| 【発明の名称】 |
トラクタ |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 正
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| 【要約】 |
【課題】2種の作業装置を機体に装備したままで、かつ、単一の駆動源で、いずれか一方又は双方の作業装置の昇降操作を選択できるトラクタを提供する。
【解決手段】機体後方の耕耘ロータリAと、これを上昇位置で固定する第1ロック機構18と、ミッドモーアBと、これを上昇位置で固定する第2ロック機構35と、耕耘ロータリAを片当たり接当で昇降する駆動アーム13と、駆動アーム13に片当たり接当してモーアBを昇降可能な連動機構32とを備え、耕耘ロータリAとモーアBを共に昇降する状態と、耕耘ロータリAを上昇ロックしてモーアBのみを駆動アーム13で昇降操作できる状態と、モーアBを上昇ロックして耕耘ロータリAのみを駆動アーム13で昇降操作できる状態と、のいずれか一つの状態を選択設定自在に構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後方に昇降自在に連設された作業装置と、該作業装置を昇降可能な駆動アームと、前記作業装置を対地浮上させた位置で固定及び解除自在な昇降ロック機構とを備えるとともに、前記駆動アームの昇降動に連動して前記作業装置を昇降させる連動昇降状態と、前記作業装置を対地浮上位置で固定して、該作業装置とは無関係に前記駆動アームを昇降させる非連動昇降状態とのいずれか一方の状態を選択設定自在に構成してあるトラクタ。 【請求項2】 前記駆動アームと、これの昇降移動経路に干渉する状態で前記作業装置に装備された接当部との片当たり接当により、上昇移動する前記駆動アームが前記接当部を押上げて前記作業装置を強制上昇させ、かつ、下降移動する前記駆動アームに前記接当部が追従して前記作業装置を自重下降させるように構成することで前記連動昇降状態を現出してある請求項1に記載のトラクタ。 【請求項3】 前輪と後輪との前後間における機体下腹部、又は走行機体の前方に昇降自在に装備される第2作業装置を備えるとともに、該第2作業装置を前記駆動アームの昇降動に連動して昇降可能な連動昇降機構を設けてある請求項1又は2に記載のトラクタ。 【請求項4】 前記駆動アームと、これの昇降移動経路に干渉する状態で前記第2作業装置に装備された第2接当部との片当たり接当によって前記連動昇降機構を構成し、前記第2作業装置を対地浮上させた位置で固定及び解除自在な第2昇降ロック機構を設け、上昇移動する前記駆動アームが前記第2接当部を押上げて前記第2作業装置を強制上昇させ、かつ、下降移動する前記駆動アームに前記第2接当部が追従して前記第2作業装置を自重下降させる連動昇降状態と、前記第2作業装置を対地浮上位置で固定して、該第2作業装置とは無関係に前記駆動アームを昇降させる非連動昇降状態とのいずれか一方の状態を選択設定自在に構成してある請求項3に記載のトラクタ。 【請求項5】 前記駆動アームと前記接当部との接当位置、又は前記駆動アームと前記第2接当部との接当位置を変更調節可能に構成してある請求項2又は4に記載のトラクタ。 【請求項6】 前記駆動アームを支点回りで揺動昇降移動するものに構成するとともに、前記駆動アームと前記接当部との接当位置と、前記駆動アームと前記第2接当部との接当位置とを、前記支点を中心とする半径方向で互いに異ならせてある請求項2又は4に記載のトラクタ。 【請求項7】 前記昇降ロック機構又は前記第2昇降ロック機構は、前記作業装置又は前記第2作業装置の所定位置への上昇に伴って自動的に昇降ロックされる自動ロック状態と、前記作業装置又は前記第2作業装置の昇降如何に拘わらずに昇降ロックされないロック解除状態とに切換え可能に構成してある請求項1〜6のいずれか1項に記載のトラクタ。 【請求項8】 前記昇降ロック機構による前記作業装置の昇降ロック高さ位置、又は前記第2昇降ロック機構による前記第2作業装置の昇降ロック高さ位置を調節可能に構成してある請求項1〜7のいずれか1項に記載のトラクタ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後方にロータリ耕耘装置等の作業装置を昇降自在に連設したトラクタに係り、詳しくは、機体下腹部や機体前方にモーア等の第2の作業装置を付設して、両作業装置を選択的に使用できるように構成し、トラクタによる作業範囲の拡大や稼働率の向上等を図る技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のトラクタは、特開平10‐70907号公報に示されたように、機体後方に昇降リンク機構を介して作業装置(リヤー作業装置)を連設する構造が一般的である。又、特開平11‐5469号公報に示されたように、機体後部に昇降リンク機構を設けるとともに、前輪と後輪との間における機体下腹部にモーア等の第2作業装置(ミッド作業装置)を昇降自在に装備する機構を設けることにより、2箇所の位置で異なった作業が行えるようにしたトラクタもあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記後者の公報に示されたものでは、ロータリ耕耘作業等のリヤー作業と芝刈作業等のミッド作業という異なる作業を1台のトラクタで行えるとともに、それらリヤー作業装置とミッド作業装置との夫々に専用の装着手段及び昇降手段を備えおり、2種の作業装置を装着したままでも各別の作業が行える利点を備えている。しかしながら、その構造では装置や機構類が多くなって複雑で部品点数も多く、コスト高になる面で不利であった。 【0004】そこで、特開平8‐275612号公報に示されたように、リヤー作業装置用の昇降駆動機構を用いてミッド作業装置を連動昇降できるように工夫されたものも知られており、ミッド作業装置用の昇降駆動手段を省いてのコストダウンが可能であった。しかしながら、その連動昇降手段を備えたトラクタでは、ミッド作業装置を用いるときには、リヤー作業装置の不要な昇降動やその悪影響を避けるべく該リヤー作業装置を取外さねばならないので、その着脱操作が面倒で煩わしいとともに、その分作業能率も低下するので、さらなる改善の余地があった。 【0005】上記実情に鑑みて本発明の目的は、各別な2種の作業装置を、いずれか一方の取り外しなく、かつ、夫々に昇降駆動源を必要とすることがないよう便利で廉価に装備しながら、それら2種の作業装置の一方又は双方を昇降操作する選択的使用が可能となるトラクタを提供する点にある。 【0006】 【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、トラクタにおいて、走行機体の後方に昇降自在に連設された作業装置と、作業装置を昇降可能な駆動アームと、前記作業装置を対地浮上させた位置で固定及び解除自在な昇降ロック機構とを備えるとともに、駆動アームの昇降動に連動して作業装置を昇降させる連動昇降状態と、作業装置を対地浮上位置で固定して、作業装置とは無関係に駆動アームを昇降させる非連動昇降状態とのいずれか一方の状態を選択設定自在に構成してあることを特徴とする。 【0007】第2発明は、第1発明において、駆動アームと、これの昇降移動経路に干渉する状態で作業装置に装備された接当部との片当たり接当により、上昇移動する駆動アームが接当部を押上げて作業装置を強制上昇させ、かつ、下降移動する駆動アームに接当部が追従して作業装置を自重下降させるように構成することで連動昇降状態を現出してあることを特徴とする。 【0008】第3発明は、第1又は第2発明において、前輪と後輪との前後間における機体下腹部、又は走行機体の前方に昇降自在に装備される第2作業装置を備えるとともに、第2作業装置を駆動アームの昇降動に連動して昇降可能な連動昇降機構を設けてあることを特徴とする。 【0009】第4発明は、第3発明において、駆動アームと、これの昇降移動経路に干渉する状態で第2作業装置に装備された第2接当部との片当たり接当によって連動昇降機構を構成し、第2作業装置を対地浮上させた位置で固定及び解除自在な第2昇降ロック機構を設け、上昇移動する駆動アームが第2接当部を押上げて第2作業装置を強制上昇させ、かつ、下降移動する駆動アームに第2接当部が追従して第2作業装置を自重下降させる連動昇降状態と、第2作業装置を対地浮上位置で固定して、第2作業装置とは無関係に駆動アームを昇降させる非連動昇降状態とのいずれか一方の状態を選択設定自在に構成してあることを特徴とする。 【0010】第5発明は、第2又は第4発明において、駆動アームと接当部との接当位置、又は駆動アームと第2接当部との接当位置を変更調節可能に構成してあることを特徴とする。 【0011】第6発明は、第2又は第4発明において、駆動アームを支点回りで揺動昇降移動するものに構成するとともに、駆動アームと接当部との接当位置と、駆動アームと第2接当部との接当位置とを、支点を中心とする半径方向で互いに異ならせてあることを特徴とする。 【0012】第7発明は、第1〜第6発明において、昇降ロック機構又は第2昇降ロック機構は、作業装置又は第2作業装置の所定位置への上昇に伴って自動的に昇降ロックされる自動ロック状態と、作業装置又は第2作業装置の昇降如何に拘わらずに昇降ロックされないロック解除状態とに切換え可能に構成してあることを特徴とする。 【0013】第8発明は、第1〜第7発明において、昇降ロック機構による作業装置の昇降ロック高さ位置、又は第2昇降ロック機構による第2作業装置の昇降ロック高さ位置を調節可能に構成してあることを特徴とする。 【0014】〔作用〕請求項1の構成によれば、駆動アームの昇降動に連動してリヤー作業装置を昇降させる連動昇降状態を選択すれば、駆動アームを動かしてリヤー作業装置を昇降移動させることができる。そして、昇降ロック機構を用いて作業装置を対地浮上位置で固定して、作業装置とは無関係に駆動アームを昇降させる非連動昇降状態を選択すれば、駆動アームを、例えばフロント作業装置(走行機体の前方に連設される作業装置)の昇降手段といった、リヤー作業装置の昇降以外の目的で使うことができるようになる。 【0015】しかも、リヤー作業装置は対地浮上位置でロックされているから、その状態でトラクタを走行させてもリヤー作業装置の接地おそれがなく、従って、リヤー作業装置を機体に連設したままで良く、従来のように駆動アームを別の目的で使うときにリヤー作業装置を取外さねばならない、という面倒がない。又、その分実作業に時間を費やせるようになる。 【0016】請求項2の構成によれば、作業装置の連動昇降状態では、駆動アームによる強制上昇と自重下降とが行われるように、作業装置の接当部と駆動アームとを片当たり接当させてあるので、ロッド等の駆動アームと作業装置を連結するものは存在しない。故に、作業装置を昇降ロックする際には、該駆動アームとの連結解除等の別操作が一切不要であり、単に昇降ロック操作のみを行うだけで、作業装置とは無関係に駆動アームを昇降させる非連動昇降状態を得ることができる。 【0017】請求項3の構成によれば、第2作業装置を駆動アームの昇降動に連動して昇降可能な連動昇降機構を設けたので、リヤ作業装置を対地浮上位置でロックして非連動昇降状態とすれば、駆動アームの昇降動でフロント作業装置又はミッド作業装置を昇降させることができるようになる。例えば、機体後方の耕耘ロータリと機体下腹部のモーアとの双方を装備しながら、耕耘ロータリを上昇ロックさせて芝刈り作業のみを行う、という使い方が可能になる。 【0018】そして、リヤー作業装置のロックを解除して連動昇降状態にすれば、駆動アームの昇降動によってリヤー及びミッドといった2つの作業装置を同時に昇降操作することができるようになる。例えば、フロント作業装置としてモーアを、かつ、リヤ作業装置として集草機を夫々装備し、モーアを接地させる草刈り作業時には集草機も下降させて低重心化させ、移動走行時には走行し易いようにモーアも集草機も上昇させておく、という使い方が可能になる。又、傾斜地や凹凸地での草刈り作業時には集草機を、その対地接触を避けるべく上昇させ、移動走行時には集草によって重くなった集草機を下降して重心位置を下げる、という使い方も可能である。 【0019】請求項4の構成によれば、駆動アームによる第2作業装置の強制上昇と自重下降とが行われるように、駆動アームと第2接当部とを片当たり接当させる連動昇降機構を設けたので、ロッド等の駆動アームと第2作業装置を連結するものは存在しない。故に、第2昇降ロック機構を用いて第2作業装置を昇降ロックする際には、駆動アームと第2作業装置との連結解除等の別操作が一切不要であり、単に第2昇降ロック操作のみを行うだけで、第2作業装置とは無関係な駆動アームの昇降動が行える状態を得ることができる。 【0020】故に、第2作業装置を上昇ロックさせることで、機体後方の作業装置のみを駆動アームで昇降操作することが可能になるから、例えば、耕耘ロータリ等の作業装置とミッドマウントモーア等の第2作業装置との双方の同時昇降操作、作業装置のみの昇降操作、及び第2作業装置のみの昇降操作、という3通りの昇降操作状態を選択設定することが可能になる。 【0021】請求項5の構成によれば、駆動アームと接当部との接当位置、又は駆動アームと第2接当部との接当位置を変更調節可能に構成したので、駆動アームの昇降動に対する作業装置又は第2作業装置の昇降移動量を変更することができるようになる。故に、最大上昇高さ位置や、昇降操作量に対する作業装置又は第2作業装置の昇降量の比率、或いは、作業装置と第2作業装置との同時操作時の昇降量の比率等を、付設する作業装置の大きさ、種類、特質等を考慮して設定することが可能になる。 【0022】請求項6の構成によれば、駆動アームが揺動昇降する構造として、駆動アームと接当部との接当位置と、駆動アームと第2接当部との接当位置とを、揺動半径方向で互いに異ならせてあるので、駆動アームの単位揺動量に対する作業装置の昇降量と第2作業装置の昇降量とを互いに異なるようにすることができる。故に、耕耘ロータとモーアといった作業装置と第2作業装置との絶対昇降移動量等の昇降条件が異なることに合わせて対応させることができ、リンク機構等のレバー比を変更するものを別途設けなくて済む。 【0023】請求項7の構成によれば、昇降ロック機構(第2昇降ロック機構)は、作業装置(第2作業装置)を上昇すれば自動的に昇降ロックされる自動ロック状態と、昇降如何に拘わらずに昇降ロックされないロック解除状態との切換えが可能であるから、自動ロック状態に設定すれば、単に作業装置(又は第2作業装置)を上昇させるだけで昇降ロックでき、上げ下げ操作を繰り返して所定位置に精度良く合致させるといった面倒なロック用の昇降操作が不要になる。又、ロック解除状態にすれば、作業装置(又は第2作業装置)を自由に昇降操作できる状態が得られる。 【0024】請求項8の構成によれば、昇降ロック機構による作業装置の昇降ロック高さ位置、又は第2昇降ロック機構による第2作業装置の昇降ロック高さ位置が調節可能であるから、大きな作業装置では上昇量を大きくし、小さな作業装置では上昇量を小さくする等、作業装置に合わせたロック高さ位置が設定でき、必要以上に高く持ち上げる無駄や重心位置が高くなる等の不都合なく十分に対地浮上させることができるようになる。 【0025】〔効果〕請求項1〜8のいずれに記載のトラクタでも、駆動アームによるリヤー作業装置の昇降操作状態と、駆動アームの昇降動をリヤー作業装置の昇降以外に用いる状態との選択設定を、作業装置を取外す面倒なく行えるようになり、操作簡単にして作業範囲の拡大や稼働率向上が図れる優れたものにできた。 【0026】請求項2に記載のトラクタでは、駆動アームの昇降動をリヤー作業装置の昇降以外に用いる際に行う昇降ロック機構の操作を、作業装置の昇降ロック操作のみで済む簡単なものにできた。 【0027】請求項3に記載のトラクタでは、作業装置と第2作業装置とが同時に昇降操作される状態と、作業装置を装備しながら第2作業装置のみを昇降操作する状態との選択設定ができて作業範囲の拡大が図れ、かつ、その選択設定が簡単に行える利点がある。 【0028】請求項4に記載のトラクタでは、作業装置と第2作業装置との同時昇降操作、作業装置のみの昇降操作、及び第2作業装置のみの昇降操作の3通りの昇降操作状態を、いずれの作業装置も取り外す手間なく選択設定でき、作業範囲及び稼働率をより改善できた。 【0029】請求項5に記載のトラクタでは、昇降量や高さ位置、或いは駆動アームの単位昇降量に対する作業装置の昇降量の比率といった昇降条件を、付設する作業装置の大きさ、種類、特質等を考慮して設定することができ、昇降操作性を向上できるに至った。 【0030】請求項6に記載のトラクタでは、駆動アームによる連動昇降状態を、特別な機構類を一切用いることなく、持上げ高さ量等の昇降条件の異なる作業装置と第2作業装置とに合わせて対応できる利点がある。 【0031】請求項7に記載のトラクタでは、作業装置又は第2作業装置を昇降ロックさせる操作を、所定高さ位置に合致させる面倒な昇降操作の不要な簡単なもので済むようにしながら、ロック解除状態としての作業装置又は第2作業装置の自由な昇降操作も行える便利なものにできた。 【0032】請求項8に記載のトラクタでは、重心位置が不要に高くなる等の不都合なく、作業装置や第2作業装置の大きさや重さ等の諸条件に合わせた好適なロック高さ位置が設定できる利点がある。 【0033】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1にリヤー作業装置である耕耘ロータリAと、ミッド作業装置であるミッドマウントモーアBとを装備したトラクタが示され、1は前輪、2は後輪、3はエンジン、4は機体フレームを兼ねるモノボディ型のミッションケース、5は運転部、6は第1昇降リンク機構、7は第2昇降リンク機構、8はリヤーヒッチ、9はリヤーPTO軸、10はミッドPTO軸、11は走行機体である。 【0034】図2に示すように、第1昇降リンク機構6は、左右のリヤーヒッチ8,8夫々の下部に支点Xで揺動昇降自在に枢支された左右のロワアーム(駆動アームの一例)13,13と、油圧単動型の昇降シリンダ14で揺動昇降操作される左右のリフトアーム15,15と、ロワアーム13とリフトアーム15とを連結する左右の連結アーム16,16と、リヤーヒッチ8の上方においてミッションケース4の後端に固定された上部ヒッチ17と耕耘ロータリAの主フレーム12とに亘って架設された第1昇降ロック機構18とから構成されている。 【0035】ロータリ主フレーム12の前端部は、一対のリヤーヒッチ8,8に左右向きの支点Pで揺動自在に枢支されるとともに、ロワアーム13後端の上向き傾斜面13aの昇降移動経路に干渉するローラ(接当部の一例)19を、主フレーム12の左右の側面夫々に支承してある。つまり、ロワアーム13とローラ19とにより、昇降シリンダ14を昇降作動させると、上昇揺動移動するロワアーム13がローラ19を押上げて耕耘ロータリAを強制上昇させ、かつ、下降揺動移動するロワアーム13にローラ19が追従して耕耘ロータリAを自重下降させるように機能する第1片当たり接当機構aが構成されている。 【0036】図6、図7に示すように、第1昇降ロック機構18は、上部ヒッチ17に上下揺動自在にピン連結された角筒状の外アーム20と、主フレーム12に上下揺動自在にピン連結された板棒状で外アーム20にスライド自在に内嵌合される内アーム21と、外アーム20の後部側面に装備されたロック部22とで構成されている。 【0037】ロック部22は、平面視で横向き開放コ字状のブラケット23と、このブラケット23に貫通支承されたL字バー24と、L字バー24に装備されたロールピン25と、ワッシャ26を介してL字バー24を押し込み側に付勢する巻きバネ27とから構成されている。外アーム20におけるブラケット23部分に、L字バー24挿入用の孔20aを形成し、内アーム21の付け根部分には、L字バー24挿入用の長孔21aを形成してある。又、ブラケット23の左右中間部位には、ロールピン25を入れ込み自在な切欠き溝23aを形成してある。 【0038】第1昇降ロック機構18の作用を説明する。ロータリ耕耘装置Aを昇降させる場合には、図6(イ)に示すように、巻きバネ27の付勢力に抗してL字バー24を引張り出すとともに反時計回り方向に捩じることにより、ロールピン25を切欠き溝23aに入れ込んで、L字バー24先端が内アーム21に干渉しない退避位置に維持される状態、すなわち、ロック解除状態とする。このロック解除状態では、外アーム20と内アーム21とが自由にスライド移動できる。 【0039】そして、ロータリ耕耘装置Aを対地浮上する上昇位置でロックする場合には、図6(イ)に示す状態において、L字バー24を時計回り方向に捩じって、ロールピン25と切欠き溝23aとの係合を解き、図7に示すように、L字バー24先端が内アーム21側面に巻きバネ27で付勢接当される自動ロック状態に操作する。 【0040】この自動ロック状態で、昇降シリンダ14を上昇作動させ、図2に示す下降位置からロータリ耕耘装置Aを駆動上昇させると、次第に内アーム21が外アーム20内に入り込みスライドして行き、遂にはL字バー24先端部が長孔21a(及び孔20a)に嵌まり込み、図6(ロ)に示す昇降ロック状態になる。 【0041】つまり、巻きバネ27の付勢力によってL字バー24が長孔21aに自動的に入り込むのであり、それは耕耘ロータリAを上限(所定高さ位置の一例)まで上昇させたときに行われるように設定してある。従って、それから第1昇降リンク機構6を下げ操作すると、耕耘ロータリAは上限位置にロックされているので、図4に示すように、ローラ19との片当たり接当が解除されたロワアーム13が単独で下降するようになる。尚、図6(ロ)に示す状態において、L字バー24を長孔21aから引張り出し操作することでロック解除でき、連動昇降状態に戻せるようになる。 【0042】次に、モーアの昇降駆動構造について説明する。図1〜図5に示すように、モーアBを吊設支持する第2昇降リンク機構7は、左右一対の前リンク28,28と左右一対の後リンク29,29とで成る平行四連リンク構造を走行機体11に吊り下げるとともに、連結リンク30を介して後リンク29に連動連結されるL字リンク31を、走行機体11(ミッションケース4)の左右夫々に支持軸44を用いて枢支し、かつ、各L字リンク31,31を、ロワアーム13,13の昇降動に連動して揺動移動させる左右一対の連動昇降機構32を備えて構成されている。 【0043】連動昇降機構32は、ロワアーム13と、これと揺動支点Xでリヤーヒッチ8に同軸枢支された連動リンク(第2接当部の一例)33と、この連動リンクの下端部とL字リンク31とを連動連結する連動ロッド34とで構成してある。連動リンク33の上部には、ロワアーム13の上面に接当可能な折曲げ部33aを形成してあり、これによって第2片当たり接当機構bを構成してある。 【0044】つまり、昇降シリンダ14を上昇作動させると、ロワアーム13が折曲げ部33aに作用して連動リンク33を押し上げ、連動昇降機構32等を介して後リンク29を持ち上げることでモーアBを強制上昇させる。そして、昇降シリンダ14を下降作動させると、下降揺動するロワアーム13に折曲げ部33aが追従するように、連動リンク33に連動連結されたモーアBが自重下降するのであり、これによってロワアーム13とモーアBとの連動昇降状態が得られる。 【0045】図8〜図10に示すように、モーアBを対地浮上させた位置で固定及び解除自在な第2昇降ロック機構35を設けてある。すなわち、モーアハウジング36の後部に立設したステー37に後リンク29をL字形の操作ピン38を介して枢支し、その後リンク29の側面に、操作ピン38を2度貫通させる屈曲ブラケット39を固着するとともに、屈曲ブラケット39の内側部分において、ロック金具40と、ワッシャ41とロールピン42と巻きバネ43とを操作ピン38に外嵌装備して第2昇降ロック機構35を構成してある。 【0046】ロック金具40は、図9に示すように、通常は巻きバネ43の付勢力により、屈曲ブラケット39の内側部分における後リンク29側に軽く接触するように押圧付勢され、横倒れ姿勢でガタつかない状態に維持されているとともに、巻きバネ43の付勢力は軽いので、手指操作によってロック金具40を起立させたり、巻きバネ43の付勢力に抗して外側(機体左右方向での外側)に寄せることが容易としてある。 【0047】第2昇降ロック機構35の作用を説明する。先ず、図2に示す状態で、昇降シリンダ14を上昇作動させると、ロワアーム13が連動リンク33を押し上げてモーアBを強制上昇させる。そして、図3に示すように、上限まで上昇させた状態において、前述したロック金具40を手指操作で起立かつ横移動させることで、孔部40aを用いてロック金具40をL字リンク31の支持軸44に挿入して引っ掛ける。その引っ掛け操作を左右のロック金具40毎に行うことにより、図5や図8の右側に示すように、モーアBを支持軸44で吊設支持して上限位置での昇降ロック状態が得られる。 【0048】モーアBを上限位置で昇降ロックすれば、連動リンク33とロワアーム13とが片当たり接当していることから、モーアBとは無関係にロワアーム13を昇降させる非連動昇降状態が得られるのである。尚、モーアBの昇降ロック状態を解除するには、ロック操作されている左右のロック金具40,40を手指操作で支持軸44から外せば良く、それによって連動昇降状態に戻すことができる。 【0049】以上説明したように、本トラクタでは、耕耘ロータリA及びモーアBは、いずれも上限位置で位置保持ロックでき、かつ、いずれもロワアーム13,13との片当たり接当によって強制上昇及び自重下降するように構成されている。 【0050】従って、両ロック機構18,35を共にロック解除状態にして、昇降シリンダ14で耕耘ロータリAとモーアBとを同時に昇降できる状態(図2、図3参照)と、第1ロック機構18のみをロック解除状態にして、耕耘ロータリAのみを昇降シリンダ14で昇降できる状態(図5参照)と、第2ロック機構35のみをロック解除状態にして、モーアBのみを昇降シリンダ14で昇降できる状態(図4参照)と、の3通りの昇降状態を選択設定できるようになっている。 【0051】本実施形態の第1昇降リンク機構6は、特開平10‐70907号公報に示された構成、すなわち、作業装置を直接機体後部に連結した所謂2点リンク機構を基本としたものであるが、特開平10‐80202号公報に示されたもののように、左右一対のロワリンクとトップリンクとの3部品を介して作業装置を機体に連結した構成、所謂3点リンク機溝を基本としたものでも可能である。例えば、ロワリンクを左右夫々に2個ずつ備え、一方を作業装置に片当たり接当するとともにリフトシリンダで昇降される本願のロワアームに相当するものに、かつ、他方は作業装置と機体とを連結するものに構成することが考えられる。 【0052】〔別実施形態〕図11に示すように、ロワアーム13の後部に側面視で略下向きU字状のガイドバー45をボルト止め装着して、耕耘ロータリAのローラ19を挟み込むように構成しても良い。この構造では、耕耘ロータリAを上限位置で昇降ロックするには、第1ロック機構18の操作と、ガイドバー45の外し操作とが必要であるが、ローラ19とロワアーム13とは一体的に昇降して、耕耘ロータリAの単独昇降移動を阻止するので、耕耘反力等で耕耘ロータリAが飛び上がるようなことが生じない点で好ましい。 【0053】第1昇降ロック機構18における内アーム21の長孔21aをアーム長手方向に複数箇所形成し、耕耘ロータリAの昇降ロック時における対地浮上高さを調節できるようにすれば好都合である。第1昇降ロック機構18に備えた自動ロック構造を、第2昇降ロック機構35に適用して、モーアBを上限上昇させると自動的に昇降ロックされるように構成しても良い。 【0054】耕耘ロータリAにおけるローラ19の支承位置を、ボルト付け換え等によって前後に位置調節できるようにするとか、連動リンク33の折曲げ部33aに、ロワアーム13上面に接当するボルトを前後に位置調節自在に設ける等により(ロワアーム13の半径方向位置調節により)、ロワアーム13の単位揺動角度に対する耕耘ロータリA、又はモーアBの昇降量の比を可変設定できるようにしても良い。 【0055】ミッドマウントモーアBに代えて、機体前方にフロントマウントモーアやドーザ装置、又はローダ装置等のフロント作業装置を付設し、そのフロント作業装置(第2作業装置)をロワアーム13の昇降動を用いて昇降させるように構成しても良い。又、リヤー作業装置としては、スイーパ(集草機)、や集草容器、或いは、溝掘り機といった対地作業装置等、種々のものが考えられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年3月2日(1999.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−245205(P2000−245205A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月12日(2000.9.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−54151 |
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