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【発明の名称】 作業車の制御装置
【発明者】 【氏名】吉川 研治

【氏名】岡部 伸行

【氏名】朝田 晃宏

【氏名】杉本 吉昭

【要約】 【課題】持ち上げ力を調節するための補助シリンダ装着数量の変更にかかわらず作業装置の昇降速度を一定にできるようにしながらも、そのために要する部品管理や持ち上げ力調節作業の容易化を図れるようにする。

【解決手段】作業装置10を昇降させる油圧式のリフトシリンダ7を装備するとともに、リフトシリンダ7による作業装置10の昇降をアシストする油圧式の補助シリンダ31を追加装着可能に構成した作業車の制御装置において、複数の昇降流量制御モードを備えるとともに、補助シリンダ31の装着数量に応じた所定のモード選択操作に基づいて、実行する昇降流量制御モードを補助シリンダ31の装着数量に応じた昇降流量制御モードに変更するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業装置を昇降させる油圧式のリフトシリンダを装備するとともに、前記リフトシリンダによる前記作業装置の昇降をアシストする油圧式の補助シリンダを追加装着可能に構成した作業車の制御装置であって、複数の昇降流量制御モードを備えるとともに、前記補助シリンダの装着数量に応じた所定のモード選択操作に基づいて、実行する昇降流量制御モードを前記補助シリンダの装着数量に応じた昇降流量制御モードに変更するように構成してある作業車の制御装置。
【請求項2】 前記補助シリンダの装着数量に応じた所定のモード選択操作を、シリンダ制御系に係る既存の各種操作具の組み合わせ操作で行えるように構成してある請求項1記載の作業車の制御装置。
【請求項3】 所定の確認操作に基づいて、実行される昇降流量制御モードを報知するように構成してある請求項1又は2記載の作業車の昇降制御装置。
【請求項4】 前記所定の確認操作と前記実行される昇降流量制御モードの報知とを、既存の操作具と報知手段で行えるように構成してある請求項3記載の作業車の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業装置を昇降させる油圧式のリフトシリンダを装備するとともに、前記リフトシリンダによる前記作業装置の昇降をアシストする油圧式の補助シリンダを追加装着可能に構成した作業車の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような作業車においては、リフトシリンダに対する作動油の流動状態を制御する電磁制御弁よりも下手側の油路において、補助シリンダをリフトシリンダに対して並列に追加装着可能に構成し、その補助シリンダの装着数量を増減させることによって、作業装置を上昇させる際の持ち上げ力を、連結される作業装置の重量に応じて調節できるようになっている。しかしながら、単に補助シリンダの装着数量を増減させるだけでは、その増減に伴うシリンダ総容積の増減に起因して、作業装置の昇降速度が大きく変化する(特に、補助シリンダの装着数量を増加して持ち上げ力を大きくした際に作業装置の上昇速度が低下する)不都合が生じるようになっている。そこで、従来では、補助シリンダの装着数量を変更するごとに、制御装置も変更後の補助シリンダ装着数量に対応する昇降流量制御を行うものと交換することによって、補助シリンダの装着数量にかかわらず作業装置の昇降速度を一定にすることができるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来技術によると、異なる昇降流量制御を行うように構成された複数の制御装置を用意する必要が生じるとともに、補助シリンダの装着数量を変更するごとに、制御装置も、その変更後の補助シリンダ装着数量に対応する昇降流量制御を行うものに交換する必要が生じることから、部品管理や作業装置の重量に応じた持ち上げ力調節作業が煩わしいものとなっていた。
【0004】本発明の目的は、持ち上げ力を調節するための補助シリンダ装着数量の変更にかかわらず作業装置の昇降速度を一定にできるようにしながらも、そのために要する部品管理や持ち上げ力調節作業の容易化を図れるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、作業装置を昇降させる油圧式のリフトシリンダを装備するとともに、前記リフトシリンダによる前記作業装置の昇降をアシストする油圧式の補助シリンダを追加装着可能に構成した作業車の制御装置において、複数の昇降流量制御モードを備えるとともに、前記補助シリンダの装着数量に応じた所定のモード選択操作に基づいて、実行する昇降流量制御モードを前記補助シリンダの装着数量に応じた昇降流量制御モードに変更するように構成した。
【0006】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、補助シリンダの装着数量を変更して作業装置の持ち上げ力を調節した場合には、変更後の補助シリンダの装着数量に応じた所定のモード選択操作を行うと、制御装置が、実行する昇降流量制御モードを、変更後の補助シリンダの装着数量に応じた昇降流量制御モードに変更するようになり、これによって、その変更後のシリンダ総容積に適合する昇降流量制御モードを容易に実行させることができて、補助シリンダの装着数量にかかわらず作業装置の昇降速度を一定にすることができるようになる。つまり、異なる昇降流量制御を行うように構成された複数の制御装置を用意する必要がなく、又、補助シリンダの装着数量を変更するごとに制御装置を交換する必要もない。
【0007】〔効果〕従って、単一の制御装置に複数の昇降流量制御モードを備えるだけの簡単な構成で、かつ、所定のモード選択操作で実行する昇降流量制御モードを変更するだけの簡単な操作で、持ち上げ力を調節するための補助シリンダ装着数量の変更にかかわらず作業装置の昇降速度を一定にすることができるので、部品管理や持ち上げ力調節作業の容易化を十分に図れるようになった。
【0008】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記補助シリンダの装着数量に応じた所定のモード選択操作を、シリンダ制御系に係る既存の各種操作具の組み合わせ操作で行えるように構成した。
【0009】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、既存の各種操作具の組み合わせ操作で、補助シリンダの装着数量に応じた所定のモード選択操作を行えることから、新たにモード選択操作専用の操作具を設ける場合に比較して、部品管理や組付けの面において有利にすることができるとともに、それらの各種操作具が配置される操作パネルの繁雑化を回避できるようになる。しかも、モード選択操作の際に組み合わせ操作される既存の各種操作具は本来よりシリンダ制御系に係るものであることから、シリンダ制御系と関係のない他の操作具の組み合わせ操作でモード選択操作を行う場合に比較して、モード選択操作における操作性の向上を図れるようになる。
【0010】〔効果〕従って、操作パネルの繁雑化を回避しながらも、部品管理や組付け性並びに操作性の向上を図れるようになった。
【0011】本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の発明において、所定の確認操作に基づいて、実行される昇降流量制御モードを報知するように構成した。
【0012】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、モード選択操作後に所定の確認操作を行うことによって、そのときのモード選択操作に基づいて実行される昇降流量制御モードを容易に把握することができるようになる。これによって、モード選択操作の際に誤操作が行われていた場合には、その確認操作を行うことによって、そのときの補助シリンダの装着数量に応じた昇降流量制御モードが選択されていないことを容易に把握することができるので、その誤選択された昇降流量制御モードが実行されることを未然に回避することができるようになる。
【0013】〔効果〕従って、そのときの補助シリンダの装着数量に応じた昇降流量制御モードを確実に選択して実行させることができるようになった。
【0014】本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、前記所定の確認操作と前記実行される昇降流量制御モードの報知とを、既存の操作具と報知手段で行えるように構成した。
【0015】〔作用〕上記請求項4記載の発明によると、所定の確認操作専用の操作具や、その操作に基づいて実行される昇降流量制御モードを報知する専用の報知手段を新たに設ける場合に比較して、部品管理や組付けの容易化及び製造コストの低減化を図れるようになる。
【0016】〔効果〕従って、部品管理や組付けの容易化及び製造コストの低減化を図りながらも、そのときの補助シリンダの装着数量に応じた昇降流量制御モードを確実に選択して実行させることができるようになった。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】図1には、作業車の一例である農用トラクタの全体側面が示されており、このトラクタは、エンジン1、ミッションケース2、左右一対の前輪3と後輪4、ステアリングホイール5、及び、運転座席6、などを備えて構成されるとともに、その後部に、ミッションケース2に内装された油圧式のリフトシリンダ7の作動によって昇降揺動するリフトアーム8や3点リンク機構9などを介して、ロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置10が昇降自在に連結されるようになっている。尚、図1では、作業装置10としてロータリ耕耘装置を例示している。
【0019】図1〜3に示すように、トラクタにはマイクロコンピュータからなる制御装置11が搭載されている。リフトアーム8の揺動支点部には、リフトアーム8の昇降揺動角を作業装置10の実高さ位置として検出する回転式のポテンショメータからなるポジションセンサ12が装備されている。3点リンク機構9の左右のロアリンク9Aをトラクタの後部に連結する各取付ピン13には、牽引負荷を検出する磁歪式のピンセンサからなるドラフトセンサ14が内蔵されている。運転座席6の右側方には、前後揺動操作可能に配備されたポジションレバー15Aと、その揺動操作角を検出する回転式のポテンショメ−タからなるレバーセンサ15Bとから構成されたポジション設定器15、及び、ポジションレバー15Aを操作案内するガイド溝16Aが形成された操作パネル16が配備されている。
【0020】操作パネル16には、「ポジション」位置と「ドラフト」位置とに設定切り換え可能な2位置切り換え式のモード切換スイッチ17、自動復帰型の押しボタンスイッチからなる上昇スイッチ18と下降スイッチ19、ドラフト制御モードにおいて牽引負荷の変化量に対する作業装置10の動き量を設定する回転式のポテンショメータからなるドラフト比設定器20、作業装置10の制御上限位置を設定する回転式のポテンショメータからなる上限設定器21、及び、作業装置10の下降速度を設定する回転式のポテンショメータからなる下降速度設定器22、などが配備されている。
【0021】図2及び図3に示すように、制御装置11には、リフトシリンダ7などに対する作動油の流動状態を切り換える電磁制御弁23の作動を制御することによって作業装置10を昇降させるポジション制御手段11Aとドラフト制御手段11Bとワンショット制御手段11Cとが制御プログラムとして備えられている。
【0022】ポジション制御手段11Aは、モード切換スイッチ17が「ポジション」位置に設定された場合に、ステアリングホイール5下方のメータパネル24に配備されたポジションランプ25を点灯させるとともに、ポジション設定器15からの情報を作業装置10の目標高さ位置として入力し、そのポジション設定器15により設定された作業装置10の目標高さ位置と、ポジションセンサ12により検出される作業装置10の実高さ位置とが合致するように作業装置10を昇降させるポジション制御を実行するように構成されている。尚、前記目標高さ位置は所定の不感帯を有するものである。
【0023】ドラフト制御手段11Bは、モード切換スイッチ17が「ドラフト」位置に設定された場合に、メータパネル24に配備されたドラフトランプ26を点灯させるとともに、ポジション設定器15からの情報を目標牽引負荷として入力し、そのポジション設定器15により設定された目標牽引負荷、ドラフトセンサ14により検出される実牽引負荷、及び、ドラフト比設定器20により設定されたドラフト比に基づいて、実牽引負荷がポジション設定器15により設定された目標牽引負荷に維持されるように作業装置10を昇降させるドラフト制御を実行するように構成されている。尚、前記目標牽引負荷は所定の不感帯を有するものである。
【0024】ワンショット制御手段11Cは、ポジション制御又はドラフト制御の実行中における上昇スイッチ18のワンショット操作に基づいて、メータパネル24に配備されたワンショット上昇ランプ27を点灯させるとともに、ポジション制御及びドラフト制御に優先して、上限設定器21により設定された制御上限位置に前記実高さ位置が合致するまで作業装置10を上昇させるワンショット上昇制御を実行し、又、下降スイッチ19のワンショット操作に基づいて、ワンショット上昇ランプ27を消灯させるとともに、ワンショット上昇制御の優先を解除して、モード切換スイッチ17が「ポジション」位置に設定されている場合には前記目標高さ位置に前記実高さ位置が合致するように、かつ、モード切換スイッチ17が「ドラフト」位置に設定されている場合には前記実牽引負荷が前記目標牽引負荷に維持されるように、作業装置10を復帰下降させるワンショット下降制御を実行するように構成されている。又、ワンショット制御手段11Cは、ワンショット上昇制御による作業装置10の上昇途中で下降スイッチ19のワンショット操作が行われると、その時点の高さ位置で作業装置10を停止させるようになっている。逆に、ワンショット下降制御による作業装置10の下降途中で上昇スイッチ18のワンショット操作が行われると、再び上記のワンショット上昇制御を実行するようになっている。更に、ドラフト制御の実行中において下降スイッチ19の押圧操作が継続されると、作業装置10を自重下降させるフローティング状態を現出し、その操作が解除されるとドラフト制御状態に復帰させるようになっている。尚、前記制御上限位置は所定の不感帯を有するものである。
【0025】又、制御装置11には、ポジション設定器15、ドラフト比設定器20、上限設定器21、及び、下降速度設定器22、などの点検を行う自己診断制御手段11Dと、ポジション設定器15、ドラフト比設定器20、上限設定器21、及び、下降速度設定器22、などの微調節(零点調節)を行う微調節制御手段11Eとが制御プログラムとして備えられている。
【0026】自己診断制御手段11Dは、リフトアーム8、ポジション設定器15、ドラフト比設定器20、上限設定器21、及び、下降速度設定器22、などを基準状態に設定した状態で、キー操作式のメインスイッチ28を一旦オフ操作した後に、下降スイッチ19を押しながらメインスイッチ28をオン操作(エンジン1は始動しない)する、といった自己診断制御選択操作が行われると、ドラフトランプ26及びワンショット上昇ランプ27を点灯させ、その後、その操作により各設定器15,20〜22などを点検する自己診断制御が実行可能な状態に切り換わった場合にはドラフトランプ26のみを一回点滅させ、その消灯後に下降スイッチ19の押し操作が解除されることによって自己診断制御を実行するようになっている。逆に、自己診断制御が実行可能な状態に切り換わらなかった場合には、ドラフトランプ26の点灯を継続させて上記の自己診断制御選択操作のやり直しを促すようになっている。そして、自己診断制御の実行中において、設定不良、部品不良、又は、組付け不良がある場合には不良箇所に応じた回数だけドラフトランプ26を繰り返し点滅させ(例えば、不良箇所がポジションセンサ12である場合にはドラフトランプ26を2回点滅させる)、逆に、異常がない場合にはドラフトランプ26を連続点灯させるようになっている。尚、自己診断制御の終了は、ドラフトランプ26による表示を確認した後、メインスイッチ28をオフ操作することによって行えるようになっている。
【0027】微調節制御手段11Eは、リフトアーム8、ポジション設定器15、ドラフト比設定器20、上限設定器21、及び、下降速度設定器22、などを基準状態に設定した状態で、メインスイッチ28を一旦オフ操作した後に、上昇スイッチ18を押しながらメインスイッチ28をオン操作する、といった微調節制御選択操作が行われると、ドラフトランプ26及びワンショット上昇ランプ27を点灯させ、その後、その操作により各設定器15,20〜22などを微調節する微調節制御が実行可能な状態に切り換わった場合には、ワンショット上昇ランプ27のみを一回点滅させ、その消灯後に上昇スイッチ18の押し操作が解除されることによって微調節制御を実行するようになっている。逆に、微調節制御が実行可能な状態に切り換わらなかった場合には、ワンショット上昇ランプ27の点灯を継続させて上記の微調節制御選択操作のやり直しを促すようになっている。そして、微調節制御の実行中において、設定不良、部品不良、又は、組付け不良がある場合には不良箇所に応じた回数だけワンショット上昇ランプ27を繰り返し点滅させ(例えば、不良箇所がポジションセンサ12である場合はワンショット上昇ランプ27を2回点滅させる)、逆に、異常がない場合にはワンショット上昇ランプ27を連続消灯させるようになっている。又、異常がない場合において、再度、上昇スイッチ18が3秒以上押し続けられると、基準状態でのポジションセンサ12や各設定器15,20〜22などの出力電圧を制御装置11に記憶させ、その記憶が正常に行われた場合にはワンショット上昇ランプ27を連続点灯させ、逆に、その記憶が正常に行われなかった場合には、ワンショット上昇ランプ27を速い周期で点滅させて、微調節制御選択操作におけるメインスイッチ28のオフ操作からのやり直しを促すようになっている。尚、微調節制御の終了は、ワンショット上昇ランプ27の連続点灯を確認した後、メインスイッチ28をオフ操作することによって行えるようになっている。
【0028】ちなみに、リフトアーム8の基準状態は、トラクタの後部に配備された手動昇降操作用の外部スイッチ29によりリリーフ弁30が作動する最上端位置に位置させた状態であり、ポジション設定器15の基準状態はポジションレバー15Aを操作位置「9」に位置させた状態であり、ドラフト比設定器20の基準状態はセンタクリック位置であり、上限設定器21の基準状態は操作位置「高」に位置させた状態であり、下降速度設定器22の基準状態は操作位置「速」に位置させた状態である。
【0029】図1及び図2に示すように、このトラクタは、リフトシリンダ7による作業装置10の昇降をアシストする油圧式の補助シリンダ31を、トラクタの左下後部から左側のリフトアーム8の揺動端に亘る位置と、トラクタの右下後部から右側のリフトアーム8の揺動端に亘る位置とに、最大2本まで追加装着できるように構成されている。これらの補助シリンダ31は、電磁制御弁23よりも下手側の油路32において、リフトシリンダ7に対して並列に接続されるようになっている。つまり、補助シリンダ31の装着数量を増減させることによって、作業装置10を上昇させる際の持ち上げ力を、連結される作業装置10の重量に応じて調節できるようになっている。
【0030】図2〜4に示すように、制御装置11には、補助シリンダ31の装着数量に応じた所定のモード選択操作に基づいて、実行する昇降流量制御モードを補助シリンダ31の装着数量に応じた昇降流量制御モードに変更する昇降流量制御手段11Fが制御プログラムとして備えられている。
【0031】昇降流量制御手段11Fは、微調節制御選択操作により微調節制御手段11Eが作動選択された状態で、モード切換スイッチ17を「ポジション」位置に設定した後に上昇スイッチ18のワンショット操作を行う、といった所定のモード選択操作が行われた場合には、補助シリンダ31を装着しない状態でのシリンダ総容量に応じた適切な作動油の流量が得られるように電磁制御弁23の作動を制御して所定の昇降速度を確保する第1昇降流量制御モードを選択し、又、モード切換スイッチ17を「ポジション」位置に設定した後に上昇スイッチ18及び下降スイッチ19の同時ワンショット操作を行う、もしくは、モード切換スイッチ17を「ドラフト」位置に設定した後に上昇スイッチ18のワンショット操作を行う、といった所定のモード選択操作が行われた場合には、1本の補助シリンダ31を追加装着した状態でのシリンダ総容量に応じた適切な作動油の流量が得られるように電磁制御弁23の作動を制御して所定の昇降速度を確保する第2昇降流量制御モードを選択し、更に、モード切換スイッチ17を「ドラフト」位置に設定した後に上昇スイッチ18及び下降スイッチ19の同時ワンショット操作を行う、といった所定のモード選択操作が行われた場合には、2本の補助シリンダ31を追加装着した状態でのシリンダ総容量に応じた適切な作動油の流量が得られるように電磁制御弁23の作動を制御して所定の昇降速度を確保する第3昇降流量制御モードを選択するように構成されている。
【0032】又、昇降流量制御手段11Fは、自己診断制御選択操作により自己診断制御手段11Dを作動選択した状態で下降スイッチ19の連続押圧操作を行う所定の確認操作が行われると、その連続押圧操作の間、ワンショット上昇ランプ27を作動させることによって実行する昇降流量制御モードを報知するように構成されており、これによって、制御装置11が実行する昇降流量制御モードの設定確認を行えるようになっている。尚、図5に示すように、昇降流量制御手段11Fは、実行する昇降流量制御モードとして第1昇降流量制御モードが選択されている場合には、上記の確認操作が行われている間ワンショット上昇ランプ27を点灯させ、又、第2昇降流量制御モードが選択されている場合には、上記の確認操作が行われている間ワンショット上昇ランプ27を一定周期ごとに1回だけ点滅させ、更に、第3昇降流量制御モードが選択されている場合には、上記の確認操作が行われている間ワンショット上昇ランプ27を一定周期ごとに2回点滅させるようになっている。
【0033】つまり、上述した所定の昇降流量制御モードの選択操作及び確認操作を行うだけで、制御装置11に、補助シリンダ31を装着しない場合には第1昇降流量制御モードを、又、1本の補助シリンダ31を追加装着した場合には第2昇降流量制御モードを、更に、2本の補助シリンダ31を追加装着した場合には第3昇降流量制御モードを容易かつ確実に実行させることができ、これによって、単に連結される作業装置10の重量に応じて補助シリンダ31の装着数量を増減させる場合に生じていた、補助シリンダ31の増減に伴うシリンダ総容積の増減に起因して作業装置10の昇降速度が大きく変化する、といった不都合を未然に回避することができ、もって、補助シリンダ31の装着数量にかかわらず作業装置10の昇降速度を一定にすることができるようになっている。
【0034】又、所定の昇降流量制御モードの選択操作を、シリンダ制御系に係る既存の各種操作具の一例であるモード切換スイッチ17、上昇スイッチ18、及び、下降スイッチ19の組み合わせ操作で行えるようにしていることから、新たにモード選択操作専用の操作具を設ける場合に比較して、部品管理や組付けの面において有利にすることができるとともに、それらの各種操作具が配置される操作パネルの繁雑化を回避できるようになり、又、シリンダ制御系と関係のない他の操作具の組み合わせ操作でモード選択操作を行う場合に比較して、モード選択操作における操作性の向上を図れるようになっている。
【0035】更に、所定の確認操作と実行される昇降流量制御モードの報知も、シリンダ制御系に係る既存の操作具の一例である下降スイッチ19と報知手段の一例であるであるワンショット上昇ランプ27で行えるようにしていることから、確認操作専用の操作具や実行モード確認専用の報知手段を新たに設ける場合に比較して、部品管理や組付けの容易化及び製造コストの低減化を図れるとともに、シリンダ制御系と関係のない他の操作具や報知手段で確認操作や実行モードの確認を行う場合に比較して、確認操作の操作性や実行モード確認作業の容易化を図れるようになっている。
【0036】自己診断制御手段11D及び微調節制御手段11Eは、それらが作動選択された状態において、モード切換スイッチ17、上昇スイッチ18、下降スイッチ19、及び、メインスイッチ28、などのスイッチ類が切り換え操作されるごとに、メータパネル24に配備されたポジションランプ25を点滅させるチェック表示を行うように構成されている。
【0037】尚、図3に示す符号33は、ポジションレバー15Aとの接当によりポジション設定器15の下降方向への操作を規制するストッパであり、符号34は、そのストッパ33をガイド溝に沿って移動させることによって、ポジション設定器15の操作範囲を変更する下限設定ダイヤルである。
【0038】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。
■ 作業車としては芝刈機や田植機などであってもよい。
■ 作業車としては、外付け式のリフトシリンダ7が装備されるものであってもよい。
■ 3本以上の補助シリンダ31が追加装着可能となるように構成された作業車においては、その構成における補助シリンダ31の装着可能数量(装着しない場合を含む)に応じた複数の昇降流量制御モードを備えるように制御装置11を構成すればよい。
■ 所定のモード選択操作及び確認操作の際に使用する操作具として、上記実施形態で例示したもの以外のものを採用してもよく、又、所定のモード選択操作においては、上記実施形態で例示した操作具の組み合わせ以外の組み合わせを採用してもよい。
■ 実行する昇降流量制御モードを報知する際に使用する報知手段として、上記実施形態で例示したもの以外のものを採用してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年12月24日(1998.12.24)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−188910(P2000−188910A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−367028