| 【発明の名称】 |
移動農機の耕耘部 |
| 【発明者】 |
【氏名】保崎 元治
【氏名】山崎 栄二
【氏名】竹内 啓人
|
| 【要約】 |
【課題】移動農機に牽引される耕耘部では、耕耘伝動ケースの下方に残耕が生じていた。
【解決手段】移動農機に牽引される耕耘部8の耕耘伝動ケース11より、左右両側方に軸線を外側下方に傾斜させた耕耘爪軸23・23を軸支した構成において、該耕耘爪軸上に幅広で螺旋状に捻った螺旋爪25を複数固設するとともに、前記少なくとも一つの螺旋爪に残耕処理爪27を固設し、前記残耕処理爪の先端を回動軌跡の最下端位置で、耕耘伝動ケースの左右中央線Oより反対側へ延出した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動農機に牽引される耕耘部の耕耘伝動ケースより、左右両側方に軸線を外側下方に傾斜させた耕耘爪軸を軸支した構成において、該耕耘爪軸上に幅広で螺旋状に捻った螺旋爪を複数固設するとともに、前記少なくとも一つの螺旋爪に残耕処理爪を固設したことを特徴とする移動農機の耕耘部。 【請求項2】 前記残耕処理爪の先端を回動軌跡の最下端位置で、耕耘伝動ケースの左右中央位置より反対側へ延出したことを特徴とする請求項1記載の移動農機の耕耘部。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、管理機等の移動農機に装着される耕耘部において、耕耘後の残耕をなくす構成に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の管理機等の移動農機に装着される耕耘部は、耕耘伝動ケース後部より左右両側方へ耕耘爪軸が突設され、該耕耘爪軸に植設された耕耘爪で圃場を耕耘するようにしていた。前記耕耘爪としてはなた爪や花形爪等があり、耕耘爪軸の外周上に複数の耕耘爪を配置して、耕起や砕土、攪拌等を行ったり、螺旋爪を耕耘爪軸上に取付けて土寄せや培土作業を行なう技術は公知となっている。この螺旋ロータを用いた耕耘部において、センタードライブ方式であると、耕耘伝動ケース下方を耕耘することができず、残耕が発生していた。そこで、この残耕を処理するために、尾輪取付部から耕耘伝動ケースの後方に向かって溝さらえ用の鍬板を突設させたり、耕耘伝動ケースの両側に、耕耘爪軸に対して軸心を傾斜させた残耕処理刃を設けて、耕耘伝動ケースの下方も耕耘できるようにして残耕を処理する技術も公知となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の溝さらえ用の鍬状の板を用いる構成では、耕耘深さは耕耘伝動ケースの後方に配置したゲージ輪とこの鍬状の板との両者の高さ位置を調整する必要があり、取付け位置を精度良く合わせる作業が煩雑なものとなっていた。また、前記溝さらえ用の鍬状の板を用いたり、残耕処理刃を設けた構成では、この鍬状の板を残耕に突入させて処理させるので、負荷が増大して移動農機側の牽引に対して大きな抵抗となって、作業能率を悪化させていた。また、耕耘爪軸に対して傾斜した爪軸を設け、この傾斜爪軸に設けた爪で耕耘伝動ケース下方を耕耘する技術(特開平6−303801)では、爪軸と傾斜爪軸を同軸上に配置するため、その構成が複雑となりコストが高くなるものであった。また、耕耘爪軸を耕耘伝動ケースより斜め下方に傾斜させて突出して残耕を処理する技術(実公平7−6722)もあるが、土寄せすることはできず、単に耕耘するための装置であり、土寄せするために爪幅の広い花形爪を装着すれば、残耕が生じてしまうのである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、以上の不具合を解消するために、移動農機に牽引される耕耘部の耕耘伝動ケースより、左右両側方に軸線を外側下方に傾斜させた耕耘爪軸を軸支した構成において、該耕耘爪軸上に幅広で螺旋状に捻った螺旋爪を複数固設するとともに、前記少なくとも一つの螺旋爪に残耕処理爪を固設し、前記残耕処理爪の先端を回動軌跡の最下端位置で、耕耘伝動ケースの左右中央位置より反対側へ延出したものである。 【0005】 【発明に実施の形態】本発明の解決すべき課題及び構成は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説明する。図1は管理機の全体側面図、図2は本発明の残耕処理爪を配した耕耘ロータリーの後面図部分断面図、図3は同じく側面図、図4は同じく爪を逆向きに装着した側面図である。 【0006】図1で移動農機として管理機1の後部にロータリ耕耘部8を連結した実施例について説明する。管理機1は、前部の機体フレーム2上に原動機となるエンジン3を載置し、該機体フレーム2の後部にミッションケース4を配置し、エンジン3側方に配した伝動ケース5内のベルトやプーリー等を介してミッションケース4へ動力を伝達している。該ミッションケース4には、前下方に向かって突設するチェーンケース10と後下方に向かって突設する耕耘伝動ケース11とが突設され、ミッションケース4内で走行変速された動力がチェーンケース10下部に軸支された車軸に伝えて走行輪14を駆動するようにしている。尚、15は操作ハンドルであり、走行クラッチレバー16等が配置され機体の走行操作が行なわれる。 【0007】前記ミッションケース4より後下方へ突設させた耕耘伝動ケース11には、耕耘ロータ20が装着されて耕耘部8が構成されている。前記耕耘伝動ケース11の上部から後方に耕耘フレーム9が突設され、該耕耘フレーム9の左右側部に耕耘側部カバー12・12が枢支され、調整部13により耕耘側部カバー12・12を上方へ回動可能としている。前記耕耘フレーム9の後端部にはボス9aが設けられ、該ボス9aにゲージ輪21を軸支した支持杆22が上下位置を調整可能に挿入され、ゲージ輪21の支持高さを変更して耕耘深さ(耕深量)を調節できるうようにしている。 【0008】また、図2〜図4に示すように、前記耕耘伝動ケース11下部両側面から、外側下方に向けて耕耘爪軸23が軸支され、後面視で逆「ハ」字状に配置され、耕耘伝動ケース11内のチェーンやスプロケット等を介してミッションケース4で減速した駆動力が伝達される。前記耕耘爪軸23上には、ボス部24が螺合固定され、該ボス部24の外周に螺旋状に湾曲した複数枚(本実施例において3枚)の螺旋爪25・25・25が螺合固定されている。耕耘ロータ20は左右対称に形成され、螺旋爪25は幅広として耕耘した土を外側へ寄せながら飛ばすようにしている。 【0009】また、前記螺旋爪25・25・25を取り付けるボス部24は外周にフランジ部24aが形成され、このフランジ部24aは軸心方向に対して直角方向の面を形成し、更に、螺旋爪25・25・25の取付部分を回転方向(図3で示す矢印方向)に対して後側が外方へ傾くように形成している。このフランジ部24aにボルト孔を開口し、ボルト・ナット30・30を用いて螺旋爪25の基部を固定するようにしている。 【0010】前記螺旋爪25は軸流ファンの羽根の如く、幅広の爪を螺旋方向に捻ってあり、基部に取付用のボルト孔を開口し、前記フランジ部24aに取り付けた状態で、その外周は略円形となるようにしている。このように構成することで、螺旋爪25を固定したボス部24を回転させれば、広い範囲で耕耘でき、土寄せ及び土上げの性能が向上されるのである。 【0011】また、前記ボス部24のフランジ部24aには残耕処理爪27の基部が螺旋爪25基部とともに螺合固定される。該残耕処理爪27は直線状の爪で構成され、その長さは側面視で残耕処理爪27の外周端までの長さと略一致させて、螺旋爪25と等しい耕深が得られるようにしている。そして、前記残耕処理爪27の先端は円弧状に形成して、耕耘時に抵抗が大きくならないようにしている。 【0012】そして、前記残耕処理爪27はフランジ部24aに取り付けているので、先端は内側方向に延設される。つまり、図2に示すように、耕耘爪軸23は傾斜され、フランジ部24aも傾斜した形状となっているので、残耕処理爪の先端は回動軌跡の最下端位置で、耕耘伝動ケースの左右中央線Oより反対側へ延出される。即ち、残耕処理爪27が上方に回転したときには図2左側の如く、その先端は耕耘伝動ケース11の側部近傍を通過し、下方に回転したときには図2右側の如く、残耕処理爪27の先端は耕耘伝動ケース11の左右中央線Oより反対側へ突出して回転するようになり、左右の残耕耘処理爪が回転することによって、後面視で両者の回転軌跡はラップするようになり、螺旋爪25で耕耘できない耕耘伝動ケース11下方を確実に耕耘できるようになるのである。 【0013】また、該残耕処理爪27・27は、左右の耕耘ロータ20・20に一つずつ(複数でも可能)取り付けられ、その取り付け位置は左右で干渉しないように配置している。つまり、残耕処理爪27・27は左右で角度をズラせて取り付けられ折り、耕耘爪軸23を回転させても一方が他方に当たり損傷を及ぼすことがないようにしている。また、フランジ部24aに取り付けた螺旋爪25と残耕処理爪27とも干渉しないように配置している。なお、螺旋爪25と残耕処理爪27の向きは図3に示す正転方向でも、図4に示す逆転方向でも可能である。 【0014】このように、傾斜状に配した耕耘爪軸23に螺旋爪25と残耕処理爪27との両爪を配置したので、従来の左右水平状の耕耘爪軸と傾斜爪軸との両方を具備した構成に比べて、単純な構成になり耕耘伝動ケース11下方も耕耘して耕耘精度を高め、畝立て作業や培土作業において溝を堀り両側に耕耘土を上げる場合にも残耕をなくし、少ない爪で確実に上げることができるのである。 【0015】また、耕深を調整する場合にも、前記ゲージ輪21を支持する高さを調整するのみで行なうことができ、従来の溝さらえ用の鍬状板を設けた構成に比べて耕深の調整が容易となっている。更に、溝さらえ用の鍬状板で残耕を処理する構成では負荷が大きく牽引する抵抗が大きくなっていたが、残耕処理爪27は回転するの負荷を低減でき管理機1による牽引抵抗を小さくできるのである。 【0016】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。即ち、請求項1記載のように、移動農機に牽引される耕耘部の耕耘伝動ケースより、左右両側方に軸線を外側下方に傾斜させた耕耘爪軸を軸支した構成において、該耕耘爪軸上に幅広で螺旋状に捻った螺旋爪を複数固設するとともに、前記少なくとも一つの螺旋爪に残耕処理爪を固設したので、従来のように左右水平状の耕耘爪軸に加えて軸芯を下方に向けた傾斜爪軸との二本の軸を設けることなく、耕耘伝動ケース下方の耕耘を行うことができ、シンプルな構成において耕耘精度を向上することができ、畝立て作業や培土作業においても溝中に残耕を残すことなく処理ができるのである。また、従来の溝さらえ用の鍬状板を設けて残耕防止を図った構成では、耕深の調整をゲージ輪と溝さらえ用の鍬状板との両者の支持高さを調整する必要があったが、溝さらえ用の鍬状板をなくすことで耕深の調節が容易となっている。更に、前記溝さらえ用の鍬状板で残耕を処理する構成では負荷が大きく牽引する抵抗が大きくなっていたが、回転する残耕処理爪では負荷を低減でき牽引抵抗を小さくできるのである。また、同一のフランジ部に螺旋爪と残耕処理爪を固設するので、組立が簡単に行え、コスト低減化が図れる。 【0017】また、請求項2記載のように、前記残耕処理爪の先端を回動軌跡の最下端位置で、耕耘伝動ケースの左右中央位置より反対側へ延出したので、螺旋爪で耕耘できない部分を耕耘でき、左右の残耕耘処理爪が回転することによって、後面視で両者の回転軌跡はラップするようになり、残耕を確実になくすことができるのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000198330 【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社 【識別番号】390038977 【氏名又は名称】株式会社ササオカ
|
| 【出願日】 |
平成10年11月27日(1998.11.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2000−157001(P2000−157001A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月13日(2000.6.13) |
| 【出願番号】 |
特願平10−337668 |
|