| 【発明の名称】 |
作業車 |
| 【発明者】 |
【氏名】高原 一浩
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| 【要約】 |
【課題】設定経路に沿って走行する走行機体が旋回すべき旋回箇所に達する毎に、走行機体を旋回箇所において旋回走行させる旋回制御を繰り返し実行する場合に、その旋回箇所の路面状態等に応じて適切な状態で旋回走行させながら、旋回走行時の走行速度を速くして作業能率を極力向上させる。
【解決手段】走行機体が上記旋回箇所に達すると、走行機体の位置を検出する位置検出手段102の情報に基づいて走行機体を旋回走行させる旋回制御が実行されるとともに、その位置検出情報に基づく旋回制御の実行時における制御状態が旋回制御情報として前記旋回箇所に対応させて旋回情報記憶手段104に記憶され、その後、上記旋回箇所又はその近傍箇所において、その旋回箇所に対応させて旋回情報記憶手段104に記憶された旋回制御情報を用いて走行機体を旋回走行させる旋回制御を実行することが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 設定経路に沿って走行する走行機体が前記設定経路において旋回すべき旋回箇所に達する毎に、前記走行機体を前記旋回箇所において旋回走行させる旋回制御を繰り返し実行する旋回制御手段が設けられた作業車であって、前記旋回制御手段が、前記走行機体の位置を検出する位置検出手段の情報に基づいて前記旋回制御を実行可能に構成されるとともに、その位置検出手段の情報に基づく旋回制御の実行時における制御状態を旋回制御情報として前記旋回箇所に対応させて記憶する旋回情報記憶手段が設けられ、前記旋回制御手段は、前記旋回箇所に対応させて前記旋回情報記憶手段に記憶された前記旋回制御情報を用いて、前記旋回箇所又はその近傍箇所における前記旋回制御を実行可能に構成されている作業車。 【請求項2】 機体走行に伴って未刈茎稈群の植立茎稈を刈り取る刈取作業部が前記走行機体に設けられ、前記走行機体が、前記設定経路として前記未刈茎稈群の外周に沿い且つ隣接する作業行程が交差する状態で設定された複数の作業行程を順次刈取走行するように構成され、前記旋回制御手段は、前記旋回制御において、前記走行機体が前記複数の作業行程における1つの作業行程の終端位置に達すると、その行程終端箇所を前記旋回箇所として、前記走行機体を隣接する次の作業行程の始端位置に向けて旋回走行させるように構成されている請求項1記載の作業車。 【請求項3】 前記走行機体の横側方に位置する前記未刈茎稈群の外周端までの距離を検出する茎稈距離検出手段が、前記走行機体の横側部に設けられ、前記位置検出手段が、前記茎稈距離検出手段の情報に基づいて、前記走行機体の位置として、前記未刈茎稈群に対する機体位置を求めるように構成され、前記旋回制御手段は、前記旋回制御において、前記走行機体の前部側が前記未刈茎稈群に接近するように旋回させるとともに、その旋回中において前記未刈茎稈群に対する機体位置が設定位置になるに伴って前記旋回動作を停止させ、その旋回停止位置から、前記走行機体を次の作業行程の始端位置に向く状態になるまで後進走行させるように構成されている請求項2記載の作業車。 【請求項4】 前記走行機体の走行距離を検出する走行距離検出手段及び前記茎稈距離検出手段の情報に基づいて、前記走行機体の横側方に位置する前記未刈茎稈群の機体前後方向に沿う茎稈幅を検出する茎稈幅検出手段が設けられ、前記旋回制御手段は、前記茎稈幅検出手段の情報に基づいて前記未刈茎稈群の機体前後方向に沿う茎稈幅が設定幅よりも短いことが検出された場合には、その短い茎稈幅に対応する作業行程が前記旋回走行後の次の作業行程となるような前記旋回箇所では、前記旋回情報記憶手段の記憶情報を用いて前記旋回制御を実行するように構成されている請求項3記載の作業車。 【請求項5】 前記茎稈幅検出手段の情報に基づいて、前記未刈茎稈群に対する刈取作業の終了位置を判別する作業終了判別手段が設けられている請求項4記載の作業車。 【請求項6】 前記茎稈距離検出手段が、前記未刈茎稈群の外周に位置する植立茎稈に向けて超音波を発信してから、前記植立茎稈で反射された超音波が受信されるまでの時間に基づいて前記距離を検出する超音波式の距離検出手段にて構成されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の作業車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、設定経路に沿って走行する走行機体が前記設定経路において旋回すべき旋回箇所に達する毎に、前記走行機体を前記旋回箇所において旋回走行させる旋回制御を繰り返し実行する旋回制御手段が設けられた作業車に関する。 【0002】 【従来の技術】上記作業車の一例である例えば刈取収穫用のコンバインでは、刈取対象である稲等が植立した矩形形状等の未刈茎稈群に対して刈取作業を行うべく、その外周側の各辺に沿う作業行程を設定経路として刈取走行してその終端位置に達すると、例えば地磁気方位センサの方位情報及び走行距離センサの距離情報等を処理して求められる走行機体の位置情報に基づいて、機体に備えたクローラ式等の走行装置を駆動して、機体の向きを例えば90度変更して隣接する次の辺に沿う作業行程に向けるように旋回しながら前後進走行させて、走行機体を次の辺の始端位置まで旋回走行させるように旋回制御している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術では、機体が所定距離旋回走行する毎に、機体方位や走行距離等の各センサの出力データを処理して走行機体の位置を求める処理を行うことになるが、その処理には所定時間を要するので、その処理にて求められた位置情報を用いて旋回制御を行うためには、位置検出処理の処理速度に合わせた走行速度よりも速い速度で旋回走行させることができず、そのため、作業能率を向上させることが難しいという不具合があった。ここで、上記走行機体が繰り返し旋回走行する場合に、同じ旋回箇所及びその近傍箇所での路面状態に大きな変化はなく、その結果、上記旋回制御を実行するときに、例えば左右一対のクローラ走行装置の各駆動回転数、駆動方向(前進又は後進)、駆動時間等の旋回走行時の制御状態を示すデータは、同じ旋回箇所及びその近傍箇所では同じようなものになると考えられる。 【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、上記従来技術の不具合を解消させるべく、走行機体を上記旋回箇所又はその近傍箇所において旋回走行させる場合に、その旋回走行する路面状態等に応じて適切な状態で旋回走行させながら、旋回走行時の走行速度を速くして作業能率を極力向上させるようにすることにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1では、設定経路に沿って走行する走行機体が設定経路において旋回すべき旋回箇所に達する毎に、走行機体を前記旋回箇所において旋回走行させる旋回制御を繰り返し実行する場合に、走行機体が上記旋回箇所に達すると、走行機体の位置を検出する位置検出手段の情報に基づいて走行機体を旋回走行させる旋回制御が実行されるとともに、その位置検出手段の情報に基づく旋回制御の実行時における制御状態が旋回制御情報として前記旋回箇所に対応させて旋回情報記憶手段に記憶され、その後、上記旋回箇所に対応させて前記旋回情報記憶手段に記憶された前記旋回制御情報を用いて、上記旋回箇所又はその近傍箇所において走行機体を旋回走行させる旋回制御を実行することが可能となる。 【0006】従って、上記のように旋回箇所に対応させて記憶された旋回制御情報を用いて上記旋回箇所又はその近傍箇所において旋回制御を実行する場合には、その旋回走行させる箇所での路面状態は大きく変化しないことから、路面状態に応じて適切な状態で旋回走行させるようにしながら、同時に、走行機体の位置検出処理を不要として記憶手段から読み出した制御制御情報を用いて迅速に旋回走行させることができ、これによって、従来のように、機体位置検出処理の処理時間に合わせた走行速度よりも速い速度で機体を旋回走行させることができず、作業能率の向上が難しいのに比べて、旋回走行時の走行速度を速くして作業能率を極力向上させるようにすることができる。 【0007】請求項2では、請求項1において、機体走行に伴って未刈茎稈群の植立茎稈を刈り取る刈取作業部が設けられた走行機体が、前記設定経路として未刈茎稈群の外周に沿い且つ隣接する作業行程が交差する状態で設定された複数の作業行程を順次刈取走行し、走行機体が上記複数の作業行程における1つの作業行程の終端位置に達すると、その行程終端箇所を前記旋回箇所として走行機体を隣接する次の作業行程の始端位置に向けて旋回走行させるように旋回制御が実行される。従って、走行機体が未刈茎稈群の外周側の各作業行程に沿って刈取走行しながら、各作業行程の終端位置に達って旋回走行する場合に、茎稈が植え付けられた圃場のように、旋回走行すべき各作業行程の端部箇所の路面状態が圃場内での位置によって大きく異なるようなときにも、前述のように各端部箇所に対応させて記憶された旋回制御情報に基づく旋回制御により、極力適正な状態で旋回走行させることができ、もって、請求項1の好適な手段が得られる。 【0008】請求項3では、請求項2において、走行機体の横側部に設けられた茎稈距離検出手段にて、走行機体の横側方に位置する未刈茎稈群の外周端までの距離が検出され、前記位置検出手段が、前記茎稈距離検出手段の情報に基づいて、前記走行機体の位置として未刈茎稈群に対する機体位置を求め、前記旋回制御手段は、前記旋回制御において、走行機体の前部側が未刈茎稈群に接近するように旋回させるとともに、その旋回中において未刈茎稈群に対する機体位置が設定位置になるに伴って前記旋回動作を停止させ、その旋回停止位置から、走行機体を次の作業行程の始端位置に向く状態になるまで後進走行させる。従って、機体横側方に位置する未刈茎稈群に対する走行機体の位置情報に基づいて、未刈茎稈群の外周側に対する機体位置を適切な状態に維持しながら、隣接する次の作業行程の始端位置まで適正な旋回走行を行わせることができ、もって、請求項2の好適な手段が得られる。 【0009】請求項4では、請求項3において、走行機体の走行距離を検出する走行距離検出手段及び前記茎稈距離検出手段の情報に基づいて、走行機体の横側方に位置する未刈茎稈群の機体前後方向に沿う茎稈幅が検出され、前記旋回制御手段は、上記茎稈幅検出情報に基づいて未刈茎稈群の機体前後方向に沿う茎稈幅が設定幅よりも短いことが検出された場合には、その短い茎稈幅に対応する作業行程が前記旋回走行後の次の作業行程となるような前記旋回箇所では、前記旋回情報記憶手段の記憶情報を用いて前記旋回制御を実行する。従って、上記短い茎稈幅に対応する作業行程が旋回走行後の次の作業行程となるような旋回箇所で、走行機体の前部側が未刈茎稈群に接近するように旋回させたときに、機体横側方に位置する未刈茎稈群の幅が狭いために、茎稈距離検出情報に基づく未刈茎稈群に対する機体位置ができないような場合にも、前記記憶された旋回制御情報を用いて適切に旋回走行させることでき、もって、請求項3の好適な手段が得られる。 【0010】請求項5では、請求項4において、茎稈幅検出手段の情報に基づいて、未刈茎稈群に対する刈取作業の終了位置が判別される。従って、刈取走行しているときに検出される茎稈幅が、例えば作業終了判別用の設定値よりも小さいときには、現在刈取走行している作業行程の次の作業行程の終端位置が作業の終了位置になると判別して、適切な状態で刈取走行を終了させることができ、もって、請求項4の好適な手段が得られる。 【0011】請求項6では、請求項3〜5のいずれか1項において、未刈茎稈群の外周に位置する植立茎稈に向けて超音波を発信してから、植立茎稈で反射された超音波が受信されるまでの時間に基づいて距離を検出する超音波式の距離検出手段にて、未刈茎稈群の外周端までの距離が検出される。従って、例えば光式の距離検出手段では、走行に伴って発生する塵埃が検出光の投受光部に付着して、適切に距離検出できなくなるおそれがあるのに比べて、かかる不具合を適切に回避させながら、超音波の発信部と受信部とを備えた超音波式の距離検出手段にて、茎稈距離検出手段を極力安価に構成することができ、もって、請求項3〜5のいずれか1項の好適な手段が得られる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、作業車としての刈取収穫用のコンバインに適用した場合について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、コンバインには、左右一対のクローラ走行装置1、脱穀装置2、操縦部4等を備えた走行機体9の前部側に、機体走行に伴って、圃場の未刈茎稈群M(図4参照)に植立した植立茎稈としての植立穀稈Tを刈り取る刈取部3(刈取作業部に相当する)が、刈取昇降用の油圧シリンダ23によって昇降自在な状態で設けられている。 【0013】刈取部3は、植立穀稈Tの引き起こし装置5 、引き起こされた植立穀稈の株元を切断する刈刃6、刈取穀稈を横倒れ姿勢に変更しながら機体後部側の脱穀用のフィードチェーン8に向けて搬送する搬送装置7等を備えている。上記引き起こし装置5の下部後方側個所に、刈取部3の対地高さを検出する超音波式の刈高センサS5が設けられ、搬送装置7の搬送始端側箇所に、刈取穀稈の株元に接当してON作動する株元センサS0が設けられている。 【0014】次に、図3に基づいてコンバインの動力伝達系、及び、制御構成について説明する。エンジンEの動力が油圧式の無段変速装置10に伝動され、この変速装置10の変速後の出力が、ミッションケース11を介して左右一対のクローラ走行装置1に伝達されている。ミッションケース11には、上記変速装置10の変速後の出力を前進又は後進状態に切り換えるための前後進切換機構(図示しない)と、上記変速後の出力を左右の各クローラ走行装置1に伝達するための左右一対の操向クラッチ17L,17Rとが設けられ、左側の操向クラッチ17Lを切り操作すると機体は左旋回し、右側の操向クラッチ17Rを切り操作すると機体は右旋回するように構成されている。 【0015】上記無段変速装置10は、変速操作用の電動モータ13によって変速操作されるとともに、操縦部4に設けた変速レバー12に連動連結され、且つ、この変速レバー12による人為的な変速操作を電動モータ13による変速操作に優先させるようにするために、変速レバー12と変速装置10との連係経路中に、電動モータ13が摩擦式の伝動機構14を介して連係されている。又、前記刈取昇降シリンダ23に対する圧油の供給を制御して刈取部3を昇降操作するための電磁弁25と、前記左右の各操向クラッチ17L,17Rに対する圧油の供給を制御して各クラッチを入り切り操作するための操向用の電磁弁19とが設けられている。 【0016】又、エンジンEと脱穀装置2及び刈取部3とがベルトテンション式の脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を介して夫々連動連結されている。そして、脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を夫々人為的に入り切り操作する脱穀クラッチレバー32及び刈取クラッチレバー31が操縦部4に設けられ、それらの入り操作に伴ってオン作動する脱穀スイッチSW2及び刈取スイッチSW1が設けられている。エンジンEの回転数を検出する回転数検出センサS1と、ミッションケース11の入力軸に伝動される変速装置10の出力回転数に比例するパルスを計数して、走行距離や車速を検出するためのロータリーエンコーダS2とが設けられている。つまり、このロータリーエンコーダS2にて、走行機体9の走行距離を検出する走行距離検出手段が構成される。 【0017】又、前記刈取部3の引き起こし装置5の下部側には、走行に伴って刈取部3に導入される左右の植立穀稈に接当して、機体後方側に揺動する左右一対の検出バーが備えられて、その検出バーの機体後方側への揺動角度に基づいて植立穀稈の機体横方向での位置を検出するための方向センサS4が設けられている。尚、この方向センサS4の検出情報は、前記未刈茎稈群Mの外周に沿って刈取走行するときに、走行機体9を操向制御する際の制御情報として使用される。 【0018】マイクロコンピュータ利用の制御装置16が設けられ、この制御装置16に、株元センサS0、回転数検出センサS1、ロータリーエンコーダS2、方向センサS4、刈高センサS5、脱穀スイッチSW2及び刈取スイッチSW1の各検出情報が入力されている。一方、制御装置16からは、変速操作用の電動モータ13、刈取昇降用の電磁弁25、及び操向用の電磁弁19に対する各駆動信号が出力されている。 【0019】又、操縦部4には、上限車速を設定するための上限車速設定手段21と、車速オートスイッチ22とが設けられ、この各入力情報も制御装置16に入力されている。ここで、上限車速設定手段21は、圃場の条件等に応じて上限車速を手動調節するための可変抵抗であり、つまみの回転角度に応じて上限車速が0.3〜2.0m/secの範囲で設定される。車速オートスイッチ22は、後述の自動車速制御を実行するか否かを切り換える照光式の押ボタンスイッチである。 【0020】エンジンEの出力は、エンジン始動後、図示しないアクセルレバー等によって上昇操作されて、作業用の高回転位置にセットされている。そして、エンジン回転数はエンジンEの負荷が増加すると低下し、エンジンEの負荷が減少すると高くなることから、前記制御装置16と回転数検出センサS1を利用して、エンジンEの負荷を検出する負荷検出手段101が構成されている。具体的には、株元センサS0及び脱穀スイッチSW2が共にオン状態で、車速が0.1m/sec以上であるときのエンジン回転数RX(rpm)を基準回転数RSとして記憶する。但し、上記条件が成立しているときに、記憶した基準回転数RSの値よりも高いエンジン回転数RXを検出したら、その値に基準回転数RSを更新する。そして、基準回転数RSからのエンジン回転数RXのダウン量(rpm)に応じて、エンジン負荷を例えばレベル1〜レベル5(数字が大きいほど負荷が大きい)の5段階の負荷として検出する。 【0021】又、制御装置16を利用して、前記負荷検出手段101の情報及び予め設定された制御情報に基づいて、エンジンEの負荷が適正負荷(例えば、前記5段階の負荷においてレベル3)に維持されるように、前記変速装置10を変速操作する車速制御手段100が構成されている。つまり、上記エンジン負荷が適正負荷よりも大であれば減速操作し、エンジン負荷が適正負荷よりも小であれば、そのときの走行速度が設定された上限車速以下のときだけ増速操作し、エンジン負荷が適正負荷のときは変速操作を行わない。 【0022】図1,図2及び図5に示すように、走行機体9の前部側の既刈り側(機体右側)端部箇所に、機体前方側の植立穀稈Tまでの距離Lを検出する超音波センサS3aが、検出方向を機体前方に向ける状態で設けられ、走行機体9の未刈り側(機体左側)の横側部に、走行機体9の横側方に位置する植立穀稈Tまでの距離Lを検出する一対の超音波センサS3b,S3cが、検出方向を機体横側方に向ける状態で機体前後方向に設定間隔を隔てて設けられ、これらの各超音波センサS3a,S3b,S3cの検出情報が制御装置16に入力されている。上記各超音波センサS3a,S3b,S3cは、植立穀稈Tよりも上方に位置して植立穀稈Tの上部に向けて斜め下向きに超音波を発信する発信器と、植立穀稈Tの上部にて反射された超音波を受信する受信器とを備えて、超音波を発信してから受信するまでの時間に基づいて、植立穀稈Tまでの距離を検出する。 【0023】つまり、走行機体9の横側方に位置する未刈茎稈群Mの外周端までの距離を検出する茎稈距離検出手段が、上記機体左側の横側部に設けられた一対の超音波センサS3b,S3cにて構成されている。そして、上記茎稈距離検出手段は、未刈茎稈群Mの外周に位置する植立穀稈Tに向けて超音波を発信してから、植立穀稈Tで反射された超音波が受信されるまでの時間に基づいて、未刈茎稈群Mの外周端までの距離を検出する超音波式の距離検出手段(超音波センサS3b,S3c)にて構成されている。 【0024】コンバインは、図4に示すように、矩形状の未刈茎稈群Mに対して、いわゆる回り刈り(図では左回り)形式で、走行機体9が未刈茎稈群Mの外周の各辺M1〜M4に沿って順次刈取走行し、各辺の終端位置に達すると、左旋回しながら前後進走行して隣接する辺の始端位置に移動し、次の辺に沿って刈取走行するように自動走行制御される。ここで、上記各辺M1〜M4が、走行機体9が走行する設定経路として、未刈茎稈群Mの外周に沿い且つ隣接する作業行程が交差する状態で設定された複数の作業行程に相当する。尚、図4(ロ)に示すように、上記刈取走行によって、未刈茎稈群Mの外周が刈り幅Wが刈り取られるので、各作業行程の位置は順次内側に移動して、機体は角状渦巻き型の経路を走行することになる。 【0025】以下、この自動走行制御について具体的に説明する。前記制御装置16は、走行機体9を未刈茎稈群Mの外周に沿って刈取走行するように操向制御するとともに、走行機体9が1つの作業行程の終端位置に達したことを判断して、走行機体9を前記未刈茎稈群Mに対する次の作業行程の始端位置に向けて旋回走行させる旋回制御を実行する。尚、上記走行機体9が1つの作業行程の終端位置に達したことは、図6に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが先に距離小から距離大に変化した後、さらに機体が前進走行して、機体左後側の超音波センサS3cの距離検出信号cが距離小から距離大に変化したとききに、上記旋回走行開始位置(図5(イ))に達したと判別する。 【0026】上記操向制御では、未刈茎稈群Mの外周側の各辺M1〜M4に沿って刈取走行するように、前記方向センサS4の検出情報に基づいて走行機体9を操向作動させ、上記旋回制御では、図5(ロ)〜(ニ)に示すように、機体前部側が未刈茎稈群Mに接近するように走行機体9を旋回(図では左旋回)走行させるとともに、その旋回走行中において前記機体左側の一対の超音波センサS3b,S3cの距離情報に基づいて、走行機体9が未刈茎稈群Mに対して位置する角度(例えば次の辺に対してなす角度θ)を判断して、その角度が設定角度(例えば45度)になるに伴って前記旋回走行を停止させ、且つ、その旋回走行の停止位置から、走行機体9の向きが次の作業行程の始端位置(つまり、隣接する辺の始端部)に向かう刈取準備状態になるまで後進走行させる。 【0027】上記後進走行は、図6に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが極小値を過ぎて増加に転じるまで直進状態で後進させ、この位置から走行機体9の向きが次の作業行程の始端位置に向かう刈取準備状態になるまで、左旋回しながら後進走行させる。そして、走行機体9が上記刈取準備状態になったことは、機体前部側の超音波センサS3aの距離検出信号aが距離大から機体前方側の植立穀稈Tを検出する状態に変化したことによって判断される。又、上記走行機体9の未刈茎稈群Mに対する角度θは、一対の超音波センサS3b,S3cにて夫々検出される次の辺の外周端までの距離L1,L2の差と、両センサの設置間隔sdとから、次式にて算出される(図5(ロ)参照)。 【0028】 【数1】θ=tan-1((L1−L2)/sd) 【0029】尚、上記走行機体9の角度θを、一対の超音波センサS3b,S3cではなく前方側の超音波センサS3bの距離情報L1に基づいて判断するようにしてもよい。例えば、上記左旋回走行時に、未刈茎稈群Mの角部から前方側の超音波センサS3bまでの機体前後方向距離はほぼ同じ値となるので、この値を上式においてsdに置き換え、かつ、L2を0として、上記角度θが算出される。 【0030】以上より、前記制御装置16を利用して、走行機体9の位置を検出する位置検出手段102が構成され、この位置検出手段102は、機体横側部に設けた一対の超音波センサS3b,S3cの検出情報に基づいて、走行機体9の位置として、未刈茎稈群Mに対する走行機体9の位置を求めるように構成されている。具体的には、前述の未刈茎稈群Mに対する走行機体9の角度θと、未刈茎稈群Mまでの検出距離L1,L2によって、未刈茎稈群Mに対する走行機体9の位置が求められる。 【0031】又、前記制御装置16を利用して、前記設定経路(未刈茎稈群Mの外周辺)に沿って走行する走行機体9が設定経路において旋回すべき旋回箇所(未刈茎稈群Mの各角部)に達する毎に、走行機体9を前記旋回箇所において旋回走行させる旋回制御を繰り返し実行する旋回制御手段103が構成されている。そして、この旋回制御手段103は、前記位置検出手段102の情報に基づいて前記旋回制御を実行可能に構成されている。つまり、上記旋回制御手段103は、前記旋回制御において、走行機体9が前記複数の作業行程における1つの作業行程(未刈茎稈群Mの外周の1辺)の終端位置(未刈茎稈群Mの各角部)に達すると、その行程終端箇所を旋回箇所として、走行機体9を隣接する次の作業行程の始端位置に向けて旋回走行させる。具体的には、走行機体9の前部側が未刈茎稈群Mに接近するように旋回させるとともに、その旋回中において未刈茎稈群Mに対する機体位置が設定位置になるに伴って前記旋回動作を停止させ、その旋回停止位置から、走行機体9を次の作業行程の始端位置に向く状態になるまで後進走行させる。 【0032】又、前記制御装置16を利用して、前記位置検出手段の情報102に基づく旋回制御手段103の旋回制御の実行時における制御状態を旋回制御情報として前記旋回箇所に対応させて記憶する旋回情報記憶手段104が構成されている。具体的には、前記のように、走行機体9を前後進させながら次の作業行程の始端部に向かう位置まで旋回走行させるときにおける、左右のクローラ走行装置の各駆動回転数、駆動方向(前進又は後進)、駆動時間等の制御状態を示すデータが、旋回制御情報として記憶される。そして、前記旋回制御手段103は、前記旋回箇所に対応させて前記旋回情報記憶手段104に記憶された前記旋回制御情報を用いて、前記旋回箇所又はその近傍箇所における前記旋回制御を実行可能に構成されている。この実施形態では、未刈茎稈群Mの各角部で旋回走行させるときに上記旋回制御情報が記憶され、未刈茎稈群Mを1周回って次に同じ角部箇所に走行して、その少し内側箇所(近傍箇所)で旋回走行させるときに(図4(ロ)参照)、前回の旋回走行時に記憶した旋回制御情報を用いて旋回制御するようにしている。 【0033】前記走行距離検出手段(ロータリーエンコーダS2)及び前記茎稈距離検出手段(超音波センサS3b,S3c)の情報に基づいて、走行機体9の横側方に位置する未刈茎稈群Mの機体前後方向に沿う茎稈幅を検出する茎稈幅検出手段105が構成されている。そして、前記旋回制御手段103は、前記茎稈幅検出手段105の情報に基づいて機体前後方向に沿う茎稈幅が設定幅よりも短いことが検出された場合には、その短い茎稈幅に対応する作業行程が前記旋回走行後の次の作業行程となるような前記旋回箇所では、前記旋回情報記憶手段104の記憶情報を用いて前記旋回制御を実行するように構成されている。 【0034】具体的には、図4(ロ)に示すように、未刈茎稈群Mの残り領域が少なくなって、現在走行している作業行程K1において、機体前後方向に沿う茎稈幅ΔMが設定幅2W(刈り幅Wの2倍)よりも短いと検出された場合には、その終端箇所で旋回して次の作業行程K2を刈り幅Wで刈取走行すると、残りの茎稈幅は刈り幅Wよりも小になって、その作業行程K2の終端部からさらに次の作業行程K3に旋回するときに、前記超音波センサS3b,S3cの情報に基づく走行機体9の位置検出ができなくなるおそれがあるので、この作業行程K2から作業行程K3への旋回時には、前記旋回情報記憶手段104の記憶情報を用いた旋回制御を実行する。したがって、作業行程K3が前記短い茎稈幅に対応する作業行程になる。 【0035】さらに、前記制御装置16を利用して、前記茎稈幅検出手段105の情報に基づいて、未刈茎稈群Mに対する刈取作業の終了位置を判別する作業終了判別手段106が構成されている。具体的には、図4(ロ)に示すように、作業行程K3を刈取走行しているときに検出される機体前後方向に沿う茎稈幅ΔMが、刈り幅Wよりも狭くなるので、その作業行程K3の次の作業行程K4が最後の作業行程であることが判り、その作業行程K3の終端部が刈取作業の終了位置として判別される。 【0036】次に、図7に示すフローチャートに基づいて、制御装置16による制御作動について説明する。未刈茎稈群Mの1辺の始端部から走行を開始して、制御がスタートすると、未刈茎稈群Mの辺に沿って走行させるための前記操向制御と、エンジン負荷を適正値に維持するための前記車速制御と、刈取部3の対地高さを適正値に維持する前記刈高さ制御とをその辺の終端位置に達するまで実行する。各辺の終端位置に達したことが判別されると、前記作業終了判別手段106にてその辺における作業で未刈茎稈群Mに対する刈取作業を終了させるように判別されているか否かにより、作業終了でなければ、次の辺の始端位置に向けて移動させる前記旋回制御を実行する。ここで、前述のように、茎稈幅検出手段105の情報に基づいて、旋回情報記憶手段104の記憶情報を用いた旋回制御を実行する箇所では、その記憶情報を用いた旋回制御を実行し、これ以外の箇所では、位置検出手段102の情報に基づく旋回制御を実行する。以後、上記各制御を作業終了まで繰り返す。作業終了であれば、走行を停止して制御を終える。 【0037】〔別実施形態〕上記実施形態では、コンバインが矩形状の未刈茎稈群Mの外周側に沿う設定経路を、順次未刈茎稈群Mの内側に移動しながら、前回の旋回箇所よりも内側近傍で旋回走行する場合について説明したが、これ以外に、同じ設定経路の同じ箇所で旋回走行させる場合にも適用できる。 【0038】上記実施形態では、旋回情報記憶手段104の記憶情報を用いた旋回制御を、茎稈幅が短くなるような箇所においてのみ実行するようにしたが、これ以外の旋回箇所において、適宜実行すようにすることができる。又、上記旋回情報記憶手段104の記憶情報を用いた旋回制御では、前回(直前)の旋回走行時の旋回制御情報を用いたが、これ以外に、前回を含む過去の複数回の旋回制御情報を、重み付けをして平均処理したデータを用いるようにしてもよい。又、上記実施形態では、旋回制御情報として、左右のクローラ走行装置の各駆動回転数、駆動方向(前進又は後進)、駆動時間等のデータを記憶させたが、これ以外の制御状態を示すデータを記憶させるようにしてもよい。 【0039】上記実施形態では、茎稈距離検出手段を、超音波式の距離検出手段(超音波センサS3b,S3c)にて構成したが、これ以外に、例えば、検出光を植立茎稈Tに対して投受光する光式の距離検出手段にて構成してもよい。 【0040】上記実施形態では、刈取収穫機をコンバインにて構成したが、コンバイン以外に、例えば、イグサ用の刈取収穫機等でもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年12月10日(1998.12.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−166312(P2000−166312A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月20日(2000.6.20) |
| 【出願番号】 |
特願平10−351299 |
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