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【発明の名称】 自走式収穫機における自動方向制御装置
【発明者】 【氏名】吉邨 文夫

【氏名】平山 秀孝

【要約】 【課題】刈り取り初期において、運転者が機体を圃場の穀稈から若干横方向に離れた位置で行なおうとしても自分の意思に反して機体の進行方向の修正が行われることになって、所望の収穫作業を行なえないことがある。

【解決手段】走行装置1を具備する車台2の前部に分草体3を横方向に複数個配置して隣接する分草体間に穀稈通路4を形成している刈取部5を昇降可能に設け、該刈取部5に感知部6aが最も横端部に位置する穀稈通路4に位置すると共に左側又は右側への機体の進行方向の修正情報を出力する横刈りセンサ6を設け、該横刈りセンサ6が未刈稈7に進入後、刈取部5の位置が横方向の一方に寄っている場合においても、運転者による方向操作入力後に横刈りセンサ6が検出を開始するまでは機体の進行方向の修正出力をしないことを特徴とする自走式収穫機における自動方向制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置1を具備する車台2の前部に分草体3を横方向に複数個配置して隣接する分草体間に穀稈通路4を形成している刈取部5を昇降可能に設け、該刈取部5に感知部6aが最も横端部に位置する穀稈通路4に位置すると共に左側又は右側への機体の進行方向の修正情報を出力する横刈りセンサ6を設け、該横刈りセンサ6が未刈稈7に進入後、刈取部5の位置が横方向の一方に寄っている場合においても、運転者による方向操作入力後に横刈りセンサ6が検出を開始するまでは機体の進行方向の修正出力をしないことを特徴とする自走式収穫機における自動方向制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機体を移動しながら、例えば圃場の稲を刈り取って脱穀処理するコンバインのような自走式収穫機における自動方向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圃場の穀稈収穫するにあたって、条刈りセンサにより機体の進行方向を修正しながら条に沿って移動しながら穀稈を刈り取る条刈り作業と、横刈りセンサにより機体の進行方向を修正しながら穀稈に沿って移動しながら刈り取る横刈り作業とが一般的に行われている。
【0003】そして、該横刈り作業をするために、刈取部を未刈稈に進入させた場合、横刈りセンサが穀稈を検出しないとき、あるいは、機体が穀稈側に接近し過ぎているとき、機体が一方方向に偏っていると判断して直ちに機体の進行方向を穀稈側に修正する信号を出力する構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、前記手段では、刈り取り初期において、運転者が機体を圃場の穀稈から若干横方向に離れた位置で行なおうとしても自分の意思に反して機体の進行方向の修正が行われることになって、所望の収穫作業を行なえないことがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような課題を解決する自走式収穫機における自動方向制御装置を提供するものであって、つぎのような技術的手段を講じた。すなわち、走行装置1を具備する車台2の前部に分草体3を横方向に複数個配置して隣接する分草体間に穀稈通路4を形成している刈取部5を昇降可能に設け、該刈取部5に感知部6aが最も横端部に位置する穀稈通路4に位置すると共に左側又は右側への機体の進行方向の修正情報を出力する横刈りセンサ6を設け、該横刈りセンサ6が未刈稈7に進入後、刈取部5の位置が横方向の一方に寄っている場合においても、運転者による方向操作入力後に横刈りセンサ6が検出を開始するまでは機体の進行方向の修正出力をしないことを特徴とする自走式収穫機における自動方向制御装置とする。
【0006】
【作用】運転者は運転部で機体の回転各部を駆動し、また、機体の進行方向が自動修正可能に操作し、変速レバ−、操作レバ−等を操作して機体を前進させ、例えば、横刈り作業を開始する。すると、機体は横刈りセンサ6によって進行方向を修正しながら前進し、この間、刈取部5で刈り取られて後方に搬送された穀稈は脱穀部で脱穀処理され、そして、脱粒した穀粒は脱穀部からタンクに送られ、その後機外に排出される。
【0007】この刈り取り作業において、機体を未刈稈に進入させるが、このとき、横刈りセンサ6の感知部6aが刈取部5の位置が以上であると検出しても、機体の進行方向を修正する修正手段に作動出力を行なわない。その後、運転者が機体の進行方向を修正する操作が入力され、感知部6aが異常を検出すると機体の進行方向を修正する。
【0008】
【効果】横刈り作業を自動方向修正によって行なう場合、刈り取り初期において、作業者が所望する刈り取り位置で収穫作業を行なうことができるので、脱穀部の負荷を軽減し、収穫作業能率の向上を図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて具体的に説明する。まず、その構成について説明すると、自走式収穫機としてコンバインであって、自脱型のコンバインを使用したが、刈り取った穀稈全部を脱穀部に供給する普通型のコンバインでもよい。
【0010】コンバイン8は、機体の前進方向に向かって、左右方向に所定の間隔を置いて配置した走行装置1,1を具備する車台2の前部に一端部を機枠に取り付け、他端部を刈取部5に取り付けた油圧による昇降シリンダ71の伸縮によって昇降自在に刈取部5を設け、該刈取部5の後方で車台2の左側部に脱穀部9を設け、該脱穀部9の右側部にタンク10を設け、該タンク10と刈取部5との間の空間部に運転部11を設けている。
【0011】該走行装置1,2は、図示していないが、エンジンから出力された回転動力を伝動可能に設けた伝動機構をミッションケ−スに内装し、該伝動機構によって回転可能に設けると共にミッションケ−スの左側及び右側に向けて横方向に突出した主軸を駆動源としている。そして、前進方向に向かって左側の走行装置1を駆動する伝動機構の途中部及び右側の走行装置1を駆動する伝動機構の途中部に、動力の伝動を「切断」「接続」状態に切り換え可能な操向クラッチ64,65をそれぞれ設けている。
【0012】なお、前記操向クラッチ64,65の切断・接続切り換えは油圧により作動するクラッチア−ム66,67によって行われ、また、該クラッチア−ム66,67は方向用電磁弁68を作動する左ソレノイド69及び右ソレノイド70への通電によって選択できる構成としている。この実施例では、操向クラッチ64,65を「切断」「接続」状態に切り換え可能に構成したが、制動装置でもよい。さらに、クロ−ラ型であるが、車輪又は車輪とクロ−ラとの組合わせによる構成としてもよい刈取部5は左右横方向に複数個配置して(実施例では6個、5条刈に構成している)相隣接する空間部に未刈稈7が入る穀稈通路4を形成した分草体3と、後方斜め上方に移動する引き起こしラグ12を有し横方向に複数個配置した引き起こし装置13と、バリカン型の刈取装置14と、刈取った穀稈を後方上方に搬送する刈取穀稈搬送装置15とを一体に構成している。
【0013】該分草体3は刈取部5のフレ−ムから前方に突出した分草杆3aと、後端を後方斜め上方に有する案内面を有し分草杆3aの前端部に着脱自在に取り付けた分草案内体3bとで構成している。なお、前記引き起こし装置13への駆動部に、変速装置(有段、無段いずれでもよく、また、実施例ではベルコンであるがHSTでもよい)16を設けている。
【0014】脱穀部9は機体の進行方向に回転する穀稈自動送り込み装置17を一側部に有し、前記刈取穀稈搬送装置15が搬送してきた穀稈の株元部を挟持後搬送して穂先部を扱室内に送り込み脱穀する自脱型の構成である。タンク10は中空に形成したタンクで底部に下部螺旋(図示せず)を有し、前記脱穀部9の揚穀装置(図示せず)によって上方に搬送された穀粒を一時収容すると共に、横側方に回動自在に設けている。そして、該下部螺旋の搬送終端部はタンク10の後方に軸芯を縦方向に位置した縦揚穀装置18の下端部に連通し、また、該縦揚穀装置18の上端部は、排出口が上下及び左右方向に回動する排出オ−ガ19に連通している。
【0015】運転部11は、機体の前進方向に向かって座席20の左横側部に、左操作パネル21を上方に位置する左操作壁22を立設し、その前側部に前操作パネル23を有する前操作壁24を立設し、平面視において、左操作壁22と前操作壁24とはL字型に配置している。そして、該左操作壁22と前操作壁24により形成したコ−ナ−部における左操作パネル21の前端部に、内側を低く外側(刈取部側)を高くして座席20に対向するように斜めに設けた計器パネル25を設けている。
【0016】左操作パネル21は変速(HST)レバ−26、副変速レバ−27、刈取・脱穀クラッチレバ−28、スロットルレバ−29、ACDスイッチ30等を設けており、前操作パネル23はブザ−停止スイッチ、表示切り替えスイッチ、作業灯スイッチ等を設け、中間部にウインカ及びホ−ンスイッチ、キ−スイッチ等を設け、右側端部に操作レバ−31を設けている。
【0017】操作レバ−31は中立位置から前側への操作により刈取部5を下降させ、中立位置から後側への操作により刈取部5を上昇させると共に、中立位置から左側への操作により機体の進行方向を左側に変更させ、中立位置から右側への操作により機体の進行方向を右側に変更させするように設け、手動操作により昇降や進行方向の変更の切り替えを行なう構成としている。
【0018】そして、該操作レバ-31の前後及び左右への傾倒により入り切りするスイッチ32,33,34,35は、実施例ではリミットスイチを使用しているが、光電スイッチのような非接触式式、ポテンショメ−タや差動トランスでもよい。横刈りセンサ6は、平面視において、右端に位置する分草体3の分草杆3aの前部にスイッチ36を内装したセンサボックス37を着脱自在に取り付け、該センサボックス37の中央部に、上端部にスイッチ36に接離可能なカム(図示せず)を有すると共に下端をセンサボックス37の下方に位置する縦軸38を回動可能に取り付け、さらに、センサバ−39の基部をセンサボックス37の下方に位置する縦軸38に着脱自在に取り付けると共に感知部6aを基部よりも後方で且つ穀稈通路4の内側に位置させている。
【0019】なお、該横刈りセンサ6は前後方向に間隔をおいて複数個(実施例では2個)設けており、そして、該後側の感知部6aの先端を前側に位置する感知部6aの先端よりも隣接する分草体6側に位置している。そして、前側にある横刈りセンサ6の感知部6aに所定以下の押圧力ではスイッチ36を切りにし、所定以上の押圧力を受けると入りになる構成とし、後側にある横刈りセンサ6の感知部6aに所定以下の押圧力ではスイッチ36を入りにし、所定以上の押圧力を受けると切りになる構成としている。
【0020】条刈りセンサ40,41は、左端から2番目に位置する分草体3の分草杆3aの前部に前後に接近して設けており、それぞれ、スイッチ42,43を内装したセンサボックス44,45を着脱自在に取り付け、該センサボックス44,45の中央部に、上端部にスイッチ42,43に接離可能なカム(図示せず)を有すると共に下端をセンサボックス44,45の下方に位置する縦軸46,47を回動可能に取り付け、さらに、センサバ−48,49の基部をセンサボックス44,45の下方に位置する縦軸46,47に着脱自在に取り付けると共に感知部48a,49aを基部よりも後方で且つ穀稈通路4の内側に位置させている。
【0021】なお、前側のセンサバ−48の感知部48aは最も左の穀稈通路4に位置し、後側のセンサバ−49の感知部49aは左端から2番目に位置する穀稈通路4に位置している。また、前記各センサバ−39,48,49は穀稈との接触によって前側から所定以上の押圧力を受けるとバネ(図示せず)の力に抗して後方に回動し、所定以下の押圧力ではバネによって元の位置側に向けて回動する構成としている。
【0022】穀稈センサ50,51は引き起こし装置13の引き起こし始端部と刈取穀稈搬送装置15の搬送終端部にそれぞれ設けており、スイッチ52,53を内装したセンサボックス54,55を着脱自在に取り付け、該センサボックス54,55の中央部に、上端部にスイッチ52,53に接離可能なカム(図示せず)を有すると共に下端をセンサボックス54,55の外方に位置する縦軸56,57を回動可能に取り付け、さらに、センサバ−58,59の基部をセンサボックス54,55の外方に位置する縦軸56,57に着脱自在に取り付けると共に感知部58a,59aを基部よりも後方に設けている。
【0023】60は条刈りセンサ40,41を有する分草杆に隣接し機体の中央部に位置する分草杆3aに設け、下方に超音波を発信して高さを検出する超音波式の高さセンサである。図9のブロック回路について説明すると、61は必要なデ−タ及び制御プログラムを内蔵したメモリ62を有するマイクロコンピュ−タの演算制御部(以下、「CPU」と呼ぶ)であって、算術論理及び比較演算作業などを行ない、作動手段に制御信号を出力する。
【0024】そして、該CPU61に入力インタ−フェイス62を介して取り込まれる情報としては、操作レバ−31の操作による刈取部5の昇降用のスイッチ32,33からの昇降情報、機体の進行方向の修正(左旋回、右旋回)用のスイッチ34,35からの方向修正情報、横刈り用のスイッチ36,36からの条刈り情報及び方向修正情報、条刈り用のスイッチ42,43からの条刈り情報及び方向修正情報、穀稈センサ50,51からの穀稈有無情報、高さセンサ60からの刈取部高さ情報などがある。
【0025】また、CPU61から出力インタ−フェイス63を介して出力される作動指令信号としては、昇降シリンダ71を伸縮させる昇降用電磁弁72を切り換える上げソレノイド73及び下げソレノイド74への励磁信号、方向用電磁弁68を切り換える左ソレノイド69及び右ソレノイド70への励磁信号、刈取部5及び脱穀部9の穀稈自動送り込み装置17を駆動する伝動機構に設けた刈取クラッチ75及び穀稈自動送り込みクラッチ76をそれぞれ入り切りするクラッチア−ム77,78を作動する電動モ−タ79,80への起動・停止信号等がある。
【0026】CPU61は、自動制御作業において、つぎの主な機能を有する。■横刈り作業時において、未刈稈7への進入後、穀稈センサ50が入りの状態で、刈取部5の位置が横方向の右側(この実施例とは反対に、横刈りセンサを左端の分草体に設けている場合は、左側になる)に寄っている場合においても、運転者による操作レバ−31の方向操作入力後に横刈りセンサ6が検出を開始するまでは、機体の進行方向の修正出力をしない時に、横刈りセンサ6から左側への方向修正が切りの場合にあっても、出力インタ−フェイス63を介して左又は右ソレノイド69,70への励磁信号を出力しない。
【0027】■横刈りの通常作業時において、前側にある横刈りセンサ6が入りになると、出力インタ−フェイス63を介して右ソレノイド70に励磁信号を出力し、前後いずれの横刈りセンサ6も切りになると、出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69に励磁信号を出力する。前側にある横刈りセンサ6が切りで、後側にある横刈りセンサ6が入りの場合は、出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69への励磁信号を出力する。前側にある横刈りセンサ6が切りで、後側にある横刈りセンサ6が切りの場合は、何れのソレノイド69,70へも励磁信号を出力しない。
【0028】■条刈り作業時において、条刈りセンサ40が入りになると、出力インタ−フェイス63を介して右ソレノイド70に励磁信号を出力し、条刈りセンサ41が入りになると、出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69に励磁信号を出力する。
■穀稈センサ50が切りになると、出力インタ−フェイス63を介して上げソレノイド73に励磁信号を出力し、刈取部5が所定位置に到達するとその出力を停止する。
【0029】■横刈り時には、条刈りセンサ40,41が入りの場合に、高さセンサ60による超音波の発信を停止するか、高さセンサの検出情報を取り込まないか、デ−タとして取り扱わない。
■条刈り作業において、運転者が操作レバ−31を操作して機体の進行方向を修正した後、一定時間又は一定距離左・右ソレノイド69,70への励磁信号の出力を停止し、その後、再開してから一定時間又は一定距離を走行の間は、左又は右ソレノイド69,70への励磁信号の出力時間を通常の設定時間よりも長くする。
【0030】■CPU61が刈り取り作業形態を「条刈り」と判断し、且つ横刈りセンサ6が入りの情報を入力したときは、中割作業であると判断する。なお、現作業が条刈りであるか、横刈りであるかは、条刈りセンサ40,41または横刈りセンサ6からの検出情報を入力インタ−フェイス62を介して取り込んだCPU61が判断するように制御プログラムを設けている。
【0031】つぎに、その作用について説明する。まず、運転者は座席20に座り、駐車ブレ−キペダルを踏み込んでキ−をキ−スイッチに入れエンジンを起動すると、エンジンから出力された動力は伝動機構を介して機体の回転各部に伝動される。そして、スロットルレバ−29を回動してエンジンを所定回転数に選択すると共に、副変速レバ−27を前側に回動して、例えば標準を選択し、さらに刈取・脱穀クラッチレバ−28を操作して脱穀部9、刈取部5を駆動すると、機械条件等が計器パネル25の各表示具に表示される。
【0032】その後、収穫作業の準備を終えると、駐車ブレ−キペダルの踏み込みを解除し、つづいて変速レバ−26を前側に回動して機体を前進させると共に操作レバ−31を前後方向に倒す。例えば、操作レバ−31を前側に倒すと、スイッチ32が入りになるので、この下降信号を入力インタ−フェイス62を介して取り込んだCPU61は、出力インタ−フェイス63を介して下げソレノイド74に通電して励磁し、昇降用電磁弁72を切り換える。すると、送り込まれた油圧によって昇降シリンダ71は短くなり、刈取部5を下降する。
【0033】反対に、操作レバ−31を後側に倒すと、スイッチ33が入りになるので、この下降信号を入力インタ−フェイス62を介して取り込んだCPU61は、出力インタ−フェイス63を介して上げソレノイド73に通電して励磁し、昇降用電磁弁72を切り換える。すると、送り込まれた油圧によって昇降シリンダ71は伸長し刈取部5を上昇する。
【0034】このような手動操作をして、刈取部5の対地高さを設定するか、あるいは、自動刈り高さが入力されている場合は超音波式の高さセンサ60により高さ情報が出力され自動的に設定される。すなわち、高さセンサ60から出力された高さ情報は、入力インタ−フェイス62を介してCPU61に取り込まれるので、CPU61は運転者によりあらかじめ設定された対地高さの設定値と測定値とを比較演算する。そして、CPU61が高いと判断すると、下げソレノイド74に励磁信号を出力して刈取部5を降下し、低いと判断すると、上げソレノイド73に励磁信号を出力して刈取部5を上昇する。
【0035】また、運転者は分草体3をこれから刈り取ろうとする未刈稈7に合わせる必要がある。この場合、運転者は操作レバ−31を左側に倒してスイッチ34を入りにすると、この左旋回信号を入力インタ−フェイス62を介して取り込んだCPU61は、出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69に通電して励磁し、方向用電磁弁68を切り換える。すると、送り込まれた油圧によってクラッチア−ム66は操向クラッチ64を切断し機体の前進方向を左側に修正する。
【0036】反対に、運転者は操作レバ−31を右側に倒してスイッチ35を入りにすると、この左旋回信号を入力インタ−フェイス62を介して取り込んだCPU61は、出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69に通電して励磁し、方向用電磁弁68を切り換える。すると、送り込まれた油圧によってクラッチア−ム67は操向クラッチ65を切断し機体の前進方向を右側に修正する。
【0037】このように、操作レバ−31を操作して刈取部5の対地高さを決め、また、機体の前進方向を修正しながら分草体3を所定の位置に合わせて、未刈稈7に進入する。この作業が横刈りである場合、運転者は刈り幅の右側に余裕を持たせて刈り取りを行いたい場合とか、刈量を減少して作業を行ないたい場合があるが、このときは、前進方向に向かってやや右側に分草体3が位置するように機体を移動する。
【0038】そして、横刈り作業時には、未刈稈7への進入後、穀稈センサ50が入りの状態で、刈取部5の位置が横方向の右側に寄っている場合においても、運転者による操作レバ−31の方向操作入力後に横刈りセンサ6が検出を開始するまでは、機体の進行方向の修正出力をしない限り出力インタ−フェイス63を介して左又は右ソレノイド69,70への励磁信号を出力せず、機体を直進する。したがって、運転者は所望する刈り幅で刈り取り作業ができるので、湿度等穀稈の条件に合った収穫作業を行ない得る。その後、運転者による操作レバ−31の方向操作入力を行ない、前後両横刈りセンサ6のセンサバ−39への穀稈の押圧力が所定以下であると、前側にある横刈りセンサ6のセンサボックス37のスイッチ36は切りになり、後側にある横刈りセンサ6のセンサボックス37のスイッチ36は入りになって機体位置の偏倚を検出する。
【0039】CPU61は入力インタ−フェイス62を介してスイッチ36からの出力された情報を取り込んで、機体が右側に寄り過ぎていると判断すると共に出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69に励磁信号を出力し、方向用電磁弁68を切り換える。これによって、クラッチア−ム66は油圧によって作動し、左側の操向クラッチ64を切断して動力の伝動を断ち、機体の前進方向を左側に修正する。その後、穀稈との接触によって、センサバ−39が所定以上の押圧力を受けると、スイッチ36が切りになるので、CPU61から左ソレノイド69への励磁信号の出力が停止され、機体を直進する。
【0040】反対に、前側にある横刈りセンサ6のセンサバ−39に穀稈が接触して所定以上の押圧力を受けると、スイッチ36が入りになって機体位置の偏倚を検出する。 CPU61は入力インタ−フェイス62を介してスイッチ36からの出力された情報を取り込んで、機体が左側に寄り過ぎていると判断すると共に出力インタ−フェイス63を介して右ソレノイド70に励磁信号を出力し、方向用電磁弁68を切り換える。これによって、クラッチア−ム67は油圧によって作動し、右側の操向クラッチ65を切断して動力の伝動を断ち、機体の前進方向を右側に修正する。
【0041】その後、穀稈との接触によって、センサバ−39が所定以上の押圧力を受けると、スイッチ36が切りになるので、CPU61から右ソレノイド70への励磁信号の出力が停止され、機体を直進する。前側にある横刈りセンサ6が切りで、後側にある横刈りセンサ6が切りの場合は、CPU61から出力インタ−フェイス63を介して何れのソレノイド69,70へも励磁信号を出力せず、機体を直進する。
【0042】機体の前進に関連して、圃場の穀稈は穀稈通路4に入り、引き起こしケ−スに沿って斜め後方上方に移動する引き起こしラグ12で引き起こされた穀稈の株元部は、刈取装置14によって切断されて刈取穀稈搬送装置15に受け継がれ後方上方に搬送される。そして、搬送終端部に到達した穀稈は穀稈自動送り込み装置17に挟持されて後方に搬送され、カッタ−等の排稈処理装置に送り込まれて処理されるが、穀稈の穂部は扱室内に送り込まれて脱穀処理される。これにより生じた穀粒などの処理物は風選されて穀粒とわら屑に分離され、穀粒は搬送装置によってタンク10に送り込まれ収容される。その後、タンク内の穀粒が満杯になると、運転者は収穫作業を中断して穀粒の排出操作をすれば、穀粒は縦揚穀装置18及び排出オ−ガ19を取ってこの排出口から機外に排出されるので、トラック等の運搬車に移し換えればよい。
【0043】また、収穫作業において、超音波の発信・受信を行なう高さセンサ60から入力インタ−フェイス62を介して高さ情報を取り込んだCPU61は、測定高さを算出してあらかじめ入力されている設定値と比較演算する。そして、CPU61は、測定値が設定値よりも大きいと判断すると、出力インタ−フェイス63を介して下げソレノイド74に通電して励磁し、昇降用電磁弁72を切り換える。すると、送り込まれた油圧によって昇降シリンダ71は短くなり、刈取部5を下降する。。
【0044】反対に、CPU61は、測定値が設定値よりも小さいと判断すると、出力インタ−フェイス63を介して上げソレノイド73に通電して励磁し、昇降用電磁弁72を切り換える。すると、送り込まれた油圧によって昇降シリンダ71は伸長し刈取部5を上昇する。その後、CPU61は測定値と設定値との差が所定範囲内にあると判断すると、前記下げソレノイド74又は上げソレノイド73への励磁信号の出力を停止するので、穀稈の刈り高さを略一定にでき、刈り取り後の見栄えや後作業を容易にする。
【0045】横刈り作業時において、条刈りセンサ40,41の各スイッチ42,43がいずれも切りの場合、すなわち、分草体3が穀稈の中を通らずに条と条の間を移動する場合、CPU61は高さセンサ60からの検出情報を取り込んでデ−タ処理を行なうので、対地高さの測定値の精度高めることができる。CPU61は、作業形態を条刈りであると判断し、条刈りセンサ40のセンサバ−48の感知部48aに穀稈が接触して所定以上の押圧力を受けてスイッチ42を入りにすると、出力インタ−フェイス63を介して右ソレノイド70に励磁信号を出力して前記と同様の作業を行い、機体の前進方向を右側に修正する。
【0046】一方、条刈りセンサ41のセンサバ−49の感知部49aに穀稈が接触して所定以上の押圧力を受けてスイッチ43を入りにすると、出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69に励磁信号を出力して前記と同様の作業を行い、機体の前進方向を左側に修正する。その後、各センサバ−48,49への押圧力が所定以下になると、各スイッチ42,43は切りなるので、これに関連して、CPU61は出力インタ−フェイス63を介して左ソレノイド69又は右ソレノイド70への励磁信号の出力を停止し、機体を直進する。
【0047】さらに、条刈り作業において、運転者が操作レバ−31を操作して機体の進行方向を修正した場合には、一定時間又は一定距離を経過するまで、CPU61から左ソレノイド69又は右ソレノイド70に励磁信号を出力しない。その後、自動方向制御作業を再開してから一定時間又は一定距離を走行する間は、前記条刈りセンサ40,41が方向修正必要ありと検出すると、CPU61は左ソレノイド69又は右ソレノイド70に通常の設定時間よりも長い時間、励磁信号を出力して前記と同様の作業を行い、機体の前進方向を左側又は右側に方向修正する。
【0048】手動操作と自動出力が互いに干渉するのを防止するため、手動操作後、すぐには自動制御を行なわないようにしているが、そのため、分草体3が穀稈に接近してしまい制御出力をしても曲がりきれずに条からはずれることがあった不具合を防止できる。また、CPU61が刈り取り作業形態を「条刈り」と判断し、且つ横刈りセンサ6が入りの情報を入力したときは、中割作業であると自動判定できるので、中割の自動制御が可能となると共に左操作パネル21又は前操作パネル23に中割指定スイッチを設ける必要がなくなる。
【0049】そして、機体の前進方向における所定の穀稈を刈り終えると、センサバ−58の感知部58aへの穀稈の押圧力が解消されるので、センサボックス54のスイッチ52は切りになる。すると、CPU61はこの情報を入力インタ−フェイス62を介して取り込んで穀稈無しと判断し、出力インタ−フェイス63を介して上げソレノイド73に通電して励磁し、昇降用電磁弁72を切り換える。すると、送り込まれた油圧によって昇降シリンダ71は伸長し刈取部5を上昇する。
【0050】そして、刈取部5があらかじめ設定した高さになると、CPU61は上げソレノイド73への出力を停止すると共に出力インタ−フェイス63を介して電動モ−タ79,80に起動指令信号を出力する。すると、この電動モ−タ79,80から出力された回転動力によって、クラッチア−ム77とクラッチア−ム78は作動して刈取クラッチ75及び穀稈自動送り込みクラッチ76を切りにし、刈取部5及び穀稈自動送り込み装置17の駆動を停止する。
【0051】したがって、所定の穀稈を刈り終えてつぎの穀稈を刈り取るために、機体を旋回する場合、刈取部5、穀稈自動送り込み装置17からの穀稈の脱落や姿勢の乱れを防止できる。
(別実施例)条刈りセンサ40,41におけるスイッチ42,43をポテンショメ−タを用いてもよく、センサバ−48,49の前後方向の位置を検出できる構成としている。高さセンサ60により刈取部5の対地高さを自動調節する高さ制御作業と、条刈りセンサ40,41の検出による自動方向制御作業を行なっている時、センサバ−48,49が穀稈に接触して回動すると、CPU61は入力インタ−フェイス62を介して取り込んだセンサバ−48,49の偏倚情報から位置(回動範囲)を算出し、あらかじめ設定した位置の範囲内にあるか求める。
【0052】そして、該センサバ−48,49が設定回動範囲内にあるとき、CPU61は超音波の発信・受信を行なう高さセンサ60から入力インタ−フェイス62を介して高さ情報を取り込んだCPU61は、測定高さを算出してあらかじめ入力されている設定値と比較演算する。そして、CPU61は、測定値が設定値よりも大きいと判断すると、出力インタ−フェイス63を介して下げソレノイド74に通電して励磁し、昇降用電磁弁72を切り換える。すると、送り込まれた油圧によって昇降シリンダ71は短くなり、刈取部5を下降する。。
【0053】反対に、CPU61は、測定値が設定値よりも小さいと判断すると、出力インタ−フェイス63を介して上げソレノイド73に通電して励磁し、昇降用電磁弁72を切り換える。すると、送り込まれた油圧によって昇降シリンダ71は伸長し刈取部5を上昇する。その後、CPU61は測定値と設定値との差が所定範囲内にあると判断すると、前記下げソレノイド74又は上げソレノイド73への励磁信号の出力を停止するCPU61はセンサバ−48,49が設定回動範囲内にないと判断すると、高さセンサ60からの情報を有効なデ−タとして処理しない。なお、このような場合、高さセンサ60による超音波発信をしないように構成してもよい。
【0054】高さセンサ60を設けている分草体3が株を割った場合、高さセンサ60が株を検出することにより高刈り側に制御する防止を図れる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年1月14日(1999.1.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−201506(P2000−201506A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−7726