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【発明の名称】 管理作業車
【発明者】 【氏名】新古 忠之

【要約】 【課題】チャージポンプを省略し、油圧構造の製造コスト低減並びに簡略化などを行う。

【解決手段】ミッションケース(6)に油圧無段変速機(32)を設ける管理作業車において、作業機(29)昇降用の油圧昇降ポンプ(40)を油圧無段変速機(32)のチャージ油圧回路(42)に接続させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ミッションケースに油圧無段変速機を設ける管理作業車において、作業機昇降用の油圧昇降ポンプを油圧無段変速機のチャージ油圧回路に接続させたことを特徴とする管理作業車。
【請求項2】 油圧無段変速機のチャージポンプ軸に空冷ファンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の管理作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば耕耘及び中耕除草、または畦立及び土寄せ等の対地作業、並びに野菜の苗移植または収穫などの作業を行う管理作業車に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、走行クラッチを入操作したときに走行変速が前進または後進状態で急発進する不具合があると共に、走行クラッチ切操作と走行制動操作を各別に行う必要がある。また、運転席の両側に走行変速レバーと昇降レバーを振分けて設けると、操向ハンドルを握っていた手で前記各レバーを持ち換えて操作する必要がある。また、昇降レバーを手で上昇側に保持して作業機を上昇させる必要があり、作業機が上がるまで昇降レバーから手を離すことができない不具合がある。また、走行変速レバーと油圧無段変速機のトラニオンレバーを連結させる組立時、トラニオンレバー中立保持が面倒で、各レバーの連結調節を容易に行い得ない問題がある。また、前記油圧無段変速機に油圧チャージポンプをチャージ専用に設け、作業機を昇降させる油圧昇降ポンプを昇降専用に設けるから、油圧構造の製造コスト低減並びに簡略化を容易に行い得ない問題がある。また、キングピンの軸芯延長上に前輪を配置すると、走行時にベベルギヤの駆動反力によって操向ハンドル操作荷重が一方の旋回で小さくなるが、反対方向のときに大きくなる不具合がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、ミッションケースに油圧無段変速機を設ける管理作業車において、作業機昇降用の油圧昇降ポンプを油圧無段変速機のチャージ油圧回路に接続させたもので、昇降ポンプから油圧無段変速機にチャージ油圧を供給させ、油圧無段変速機のチャージポンプを省略し得、油圧構造の製造コスト低減並びに簡略化などを容易に行い得るものである。
【0004】また、油圧無段変速機のチャージポンプ軸に空冷ファンを設けたもので、不要になったチャージポンプ軸を活用して空冷ファンを取付けるから、空冷ファンの追加だけでミッションケース及び油圧無段変速機を容易に冷却し得、油温上昇防止構造の簡略化及びコスト低減などを容易に行い得るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同平面図、図3は駆動説明図であり、車体フレーム(1)前部にフロントケース(2)を介してフロントアクスルケース(3)を左右に方向転換自在に設け、フロントアクスルケース(3)に前輪(4)回転自在に軸支させると共に、エンジン(5)及びミッションケース(6)を車体フレーム(1)後部に搭載させ、ミッションケース(6)両側に車軸ケース(7)及びリヤアクスルケース(8)を介して左右一対の後輪(9)を回転自在に軸支させる。また、車体フレーム(1)上側のステップ(10)上面側に操向ハンドル(11)及び運転席(12)を装設させ、支柱(13)を立設させてサンバイザー(14)を取付けると共に、運転席(12)両側に左右アームレスト(15)を固定させ、運転席(12)右側に走行変速レバー(16)及び昇降レバー(17)及び油圧ロックレバー(18)を配設させ、運転席(12)左側に燃料タンク(19)及びPTOクラッチレバー(20)を設け、運転席(12)前側に副走行変速レバー(21)を設け、ステップ(10)左側前部にクラッチペダル(22)を取付けている。そして、ミッションケース(6)の後輪(9)駆動力を前輪駆動軸(23)によって前輪(4)に伝え、前記走行変速レバー(16)を操作して三輪構造の前輪(4)と左右後輪(9)を駆動すると共に、操向ハンドル(11)操作によって前輪(4)を左右に方向転換して走行進路を変更させ、また操向ハンドル(11)の操舵角が一定以上に大きくなったとき、左右サイドクラッチ(24)の旋回内側を自動的に切にして旋回内側の後輪(9)駆動を中止し、圃場枕地でのUターンなどを行うように構成している。
【0006】また、前記車体フレーム(1)前部下側にヒッチ(25)を固定させて平行リンク(26)を取付け、ロータリ爪(27)及び培土板(28)を備える作業機(29)を平行リンク(26)に着脱自在に装着させ、前記昇降レバー(17)を操作して油圧昇降シリンダ(30)によって作業機(29)を作業位置乃至非作業位置に昇降させると共に、ミッションケース(6)のPTO動力をPTO軸(31)によって作業機(29)に伝え、ロータリ爪(27)を駆動して中耕土寄せ作業を行うように構成している。なお、移植機または収穫機など各種作業機を前記作業機(29)と交換して野菜苗の移植または野菜の収穫などの各種農作業を行う。
【0007】上記から明らかなように、走行変速レバー(16)と昇降レバー(17)を運転席(12)の右側に配設させ、作業者が左手で操向ハンドル(11)を常に握り乍ら、右アームレスト(15)に載せた右手で走行変速レバー(16)及び昇降レバー(17)の各操作を行い、走行進路を適正に維持し乍ら作業能率の向上などを図るように構成している。
【0008】さらに、前記ミッションケース(6)に油圧無段変速機(32)を設け、テンションローラ型走行クラッチ(33)を介して張設させるベルト(34)によってエンジン(5)動力を変速機(32)に伝え、変速機(32)の油圧ポンプ(35)及び油圧モータ(36)によって変速した後でミッションケース(6)に入力させると共に、ブレーキアーム(37)操作によって走行制動する走行ブレーキ(38)をミッションケース(6)に設けている。また、前記昇降レバー(17)によって切換える油圧昇降バルブ(39)と、ミッションケース(6)の作動油を昇降シリンダ(30)に圧送させる油圧昇降ポンプ(40)を設け、昇降バルブ(39)及びラインフィルタ(41)を介して変速機(32)の油圧チャージ回路(42)に昇降ポンプ(40)吐出側を接続させ、昇降ポンプ(40)によって変速機(32)にチャージ油圧を供給させる。また、変速機(32)の戻り油管(43)をケース(6)油路によって形成すると共に、変速機(32)のチャージポンプ軸(44)に空冷ファン(45)を設け、変速機(32)の従来チャージポンプを省き、代りに空冷ファン(45)を取付けている。
【0009】上記から明らかなように、ミッションケース(6)に油圧無段変速機(32)を設ける管理作業車において、作業機(29)昇降用の油圧昇降ポンプ(40)を油圧無段変速機(32)のチャージ油圧回路(42)に接続させ、昇降ポンプ(40)から油圧無段変速機(32)にチャージ油圧を供給させ、油圧無段変速機(32)のチャージポンプを省略し、油圧構造の製造コスト低減並びに簡略化などを行うと共に、油圧無段変速機(32)のチャージポンプ軸(44)に空冷ファン(45)を設け、不要になったチャージポンプ軸(44)を活用して空冷ファン(45)を取付け、空冷ファン(45)の追加だけでミッションケース(6)及び油圧無段変速機(32)を冷却し、油温上昇防止構造の簡略化及びコスト低減などを行うように構成している。
【0010】さらに、図4に示す如く、前記フロントケース(2)に円筒形キングピン(46)を回転自在に軸支させ、キングピン(46)下部にギヤケース(47)を介してフロントアクスルケース(3)を固定させ、操向ハンドル(11)によって正逆転操作する操向軸(48)にキングピン(46)を連結させ、キングピン(46)及びギヤケース(47)及びフロントアクスルケース(3)を操向軸(48)の正逆転によってキングピン軸芯線(49)回りに一体回転させ、フロントアクスルケース(3)に前車軸(50)を介して軸支させる前輪(4)を左右に方向転換させると共に、キングピン(46)の中空に遊嵌挿通させる入力軸(51)上端に前輪駆動軸(23)を連結させ、ギヤケース(47)のベベルギヤ(52)などを介して入力軸(51)下端側を前車軸(50)に連結させ、前輪(4)を走行駆動させるもので、キングピン軸芯線(49)を中心に、ベベルギヤ(52)と反対の方向に、前輪(4)を一定間隔(A)だけオフセット配置させ、前輪(4)駆動反力によってキングピン(46)中心に発生するモーメントを、オフセットした前輪(4)の駆動力によって発生するモーメントで相殺し、操向ハンドル(11)の操作力を左右均一にし、ベベルギヤ(52)の駆動反力によって操向ハンドル(11)の一方の操作力が軽くなって他方の操作力が重くなる従来不具合をなくしている。
【0011】さらに、図5に示す如く、前記作業機(29)のフレーム(53)に複数の爪軸ケース(54)を左右方向に並設させ、各ケース(54)にロータリ爪(27)を夫々装着させて多条耕耘構造を形成し、複数列の畦の中耕を同時に行うもので、PTO軸(31)からの動力を伝えるPTO入力軸(55)を各ケース(54)に設け、側端のケース(54)の軸(55)を内側にだけ突出させ、中間のケース(54)の軸(55)を両側方に突出させ、各軸(55)をジョイント軸(56)によって連結させ、側端のケース(54)の軸(55)を中間のものと組み換えることによってケース(54)を増設でき、作業畦数を変更できるように構成している。
【0012】さらに、図6乃至図9に示す如く、前記走行変速レバー(16)を支点軸(57)回りに回転自在に設け、回転自在に取付ける連結軸(58)にロッド(59)を介して変速レバー(16)を連結させると共に、前記変速機(32)のトラニオンレバー(60)にロッド(61)を介して連結軸(58)を連結させ、変速レバー(16)にトラニオンレバー(60)を連動させて変速機(32)を変速操作する。また、中立レバー(62)を支点軸(63)回りに回転自在に設け、走行クラッチペダル(22)にロッド(64)を介して中立レバー(62)を連結させ、かつ走行クラッチ(33)を切にするクラッチワイヤ(65)を中立レバー(62)に連結させ、かつブレーキアーム(37)にロッド(66)を介して中立レバー(62)を連結させると共に、中立レバー(62)を当接させる中立復帰ガイド(67)を連結軸(58)に固定させている。
【0013】そして、図9に示す如く、クラッチペダル(22)を踏み込むと、ロッド(64)が引張られて中立レバー(62)が支点軸(63)回りに回動し、クラッチワイヤ(65)を引張って走行クラッチ(33)を切にする。また、クラッチペダル(22)をさらに踏み込むと、中立レバー(62)がガイド(67)に圧接し、走行変速レバー(16)及びトラニオンレバー(60)を中立位置に戻し、変速機(32)出力を中立にする。また、クラッチペダル(22)をさらに踏み込むと、中立レバー(62)及びロッド(66)を介してブレーキアーム(37)が操作され、ブレーキ(38)が作動して走行出力を制動し、前後輪(4)(9)を停止させる。また、クラッチペダル(22)を最後まで全ストローク踏み込むと、クラッチペダル(22)のロックアーム(68)が図1に示すロックレバー(69)に係止され、駐車ブレーキ状態でクラッチペダル(22)が係止される。
【0014】上記から明らかなように、走行変速レバー(16)及びクラッチペダル(22)を設ける管理作業車において、前記クラッチペダル(22)操作によって走行変速レバー(16)が中立位置に自動的に戻り、クラッチペダル(22)切操作後に再び入操作しても走行変速レバー(16)の自動中立復帰によって急発進を防止し、運転操作の簡略化並びに操作忘れによる誤動作の阻止などを行うように構成している。
【0015】また、作業者が座乗する運転席(12)と、昇降レバー(17)によって昇降させる作業機(29)を装設させると共に、操向ハンドル(11)と、走行変速レバー(16)と、走行クラッチ(33)と、走行ブレーキ(38)を設ける管理作業車において、クラッチペダル(22)操作によって走行クラッチ(33)切並びに走行変速中立復帰並びに走行制動の各動作を行わせ、前記クラッチペダル(22)を踏むことにより、走行クラッチ(33)が切れ、さらに踏み込むことによって走行変速レバー(16)が中立位置に戻り、さらに踏み込むことによって走行ブレーキ(38)が作動して制動し、停止までの一連の操作の簡略化並びに取扱い性向上などを行うように構成している。
【0016】さらに、図8に示す如く、前記変速機(32)に中立位置決め体(70)を固定させると共に、前記トラニオンレバー(60)の孔(71)に位置決め軸(72)を抜差し自在にピン(73)によって係止固定させ、中立位置決め体(70)の孔(74)に位置決め軸(72)の尖頭を嵌入させ、トラニオンレバー(60)を変速機(32)の中立位置に固定させ、図6に示すロッド(61)とナット(75)の緩め締め操作によってロッド(61)の連結長さを変更し、前記変速機(32)の中立位置と走行変速レバー(16)の中立位置を一致させる組立調整を行うもので、走行変速レバー(16)により操作する油圧無段変速機(32)に中立位置決め体(70)を設け、走行変速レバー(16)に連結させるトラニオンレバー(60)を中立位置決め体(70)に着脱自在に固定可能とし、トラニオンレバー(60)を中立位置決め体(70)に固定させることにより、走行変速レバー(16)とトラニオンレバー(60)の連結調整を行い、走行変速レバー(16)の中立位置に対して油圧無段変速機(32)の中立出力を適正維持するように構成している。
【0017】さらに、図10、図11に示す如く、前記昇降レバー(17)を支点軸(76)回りに回転自在に設け、昇降バルブ(39)のスプール(77)に前記レバー(17)を連結させ、前記レバー(17)下端にデテントローラ(78)を回転自在に軸支させると共に、デテント板(79)を軸(80)回りに回転自在に設け、デテント板(79)を前記ローラ(78)にバネ(81)によって弾圧させ、デテント板(79)の中立ノッチ(82)にローラ(78)を係入させてレバー(17)を中立支持させる一方、前記レバー(17)の上昇操作により、デテント板(79)がローラ(78)に弾圧して上昇操作位置に前記レバー(17)を支持させる。また、フィードバックリンク(83)を支点軸(84)回りに回転自在に設けると共に、フィードバック板(85)を支点軸(86)回りに回転自在に設け、前記リンク(83)をフィードバック板(85)にフィードバックワイヤ(87)を介して連結させ、前記作業機(29)を作業位置から非作業(上昇限度)位置に上昇させる平行リンク(26)の上動により、最上昇位置付近で平行リンク(26)がフィードバック板(85)に当接し、該板(85)を押上げてワイヤ(87)を引張り、前記リンク(83)をレバー(17)に当接させ、レバー(17)を中立位置に戻し、デテント板(79)によってレバー(17)を中立支持させる。
【0018】上記から明らかなように、昇降レバー(17)が上昇操作位置で保持され、作業者が昇降レバー(17)を上昇位置に保持しなくても作業機(29)が上昇し、圃場枕地での方向転換などの操作性向上などを行うと共に、作業機(29)の上昇によって昇降レバー(17)を自動的に中立復帰させ、昇降レバー(17)を中立に戻す面倒がなく、取扱い操作性の向上並びに昇降構造の機能向上及び簡略化などを行うように構成している。
【0019】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、ミッションケース(6)に油圧無段変速機(32)を設ける管理作業車において、作業機(29)昇降用の油圧昇降ポンプ(40)を油圧無段変速機(32)のチャージ油圧回路(42)に接続させたもので、昇降ポンプ(40)から油圧無段変速機(32)にチャージ油圧を供給させ、油圧無段変速機(32)のチャージポンプを省略でき、油圧構造の製造コスト低減並びに簡略化などを容易に行うことができるものである。
【0020】また、油圧無段変速機(32)のチャージポンプ軸(44)に空冷ファン(45)を設けたもので、不要になったチャージポンプ軸(44)を活用して空冷ファン(45)を取付けるから、空冷ファン(45)の追加だけでミッションケース(6)及び油圧無段変速機(32)を容易に冷却でき、油温上昇防止構造の簡略化及びコスト低減などを容易に行うことができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年12月10日(1998.12.10)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2000−166310(P2000−166310A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−350933