| 【発明の名称】 |
作業車の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉川 研治
【氏名】杉本 吉昭
【氏名】岡部 伸行
【氏名】朝田 晃宏
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| 【要約】 |
【課題】制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を容易に解除できるようにしながらも、その操作の際には運転者が違和感や戸惑いを感じ難くする。
【解決手段】制御装置11が、作業装置10の実高さ位置を目標高さ位置に合致させるポジション制御の実行禁止状態では、制御上限位置と目標高さ位置の少なくとも一方が実高さ位置より上位の状態で上昇スイッチ18のワンショット操作が行われると、制御上限位置と目標高さ位置の高い側に実高さ位置を合致させる補助ワンショット上昇制御を実行し、制御上限位置と目標高さ位置の少なくとも一方が実高さ位置より下位の状態で下降スイッチ19のワンショット操作が行われると、制御上限位置と目標高さ位置の低い側に実高さ位置を合致させる補助ワンショット下降制御を実行し、補助ワンショット上昇制御又は補助ワンショット下降制御の実行でポジション制御の実行禁止を解除するように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポジション設定器により設定された作業装置の目標高さ位置と、ポジションセンサにより検出される前記作業装置の実高さ位置とが合致するように前記作業装置を昇降させるポジション制御を実行するポジション制御手段と、上昇スイッチのワンショット操作に基づいて、前記ポジション制御に優先して、上限設定器により設定された制御上限位置に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を上昇させるワンショット上昇制御を実行し、下降スイッチのワンショット操作に基づいて、前記ワンショット上昇制御の優先を解除して、前記目標高さ位置に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を復帰下降させるワンショット下降制御を実行するワンショット制御手段と、エンジン始動段階で、前記目標高さ位置と前記実高さ位置とが相違している場合に、前記ポジション制御の実行を禁止する制御規制手段とを備えた作業車の制御装置であって、前記制御規制手段によるポジション制御の実行禁止状態では、前記ワンショット制御手段は、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの少なくとも一方が前記実高さ位置よりも上方にある状態で、前記上昇スイッチのワンショット操作が行われると、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの高い側に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を上昇させる補助ワンショット上昇制御を実行し、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの少なくとも一方が前記実高さ位置よりも下方にある状態で、前記下降スイッチのワンショット操作が行われると、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの低い側に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を下降させる補助ワンショット下降制御を実行し、前記制御規制手段は、前記補助ワンショット上昇制御と前記補助ワンショット下降制御のうちのいずれか一方の実行に伴って、ポジション制御の実行禁止を解除するように構成してある作業車の制御装置。 【請求項2】 前記補助ワンショット下降制御の際には、前記作業装置を低速で下降させるように構成してある請求項1記載の作業車の制御装置。 【請求項3】 前記補助ワンショット上昇制御の際には、前記作業装置を低速で上昇させるように構成してある請求項1又は2記載の作業車の制御装置。 【請求項4】 前記補助ワンショット下降制御の実行中に前記上昇スイッチのワンショット操作が行われた場合には、その操作に伴って、前記ワンショット制御手段が前記補助ワンショット下降制御の実行を中止し、前記制御規制手段が前記ポジション制御の実行を再び禁止するように構成してある請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業車の制御装置。 【請求項5】 前記補助ワンショット上昇制御の実行中に前記下降スイッチのワンショット操作が行われた場合には、その操作に伴って、前記ワンショット制御手段が前記補助ワンショット上昇制御の実行を中止し、前記制御規制手段が前記ポジション制御の実行を再び禁止するように構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載の作業車の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポジション設定器により設定された作業装置の目標高さ位置と、ポジションセンサにより検出される作業装置の実高さ位置とが合致するように前記作業装置を昇降させるポジション制御を実行するポジション制御手段と、上昇スイッチのワンショット操作に基づいて、前記ポジション制御に優先して、上限設定器により設定された制御上限位置に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を上昇させるワンショット上昇制御を実行し、下降スイッチのワンショット操作に基づいて、前記ワンショット上昇制御の優先を解除して、前記目標高さ位置に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を復帰下降させるワンショット下降制御を実行するワンショット制御手段と、エンジン始動段階で、前記目標高さ位置と前記実高さ位置とが相違している場合に、前記ポジション制御の実行を禁止する制御規制手段とを備えた作業車の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のような作業車の制御装置においては、前記制御規制手段を備えることにより、エンジンの始動段階で前記目標高さ位置と前記実高さ位置とが相違している場合に、エンジンの始動操作に伴ってポジション制御が実行されて作業装置が不測に昇降することを阻止し、それによって、その不測の昇降に起因した作業装置の他物との接触などを回避できるようにしている。 【0003】従来、このような作業車の制御装置において、制御規制手段によりポジション制御の実行が禁止されている場合には、ポジション設定器の操作により前記目標高さ位置を前記実高さ位置に合致させる、あるいは、上昇スイッチのワンショット操作により前記ワンショット上昇制御を実行させることによって、制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を解除できるようになっていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来技術によると、例えば、ポジション設定器の操作で制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を解除する場合においては、前記目標高さ位置が前記実高さ位置よりも下方に位置していると、作業装置を下降させたい場合であっても、作業装置を上昇させる側の操作方向にポジション設定器を操作する必要があり、逆に、前記目標高さ位置が前記実高さ位置よりも上方に位置していると、作業装置を上昇させたい場合であっても、作業装置を下降させる側の操作方向にポジション設定器を操作する必要がある。一方、上昇スイッチのワンショット操作で制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を解除する場合においては、ポジション設定器の操作よりも簡単な上昇スイッチのワンショット操作を行うだけで、制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を容易に解除できるものの、作業装置を下降させたい場合であっても、上昇スイッチのワンショット操作を行う必要がある。 【0005】つまり、上記の従来技術によると、ポジション制御の実行禁止を解除するための操作方向が、運転者が行おうとする作業装置の昇降操作方向と逆方向になる場合が多々あることから、運転者に違和感や戸惑いを感じさせ易いものとなっていた。 【0006】又、エンジン停止状態での上限設定器の誤操作などによって、エンジン始動段階で前記制御上限位置が前記実高さ位置よりも低くなっている場合には、それによって、ワンショット上昇制御の実行が不可能となって上昇スイッチのワンショット操作でポジション制御の実行禁止を解除することができないことから、上昇スイッチの操作よりも面倒なポジション設定器の操作で、制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を解除しなければならないようになっていた。 【0007】本発明の目的は、制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を容易に解除できるようにしながらも、その操作の際に運転者が違和感や戸惑いを感じ難くなるようにすることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、ポジション設定器により設定された作業装置の目標高さ位置と、ポジションセンサにより検出される前記作業装置の実高さ位置とが合致するように前記作業装置を昇降させるポジション制御を実行するポジション制御手段と、上昇スイッチのワンショット操作に基づいて、前記ポジション制御に優先して、上限設定器により設定された制御上限位置に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を上昇させるワンショット上昇制御を実行し、下降スイッチのワンショット操作に基づいて、前記ワンショット上昇制御の優先を解除して、前記目標高さ位置に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を復帰下降させるワンショット下降制御を実行するワンショット制御手段と、エンジン始動段階で、前記目標高さ位置と前記実高さ位置とが相違している場合に、前記ポジション制御の実行を禁止する制御規制手段とを備えた作業車の制御装置において、前記制御規制手段によるポジション制御の実行禁止状態では、前記ワンショット制御手段は、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの少なくとも一方が前記実高さ位置よりも上方にある状態で、前記上昇スイッチのワンショット操作が行われると、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの高い側に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を上昇させる補助ワンショット上昇制御を実行し、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの少なくとも一方が前記実高さ位置よりも下方にある状態で、前記下降スイッチのワンショット操作が行われると、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの低い側に前記実高さ位置が合致するまで前記作業装置を下降させる補助ワンショット下降制御を実行し、前記制御規制手段は、前記補助ワンショット上昇制御と前記補助ワンショット下降制御のうちのいずれか一方の実行に伴って、ポジション制御の実行禁止を解除するように構成した。 【0009】〔作用〕通常、作業装置が接地位置もしくはその近くで停止している状態でポジション制御の実行が禁止されている場合には、前記制御上限位置及び前記目標高さ位置のうちのいずれか一方(特に前記制御上限位置)が前記実高さ位置よりも高くなっている可能性がかなり高く、又、運転者が作業装置の上昇操作を行う可能性もかなり高くなる。そこで、上記請求項1記載の発明では、上昇スイッチのワンショット操作に基づく補助ワンショット上昇制御の実行でポジション制御の実行禁止を解除できるようにしているのであり、これによって、作業装置を上昇させながらポジション制御の実行禁止を解除することができるようになる。 【0010】逆に、作業装置が上限位置もしくはその近くで停止している状態でポジション制御の実行が禁止されている場合には、前記制御上限位置及び前記目標高さ位置のうちのいずれか一方(特に前記目標高さ位置)が前記実高さ位置よりも低くなっている可能性がかなり高く、又、運転者が作業装置の下降操作を行う可能性もかなり高くなる。そこで、上記請求項1記載の発明では、下降スイッチのワンショット操作に基づく補助ワンショット下降制御の実行でもポジション制御の実行禁止を解除できるようにしているのであり、これによって、作業装置を下降させながらポジション制御の実行禁止を解除することができるようになる。 【0011】又、作業装置が中間位置もしくはその近くで停止している状態でポジション制御の実行が禁止されている場合には、運転者が作業装置の上昇操作を行うか下降操作を行うかの判別は難しいものの、前記制御上限位置が前記実高さ位置よりも高く、かつ、前記目標高さ位置が前記実高さ位置よりも低くなっている可能性がかなり高いことから、上昇スイッチのワンショット操作で補助ワンショット上昇制御を実行させるようにすれば、作業装置を上昇させながらポジション制御の実行禁止を解除することができ、逆に、下降スイッチのワンショット操作で補助ワンショット下降制御を実行させるようにすれば、作業装置を下降させながらポジション制御の実行禁止を解除することができるようになる。しかも、この場合においては、エンジン停止状態でのポジション設定器や上限設定器の誤操作などによって、前記制御上限位置が前記実高さ位置よりも低く、かつ、前記目標高さ位置が前記実高さ位置よりも高くなっていたとしても、作業装置を所望方向に昇降させながらポジション制御の実行禁止を解除することができるようになる。 【0012】つまり、殆どの場合、エンジン始動後に行われる簡単な上昇スイッチもしくは下降スイッチのワンショット操作で、運転者の望む方向に作業装置を昇降させることによって、ポジション制御の実行禁止を解除できるようになることから、その解除操作の際に運転者に違和感や戸惑いを感じさせることがない。又、その解除操作方向が運転者の望む方向であることによって、その操作の入力意志を運転者に持たせることができるので、違和感や戸惑いを感じながら操作する場合に比較して、その操作の際に生じる虞のある不都合に対する注意力を十分に持たせることができるようになる。 【0013】ところで、前記制御上限位置と前記目標高さ位置の双方が前記実高さ位置よりも低くなっている状態では、上昇スイッチのワンショット操作でポジション制御の実行禁止を解除することはできないものの、このような状態は主に作業装置が上限位置近くに位置している状態であり、このような状態において運転者が作業装置の上昇操作を行うことは稀である。しかも、この状態では、下降スイッチのワンショット操作を行うことによってポジション制御の実行禁止を簡単に解除することできるようになる。 【0014】又逆に、前記制御上限位置と前記目標高さ位置の双方が前記実高さ位置よりも高くなっている状態では、下降スイッチのワンショット操作でポジション制御の実行禁止を解除することはできないものの、このような状態は主に作業装置が接地位置近くに位置している状態であり、このような状態において運転者が作業装置の下降操作を行うことは稀である。しかも、この状態では、上昇スイッチのワンショット操作を行うことによってポジション制御の実行禁止を容易に解除することできるようになる。 【0015】つまり、運転者の望む方向に作業装置を昇降させるための上昇スイッチもしくは下降スイッチのワンショット操作でポジション制御の実行禁止を解除することができない状態が稀に生じたとしても、このような場合には、望む方向とは逆方向に作業装置を昇降させる下降スイッチもしくは上昇スイッチのワンショット操作でポジション制御の実行禁止を容易に解除することができるようになる。 【0016】〔効果〕従って、エンジン始動後に簡単な上昇スイッチもしくは下降スイッチのワンショット操作を行うだけで制御規制手段によるポジション制御の実行禁止を容易かつ確実に解除することができるとともに、その操作の際に運転者が違和感や戸惑いを感じることが殆どないことから、ポジション制御の実行禁止を解除する際の操作性の向上を大幅に図れるようになった。 【0017】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記補助ワンショット下降制御の際には、前記作業装置を低速で下降させるように構成した。 【0018】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット下降制御の際に作業装置が急速下降することを防止でき、それによって、その下降制御中に作業装置が予想以上に下降することなどによって、作業装置が他物と接触する虞などが生じたとしても、それに対する回避措置が行い易くなる。 【0019】〔効果〕従って、補助ワンショット下降制御でポジション制御の実行禁止を解除する際に、作業装置が他物に接触するなどの不都合が生じることを回避し易くすることができるようになった。 【0020】本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の発明において、前記補助ワンショット上昇制御の際には、前記作業装置を低速で上昇させるように構成した。 【0021】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット上昇制御の際に作業装置が急速上昇することを防止でき、それによって、その上昇制御中に作業装置が予想以上に上昇することなどによって、作業装置が他物と接触する虞などが生じたとしても、それに対する回避措置が行い易くなる。 【0022】〔効果〕従って、補助ワンショット上昇制御でポジション制御の実行禁止を解除する際に、作業装置が他物に接触するなどの不都合が生じることを回避し易くすることができるようになった。 【0023】本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記補助ワンショット下降制御の実行中に前記上昇スイッチのワンショット操作が行われた場合には、その操作に伴って、前記ワンショット制御手段が前記補助ワンショット下降制御の実行を中止し、前記制御規制手段が前記ポジション制御の実行を再び禁止するように構成した。 【0024】〔作用〕上記請求項4記載の発明によると、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット下降制御中に作業装置が予想以上に下降して他物と接触する虞などが生じた場合には、本来より、その補助ワンショット下降制御を実行する際に操作される下降スイッチの極近くに配設されている上昇スイッチのワンショット操作で簡単かつ迅速に作業装置を停止させることができるようになる。 【0025】〔効果〕従って、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット下降制御中に作業装置が他物に接触するなどの不都合が生じることを、より簡単かつ確実に回避できるようになった。 【0026】本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記補助ワンショット上昇制御の実行中に前記下降スイッチのワンショット操作が行われた場合には、その操作に伴って、前記ワンショット制御手段が前記補助ワンショット上昇制御の実行を中止し、前記制御規制手段が前記ポジション制御の実行を再び禁止するように構成した。 【0027】〔作用〕上記請求項5記載の発明によると、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット上昇制御中に作業装置が予想以上に上昇して他物と接触する虞などが生じた場合には、本来より、その補助ワンショット上昇制御を実行する際に操作される上昇スイッチの極近くに配設されている下降スイッチのワンショット操作で簡単かつ迅速に作業装置を停止させることができるようになる。 【0028】〔効果〕従って、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット上昇制御中に作業装置が他物に接触するなどの不都合が生じることを、より簡単かつ確実に回避できるようになった。 【0029】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0030】図1には、作業車の一例である農用トラクタの全体側面が示されており、このトラクタは、ディーゼルエンジン1、ミッションケース2、左右一対の前輪3と後輪4、ステアリングホイール5、及び、運転座席6、などを備えて構成されるとともに、その後部に、油圧式のリフトシリンダ7の作動により昇降揺動するリフトアーム8や3点リンク機構9などを介して、ロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置10が昇降自在に連結されるようになっている。尚、図1では、作業装置10としてロータリ耕耘装置を例示している。 【0031】図1〜3に示すように、トラクタにはマイクロコンピュータからなる制御装置11が搭載されている。リフトアーム8の揺動支点部には、リフトアーム8の昇降揺動角を作業装置10の実高さ位置として検出する回転式のポテンショメータからなるポジションセンサ12が装備されている。3点リンク機構9の左右のロアリンク9Aをトラクタの後部に連結する各取付ピン13には、牽引負荷を検出する磁歪式のピンセンサからなるドラフトセンサ14が内蔵されている。運転座席6の右側方には、前後揺動操作可能に配備されたポジションレバー15Aと、その揺動操作角を検出する回転式のポテンショメ−タからなるレバーセンサ15Bとから構成されたポジション設定器15、及び、ポジションレバー15Aを操作案内するガイド溝16Aが形成された操作パネル16が配備されている。操作パネル16には、制御装置11が実行する昇降制御モードをポジション制御モードとドラフト制御モードとに切り換える2位置切り換え式のモード切換スイッチ17、自動復帰型の押しボタンスイッチからなる上昇スイッチ18と下降スイッチ19、ドラフト制御モードにおいて牽引負荷の変化量に対する作業装置10の動き量を設定する回転式のポテンショメータからなるドラフト比設定器20、作業装置10の制御上限位置を設定する回転式のポテンショメータからなる上限設定器21、及び、作業装置10の下降速度を設定する回転式のポテンショメータからなる下降速度設定器22、などが配備されている。 【0032】図2に示すように、制御装置11には、ポジション制御手段11A、ドラフト制御手段11B、ワンショット制御手段11C、及び、制御規制手段11D、などが制御プログラムとして備えられている。 【0033】ポジション制御手段11Aは、モード切換スイッチ17がポジション制御位置に設定された場合に、ポジション設定器15からの情報を作業装置10の目標高さ位置として入力するとともに、そのポジション設定器15により設定された作業装置10の目標高さ位置と、ポジションセンサ12により検出される作業装置の実高さ位置とが合致するように作業装置10を昇降させるポジション制御を実行するように構成されている。尚、前記目標高さ位置は所定の不感帯を有するものである。 【0034】ドラフト制御手段11Bは、モード切換スイッチ17がドラフト制御位置に設定された場合に、ポジション設定器15からの情報を目標牽引負荷として入力するとともに、そのポジション設定器15により設定された目標牽引負荷と、ドラフトセンサ14により検出される実牽引負荷と、ドラフト比設定器20により設定されたドラフト比に基づいて、実牽引負荷がポジション設定器15により設定された目標牽引負荷に維持されるように作業装置10を昇降させるドラフト制御を実行するように構成されている。尚、前記目標牽引負荷は所定の不感帯を有するものである。 【0035】ワンショット制御手段11Cは、上昇スイッチ18のワンショット操作に基づいて、ポジション制御及びドラフト制御に優先して、上限設定器21により設定された制御上限位置に前記実高さ位置が合致するまで作業装置10を上昇させるワンショット上昇制御を実行し、下降スイッチ19のワンショット操作に基づいて、ワンショット上昇制御の優先を解除して、ポジション制御時には前記目標高さ位置に前記実高さ位置が合致するように、又、ドラフト制御時には前記実牽引負荷が前記目標牽引負荷に維持されるように、作業装置10を復帰下降させるワンショット下降制御を実行するように構成されている。又、ワンショット制御手段11Cは、ワンショット上昇制御による作業装置10の上昇途中で下降スイッチ19のワンショット操作が行われると、その時点の高さ位置で作業装置10を停止させるようになっている。逆に、ワンショット下降制御による作業装置10の下降途中で上昇スイッチ18のワンショット操作が行われると、作業装置10を前記制御上限位置まで上昇させるようになっている。更に、ドラフト制御時において、下降スイッチ19の押圧操作が継続されると、作業装置10を自重下降させるフローティング状態を現出し、その操作が解除されるとドラフト制御状態に復帰させるようになっている。尚、前記制御上限位置は所定の不感帯を有するものである。 【0036】制御規制手段11Dは、キースイッチ23の操作によるエンジン始動段階、トラクタの後部に配備された外部スイッチ24による作業装置10の手動昇降操作段階、又は、モード切換スイッチ17の操作段階において、前記目標高さ位置と前記実高さ位置とが相違する場合には、ポジション制御の実行を禁止するように構成されている。つまり、制御規制手段11Dの制御作動によって、キースイッチ23によるエンジン1の始動操作後、外部スイッチ24による作業装置10の昇降操作後、又は、モード切換スイッチ17の操作後に、ポジション制御が実行されて作業装置10が不測に昇降することを阻止できるようになっている。 【0037】制御規制手段11Dによるポジション制御の実行禁止状態においては、ワンショット制御手段11Cは、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの少なくとも一方が前記実高さ位置よりも上方にある状態〔図4の(イ)〜(ハ)参照〕で、上昇スイッチ18のワンショット操作が行われると、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの高い側に前記実高さ位置が合致するまで作業装置10を上昇させる補助ワンショット上昇制御を実行し、又、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの少なくとも一方が前記実高さ位置よりも下方にある状態〔図4の(ロ)〜(ニ)参照〕で、下降スイッチ19のワンショット操作が行われると、前記制御上限位置と前記目標高さ位置のうちの低い側に前記実高さ位置が合致するまで作業装置10を下降させる補助ワンショット下降制御を実行するように構成されている。一方、制御規制手段11Dは、ワンショット制御手段11Cによる補助ワンショット上昇制御と補助ワンショット下降制御のうちのいずれか一方が実行されるのに伴って、ポジション制御の実行禁止を解除するように構成されている。 【0038】つまり、上昇スイッチ18及び下降スイッチ19は、制御規制手段11Dによるポジション制御の実行禁止を解除する解除スイッチとして機能するように構成されており、これによって、簡単な上昇スイッチ18もしくは下降スイッチ19のワンショット操作を行うだけで、制御規制手段11Dによるポジション制御の実行禁止を容易に解除できるようになっている。又、前記制御上限位置と前記目標高さ位置の双方が前記実高さ位置よりも上方にある状態〔図4の(イ)参照〕で作業装置10を下降させたい場合と、前記制御上限位置と前記目標高さ位置の双方が前記実高さ位置よりも下方にある状態〔図4の(ニ)参照〕で作業装置10を上昇させたい場合、以外の殆どの場合では、運転者の望む方向に作業装置10を昇降させるための上昇スイッチ18もしくは下降スイッチ19のワンショット操作でポジション制御の実行禁止を解除することができるようになっており、もって、殆どの解除操作の際に、運転者に違和感や戸惑いを感じさせないようにすることができるとともに、その操作の入力意志を運転者に持たせることができるようになっている。 【0039】ワンショット制御手段11Cは、補助ワンショット下降制御の際には作業装置10を低速で下降させ、又、補助ワンショット上昇制御の際には作業装置10を低速で上昇させるように構成されている。これによって、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット下降制御又は補助ワンショット上昇制御の際に作業装置10が急速下降又は急速上昇することを防止できるようになっており、これによって、その下降制御中又は上昇制御中に作業装置10が予想以上に下降又は上昇することなどによって、作業装置10が他物と接触する虞などが生じたとしても、それに対する回避措置が行い易くなっている。 【0040】又、補助ワンショット下降制御の実行中に上昇スイッチ18のワンショット操作が行われた場合には、その操作に伴って、ワンショット制御手段11Cが補助ワンショット下降制御の実行を中止し、制御規制手段11Dがポジション制御の実行を再び禁止するように構成されている。逆に、補助ワンショット上昇制御の実行中に下降スイッチ19のワンショット操作が行われた場合には、その操作に伴って、ワンショット制御手段11Cが補助ワンショット上昇制御の実行を中止し、制御規制手段11Dがポジション制御の実行を再び禁止するように構成されている。これによって、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット下降制御中に作業装置10が予想以上に下降して他物と接触する虞などが生じた場合には、本来より、その補助ワンショット下降制御を実行する際に操作される下降スイッチ19の極近くに配設されている上昇スイッチ18のワンショット操作で簡単かつ迅速に作業装置10を停止させることができ、又逆に、ポジション制御の実行禁止を解除する補助ワンショット上昇制御中に作業装置10が予想以上に上昇して他物と接触する虞などが生じた場合には、本来より、その補助ワンショット上昇制御を実行する際に操作される上昇スイッチ18の極近くに配設されている下降スイッチ19のワンショット操作で簡単かつ迅速に作業装置10を停止させることができるようになっている。 【0041】尚、図2に示す符号25は、作業装置10の昇降操作の際に制御装置11によって作動制御される電磁制御弁であり、制御装置11の制御作動に基づいて、リフトシリンダ7に対する作動油の流動方向及び流動量を調節するようになっている。又、図3に示す符号26は、ポジションレバー15Aとの接当によりポジション設定器15の下降方向への操作を規制するストッパであり、符号27は、そのストッパ26をガイド溝16Aに沿って移動させることによって、ポジション設定器15の操作範囲を変更する下限設定ダイヤルである。 【0042】図2に示すように、制御装置11には、エンジン1への吸気路に装備された吸気加熱用のヒータ28、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ29、及び、エンジン回転数を検出する回転センサ30が接続されるとともに、キースイッチ23の操作位置、並びに、水温センサ29及び回転センサ30からの検出情報に基づいてヒータ28の作動を制御する吸気加熱制御手段11Eが制御プログラムとして備えられている。 【0043】吸気加熱制御手段11Eは、キースイッチ23のOFF位置からON位置への操作に伴って起動されると、先ず、水温センサ29により検出されるエンジン冷却水の温度(以下、水温と略する)が所定温度(例えば40度)に達しているか否かを判断する。そして、水温が既に所定温度に達している場合にはヒータ28を作動させないようにし、逆に、水温が所定温度に達していない場合には、ヒータ28を作動させてプレヒートを開始させるとともに、その時の水温に応じたプレヒート時間を設定し、プレヒート時間が経過するか経過中に水温が所定温度に達すると、ヒータ28を停止させてプレヒートを終了させるようになっている。つまり、プレヒートによりエンジン始動性の向上を図りながらも、過剰なプレヒートによる余分な電力消費を回避できるようにしている。又、プレヒート中にキースイッチ23をON位置からST位置に操作するエンジン始動操作が行われると、その操作の間、一時的にヒータ28を停止させるとともに、回転センサ30からの検出に基づいてエンジン1が起動されたか否かを判断する。そして、エンジン1が起動されていない場合には、その操作後にヒータ28の作動によるプレヒートを再開し、逆に、エンジン1が起動された場合には、その操作後にプレヒートに代えてヒータ28の作動によるアフターヒートを開始し、その後、予め設定されたアフターヒート時間が経過するとアフターヒート時間を終了するようになっている。尚、アフターヒート時間は、青白煙軽減効果を確保する点から比較的長い時間(例えば1分)に設定されている。つまり、エンジン始動操作の間、電力消費量の比較的に大きいヒータ28を一時的に停止させることから、電力不足によりエンジン1がかかり難くなる不都合が生じることを回避できるようになっている。又、エンジン1の起動を監視して、エンジン始動操作の際にエンジン1が起動されなかった場合にヒータ28の作動時間が長くなるアフターヒートが開始されることを阻止していることから、エンジン停止状態での不必要な電力消費によってエンジン1がかかり難くなる、あるいは、充電不足によってバッテリが上がるなどの不都合の発生を防止できるようになっている。 【0044】尚、吸気加熱制御手段11Eとしては、オルタネータ(図示せず)の発電を監視することによりエンジン1が起動されたか否かを判断し、その判断に基づいてエンジン始動操作後にプレヒートを再開するかアフターヒートを開始するかを選択実行するように構成されたものであってもよい。 【0045】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。 ■ 作業車としては田植機や藺草移植機などであってもよい。 ■ 作業車としては、ディーゼルエンジン1に代えてガソリンエンジンが搭載されたものであってもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年12月24日(1998.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−188911(P2000−188911A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月11日(2000.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−367029 |
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