| 【発明の名称】 |
歩行型移動農機のマーカー構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 美徳
【氏名】宗好 紀彦
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| 【要約】 |
【課題】従来、畝などの目印のない圃場で移植作業を行う場合には、移植機の直進性や特定の作業幅を確保するため、前作業として圃場全面に基準線をマーキングする必要があり非常な労力を要していた。基準線のかわりに前行程での車輪跡を目安にする場合もあったが作業者からは見にくい場合があった。また、棒状等のマーカーで走行中にマーキングする技術もあったが細くて見えにくく、直進精度も良くなかった。
【解決手段】前二輪を有する歩行型移動農機において、前右車輪40の側方でトレッドの間隔だけ離間した位置に、上下動可能なマーカー車輪83を設けると共に、前左車輪12の左右中央の延長線上で機体前部にはマーカー棒85を立設した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前二輪を有する歩行型移動農機において、左右一側の車輪の側方でトレッドの間隔だけ離間した位置に、上下動可能なマーカー車輪を設けたことを特徴とする歩行型移動農機のマーカー構造。 【請求項2】 前記左右の車輪の他側の車輪の左右中央の延長線上で、機体前部にマーカー棒を立設したことを特徴とする請求項1記載の歩行型移動農機のマーカー構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歩行型移動農機、特に、野菜、たばこ等の幼苗を植え付ける移植機の走行の目印となる基準線を得るためのマーカー構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、畝などの目印のない圃場で移植作業を行う場合、移植機を直進走行させるために以下のような技術が採用されていた。すなわち、走行車輪の前方延長線上に、走行に必要な全ての基準線を、足跡や線引きなどにより前もってマーキングしておき、該基準線を目印に作業機を直進させる。あるいは、図12に示すように、予め一本だけ基準線(以下「主基準線」とする)80を設けておき、該主基準線80を目安に移植機79を走行させ、所定位置にて走行車輪40を中心に右旋回させる。その後は、前行程で付いた走行車輪40の車輪跡81を次の基準線として移植機79を直進させるようにし、以降はこれを繰り返すのである。また、田植機などでは、前行程の走行中に、棒状のマーカーで次行程の作業ライン上に基準線をマーキングしておき、次行程では該基準線を目印に作業機を直進させるようにしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の如く、前もって圃場の全ての作業ラインに、走行の目印となる基準線を設けることは、非常に作業者の負担が大きいため、高齢化が進む農業界においては、作業効率の面からも基準線のマーキング作業を軽減・省略したい、との要望が強い。また、移植した幼苗の成長を阻害したり、圃場を荒らさないように、作業者は必ず左右何れかの車輪の後方を歩いて移植機79を運転する必要があるため、図12に示すように、前行程の車輪跡81が立つ側と反対側の場合には、作業者82の視線が機体により遮られ、車輪跡81と走行車輪40とが重なるラップ位置90が非常に見にくくなる。そのため、車輪跡81を目印とする運転が困難であり、直進走行性に劣る、という問題があった。さらに、棒状のマーカーで線引きする場合には、基準線は細くなるため、作業者からは見にくく、また、該マーカーは機体旋回時には機体中心から回動するため、圃場の凸凹によっては基準線が左右にずれることがある、という問題があった。本発明は、僅かな負担で、明瞭でしかも精度良い基準線をマーキングすることが可能な歩行型移動農機のマーカー構造を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。すなわち、請求項1においては、前二輪を有する歩行型移動農機において、左右一側の車輪の側方でトレッドの間隔だけ離間した位置に、上下動可能なマーカー車輪を設けたものである。 【0005】請求項2においては、前記左右の車輪の他側の車輪の左右中央の延長線上で、機体前部にマーカー棒を立設したものである。 【0006】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の移植機の全体平面図、図2は同じく進行方向に対する左側面図、図3は同じく進行方向に対する右側面図、図4は同じく正面図、図5はマーカーパイプと六角パイプの連結部の正面図、図6は図7のA−A断面図、図7はマーカー車輪の上下動の説明図、図8はマーカー車輪の対地角度の説明図、図9は主基準線に沿って走行中の状態を示す平面図、図10は右側の作業ラインに旋回移動中の状態を示す平面図、図11は左側の作業ラインに旋回移動中の状態を示す平面図、図12は従来の方法で右側の作業ラインに旋回移動中の状態を示す平面図である。 【0007】まず、本発明に係わるマーカー構造を設けた移植機の全体構成について、図1乃至図4により説明する。機体フレーム1の前部にエンジン2が載置固定され、該エンジン2の上部には燃料タンク3およびマフラ4が取付けられている。前記エンジン2の後方にミッションケース5が設けられ、該ミッションケース5には前記機体フレーム1の後部が取付けられて前方に突出し、その前端部にはバンパ6が設けられている。また、エンジン2の側部には、出力軸7からミッションケース5の入力軸へ動力を伝動する伝動ベルトが内装されたベルトカバー8が設けられている。 【0008】前記ミッションケース5の側面には伝動チェーンが内装されたチェーンケース10の上部が取付けられ、該チェーンケース10の下部には車軸11が一方向に向け突出している。該車軸11には駆動車輪12が装着され、該駆動車輪12と、前記エンジン2およびミッションケース5とは正面視で上下方向に略同一範囲内に配置されることにより一輪管理機13が構成されている。該一輪管理機13の左右略中央の延長上、つまり、前記駆動車輪12の左右中央線の延長上に、本発明のマーカー棒85を垂直に立設している。該マーカー棒85は本実施例では前記エンジン2の前上部より上方へ突出しているが、機体フレーム1やバンパ6や燃料タンク3等から上方へ突出する構成とすることも可能である。 【0009】前記ミッションケース5上部にはエンジン2から駆動車輪12への伝動回転を変速操作するチェンジレバー14が設けられており、さらにミッションケース5の上部にはハンドル15の基部が取付けられている。このハンドル15には前記ベルトカバー8の伝動ベルトのテンションローラを操作して、伝動ベルトによるエンジン2からミッションケース5への動力伝達を断続するテンションクラッチレバー16と、アクセルレバー17とが取付けられており、さらに二股状に構成したハンドル15の中間部の間をアーチ状に連結して作業者が移植作業の進行時に把時できるよう補助ハンドル18が設けられている。 【0010】前記一輪管理機13の側方には移植部20が設けられている。該移植部20は移植開孔器21及び苗供給器22から構成され、フロントフレーム23と、リアフレーム24と、該フロントフレーム23およびリアフレーム24を前後で連結する左右一対の支持フレーム25・26と、フロント支持フレーム71とによって支持されている。そして、該フロント支持フレーム71及びリアフレーム24は、一輪管理機13の一側方に延出したフロント支軸27及びリア支軸70によってそれぞれ支持されるとともに、該フロント支軸27及びリア支軸70に対して左右方向にスライド固定自在に構成して、左右方向の植付位置を変更可能としている。 【0011】また、リアフレーム24は一輪管理機13の通常の使用状態においてミッションケース5の後端に装着固定される耕耘ロータリの伝動チェーンケースに代えてその基部が取付けられた支持フレーム31に保持され、該支持フレーム31後部の扇板32に対して上下動して、適当な位置で締付けハンドル33により締付けることにより位置決め固定して、植付深さを調節できるようにしている。 【0012】前記苗供給機22は、エンジン2の動力により変速伝達機構を介して駆動される回転板34と、該回転板34の外周に取付けられた苗カップ35と、苗を落下させる苗落下位置61に対応した部分が欠落したリング状のガイド板36と、該ガイド板36の内面に接離することにより前記苗カップ35の底部を開閉するシャッター37とから構成されている。 【0013】前記移植開孔器21は、支持フレーム25に軸支された回転板38と、支持フレーム26に軸支された回転板39とにわたって複数個が支架されており、回転板38と回転板39とはその回転軸心が前後方向に偏心している。回転板39は、エンジン2の動力により変速伝達機構を介して駆動されて回転し、移植開孔器21が昇降する。 【0014】前記フロント支軸27には走行車輪40が左右方向スライド固定自在に支持されており、該走行車輪40は伝動軸41、揺動伝動ケース42、伝動ケース43内の伝達機構を介してエンジン2の動力により駆動される。そして、走行車輪40は伸縮調節手段66の調節ハンドル44を回すことにより上下方向に移動調節され、傾斜地等での機体の水平補正を可能としている。 【0015】また、フロント支軸27の走行車輪40側端には六角パイプ77を固設し、該六角パイプ77にはマーカーパイプ78を介して本発明のマーカー輪83を上下動可能に連結し、さらに、該マーカー輪83と前記走行車輪40との間隔はトレッドに等しく構成している。 【0016】支持フレーム25・26の後部には左右一対の鎮圧輪45・46が上下回動自在に取付けられ、リアフレーム24に上端が連結されたロッド47により吊支されるとともに、スプリング48により下方に向け付勢されている。 【0017】前記支持フレーム31には、駆動車輪12の後方に位置する補助輪49が取付けられている。該補助輪49は調整ハンドル50により上下方向に調整が可能で、植付深さを微調整できるとともに、左右方向に揺動自在であり、固定ハンドル51を弛めてストッパ52の位置を変更して固定することで揺動範囲を変更できるようにしている。 【0018】一輪管理機13および移植部20の上方には、苗カップ35に供給する苗を載置保管するための苗置き台54・55が各々備えられており、移植部20の上方の苗置き台55は、移植作業時には機体外側方向へ回動可能とされている。また一輪管理機13上方の苗置き台54には、エンジン2のリコイルスタータ56のロープノブ57の係止部58が設けられている。 【0019】次に、本発明のマーカー構造について、図4乃至図8により説明する。走行輪40側の前記フロント支軸27端部には上下方向に貫通孔77aを設けた六角パイプ77を固設し、該六角パイプ77の内径よりも小径であって上下方向に貫通孔78aを設けた連結パイプ78bを前記マーカーパイプ78の一端から突出させ、該連結パイプ78bを前記六角パイプ77に遊挿する。さらに、貫通孔77a・78aには、該貫通孔77a・78aよりも小径で平頭の頭部76aを有する連結ピン76を上方から遊挿し、前記六角パイプ77の下面から突出させた下部にはピン孔76bを設け、該ピン孔76bには割ピン84を側方から挿入・固定するようにしている。このように、マーカーパイプ78の一端から突出された連結パイプ78bと機体側部に固設した六角パイプ77間を、遊びを有する状態で連結することにより、該遊びの範囲でマーカーパイプ78は上下動することができるのである。従って、図7に示すように、前記マーカーパイプ78の他端に連結されたマーカー輪83も上下動可能に構成されており、圃場19の凸凹に追従できるため、常に一定圧力でマーカー輪83が圃場19を押圧するため、均一な基準線をマーキングすることができる。 【0020】また、前記マーカーパイプ78は図1に示すように、平面視略クランク状に曲げられて、他端にマーカー輪83が回転自在に支持され、該マーカー輪83と走行輪40との間の距離を走行輪40と駆動車輪12との間の距離と一致させている。よって、マーカー輪83は回動自在なため、従来の棒状マーカーの如く圃場19からの抵抗を受け、機体の車輪がスリップして蛇行し、走行の直進性が害されるといった恐れがない。さらに、車輪を使用するため、従来の棒状マーカーよりも太くて見やすい基準線をマーキングすることができるのである。 【0021】また、前記マーカーパイプ78の他端とマーカー輪83との間には、上下位置調整可能に支持パイプ88が介設されている。該支持パイプ88は外筒88aと内筒88bとからなり、該内筒88bは前記マーカーパイプ78他端を連結した外筒88aにより上下動可能に支持され、該外筒88aに設けた固定ネジ87を螺挿することにより、内筒88bを外筒88aに固定する構成となっている。 【0022】従って、図8に示すように、マーカーパイプ78の他端を固設した外筒88aを上下に摺動させ、外筒88aの圃場19からの高さを変更することにより、支持パイプ88の走行方向に対する角度を更新することができる。すなわち、マーカー車輪83から圃場19の表面に及ぶ圧力の方向を変えることができるため、硬さや凸凹などの圃場19の表面状況に適したマーキングを行うことが可能となるのである。そして、これらは簡単な構造で実施することができ、部品点数の減少によるコスト低減や、メンテナンス性の向上を図ることができるのである。 【0023】次に、このマーカー構造の作用について、図9乃至図11により説明する。図9に示すように、前もって主基準線80をマーキングしておき、該主基準線80と、移植機79の前部に立設させたマーカー棒85とを目安に、作業者82は移植機79を直進走行させることができ、それと並行して、従来の走行輪40の車輪跡81とは別に明瞭なマーカー輪跡89をマーキングすることができるのである。また、畦に沿って走行することもできる。 【0024】そして、移植機79を右側の作業ラインに移動させる場合には、図10に示すように、右サイドクラッチを切って、右側の走行車輪40の駆動を停止し、左側の駆動車輪12のみを駆動して走行車輪40を中心に右旋回させるが、前述の如く走行車輪40とマーカー輪83との間隔はトレッドの間隔と同一であるため、右旋回後には、走行車輪40は当該車輪跡81上を、マーカー輪83は主基準線80上を、また、マーカー棒85直下の駆動輪12は前記マーカー輪跡89上に位置することとなる。その結果、今度は、マーカー輪跡89にマーカー棒85を合わせることにより、移植機79を直進走行させることができる。 【0025】引き続いて、移植機79を左側の作業ラインに移動させる場合には、図11に示すように、両サイドクラッチを切って、左側の駆動車輪12を中心に右旋回させるが、この場合も、駆動輪12は前記と同一のマーカー輪跡89上に位置することとなり、該マーカー輪跡89にマーカー棒85を合わせることによって、移植機79を直進走行させることができるのである。この場合も、走行と並行して、移植機79の右側方には二本目のマーカー輪跡89がマーキングされるのである。 【0026】以上のような構成とすることにより、本発明においては、図12に示す従来例のように、死角位置にある走行車輪40と車輪跡81との接触位置90を見て走行する場合に比べ、移植機79の機体よりも上方に突出させたマーカー棒85を太くて明瞭なマーカー輪跡89に合わせて走行するため、非常に精度良く直進走行することができるのである。但し、作業後はマーカーパイプ78を外して邪魔にならないようにするが、マーカーパイプ78または六角パイプ77を上方または後方へ折り畳む構成とすることもできる。 【0027】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1のように、前二輪を有する歩行型移動農機において、左右一側の車輪の側方でトレッドの間隔だけ離間した位置に、上下動可能なマーカー車輪を設けたので、予め一本の基準線の線引きさえしていれば、後行程においては、圃場の表面状況にかかわらず、走行とともに明瞭でしかも高精度の基準線を自動的にマーキングすることができ、基準線のマーキング作業による手間を省略し作業性を向上させることができる。 【0028】請求項2のように、前記左右の車輪の他側の車輪の左右中央の延長線上で、機体前部にマーカー棒を立設したので、一方の車輪跡を踏んで作業するときに、死角位置にある一側の車輪を走行跡やマーキングに合わせて走行する場合に比べ、機体よりも上方に突出させたマーカー棒合わせて走行するため、非常に精度良く直進走行することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000198330 【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月9日(1998.12.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−166315(P2000−166315A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月20日(2000.6.20) |
| 【出願番号】 |
特願平10−349613 |
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