自在に装着させ、前記作業機昇降レバー(17)を操作して油圧昇降シリンダ(30)によって作業機(29)を作業位置または非作業位置に昇降させると共に、ミッションケース(6)のPTO動力をPTO軸(31)によって作業機(29)に伝え、ロータリ爪(27)を駆動して中耕土寄せ作業を行うように構成している。なお、移植機または収穫機等の各種作業機を前記作業機(29)と交換して野菜苗の移植または野菜の収穫などの各種農作業を行う。
【0007】さらに、HST主変速レバー(16)、作業機昇降レバー(17)及びPTOレバー(20)を運転席(12)の右側に配設させたので、機体本体左側から乗降する際に、操作レバーが引っかかる等の不具合がなく、搭乗後は作業者が左手で操向ハンドル(11)の左側外側のハンドルノブ(11a)を常に握って操向操作しながら、右手でHST主変速レバー(16)、作業機昇降レバー(17)及びPTOレバー(20)の各操作を行い、走行進路を適正に維持しながら作業効率の向上を図るように構成している。
【0008】前記ミッションケース(6)に油圧無段変速機(32)を設け、テンションローラ型走行クラッチ(33)を介して張設させるベルト(34)によってエンジン(5)の動力を変速機(32)に伝え、該変速機(32)の油圧ポンプ(35)及び油圧モータ(36)によって変速した後でミッションケース(6)に入力させると共に、ブレーキアーム(37)の操作によって走行制動する走行ブレーキ(38)をミッションケース(6)に設けている。
【0009】さらに、図4に示すように、前記フロントケース(2)に円筒形キングピン(39)を回転自在に軸支させ、キングピン(39)下部にギヤケース(40)を介してフロントアクスルケース(3)を固定させ、操向ハンドル(11)によって正逆転操作する操向軸(41)にキングピン(39)を連結させ、キングピン(39)及びギヤケース(40)及びフロントアクスルケース(3)を操向軸(41)の正逆転によってキングピン(39)軸心線回りに一体回転させ、フロントアクスルケース(3)に前車軸(42)を介して軸支させる前輪(4)を左右に方向転換させると共に、キングピン(39)の中空に遊嵌挿通させる入力軸(43)上端に前輪駆動軸(23)を連結させ、ギヤケース(40)のベベルギヤ(44)などを介して入力軸(43)下端側を前車軸(42)に連結させ、前輪(4)を走行駆動させるもので、キングピン(39)に操向軸(41)を連結させるウォーム(45)の減速により、操向ハンドル(11)の3回転によって直進位置の前輪(4)を約90度左右に方向転換させるように構成している。
【0010】また、車体(1)の前部中央に単一の前輪(4)を装設させ、車体(1)の後部両側に左右一対の後輪(9)を装設させると共に、左右サイドクラッチ(24)の駆動入力上手側に、前輪(4)を駆動する前輪駆動軸(23)を連結させ、左右後輪(9)の駆動状態に関係なく前輪(4)を駆動して方向転換させ、運転操作性の向上を図ると共に、作業者が座乗する運転席(12)の前部下方に左右サイドクラッチペダル(46)を配設させ、操向ハンドル(11)側方下方の一般的な位置から離してサイドクラッチペダル(46)を設け、通常の作業状態でのブレーキペダルと誤認して誤操作されるのを防止し、作業者が認識しながらサイドクラッチペダル(46)を適正に操作させるもので、運転席(12)前方の丸形操向ハンドル(11)の左右幅方向に左右サイドクラッチペダル(46)を離反させて配設させ、左右サイドクラッチペダル(46)の誤認による誤操作を防止し、左右後輪(9)の駆動を適正に選択しながら中止させる。
【0011】前記丸形操向ハンドル(11)の外側にハンドルノブ(11a)を設け、該ハンドルノブ(11a)は、直進時において、機体幅方向の中心より左側に設けられ、通常のハンドル操作よりも小さい操作力で確実にハンドルノブ(11a)を用いて片手で操縦し、右手でHST主変速レバー(16)、作業機昇降レバー(17)或いはPTOレバー(20)等を操作しながら、左手だけでハンドルノブ(11a)によってハンドル(11)を回転させ、運転操作性の向上を図ると共に、運転席(12)上方を囲む左右支柱(13)の上部間隔よりも支柱(13)の前部下部側の間隔を大きく形成し、サンバイザー(14)等を取付ける支柱(13)上部の左右間隔を適正幅に維持しながら、運転席(12)の作業者の前方視界の外側に支柱(13)前部を配置させ、サンバイザー(14)の取付け構造の簡略化及び運転操作性向上等を図る。
【0012】また、操向ハンドル(11)によって切換える操向バルブ(47)を備えると共に、エンジン(5)によって駆動する油圧ポンプ(48)と、昇降シリンダ(30)を作動させる昇降バルブ(49)を設け、油圧ポンプ(48)に操向バルブ(47)を介して昇降バルブ(49)を直列に油圧接続させ、操向ハンドル(11)操作によって、操向バルブ(47)を切換えて操向モータ(図示せず)を正逆転させ、操向ハンドル(11)の回転角度だけ同一方向に出力軸を油圧力により連動して回転させて前輪(4)を左右に方向転換させる一方、作業機昇降レバー(17)の操作によって昇降バルブ(49)を切換え、昇降シリンダ(30)を作動させて作業機(29)を前輪(4)と後輪(9)の間で昇降させる。
【0013】上記の構成から明らかなように、リンク機構(26)及び昇降シリンダ(30)を介して車体(1)前部に作業機(29)を取付けると共に、運転席(12)、操向ハンドル(11)、エンジン(5)、及びミッションケース(6)を車体(1)後部に取付ける管理作業車において、昇降シリンダ(30)を制御する昇降バルブ(49)及び作業機昇降レバー(17)を車体(1)後部に設け、車体(1)前部のリンク機構(26)と車体(1)後部の昇降バルブ(49)をフィードバックワイヤ(図示せず)によって連結させ、リンク機構(26)の昇降動作量をフィードバックワイヤによって検出して昇降バルブ(49)を中立復帰させ、昇降レバー(17)操作量に作業機(29)昇降量を一致させ、作業機(29)の昇降機能の向上及び昇降構造の簡略化等を図る。
【0014】以上のように、リンク機構及び昇降シリンダを介して車体前部に作業機を取付けると共に、運転席、操向ハンドル、エンジン、及びミッションケースを車体後部に取付ける管理作業車において、PTOレバー、アクセルレバー、HST主変速レバー及び作業機昇降レバー等の操作レバーを機体幅方向の中心より右側に配置したので、機体本体左側から乗降する際に、操作レバーが引っかかる等の不具合が生じない。また、搭乗後は各レバーを右手で操作でき、特に機体旋回時には減速、作業機の上昇、PTOの駆動停止までの一連の操作を右手だけで操作が可能になり、しかも操向ハンドルは左手の操作だけで持ち換える必要がないので、走行進路を適正に維持しながら作業効率の向上に寄与する。さらに、操向ハンドルにノブが設けられているので、片手の操作で確実な運転操作性が得られる。またさらに、操向ハンドルのノブは直進時において、機体幅方向の中心より左側に設けられているので、左手だけのハンドルのノブ操作により、走行進路を適正に維持しながら作業効率の向上により一層寄与する。
【0015】次に、上記実施例に説明した管理作業車の各構成部の変形例を以下に順次説明する。フロントケースを図5及び図6に示すように構成してもよい。フロントケース(2)の先端部に、前板(51)、左右両側板(52)及び該両側板(52)に橋架された支持棒(53)からなる平面視門型のフロントウエイトブラケット(50)が取付けられている。該フロントウエイトブラケット(50)はバランスウエイト(54)を装着するために設けられたものである。即ち、管理作業車に作業機が未装着の場合、車体(1)の前車体フレーム(1a)は前輪(4)のみの装備であるのに対して、車体(1)の後車体フレーム(1b)にはエンジン(5)、ミッションケース(6)等の重量物が搭載されているので、後車体フレーム(1b)に重心が集中され、このような状態で、管理作業車を移動すると、走行時、良好に運転操作できない。
【0016】このような不具合を解消するために、前記フロントウエイトブラケット(50)に、後車体フレーム(1b)に搭載されているエンジン(5)、ミッションケース(6)等の重量と略同等のバランスウエイト(54)を被装することにより前車体フレーム(1a)及び後車体フレーム(1b)のバランスが均衡されて、運転操作の不具合が解消される。また、図7に示すように、左右側板(52)(52)間に橋架した支持棒(53)にロープ(55)等を捲回させることにより、トラック等に積載する際、ロープ(55)牽引用のフックとして有効に利用することができる。さらには、左右側板(52)の適宜箇所に孔(56)を穿設して、該孔(56)にロープ(55)を貫通させて牽引用に利用することができる。
【0017】また、フロントアクスルケースに収容されているグランドPTO軸を図8に示すように構成してもよい。エンジン(5)からの動力をミッションケース(6)に伝達し、該ミッションケース(6)から作業機(29)に動力を伝動するPTO軸が二つ設けられ、一方を車速に比例する車速比例PTO軸(60)とし、他方を一定回転で駆動する一定回転PTO軸(31)とした管理作業車において、フロントアクスルケース(3)に設けられた車速比例PTO軸即ちグランドPTO軸(60)に各種作業機の駆動軸を装着できるように構成されているが、このような構成では管理作業車の後進時に作業機(29)も逆転する。
【0018】上記のような管理作業車の後進時の作業機の逆転防止を解消するために、グランドPTO軸(60)にワンウェイクラッチ(61)及びトルクリミッタ(62)を配備する。即ち、管理作業車が前進時のみワンウェイクラッチ(61)を介して作業機(29)には通常に動力が伝達され、該作業機(29)を駆動することができる反面、機体本体が後進の際にはワンウェイクラッチ(61)が作動して作業機(29)への駆動力を断ち逆転を防止できる。また、トルクリミッタ(62)を配備することで、作業機(29)に異常負荷がかかった場合に、該トルクリミッタ(62)が直ちに応動してグランドPTO軸(60)の駆動を断ち管理作業車の駆動系を安全に保護することができる。
【0019】また、リンク機構を図9乃至図12に示すように構成してもよい。ヒッチ(25)下部には左右方向に延出する棒状のツールバー(70)の中央部が固設され、該ツールバー(70)の中央部と左右側部に、取付位置を変更可能に複数の作業機(29)が装着されるが、作業機(29)の一例として複数のロータリ(A)(B)及び(C)をツールバー(70)に直接装着した場合、畝の高低に対する姿勢制御はツールバー(70)に依存するため、個々のロータリの畝に対する姿勢変化の対応が不十分である。
【0020】このような不十分な姿勢制御を解消するために、ツールバー(70)に複数の平行リンク(71)(71)を設け、該平行リンク(71)(71)を介してロータリ(A)(B)(C)を個々に独立して装着する。そして、複数のロータリ(A)(B)及び(C)の装着形式(X)(Y)について説明する。
装着形式(X)について中央に位置するロータリ(B)をツールバー(70)に外嵌する装着部(72)に一体化して装着し、左右両側のロータリ(A)(C)にはそれぞれ平行リンク(71)(71)を装着する(図11参照)。
装着形式(Y)についてロータリ(A)、ロータリ(B)及びロータリ(C)の全てに個別に平行リンク(71)を装着する(図12参照)。
以上のようにツールバー(70)に複数の平行リンク(71)を装着し、該平行リンク(71)に個々に対応させて全てのロータリ(A)(B)及び(C)を装着するか、或いは複数のロータリ(A)乃至(C)の内、中央に位置するロータリ(B)をツールバー(70)に直接装備し、それ以外のロータリ(A)及び(C)は平行リンク(71)を介してツールバー(70)に装着するので、何れの形式を採用してもツールバー(70)に直接ロータリを装着した形式に比べ、畝に対する追従性が良く、ロータリの耕深調節が容易になる。なお、各ロータリにはゲージホイール(73)が装着されている。
【0021】また、操向ハンドルのコラムを図13に示すように構成してもよい。後車体フレーム(1b)に操向ハンドル(11)及びエンジン(5)を直接搭載した管理作業車は、エンジン(5)からの振動が操向ハンドル(11)にやや大きく感じられるので、この振動を低減する目的で、以下のように操向ハンドル(11)のコラムを構成する。即ち、後車体フレーム(1b)に、上下端に軸受(81)(81)が配備され、かつ下端部に操向コラム(82)が装備された受筒(80)を介してハンドル軸(83)を回転自在に軸支させ、該ハンドル軸(83)上端に操向ハンドル(11)を固定させ、その下端にはジョイント(84)を介して筒型中空部(85)の操向軸(86)に接続されている。そして、受筒(80)の下端部に装備された操向コラム(82)と後車体フレーム(1b)の筒型中空部(85)を接続するに際して、前記両部材に設けられた間隙に防振ゴム(87)をボルト(88)等により固着させることにより、エンジン(5)からの振動を前記防振ゴム(87)の緩衝により、操向ハンドル(11)に伝わる振動の低減に寄与している。
【0022】また、HST式変速装置の配置を図14に示すように配置してもよい。エンジン(5)の動力がプーリ、ベルトを介してミッションケース(6)内に入力されるが、該ミッションケース(6)の側部には主変速機構としてHST式変速装置(90)が配備されており、ミッションケース(6)内に入力された動力がHST式変速装置(90)によって無段変速され、無段変速した後の動力が再びミッションケース(6)内に入力され、ミッションケース(6)内において副変速され、各車輪に変速された動力が伝達される。このような構成において、HST式変速装置(90)をミッションケース(6)の機体進行方向右側に配置すると共に、HST主変速レバー(16)も同様に右側に配置されるが、該HST主変速レバー(16)の下端にターンバックル式のロッド(91)が軸着され、該ロッド(91)の他端はHST式変速装置(90)の側部より突出しているコントロールアーム(92)に連結され操作系リンクが構成されている。
【0023】以上のように、HST式変速装置(90)をミッションケース(6)右側に配置し、かつ該ミッションケース(6)の右側直近にHST主変速レバー(16)が配置されているので、作業者が左側からの乗降を基本とする管理作業車において、前記車体の左側には障害物がなく、乗降の安全性が確保されると共に、HST式変速装置(90)を操作するHST主変速レバー(16)の操作系リンクがシンプルな構成になり、かつリンク系の撓みも少なく、リンク調節が容易に行うことができる。
【0024】また、ステップを図15及び図16に示すように構成してもよい。エンジン(5)を後車体フレーム(1b)に直接搭載した管理作業車において、該後車体フレーム(1b)にステップ(10)を直接取付けた構成では、ステップ(10)にエンジン(5)からの振動の伝わりが大きいという不都合が生じる。そこで、後車体フレーム(1b)の機体前後・左右方向に延出されたステップパイプフレーム(100)の垂直方向に連結されたステップフレーム(101)と、該ステップフレーム(101)にボルト(102)を介してアングル(103)の先端部(103a)が固着されると共に、該アングル(103)の後端部(104b)上方部には防振ゴム(87)を介してステップ上板(10a)がリベット(104)等により固着支持されている。このように、ステップ(10)をステップフレーム(101)とステップ上板(10a)に分離して防振ゴム(87)を介したので、ステップ(10)に対するエンジン(5)の振動が低減される。
【0025】管理作業車に搭載された作業機、例えば3連ロータリの駆動制御操作を図17及び図18に示すように構成してもよい。管理作業車に装備されたロータリ(A)の「ON」「OFF」操作は、クラッチペダル(22)を踏み込んでPTOレバー(20)の操作を行うため、管理作業車の走行を停止しなければならないという不都合が生じる。そこで、この不都合を解消するために、3連ロータリの入力軸部(110)に電磁クラッチ(111)を配置すると共に、該電磁クラッチ(111)の「ON」「OFF」を操作する操作ボックス(112)を管理作業車本体の適宜箇所に設け、さらに操作ボックス(112)を制御する作業機位置検出センサ(113)を作業機昇降レバー(17)またはリンク機構(26)等に設け、作業機位置を検出する。前記操作ボックス(112)には図17に示すように手動操作の「ON」「OFF」スイッチ、「手動」、「連動」操作のモード切換スイッチが配置され電磁クラッチ(111)に接続されている。前記「連動」操作モードに切換えた場合には、作業機昇降レバー(17)の操作のみで作業機(29)の昇降とロータリ(A)(B)及び(C)それぞれの「ON」「OFF」操作が連動可能である。
【0026】このように構成されたで制御回路により、管理作業車の旋回時に、操作ボックス(102)モード切換を選択することで、走行クラッチペダル(22)の操作なしで、作業機昇降レバー(17)の操作のみで、作業機(29)の昇降とロータリーの「ON」「OFF」操作が可能になり、管理作業車の走行を停止する必要がない。
【0027】また、管理作業車の後輪駆動部を図19及び図20に示すように構成してもよい。機体の前部に操向輪として前輪を一輪配し、後部に後輪二輪を配した三輪駆動式の管理作業車において、旋回時の機体本体の車高の持ち上げ、或いは作業機の左右の傾きを作業車本機側で修正することができないという問題がある。そこで、管理作業車を圃場の高低に追従させて、機体の車高を水平制御するための手段として、後車体フレーム(1b)に搭載されたミッションケース(6)側部に配置された車軸ケース(7)、リアアクスルケース(8)を介して左右一対の後輪(9)が回転自在に軸支されると共に、該リアアクスルケース(8)の下部に油圧シリンダ(120)がブラケット(122)を介して固着されている。前記油圧シリンダ(120)のピストンロッド(121)先端を枢支点として前記リアアクスルケース(8)下部に突設された連結片(123)に連結されている。また、(123)は後車体フレーム(1b)上に立設された補強板、(124)は同じく後車体フレーム(1b)とミッションケース(6)とを固定するために斜設された固定ステーを示している。
【0028】このように、リアアクスルケース(8)に油圧シリンダ(120)を配備したので、後輪(9)に装備した前記油圧シリンダ(120)のピストンロッド(121)を適宜伸縮動作させることにより左右の後車体フレーム(1b)に対し左右の後輪(9)(9)を各別に上下動させて左右後輪(9)(9)による後車体フレーム(1b)の支持高さ即ち車高を可変させることが可能である。
【0029】以上のように、車高調節を可変にするように構成したので、管理作業車が旋回時、車高を上げることにより作業機の地上高さを高くできる。また、圃場の高低に追従させて、後車輪の一方だけの車高制御をすることが可能になり、機体本体を水平にすることができると共に、任意の車高に制御することも可能である。
【0030】後車体フレーム(1b)後部にエンジン(5)を搭載した管理作業車において、エンジン(5)を図21に示すように配置してもよい。即ち、エンジン(5)に装備されたエアクリーナ(130)及びオイルエレメント(131)が機体の進行方向に対して後方に向くように、エンジン(5)を配置することにより、作業者はエンジン(5)の定期点検等を行う際に、エンジンカバー(5a)を開けた状態で、前記エアクリーナ(130)及びオイルエレメント(131)のメンテナンスを車体後部で簡単に行うことができる。
【0031】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように、リンク機構及び昇降シリンダを介して車体前部に作業機を取付けると共に、運転席、操向ハンドル、エンジン、及びミッションケースを車体後部に取付ける管理作業車において、本発明の請求項1のものによれば、PTOレバー、アクセルレバー、HST主変速レバー及び作業機昇降レバー等の操作レバーを機体幅方向の中心より右側に配置したので、機体本体左側から乗降する際に、操作レバーが引っかかる等の不具合が生じない。また、搭乗後は各レバーを右手で操作でき、特に機体旋回時には減速、作業機の上昇、PTOの駆動停止までの一連の操作を右手だけで操作が可能になり、しかも操向ハンドルは左手の操作だけで持ち換える必要がないので、走行進路を適正に維持しながら作業効率が向上する。また、請求項2のものによれば、操向ハンドルにノブが設けられているので、片手で確実な運転操作性が得られる。さらに、請求項3のものによれば、操向ハンドルのノブは直進時において、機体幅方向の中心より左側に設けられているので、左手だけのハンドルのノブ操作により、走行進路を適正に維持した運転特性が得られる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年3月19日(1999.3.19)
【代理人】 【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
【公開番号】 特開2000−262106(P2000−262106A)
【公開日】 平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願番号】 特願平11−75273