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【発明の名称】 歩行型管理作業機の耕耘装置
【発明者】 【氏名】中 川 秀 明

【氏名】富 久 聡

【要約】 【課題】耕耘装置の傾斜筒駆動方式として従来、水平方向に突出した駆動軸の先端に一本の長いピンを軸心に直交して取り付け、この一本のピンで傾斜筒を駆動して、傾斜筒に取り付けた耕耘爪を駆動回転するものがあったが、ピンが長くなると弱くなり、ピンの外径を大きくすると駆動軸に開孔したピン保持孔が大きくなって駆動軸の保持孔廻りの強度が低下し、あまり大きなピンとすることができなかった。

【解決手段】駆動ケース1下端から左右方向に夫れ夫れ駆動軸2,2を突設し、この突設内端側外周囲を覆うように傾斜支持ボス3を伝動ケース1側壁4に取り付け、外周部に複数箇所の凹部5,5を有する回転ロール6を駆動軸2の突設外端部に取り付け、さらに、傾斜支持ボス3と回転ロール6の外周囲に亘って傾斜筒7で覆い、傾斜筒7の内周側に複数本のピン8,8を突設し、傾斜筒7の外周囲に複数列の回転刃9,9..取付ホルダー10,10..を設けたことを特徴とする歩行型管理作業機の耕耘装置とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動ケース1下端から左右方向に夫れ夫れ駆動軸2,2を突設し、この突設内端側外周囲を覆うように傾斜支持ボス3を伝動ケース1側壁4に取り付け、外周部に複数箇所の凹部5,5を有する回転ロール6を駆動軸2の突設外端部に取り付け、さらに、傾斜支持ボス3と回転ロール6の外周囲に亘って傾斜筒7で覆い、傾斜筒7の内周側に複数本のピン8,8を突設し、傾斜筒7の外周囲に複数列の回転刃9,9..取付ホルダー10,10..を設けたことを特徴とする歩行型管理作業機の耕耘装置。
【請求項2】 傾斜筒7の外周囲に取り付ける複数列の回転刃9,9の一列をナタ刃9aと直刃9bの一対としたことを特徴とする請求項1記載の歩行型管理作業機の耕耘装置。
【請求項3】 傾斜筒7の外側端に延長回転軸11を取り付けると共に、延長回転軸11廻りに掘削爪または螺旋等の土掘削移動体12を配設したことを特徴とする請求項1記載の歩行型管理作業機の耕耘装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歩行型管理作業機の耕耘装置に関するものである。この発明は、茶園や果樹園のように樹木を列状に植え付けながら、その表土上に剪定した樹木の枝が散乱した圃場での、耕耘作業を容易に行なおうとするものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、歩行型管理作業機の耕耘部構造において、傾斜爪軸と耕耘駆動軸の連動連結構造を構造簡単とし製造コストを低減できるための装置として、実用新案登録第2506084号公報で示すものがある。この従来例のものは、センタードライブ式の駆動ケースにおいて、左右両側方に突出する駆動軸の軸先端に長い一本のピンを軸心と直交方向に貫通保持し、ピン両端部を駆動軸外方に飛び出して取り付け、駆動軸外周に先ず耕耘軸を取り付け、それらの外周を覆う傾斜筒の先端に設けた貫通長孔部に、該一本のピンの両端飛び出し部を係合し、駆動軸を回転することで一本のピンの飛び出し端部を介して傾斜筒を駆動回転しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のものは、一本の長いピンの飛び出し両端部であるピンの側壁と、そのピンが係合している傾斜筒の先端に設けた貫通長孔部間に、一回転ごとに摺動抵抗が作用しながら長いピンを駆動し動力伝達しているから、ピンが長くなって曲げ抵抗が弱くなり折れ曲がり易い耐久力の乏しい構造である。また、ピンを強くしようと、ピンの外径を大きくすると、駆動軸に開孔したピン保持孔が大きくなってしまい、駆動軸の保持孔廻りの強度が低下しあまり大きなピンとすることができなかった。
【0004】つまり、駆動軸側から一本のピンを突設していたため、ピンが細い場合ピンの強度不足となり、ピンが太い場合駆動軸が強度不足となり、所定の強度を保持するには駆動軸の大きい、即ち、駆動軸外周の耕耘軸や、さらにその外周を覆う傾斜軸等も大きくなり、部品の小型化によるコストダウン性には効果が乏しいものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来装置のこのような欠点を解消しようとするものであって、次のような技術的手段を講じた。即ち、駆動ケース1下端から左右方向に夫れ夫れ駆動軸2,2を突設し、この突設内端側外周囲を覆うように傾斜支持ボス3を伝動ケース1側壁4に取り付け、外周部に複数箇所の凹部5,5を有する回転ロール6を駆動軸2の突設外端部に取り付け、さらに、傾斜支持ボス3と回転ロール6の外周囲に亘って傾斜筒7で覆い、傾斜筒7の内周側に複数本のピン8,8を突設し、傾斜筒7の外周囲に複数列の回転刃9,9..取付ホルダー10,10..を設けた。さらに、傾斜筒7の外周囲に取り付ける複数列の回転刃9,9の一列をナタ刃9aと直刃9bの一対とした。また、傾斜筒7の外側端に延長回転軸11を取り付けると共に、延長回転軸11廻りに掘削爪または螺旋等の土掘削移動体12を配設した歩行型管理作業機の耕耘装置の構成とした。
【0006】
【発明の実施の形態】図例は、この発明の一実施例を示すもので、茶園や果樹園等で樹木を列状に栽培している圃場を走行するに際し、圃場表面に剪定した樹木の枝が散乱していても次作業を簡単に行なえる。又、機械や人の移動や歩行を繰り返すことにより、列状樹木間の走行路面が荒れても、簡単に修正作業を行なえるようにする。
【0007】歩行型耕耘機13は機体の前後方向中間部に略上下に配設する伝動ケ−ス14を強度メンバーの主体とし、伝動ケ−ス14の下部に前方に向かって突出する前フレ−ム15の後端部を取り付けている。この前フレ−ム15の上面は取付座面となっており、エンジン16を前後方向調節自在に搭載している。エンジン16の左側方にはクランク軸に接続する駆動軸主軸17が突出しており、この駆動主軸17に駆動プ−リ18が取り付けられている。前述した伝動ケ−ス14上部左側には左右方向に軸支した入力軸19の軸端が突出しており、この軸端に従動プ−リ20を取り付けている。そして、駆動プ−リ18と従動プ−リ20間には、Vベルト,平ベルト,ロ−プ,チェーン等の駆動回転を伝達するものである動力伝達具21(図例はVベルト)が取り付けられている。そして、この動力伝達具21は、テンションプ−リ22により緊締力を調節可能としており、緊締時には動力を伝達し弛緩時には伝動切りとしてクラッチの作用を行っており、後述する走行クラッチレバー23の操作により、ワイヤー24とバネ25を介してテンションア−ム26を上動して動力伝達具21を緊締する。30は戻しバネであって、ワイヤー24を緩めるとテンションアーム26を下動する方向に動かすものである。
【0008】エンジン16に取り付けた駆動プ−リ18と伝動ケ−ス14に取り付けた従動プ−リ20との間は離れており、回転する動力伝達具21やテンションプ−リ22から運転者の手や指を守るため板金製のケ−ス27で外周部を覆っている。ケース27の内側壁にはワイヤーケーブルのアウター部を係止する係止部28と、運転者側の外部に配設したワイヤー24の前端部をケース27内に入れるための開口29を設けている。
【0009】伝動ケ−ス14の上端部にはハンドルフレ−ム31が設けられ、該ハンドルフレ−ム31から後方斜め上方に向かってハンドルパイプ32が突出している。ハンドルパイプ32の突出後端側は、左右を連結したループ状のハンドルとしており、このハンドルパイプ32の後端部廻りについて、以下説明する。強度メンバ−の主体部である伝動ケ−ス14に、下部を取り付けて上方に突設するハンドルフレ−ム31に前端部を取り付けたハンドルパイプ32は、図4,図5,図6で示すように、左右に分割したハンドルパイプ32a,32bの後端縁部を中央金具33の左右壁面に溶接一体化してル−プ状に連結した中空材金属製のハンドルパイプ32としている。そして、左右方向中央の中央金具33上部後方に保持パイプ34を、ハンドルパイプ32の後端部の軸心と同方向に並べ、中央金具33下部にハンドルパイプ32の後端部の軸心と直交方向に後方突出状に支持パイプ35を溶接して、後部中央の部材を一体化している。
【0010】中央金具33には、軸心前後方向向きに上下のスライド孔36,37が開口されている。上スライド孔36は、中央金具33上部後方に配設した保持パイプ34前壁まで貫通し開口しており、下スライド孔37の後部にはこの孔を軸心位置として支持パイプ35が同心円の外周方向に溶接されている。また、上下スライド孔36,37には、側面視後方開口のU字状としたスライド金具38が前後方向移動自在に取り付けられている。U字状のスライド金具38の上部軸38a後端はロックピン39として保持パイプ34内に突入可能としている。ロックピン39は先端の小径部39aと、それに隣接する大径部39bとから成っている。スライド金具38の下部軸38b後端には、握りのボ−ル40が取り付けられている。
【0011】前述した支持パイプ35内の下部軸38b廻りには、弾性バネ41が取り付けられており、この弾性バネ41は圧縮状態として座金42とナット43により下部軸38bの突出後端部に設けたボルト44部に沿って軸肩部まで締め付けられている。ボ−ル40はネジ止め後、ロ−ルピンや止め輪等の係止具で下部軸38b先端部に係止されている。
【0012】そして、軸心を左右方向とした保持パイプ34の中空部には、伸縮移動自在に直線状のスライドハンドル45を挿入している。スライドハンドル45の両端には、夫れ夫れグリップであるゴム製握りを取り付けている。スライドハンドル45の前壁面には、図7で示すように左右方向中央の小穴46と側方の複数小穴47,47..と、全ての小穴を連結する幅狭の連結溝48が開口されている。
【0013】中央小穴46または側方小穴47,47..の何れかにロックピン39の大径部39bが係合しているときは、スライドハンドル45はロックされており側方移動しないような、大径部39bと小穴46,47の大きさとしている。ロックピン39が前方に移動して、中央小穴46または側方小穴47,47..の何れかにロックピン39の小径部39aが位置したときは、小径部39aをスライドハンドル45の幅狭の連結溝48より小径にしておくことにより、スライドハンドル45は連結溝48に沿って側方に直線状に伸縮方向移動ができる。
【0014】スライド金具38は、握りのボ−ル40を運転者が弾性バネ41に逆らって前方に押すことにより、ロックピン39の大径部39bがスライドハンドル45の小穴46,47から外れる。押しの移動量が大き過ぎると、ロックピン39の小径部39aがスライドハンドル45から外れて、スライドハンドル45が遊転して側方への伸縮移動が安定しないから、座金42を支持パイプ35より径大とし、座金42と支持パイプ35後端間の間隔を小径部39aの前後方向長さよりも小さくすることで安定して使用できる。
【0015】また、平面視で略直線状に左右方向に一本の棒としたスライドハンドル45に対し、ハンドルパイプ32の後端左右両側部は前方に向かって略30度程度斜め方向に逃げており、左右後部に三角形状の空間部49を構成している。そして、所定幅の幅方向直線間隔部Aとしたハンドルパイプ32は、前端部に向かって幅狭の傾斜間隔部を経てハンドルフレ−ム31への取付幅Bとしている。
【0016】ハンドルパイプ32の前端部は、ボルトやピン軸等の支軸によりハンドルフレ−ム31に取り付けられており、この支軸を中心にハンドルパイプ32の後端部を上下方向調節自在としている。50は上下動ロックピンであり、ハンドルパイプ32の前端下方のホルダ−筒51に、前後方向伸縮自在に取り付けられている。また、右側ハンドルパイプ32bの幅方向直線間隔部A前部にはレバーが取り付けられており、このレバーを操作して上下動ロックピン50をワイヤを介して前後させ、ハンドルパイプ32の高さを適所に調節できる。52は対応するロックプレ−トであり、ハンドルフレ−ム31側に設けている。
【0017】さらに、右側ハンドルパイプ32bの空間部49前方にはスロットルレバ−が配設され、スロットルレバ−を操作することによりエンジン16の回転を図示しない連動具を介して調節する。左側ハンドルパイプ32aの空間部49前方には、エンジン停止スイッチが設けられ、スイッチを押すとエンジン16を停止できる。
【0018】また、左右の空間部49,49前方の幅方向直線間隔部A後端部には、左右方向への回動軸心が設けられており、回動軸心部に走行クラッチレバ−23の前端軸部を回動自由に取り付けている。平面視で前方開口「コ」字状の走行クラッチレバ−23は、その後端部が略60度程度の角度間で上下方向に回動自在としており、最下降操作時は図4で示すようにスライドハンドル45の上面接触近傍まで下降し、その左右空間部49,49後方で片手で両部材を同時に握ることを可能としている。この走行クラッチレバ−23は、前述したようにテンションプ−リ22を上下方向移動操作するテンションア−ム26との間をワイヤー24で連動連結しており、走行クラッチレバ−23をスライドハンドル45の上面接触近傍側の矢印「ハ」方向に下降回動操作すると、駆動プ−リ18と従動プ−リ20間を駆動回転し、走行クラッチレバ−23から手を離すと内部の戻しバネ30の加重により、テンションア−ム26を下動しながら走行クラッチレバ−23を反矢印「ハ」方向に上動回動し、動力伝達を切りとする。53はワイヤー取付後端部であり、走行クラッチレバ−23左側方部の前後方向中間に設けると共に、ワイヤーケーブルのアウター後部を左ハンドルパイプ32aの幅方向直線間隔部A前部の係止部54に固定している。
【0019】平面視で略前方開口「コ」字状としている走行クラッチレバー23は、その後部左右方向操作部を、前述したようにクラッチ入り操作時にはスライドハンドル45の軸部と重合させて、左右いずれの空間部49後方部でも運転者が片方の手で握ることができる構成としており、また、ハンドルパイプ32の左右方向中央部である中央金具33上方部分には、前方に迂回させた迂回前突部55を設けている。
【0020】次に、ハンドルパイプ32の基端側に位置する伝動ケース14や、下部に位置するロータリ耕耘装置56の駆動ケース1等について説明する。伝動ケ−ス14は、鉄系材やアルミ系の合金材等の材質であって、鋳物やダイキャスト等の加工法で製作されている。そして、内部には図示しない複数の伝動歯車から成る変速部を内装しており、変速レバー57を操作して必要な変速比の回転を伝動ケ−ス14下端の車軸部に伝え、左右に突出した車軸に取り付けた左右の走行車輪58,58を駆動回転して、歩行型耕耘機13は矢印「イ」方向に前進する。
【0021】左右方向中央に配設する伝動ケ−ス14後部には、ヒッチ59が同じく左右方向中央に配設されており、ヒッチ59の突出後端部にセンタードライブ式としたロ−タリ耕耘装置56の駆動ケ−ス1外周廻りに設けたフランジ部の前縁上部が取り付けられている。駆動ケース1の上部と伝動ケース14の上部間には板金製のカウンターケース75が取り付けられており、図示しない連動連結具を介して伝動ケース14から出力する駆動力を駆動ケース1に伝達している。
【0022】駆動ケ−ス1は板金製であって、鉄板を絞り加工した左右の半ケースを「もなか」状に左右対向して合わせ、合せ部をボルト,ナット等の締付具で締め付けてケースを構成している。そして、ケースの内部空間上部には回転数を高速または低速に変速する高低変速部60を内装しており、その回転を、上部軸61に対し回転自在に取り付けている上スプロケット62に伝える。
【0023】駆動ケース1下部には駆動軸2をベアリング63を介して軸承する傾斜支持ボス3を、ケース左右の側壁4,4に内方からボルト,ネジ等の締付具64で夫れ夫れ分解可能に取り付けている。この左右の傾斜支持ボス3,3のベアリング63,63間に軸承した駆動軸2が、軸端を傾斜支持ボス3の外方端部から長く突出状に取り付けられている。また、駆動軸2の左右方向中央部には下スプロケット65が一体的に取り付けられており、前述した上スプロケット62の駆動回転力をチェーン等の連動具66を介して駆動伝動している。
【0024】尚、駆動軸2は、駆動ケース1内の上下スプロケット62,65の動力伝達方向と略平行面とした側壁4の面に対し直交方向に軸突出している。また、傾斜支持ボス3は、内端面を駆動ケース1の側壁4と同一面としているが、外端面67やベアリング取付筒面68やシール取付筒面69側を、駆動軸2に対し所定角度「θ」外方が下がった角度に傾斜している。
【0025】駆動軸2の突出端部は、小径としたスプライン軸70と、その外方のネジ部71の構成としている。このスプライン軸70部に、外周二箇所に軸心方向に沿って切欠いた溝である凹部5を有する回転ロール6のスプライン孔を係合し、平座金やバネ座金やナット72等をネジ部71に装着し締め付けている。傾斜支持ボス3の外端部に設けたシール取付筒面69とベアリング取付筒面68外周囲から回転ロール6の外周囲間に亘って、傾斜筒7を装着しており、この傾斜筒7について説明する。
【0026】円筒状の傾斜筒7は、長手方向の中間部近傍に駆動軸心に向かう取付孔76,76を反対側まで貫通して二箇所開口しており、この取付孔76に、ピン8を内方に一定長さ突出状に挿入し外端を溶接している。このピン8の突出先端は半球状の摺動曲面78としており、このピン8,8間に回転ロール6の凹部5,5が位置して係合している。また、傾斜筒7の外周には、内方と外方の二面の列に回転刃9,9..を取り付けるように、取付ホルダー10,10..を一体溶接している。
【0027】内方の回転面となる内方取付ホルダー10aは、図2の側面図で示すように上下方向に一対溶接され、外方の回転面となる外方取付ホルダー10bは左右方向に一対溶接され、両二面の列の取付ホルダー10は側面視で駆動回転方向に90度ずらして回転時の掘削衝撃を分散している。傾斜筒7の外側方の開口は、外端部に取り付けた蓋体79により閉鎖されている。
【0028】傾斜筒7の着脱について説明する。駆動軸2は、駆動ケース1の下部にベアリング63,63とシール77,77を介して左右の傾斜支持ボス3,3により支持されており、左右の軸端を傾斜支持ボス3の外端面67からさらに外方に突出している。傾斜筒7の内端筒部にシールリング73とベアリング74を挿入した状態で、前述した傾斜支持ボス3の外端面67側から角度「θ」を保って、ベアリング74内周とベアリング取付筒面68間の嵌合部に傾斜筒7を打ち込んでいく。
【0029】次に、傾斜筒7の外端開口側からスナップリングである止め輪80を挿入し、工具を用いて傾斜支持ボス3の外端面67近傍に設けた取付係止溝に、止め輪80を挿入し取り付けている。これにより、傾斜支持ボス3に対し傾斜筒7の脱落を防止しながら、傾斜支持ボス3廻りに回転自在に傾斜筒7を取り付けている。そして、外端開口側から回転ロール6を、凹部5がピン8の突出先端の半球状の摺動曲面78に係合するように傾斜筒7を回転しながら、駆動軸2のスプライン軸70部に取り付け、平座金とバネ座金を介しナット72を駆動軸2のネジ部71に締め込み、蓋体79で傾斜筒7の開口を閉鎖すると駆動機構の組立ては完了する。分解は、前記の逆に行なえば良い。
【0030】傾斜筒7の外周囲に取り付ける内外列の複数回転刃9,9..を、内方列の回転面とした上下方向一対の内方取付ホルダー10a,10aにおいて、一方の刃をナタ刃9aとし他方の刃を直刃9bとする。また、外方列の回転面とした上下方向一対の外方取付ホルダー10b,10bにおいても、同様に一方の刃をナタ刃9aとし他方の刃を直刃9bとしている。
【0031】ナタ刃9aも直刃9bも、側面視の形状は図9で示すように略同じであるが、背面視の形状は次のように異なる。図9で矢印「ロ」方向に回転するナタ刃9aは、側面視で後退角のついた先端刃部81が駆動ケース1方向に曲がり込んだ通常の泥土掘削用の耕耘爪であり、曲がり込んだ先端刃部81によって泥土を幅広く掘削する。直刃9bは単に側面視で後退角のついたナイフ様の刃であって、背面視では直線状である。この直刃9bは、圃場表面に散乱放置した剪定樹木を細かく細断しようとするものである。
【0032】通常の茶園の樹木は列状に並列に植え付けられており、この樹木列の間を歩行型耕耘機13により走行し表土を掘削する。この場合左右の傾斜筒7,7のみを取り付けて掘削する場合、図例では、耕耘幅が30cm程度の幅狭のものとしている。樹木列間に剪定された茶木の枝や葉が散乱している時、耕耘走行に伴い直刃9bで地表面の枝や葉を細断しながら、ナタ刃9aにより掘削する耕耘泥土中に両回転刃9で協同して、撹拌埋め込みを行なうから、土壌中の水分や細菌により枝葉の腐食を進行でき腐葉土への変化が容易となる。また、内方列をナタ刃9aと直刃9bの組み合わせとして傾斜筒7に傾斜状に取り付けているから、刃の変形が少ないぶん枝葉の巻き付きを少なくしながら駆動ケース1下部の残耕がなく、回転刃9での深耕が容易となる。この掘削作業時には、図示しないが散布装置を取り付けて、同時に肥料や薬剤等の粉剤を掘削泥土中に散布しても良い。
【0033】次に、広幅作業について、図1,図3,図8に基づいて説明する。傾斜筒7の外側端に取り付けている蓋体79を取り外し、この取付ボルト83を利用して延長回転軸11の内端に設けたフランジ82を取り付ける。傾斜筒7内のピン8,8部や回転ロール6の凹部5,5等の摺動面にはモリブデン入りのグリース等の潤滑剤や潤滑油等が封入されており、内外の各端部にはシールが取り付けられている。蓋体79の内部にも筒シール88が取り付けられており、蓋体79を着脱しても封入された潤滑剤や油はシールされている。延長回転軸11廻りには、掘削爪または螺旋等の土掘削移動体12を配設している。
【0034】図例の土掘削移動体12は、単なるナタ刃の耕耘爪であって、傾斜筒7の傾斜角「θ」の延長上に延びだした延長回転軸11に複数設けた、爪取付ホルダーに取り付けられており、掘削回転して泥土を駆動ケース1方向に移動しつつ全幅間の耕耘泥土表面を均平化する。この幅広作業時の掘削幅は70cm程度としており、列状に並列された茶木の樹木根元部の泥土を樹間の踏み固められた通路側に移動すると共に、樹木間全幅の表土を掘削砕土して膨軟にし、表土の凹凸を均平化する。
【0035】このように延長回転軸11の取付けは、傾斜筒7の外側端の蓋体79を外し、そこに延長回転軸11のフランジ82を取り付けるだけで済み、フランジ82で筒シール88の外側を強固に覆っているので、傾斜筒7内に水や泥が浸入する恐れがない。また、延長回転軸11の駆動力伝動も取付ボルト83を利用しているだけで済み、着脱容易な安価な構成にできながら駆動伝達は確実に行なえる。
【0036】側面視で左右の傾斜筒7,7上方から後方に亘って、耕耘カバ−84が取り付けられている。耕耘カバ−84の後端には幅狭耕耘幅の全体に亘って、背面図で示すようにゴム垂れ85が吊るされており、掘削泥土の後方への飛散を少なくしている。さらに、ゴム垂れ85の両側端部には、左右のゲ−ジ輪86,86を夫れ夫れ設けた両尾輪として、ロータリ耕耘装置56の後部を支えている。この両尾輪の高さを調節することにより、ロ−タリ耕耘装置56の耕耘掘削深さを変更調節自在にしている。
【0037】歩行型耕耘機13は左右側面が凹凸状になっているので、栽培作物間を走行時に作物を傷めないように、図8,図10で示すように護葉カバ−87で機体の前方から左右両側方を覆っており、側方への突起をなくしている。護葉カバ−87は、平面視略「コ」字状としており、歩行型耕耘機13の適所に設けた取付部に取り付けており、その全幅は後端部で示すと、幅狭耕耘幅である傾斜筒7,7上方を覆う程度の幅としており、延長回転軸11,11上部は露出させている。
【0038】この構成により、列状に並列された茶園の樹木間を歩行型耕耘機13により走行する際に、次年度のために剪定された太い枝を圃場表面に散乱させていても、直刃9bで太い枝を細断しながらナタ刃9aで掘削した泥土中に拡散し埋め込むことにより、枝の腐食が進行しやすくなる。
【0039】
【発明の作用効果】この発明は、前述したように、駆動ケース下端から左右方向に夫れ夫れ駆動軸を突設し、この突設内端側外周囲を覆うように傾斜支持ボスを伝動ケース側壁に取り付け、外周部に複数箇所の凹部を有する回転ロールを駆動軸の突設外端部に取り付け、さらに、傾斜支持ボスと回転ロールの外周囲に亘って傾斜筒で覆い、傾斜筒の内周側に複数本のピンを突設し、傾斜筒の外周囲に複数列の回転刃取付ホルダーを設けたので、ピンの径を大きくしても駆動軸が従来のように弱くならない。
【0040】また、傾斜筒の外周囲に取り付ける複数列の回転刃の一列をナタ刃と直刃の一対としたので、駆動軸一回転ごとに剪定後放置された圃場の太い枝を細断しながら掘削泥土中に拡散し埋め込めるから、枝の腐食が進行し圃場泥土の活性化が早くなる。さらに、傾斜筒の外側端に延長回転軸を取り付けると共に、延長回転軸廻りに掘削爪または螺旋等の土掘削移動体を配設したので、列状に並列された茶木の樹木根元部の泥土を樹間の踏み固められた通路側に移動すると共に、全幅を掘削砕土して膨軟にすることができ、茶木の成長促進をうながせ収穫量が多くなる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年1月11日(1999.1.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−201501(P2000−201501A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−4447