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【発明の名称】 乗用型田植機
【発明者】 【氏名】窪津 誠

【要約】 【課題】乗用型田植機において、畦に沿って残された圃場面に苗の植え付けを行う際、苗の植え付けが能率良く行えるようにする。

【解決手段】圃場面に走行指標線を描く線引きマーカ29、及び先端が畦に沿うように走行させることにより畦との間に植え付け幅を得ることができる補助マーカ29aを備えて、補助マーカ29aを線引きマーカ29に備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場面に走行指標線を描く線引きマーカ(29)を備え、先端が畦に沿うように走行させることにより畦との間に植え付け幅を得ることができる補助マーカ(29a)を、前記線引きマーカ(29)に備えてある乗用型田植機。
【請求項2】 前記線引きマーカ(29)を、外方に突出して圃場面に走行指標線を描く作用姿勢と起立した格納姿勢とに、姿勢切換自在に構成してある請求項1記載の乗用型田植機。
【請求項3】 前記補助マーカ(29a)を、前記線引きマーカ(29)から外側方に伸長した作用状態と収縮した格納状態とに、伸縮自在に構成してある請求項1又は2記載の乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】以下、本発明を乗用型田植機に適用した実施例を図面に基づいて説明する。図1には、乗用型田植機の全体側面が示されており、この乗用型田植機は、乗用型の走行機体1と、走行機体1の後部に昇降リンク機構2を介して油圧式のリフトシリンダ3の作動により昇降自在に連結された苗植付装置4によって構成されている。走行機体1の前部にはエンジン5が搭載されており、エンジン5から取り出された動力は、ベルト式無段変速装置6やミッションケース7などを介して、前車輪8、後車輪9、及び苗植付装置4へ伝達されるようになっている。
【0002】図2及び図3に示すように、ベルト式無段変速装置6は、一対の割りプーリ10、一対の割りプーリ10に渡って巻回された伝動ベルト11、一対の割りプーリ10の割り幅間隔を背反的に変更する一対のカム機構12、操作ロッド13を介して一対のカム機構12を背反的に操作する電動シリンダ14、などによって構成されている。
【0003】一対の割りプーリ10の夫々は、伝動軸の一例である円筒軸15と、この円筒軸15に一体回動自在に固定された固定プーリ体10Aと、円筒軸15に、カム式伝動機構16を介して一体回動自在に、かつ、円筒軸15の軸芯P方向に摺動自在に嵌合された可動プーリ体10Bとによって構成されている。一対の割りプーリ10のうちの一方の割りプーリ10の円筒軸15を、可動プーリ体10Bがエンジン5側に位置する状態に、エンジン5の出力軸5aに一体回動自在に嵌合連結することによって、ベルト式無段変速装置6における駆動プーリ6Aが構成されるようになっている。又、他方の割りプーリ10の円筒軸15を、固定プーリ体10Aがミッションケース7側に位置する状態に、ミッションケース7の入力軸7aに一体回動自在に嵌合連結することによって、ベルト式無段変速装置6における従動プーリ6Bが構成されるようになっている。図4に示すように、カム式伝動機構16は、円筒軸15に一体回動自在に、かつ、その軸芯P方向に摺動不能にスプイライン嵌合された筒状体16Aと、この筒状体16Aから可動プーリ体10Bに向けて突出形成された複数の押圧カム体16Bと、可動プーリ体10Bから筒状体16Aに向けて突出形成された複数の被押圧カム体16Cとによって構成されている。押圧カム体16Bには、その回動に伴って被押圧カム体16Cに対して押圧作用する押圧傾斜面16aが形成されている。被押圧カム体16Cには、押圧傾斜面16aと面接触する被押圧傾斜面16bが形成されている。つまり、円筒軸15の回動に伴って筒状体16Aが回動して押圧傾斜面16aと被押圧傾斜面16bとが面接触し、押圧カム体16Bによる軸芯P周りの押圧力を被押圧カム体16Cが受けることによって、円筒軸15と可動プーリ体10Bとが一体回動するようになっている。又、このとき、押圧傾斜面16aと被押圧傾斜面16bとの間で被押圧カム体16Cを軸芯P方向へ押圧する分力が発生し、この分力によって、可動プーリ体10Bが固定プーリ体10A側へ付勢されるようになっている。
【0004】図2及び図3に示すように、一対のカム機構12の夫々は、製造コストの低減を図るために同形状の乗り上がり式に構成されている。詳述すると、夫々のカム機構12は、走行機体1側から延設された支持ブラケット17により、カム式伝動機構16の筒状体16Aをベアリング18を介して枢支する状態で、回動不能に固定支持された固定カム体12Aと、ベアリング19を介して可動プーリ体10Bから突出形成された被押圧カム体16Cに相対回動自在に、かつ、可動プーリ体10Bと一体摺動自在に枢支された可動カム体12Bとによって構成されている。固定カム体12Aには、可動カム体12Bに向けて傾斜する乗り上がり案内用の案内カム面が形成された案内カム12aが突出形成されている。可動カム体12Bには、その回動操作に伴って案内カム面にて案内される被案内カム面が形成された被案内カム12bと、電動シリンダ14と連係される操作アーム12cとが突出形成されている。一対のカム機構12は、一対の割りプーリ10が互いに逆向きになるように各軸5a,7aに装着されていることから互いに逆向きになる。そして、互いに逆向きになった一対のカム機構12の操作アーム12c同士が、連係ロッド20により同じリンク比で連動連結されるとともに、一方の操作アーム12cと電動シリンダ14とが操作ロッド13を介して連動連結されている。つまり、電動シリンダ14の伸縮作動に伴って、一対のカム機構12が背反的に回動操作されるとともに、一対の割りプーリ10の夫々の可動プーリ体10Bが同じ操作量で背反的に摺動操作されるようになっており、これによって、一対の割りプーリ10の夫々に対する伝動ベルト11の巻き掛け比を変更できるようになっている。
【0005】図3に示すように、電動シリンダ14の伸縮作動量は、走行機体1の操縦部に備えた手動操作式の速度設定器21にて設定された目標速度に基づくマイクロコンピュータを備えた制御装置22の制御作動によって調節されるようになっており、これによって、設定された目標速度への無段階の変速操作を行えるようになっている。
【0006】図2及び図3に示すように、夫々のカム機構12には、固定カム体12Aと可動カム体12Bとの間に潤滑油を貯留する油室23を形成する伸縮自在なジャバラ体24が固定カム体12Aと可動カム体12Bとに渡って架設されている。可動カム体12Bには、固定カム体12Aと可動カム体12Bとの間に潤滑油を供給するための注油口hが形成されたボス部12dが突出形成されている。そして、この注油口hから油室23に潤滑油を供給して貯留しておくことにより、固定カム体12Aの案内カム面と可動カム体12Bの被案内カム面との間に掛かる摩擦負荷などによって重くなる変速操作時の操作荷重を軽減することができ、円滑な変速操作が得られるようになっている。尚、図2及び図3に示す符号25は、注油口hに装着されたグリースニップルである。図2に示す符号10aは、油室23に貯留された潤滑油が、円筒軸15と可動プーリ体10Bとの間に形成された油室26に流入するように可動プーリ体10Bに形成された油路である。
【0007】図3に示すように、操作ロッド13には、変速操作時にこの操作ロッド13に掛かる操作荷重を測定する荷重測定器27が装備されている。荷重測定器27により測定された操作荷重(測定値Xa)は制御装置22へ入力されるようになっている。制御装置22は、荷重測定器27から入力された測定値Xaと予め設定された設定値Xoとを比較し、荷重測定器27からの測定値Xaが設定値Xo以上になると、油室23の潤滑油が不足している判定し、操縦部に装備された注油用作動装置Aとしての警報器28の作動を開始させて、作業者に対して油室23への潤滑油の供給を促すように構成されている。これによって、作業者は、カム機構12の油室23に対する適切な注油時機を容易に認識することができるようになっており、このときに、油室23に対する注油を行うことによって、変速操作の緩慢化や摩耗による耐久性の低下などを解消できるようになっている。
【0008】図1及び図5に示すように、苗植付装置4の左右両側部には、外方に突出して圃場面に走行指標線を描く作用姿勢と、苗植付装置4側に起立して引退する格納姿勢とに姿勢切換自在に構成された線引きマーカ29が備えられている。図5及び図6に示すように、この線引きマーカ29の先端部には、線引きマーカ29内に位置させた格納状態と、線引きマーカ29から外側方に伸長させた作用状態とに、伸縮自在に構成された補助マーカ29aが装備されており、線引きマーカ29を作用姿勢に切り換えた状態で補助マーカ29aを作用状態にすることによって、一工程分の植え付け幅を確保できるようになっている。つまり、枕地植えなどを行うような場合には、線引きマーカ29を作用姿勢に切り換えるとともに補助マーカ29aを作用状態に切り換えた状態で、補助マーカ29aの先端が畦に沿うように走行させることによって、畦と田植機との間に一工程分の植え付け幅を確保した状態での苗の植え付けを容易に行えるようになっている。
【0009】[別実施例]以下、本発明の別実施例を列記する。
■ ベルト式無段変速装置6としては、駆動プーリ6Aと従動プーリ6Bのいずれか一方がカム機構12の作用により伝動ベルト11の巻き掛け比が変更される割りプーリ10で構成されたものであってもよい。
■ 荷重測定器27としては、圧力センサや歪みゲージなどを採用することができる。
■ 警報器28としては、警報ブザーや警告灯などを採用することができる。
■ 図7に示すように、注油用作動装置Aとしては警報器28に代えて、荷重測定器27からの測定値Xaが所定値Xo以上になると、カム機構12の油室23に対して潤滑油を自動的に圧送するポンプ30で構成するようにしてもよい。
【0010】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成6年12月7日(1994.12.7)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−135004(P2000−135004A)
【公開日】 平成12年5月16日(2000.5.16)
【出願番号】 特願平11−262043