| 【発明の名称】 |
残耕処理機構を備えた移動農機 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐竹 土佐雄
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| 【要約】 |
【課題】耕作作業時に耕運爪によって耕作することができない残耕部をなくすことができる残耕処理機構を備えた移動農機を提供することを目的とする。
【解決手段】駆動系側に傾斜ホルダ22を固定し、エンジンの回転力を受ける駆動シャフト4に連動するとともに傾斜ホルダ22に沿って回転するホルダ25を設けて、該ホルダ25に、下端部が駆動系の下方に位置する死角方向に傾斜する耕運爪5を固定した移動農機を基本構成とする。具体的には駆動シャフト4の外面に固定した中間駆動パイプ21と、ミッションケース3側に固定した傾斜ホルダ22と、該傾斜ホルダ22にベアリング23を介して回動可能に設けられたホルダ25と、このホルダ25の外周面に締付固定されて、下端部がミッションケース3の下方に位置する死角方向に傾斜する耕運爪5を具備した残耕処理機構を備えた移動農機の構成を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動系から左右対称に両側駆動する駆動シャフトを設け、該駆動シャフトに耕運爪を固定して、ハンドル操作と耕運爪の回転により畑地表面を耕作しながら進行するように構成した移動農機において、駆動系側に傾斜ホルダを固定し、エンジンの回転力を受ける駆動シャフトに連動するとともに傾斜ホルダに沿って回転するホルダを設けて、該ホルダに、下端部が駆動系の下方に位置する死角方向に傾斜する耕運爪を固定したことを特徴とする残耕処理機構を備えた移動農機。 【請求項2】 駆動系を構成するミッションケースの下端部にあって両側駆動する駆動シャフトと、この駆動シャフトの外面に固定した中間駆動パイプと、該中間駆動パイプを介在してミッションケース側に固定した傾斜ホルダと、該傾斜ホルダの側端軸上にベアリングを介して回動可能に設けられて中間駆動パイプの回転に伴ってベアリングの外周上を回動するホルダと、このホルダの外周面に固定した取付ホルダに締付固定され、下端部がミッションケースの下方に位置する死角方向に傾斜する耕運爪を具備してなることを特徴とする残耕処理機構を備えた移動農機。 【請求項3】 中間駆動パイプの側端に延長パイプを固定して、該延長パイプの外周面に固着したフランジの側面に他の耕運爪を締付固定したことを特徴とする請求項2に記載の残耕処理機構を備えた移動農機。 【請求項4】 ミッションケース中央部にU型金具を固定し、このU型金具に固着した取付ステーの下端部を傾斜ホルダから延長する取付ステーに固定して傾斜ホルダの取付角度を一定に保つことを特徴とする請求項2又は3に記載の残耕処理機構を備えた移動農機。 【請求項5】 ホルダに複数個の切欠部を形成するとともに中間駆動パイプに複数個の突起部を設けて、この突起部をホルダの各切欠部内に挿通したことを特徴とする請求項2,3又は4に記載の残耕処理機構を備えた移動農機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は畑地の耕運作業時において、耕運爪によって耕運することができない残耕部をなくすための残耕処理機構を備えた移動農機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図8は従来から知られている移動農機として車軸耕運タイプの耕運機10の一例を示しており、主要な構成を説明すると、フレーム1の上部にエンジン2が搭載され、フレーム1の下部に駆動系を構成するミッションケース3が配置されている。このミッションケース3内には減速用ミッション及びシャフト、チェーンが内蔵されており、該ミッションケース3の下端部には、両側駆動するため左右対称に駆動シャフト4が設けられ、この駆動シャフト4に耕運爪5が固定されている。6はフレーム1の後方に取り付けられた抵抗棒であり、7は軸8により上下移動可能に設けられたハンドルである。Aは耕運機10の進行方向を示し、Bは耕運爪5の回転方向を示している。 【0003】エンジン2の駆動力は下方のミッションケース3内のミッションに伝達され、ミッションケース3下端部の駆動シャフト4を回転させて耕運爪5により畑地表面を耕作しながら耕運機10がA方向に進行する。この動作時において抵抗棒6は耕運爪5の回転に伴うダッシングを柔らげる機能を有している。 【0004】図9は耕運爪5の取付機構を示す要部詳細図であり、ミッションケース3の下端部に両側駆動するための駆動シャフト4,4が設けてあり、この駆動シャフト4の外周にはメインパイプ9がロータピン11,11又は図示しない松葉ピン等を用いて固定されている。メインパイプ9の外周面にフランジ12が溶接等によって一体的に固着され、該フランジ12の側面に耕運爪5,5が六角ボルト13及び六角ナット14により締付固定されている。 【0005】更にメインパイプ9の側端に延長パイプ15がロータピン16又は松葉ピン等を用いて固定されており、該延長パイプ15の外周面にもフランジ17が溶接等によって一体的に固着され、該フランジ17の側面に耕運爪5,5が六角ボルト18及び六角ナット19により締付固定されている。延長パイプ15の端部にはサイドデスク20が図示しないロータピン又は松葉ピン等を用いて固定されている。尚、耕運爪5はミッションケース3の両側に左右対称に設けられているため、図9ではミッションケース3の一方側のみの構成要部を示している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前記したようにミッションケース3を中心として耕運爪5が両側駆動できるように左右対称に構成されており、図9に示すミッションケース3の幅員Xの寸法として最低40mm程度の長さが必要となる。更にメインパイプ9とか延長パイプ15のガタを考慮すると、ミッションケース3と耕運爪5間の距離Yについても約5〜10mm程度の長さを保持することが必要であり、従って畑地の耕作作業時においてミッションケース3の下方に位置する畑地40の中で、全幅X+2Yの距離分だけは耕運爪5によって耕作することができない死角となり、図示した40aが残耕部となる。 【0007】上記に対処して、一般には耕運機10の往復移動作業によって再度畑地の耕作を行うとか、作業者がハンドル7を左右に振って残耕部40aを極力少なくする等の手段が用いられているが、往復移動作業は通常の作業時間よりも2倍の作業時間を要することになり、又、ハンドル7を左右に振る作業は熟練を要する上、作業形態が不安定であって幅員が約60mm程度の残耕部が生じることが免れず、しかもハンドル7を振る作業は作業者の負担が増大し、肩こりとか筋肉痛などの原因となり、精神的、肉体的なダメージが生じるという問題点がある。 【0008】また、車軸耕運タイプの耕運機10は移動と耕運動力が同じであるため、駆動系を構成するミッションには大きな強度が要求される。そこで図8の耕運機に代えて、図10に示すロータリ型耕運機60も特殊仕様として知られている。このケースでは前方にミッション3aと車輪50を備え、後方にロータリー型駆動系51と耕運爪5を備えている。2はエンジン、6は抵抗棒、7はハンドルである。更に図11に示すように、耕運軸52がロータリー型駆動系51に対して斜めに取り付けられており、Vカット方式によりロータリー型駆動系51下部の死角を耕運爪5によって耕運できるように工夫されている。 【0009】しかし耕運軸52が斜め駆動であるため、構成が複雑となって特殊仕様の耕運機自体の価格が高くなる上、作物の植え付けとか収穫時に耕運爪5が支障となるという問題がある。また、耕作時に平坦な溝を形成するには耕運爪5を取り替える等の作業が要求される。 【0010】そこで本発明はこのような従来の移動農機が有している課題を解消して、簡易な構成によって耕作作業時に耕運爪によって耕作することができない残耕部をなくすことができる残耕処理機構を備えた移動農機を提供することを目的とするものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために、請求項1に記載したように、駆動系から左右対称に両側駆動する駆動シャフトを設け、該駆動シャフトに耕運爪を固定して、ハンドル操作と耕運爪の回転により畑地表面を耕作しながら進行するように構成した移動農機において、駆動系側に傾斜ホルダを固定し、エンジンの回転力を受ける駆動シャフトに連動するとともに傾斜ホルダに沿って回転するホルダを設けて、該ホルダに、下端部が駆動系の下方に位置する死角方向に傾斜する耕運爪を固定した残耕処理機構を備えた移動農機を基本構成としている。 【0012】具体的な構成として、請求項2に記載したように、駆動系を構成するミッションケースの下端部にあって両側駆動する駆動シャフトと、この駆動シャフトの外面に固定した中間駆動パイプと、該中間駆動パイプを介在してミッションケース側に固定した傾斜ホルダと、該傾斜ホルダの側端軸上にベアリングを介して回動可能に設けられて中間駆動パイプの回転に伴ってベアリングの外周上を回動するホルダと、このホルダの外周面に固定した取付ホルダに締付固定され、下端部がミッションケースの下方に位置する死角方向に傾斜する耕運爪を具備した残耕処理機構を備えた移動農機の構成を提供する。また、中間駆動パイプの側端に延長パイプを固定して、該延長パイプの外周面に固着したフランジの側面に他の耕運爪を締付固定する。 【0013】かかる残耕処理機構を備えた移動農機によれば、駆動系を構成するミッションケースの下端部に設けた駆動シャフトの回転力が中間駆動パイプからピンを介してベアリングにより回動可能に設けたホルダに伝達され、該ホルダが傾斜ホルダの上面に沿って回転する。ホルダの外周面に締付固定された耕運爪の下端部が駆動系の下方に位置する死角方向に傾斜しているため、従来の耕運爪では耕運することができない畑地、即ち残耕部に相当する畑地の耕作を行うことができる。同時に中間駆動パイプの側端に固定された延長パイプの外周面にフランジを介在して固着された耕運爪により、畑地の他の部分の耕作が行われ、畑地に残耕部が生じないという作用が得られる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明にかかる残耕処理機構を備えた移動農機の具体的な実施形態を説明する。図1は本発明を車軸耕運タイプの耕運機に適用した際のミッションケースの一方側のみの構成を示す要部断面図であり、前記従来の構成と同一の構成部分に同一の符号を付して表示してある。 【0015】3は駆動系を構成するミッションケースであり、該ミッションケース3の下端部に両側駆動するための駆動シャフト4を設け、この駆動シャフト4の外面に穿設したピン穴に挿通したロータピン11,11又は図示しない松葉ピン等を用いて中間駆動パイプ21を固定し、この中間駆動パイプ21を介在して傾斜ホルダ22をミッションケース3側に固定する。この傾斜ホルダ22の側端軸上にベアリング23とC型止め輪24を介してホルダ25を回動可能に設けてある。 【0016】上記中間駆動パイプ21の外周面には溶接等によってピン26を固定してあり、該ピン26はホルダ25に形成された切欠部25aに挿入されていて、中間駆動パイプ21の回転に伴ってピン26とホルダ25とがベアリング23の外周上を回動可能となっている。 【0017】更にホルダ25の外周面に複数の取付ホルダ27を溶着等により固定し、この取付ホルダ27に耕運爪5が取付ボルト28及び六角ナット29により締付固定されている。傾斜ホルダ22の存在により、耕運爪5は下端部がミッションケース3の中心線O方向に接近する方向、即ち耕運作業時にミッションケース3の下方に位置する通常の耕運爪5によって耕運することができない死角になる方向に傾斜していることが本実施形態の特徴となっている。 【0018】上記中間駆動パイプ21の側端に延長パイプ15がロータピン16又は松葉ピン等を用いて固定されており、該延長パイプ15の外周面にフランジ17を溶接等によって一体的に固着し、該フランジ17の側面にも他の耕運爪5を六角ボルト18及び六角ナット19を用いて締付固定する。該延長パイプ15の端部にはサイドデスク20を図示しないロータピン又は松葉ピン等を用いて固定してある。図2は延長パイプ15の外周面にフランジ17を介して六角ボルト18により固定された弓形の耕運爪5の形状を示す側面図である。 【0019】かかる構成によれば、ミッションケース3の下端部に設けた駆動シャフト4の回転力は中間駆動パイプ21からピン26を介してベアリング23により回動可能に設けたホルダ25に伝達され、該ホルダ25が傾斜ホルダ22の上面に沿って回転する。そしてホルダ25の外周面の取付ホルダ27に締付固定された耕運爪5が回転して畑地の耕作を行う。このような耕作時に耕運爪5の下端部が駆動系を構成するミッションケース3の下方に位置する死角方向に傾斜しているため、従来の耕運爪では耕運することができない畑地、即ち従来例で説明した図9の幅員X+2Yの距離分40a、即ち残耕部に相当する畑地の耕作を行うことができる。 【0020】同時に中間駆動パイプ21の側端に固定された延長パイプ15の外周面にフランジ17を介在して固着された耕運爪5により、畑地の他の部分の耕作が行われるので、その結果として畑地に残耕部が生じないという作用が得られる。 【0021】図3は本発明の他の実施形態を示す要部断面図であり、基本的な構成は図1の実施形態と一致しているため、同一の符号を付して表示してある。図3の例ではミッションケース3中央部にボルト30を用いてU型金具31を固定し、このU型金具31に固着したL型取付ステー32の下端部を六角ボルト33を用いて傾斜ホルダ22から延長するL型取付ステー22aに固定してある。その他の構成は図1に示す実施形態と略一致している。図4は中間駆動パイプ21とピン26、ホルダ25に形成された切欠部25aの部分のみ取り出して示す上面図、図5は図3における同部分のP矢視図を示している。 【0022】図3に示したようにU型金具31とL型取付ステー22aを用いて傾斜ホルダ22を締付固定することにより、該傾斜ホルダ22が確実にミッションケース3側に固定され、且つ、傾斜ホルダ22の取付角度を一定に保つことができる。 【0023】図6,図7は図4,図5の変形例であり、ホルダ25に複数個の切欠部25a,25aを形成するとともに中間駆動パイプ21に複数個の突起部21a,21aを設けて、この突起部21a,21aを切欠部25a,25a内に挿通してある。かかる変形例によれば、中間駆動パイプ21の突起部21a,21aがホルダ25の切欠部25a,25aに複数個所で確実に挿通されて、ホルダ25を円滑に回転させることができる。 【0024】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にかかる残耕処理機構を備えた移動農機によれば、駆動系側に固定された傾斜ホルダに沿ってエンジンの回転力を受ける駆動シャフトに連動するホルダが回転し、具体的には駆動系の下端部に設けた駆動シャフトの回転力が傾斜ホルダの作用によって下端部が駆動系の下方に位置する死角方向に傾斜している耕運爪に伝達されるため、従来の耕運爪では耕作することができない畑地、即ち残耕部に相当する畑地の耕作を完全に行うことができる。同時に中間駆動パイプの側端に固定された延長パイプの外周面に固着された耕運爪により、畑地の他の部分の耕作が行われるため、残耕部は生じないという効果が得られる。 【0025】特に車軸耕運タイプの耕運機の場合、従来のように耕運機の往復移動作業による再度畑地の耕作を行う作業及び作業者がハンドルを左右に振って残耕部をなくす等の作業は不要であり、作業時間の短縮とともに作業者の負担は減少されて精神的、肉体的なダメージは生じないという各種の効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390038977 【氏名又は名称】株式会社ササオカ
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| 【出願日】 |
平成11年2月17日(1999.2.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085648 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 幹人
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| 【公開番号】 |
特開2000−232801(P2000−232801A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月29日(2000.8.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−38483 |
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