| 【発明の名称】 |
薬剤散布車 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂井 透
【氏名】末松 幸治
【氏名】黒田 勝博
【氏名】池田 隆弘
【氏名】花房 昌弘
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| 【要約】 |
【課題】水田の回行領域や枕地をいためることなく、効率良く薬剤散布作業を行なうこと。
【解決手段】左右一対のクローラ式の走行部間に車体フレームを介設し、同車体フレーム上に、原動機部と、同原動機部に連動連結した旋回用HST及び直進用HSTと、両HSTと上記走行部との間に介設したミッション部と、各HSTに設けた斜板を操作可能とした運転部とを設け、運転部に設けたステアリングハンドルの旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部をそれぞれ増減速作動させて、一方の走行部が減速する緩旋回と、一方の走行部が停止するピボットターンと、一方の走行部が他方の走行部とは反対方向に進行すべく作動するスピンターンのいずれかの形態で車体を旋回可能とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 薬剤タンク(8) と、同薬剤タンク(8) に連通連結した薬剤散布装置(9) とを具備する薬剤散布車であって、左右一対のクローラ式の走行部(1L,1R) 間に車体フレーム(2) を介設し、同車体フレーム(2) 上に、原動機部(3) と、同原動機部(3) に連動連結した旋回用HST(50)及び直進用HST(51)と、両HST(50,51) と上記走行部(1L,1R) との間に介設したミッション部(4) と、各HST(50,51) に設けた斜板を操作可能とした運転部(5) とを設け、走行部(1L,1R) は、ミッション部(4) に連動連設すると共に、車体フレーム(2) の左右側略中央部に配置した駆動輪(11L,11R) と、各駆動輪(11L,11R) の前後側下方位置にそれぞれ配置した従動輪(12L,12R,13L,13R) と、三角形の頂点を形成する位置に配置したこれら各駆動輪(11L,11R) と各前・後側従動輪(12L,12R,13L,13R) との間に巻回した履帯(14L,14R) とを具備し、運転部(5) に設けたステアリングハンドル(144) の旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部(1L,1R) をそれぞれ増減速作動させて、一方の走行部が減速する緩旋回と、一方の走行部が停止するピボットターンと、一方の走行部が他方の走行部とは反対方向に進行すべく作動するスピンターンのいずれかの形態で車体を旋回可能としたことを特徴とする薬剤散布車。 【請求項2】 旋回用HST(50)と直進用HST(51)からの動力をそれぞれミッション部(4) に設けた左・右遊星歯車機構(65L,65R) に合流させ、各遊星歯車機構(65L,65R) より左右一対の走行部(1L,1R) を駆動する左右走行駆動軸(105L,105R) にそれぞれ動力を伝達可能としたことを特徴とする請求項1記載の薬剤散布車。 【請求項3】 左・右遊星歯車機構(65L,65R) にそれぞれ設けたサンギヤ(74L,74R) に旋回用HST(50)を連動連結する一方、左・右遊星歯車機構(65L,65R) にそれぞれ設けたリングギヤ(79L,79R) に直進用HST(51)を連動連結して、上記リングギヤ(79L,79R) にサンギヤ(74L,74R) をプラネタリギヤ(77L,77R)を介して噛合させたことを特徴とする請求2記載の薬剤散布車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤散布車に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、薬剤散布車の一形態として、走行車体に薬剤タンクと、同薬剤タンクに連動連結した薬剤散布装置とを設けて、同薬剤散布装置により水田に植生している若苗に薬剤を散布するようにしたものがある。 【0003】そして、走行車体は、ホイール式の水田走行用の車輪を具備して、水田中にて若苗を跨ぐようにして走行するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した薬剤散布車では、水田内の回行領域において走行車体を回行(Uターン)させる際に、回行側の後車輪を停止させて、同後車輪を耕盤上にてスリップさせながら旋回させるために、同後車輪によって回行領域の水田や枕地がいためられるという不具合がある。 【0005】しかも、後車輪幅が小さいために、接地圧が大きくなり、この点からも回行領域の水田や枕地のいたみがひどくなっている。 【0006】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、薬剤タンクと、同薬剤タンクに連通連結した薬剤散布装置とを具備する薬剤散布車であって、左右一対のクローラ式の走行部間に車体フレームを介設し、同車体フレーム上に、原動機部と、同原動機部に連動連結した旋回用HST及び直進用HSTと、両HSTと上記走行部との間に介設したミッション部と、各HSTに設けた斜板を操作可能とした運転部とを設け、走行部は、ミッション部に連動連設すると共に、車体フレームの左右側略中央部に配置した駆動輪と、各駆動輪の前後側下方位置にそれぞれ配置した従動輪と、三角形の頂点を形成する位置に配置したこれら各駆動輪と各前・後側従動輪との間に巻回した履帯とを具備し、運転部に設けたステアリングハンドルの旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部をそれぞれ増減速作動させて、一方の走行部が減速する緩旋回と、一方の走行部が停止するピボットターンと、一方の走行部が他方の走行部とは反対方向に進行すべく作動するスピンターンのいずれかの形態で車体を旋回可能としたことを特徴とする薬剤散布車を提供せんとするものである。 【0007】また、本発明は、旋回用HSTと直進用HSTからの動力をそれぞれミッション部に設けた左・右遊星歯車機構に合流させ、各遊星歯車機構より左右一対の走行部を駆動する左右走行駆動軸にそれぞれ動力を伝達可能としたこと、及び、左・右遊星歯車機構にそれぞれ設けたサンギヤに旋回用HSTを連動連結する一方、左・右遊星歯車機構にそれぞれ設けたリングギヤに直進用HSTを連動連結して、上記リングギヤにサンギヤをプラネタリギヤを介して噛合させたことにも特徴を有する。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について説明する。 【0009】すなわち、本発明に係る薬剤散布車は、薬剤タンクと、同薬剤タンクに連通連結した薬剤散布装置とを具備しており、左右一対のクローラ式の走行部間に車体フレームを介設し、同車体フレーム上に、原動機部と、同原動機部に連動連結した旋回用HST及び直進用HSTと、両HSTと上記走行部との間に介設したミッション部と、各HSTに設けた斜板を操作可能とした運転部とを設け、走行部は、ミッション部に連動連設すると共に、車体フレームの左右側略中央部に配置した駆動輪と、各駆動輪の前後側下方位置にそれぞれ配置した従動輪と、三角形の頂点を形成する位置に配置したこれら各駆動輪と各前・後側従動輪との間に巻回した履帯とを具備し、運転部に設けたステアリングハンドルの旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部をそれぞれ増減速作動させて、一方の走行部が減速する緩旋回と、一方の走行部が停止するピボットターンと、一方の走行部が他方の走行部とは反対方向に進行すべく作動するスピンターンのいずれかの形態で車体を旋回可能としている。 【0010】このようにして、回行領域において車体をスピンターンさせることにより、速やかに車体を回行させることができると共に、履帯による接地圧を小さくすることができて、水田の回行領域や枕地をいためることがない。 【0011】そして、旋回用HSTと直進用HSTからの動力をそれぞれミッション部に設けた左・右遊星歯車機構に合流させ、各遊星歯車機構より左右一対の走行部を駆動する左右走行駆動軸にそれぞれ動力を伝達可能としている。 【0012】このようにして、ステアリングハンドルの旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部をそれぞれスムーズに増減速作動させて、車体を緩旋回、ピボットターン、及び、スピーンターンの内のいずれか一つの形態でスムーズに旋回させることができる。 【0013】従って、薬剤散布作業能率を向上させることができる。 【0014】また、左・右遊星歯車機構にそれぞれ設けたサンギヤに旋回用HSTを連動連結する一方、左・右遊星歯車機構にそれぞれ設けたリングギヤに直進用HSTを連動連結して、上記リングギヤにサンギヤをプラネタリギヤを介して噛合している。 【0015】このようにして、旋回用HSTからの動力をサンギヤに入力して、同サンギヤからリングギヤにプラネタリギヤを介して減速することができて、同リングギヤより走行駆動軸へ伝達される回転トルクを増大させることができる。 【0016】従って、水田中では、クローラ式の走行部も自重により沈下して旋回抵抗が大きくなるにもかかわらず、大きな回転トルクで走行部を駆動して、スムーズに車体を旋回させることができ、この点からも薬剤散布作業能率を向上させることができる。 【0017】 【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。 【0018】図1〜図3に示すAは、本発明に係る薬剤散布車であり、同薬剤散布車Aは、左右一対のクローラ式の走行部1L,1R 間に車体フレーム2を介設し、同車体フレーム2上に、原動機部3とミッション部4と運転部5と作動油タンク6と燃料タンク7と薬剤タンク8と薬剤散布装置9とを設けている。Gは水田、Nは、水田Gに植生している若苗である。 【0019】走行部1L,1R は、前後方向に伸延させて形成した走行フレーム10L,10R と、各走行フレーム10L,10R の中途部上方位置において後述する後側ミッションケース42に連動連結した駆動輪11L,11R と、各走行フレーム10L,10R の前後端部にそれぞれ取付けた従動輪12L,12R,13L,13R と、三角形の頂点を形成するこれらの回りに巻回した履帯14L,14R と、各履帯14L,14R の下側回動側部をガイドすべく走行フレーム10L,10R の下側部に取付けたガイドローラ15L,15R 及びイコライザ16L,16R とを具備している。 【0020】そして、各走行フレーム10L,10R には、前後一対の支持フレーム17L,17R,18L,18R の下端を取付け、各支持フレーム17L,17R,18L,18R を略垂直上方に立上げると共に、各支持フレーム17L,17R,18L,18R を中途部より内側方へ屈曲させて、各先端部に車体フレーム2を連結している。 【0021】このようにして、車体フレーム2の地上高を大きく確保することができ、水田Gに植生している若苗Nを跨ぐようにして走行して、若苗Nを損傷等させることなく薬剤散布作業を行なうことができる。 【0022】ここで、前記した駆動輪11L,11R は、前後一対の支持フレーム17L,17R,18L,18R 間に配置している。 【0023】このようにして、左右一対の走行フレーム10L,10R 上に車体フレーム2を前後一対の支持フレーム17L,17R,18L,18R を介して確実に支持することができると共に、前後一対の支持フレーム17L,17R,18L,18R により駆動輪11L,11R を前後方向より保護することができる。 【0024】そして、図3に示すように、前後一対の支持フレーム17L,17R,18L,18R は、履帯幅(左右幅)W2,W2 内に位置する中途部の地上高H2、さらには、履帯14L,14Rよりも内方へ伸延する部分の地上高が、少なくとも水田Gに植生する若苗Nの地上高H1(例えば、60cm)よりも高くなるように設定している。 【0025】このようにして、支持フレーム17L,17R,18L,18R が若苗Nに干渉することがなく、同若苗Nを支持フレーム17L,17R,18L,18R により損傷等するのを防止することができる。 【0026】また、履帯14L,14R の履帯幅W2は、水田Gに植生する若苗Nの株間W1の半分以下に設定している。 【0027】このようにして、若苗Nの株間W1を走行部1L,1R が移動する際にも、同走行部1L,1R の履帯14L,14R 、又は、履帯14L,14R の沈下にともなって側方へ押出される泥土gによって若苗Nが倒伏される等の不具合を防止することができる。 【0028】車体フレーム2は、図1及び図6に示すように、前後方向に伸延させて断面コ字状に形成した左右一対の車体フレーム形成体2aL,2aR を具備している。 【0029】原動機部3は、車体フレーム2上の前部に配設しており、エンジンEを主要部として、ボンネット41により被覆している。 【0030】ミッション部4は、図6に示すように、車体フレーム2の中央部に配設した後側ミッションケース42と、車体フレーム2の前部に配設した前側ミッションケース43とを伝動機構44により連動連結すると共に、両ミッションケース43,42 のケース本体46,45 同士の下部をゴムホース等の連通パイプ47により連通連結している。 【0031】ここで、前・後側ミッションケース43,42 は、それぞれ作動用油圧タンクを兼用しており、両ミッションケース43,42 を連通パイプ47により連通連結することにより、両ミッションケース43,42 内に貯留をさせた油面のレベルを均一に保つことができると共に、一方のミッションケースから給油すれば、両方のミッションケースにも給油が行なえる。 【0032】そして、後側ミッションケース42の前側には、可変容量型油圧ポンプ(図示せず)と定容量型油圧モータ(図示せず)とを具備する操向用変速手段としての旋回用HST50を連動連設し、同旋回用HST50の前側にチャージポンプP1を連動連結する一方、前側ミッションケース43の後側には、可変容量型油圧ポンプ(図示せず)と定容量型油圧モータ(図示せず)とを具備する直進用変速手段としての直進用HST51を連動連設し、同直進用HST51の後側にサーボポンプP2を連動連設している。 【0033】しかも、旋回用HST50の可変容量型油圧ポンプとチャージポンプP1とサーボポンプP2と直進用HST51の可変容量型油圧ポンプは、エンジンEにフライホイール部52と第一伝動機構53と第二伝動機構54とを介して直列的に連動連結している。 【0034】後側ミッションケース42は、図6に示すように、ケース本体45内に第一伝動機構53と連動連結したポンプ駆動用入力ギヤ60と、同入力ギヤ60に噛合させると共に、旋回用HST50の可変容量型油圧ポンプの入力軸に連動連結したポンプ駆動用出力ギヤ61と、旋回用HST50の定容量型油圧モータの出力軸に連動連結した旋回用入力ギヤ62と、同入力ギヤ62に噛合させた旋回用出力ギヤ63と、同出力ギヤ63に連動連結した正逆転歯車機構64と、同正逆転歯車機構64に連動連結した左・右遊星歯車機構65L,65R と、各遊星歯車機構65L,65R に連動連結した左・右走行伝動軸66L,66R とを具備している。 【0035】そして、正逆転歯車機構64は、左右一対の旋回操向軸67L,67R と、各旋回操向軸67L,67R の内側端部に取付けた旋回用受動傘歯車68L,68R と、両受動傘歯車68L,68R に噛合する旋回用原動傘歯車69と、同原動傘歯車69を支持すると共に前記旋回用出力ギヤ63に連動連結した原動軸70と、右側の旋回用操向軸67R の右側端部に取付けた多板油圧式のブレーキ部71と、各旋回操向軸67L,67R の外側端部に取付けた出力用平歯車72L,72R とを具備している。 【0036】左・右遊星歯車機構65L,65R は、歯車支軸73L,73R と、各歯車支軸73L,73R に同軸的に取付けた入力用平歯車一体成形サンギヤ74L,74R 、出力用歯車75L,75R及びゲージ76L,76R と、各ゲージ76L,76R に取付けたプラネタリギヤ77L,77R と、両歯車支軸73L,73R 間にて同一軸線上に位置させて転動自在に介設した中間軸78と、同中間軸78の左右側部にそれぞれ取付けると共に、上記プラネタリギヤ77L,77R に噛合させたリングギヤ79L,79R と、中間軸78の中央部に取付けた直進用受動傘歯車80と、同受動傘歯車80に噛合させると共に、前記伝動機構44の前端部に連動連結した直進用原動傘歯車81とを具備している。 【0037】左・右走行伝動軸66L,66R は、ケース本体45の左右側下部よりそれぞれ左右側方へ伸延させて形成した駆動軸ケース85L,85R 中に挿通しており、各伝動軸66L,66R の内側端部に、前記出力用歯車75L,75R と噛合する入力用歯車86L,86R を取付けている。 【0038】そして、駆動軸ケース85L,85R は、それぞれ車体フレーム形成体2aL,2aR に支持ブラケット88L,88R を介して連結ボルト89,89 により連結して支持させている。 【0039】しかも、右側の車体フレーム形成体2Ra には、前記ブレーキ部71の外側方に整合する個所に開口部90を開口し、同開口部90を右側の支持ブラケット88R により開閉自在に閉蓋して、同支持ブラケット88R を開口部90の蓋体としても機能させている。 【0040】ここで、ブレーキ部71は、開口部90と対面する側に着脱蓋71a をボルト91により着脱自在に取付けて、内部の多板71b 等を着脱蓋71a を取外すことにより、容易に取出し可能として、メンテナンス等が楽に行なえるようにしている。 【0041】左・右駆動軸ケース85L,85R には、それぞれファイナルケース27L,27R を連動連結している。 【0042】そして、図6中、103L,103R はファイナル入力軸、104L,104R はファイナル出力ギヤ、105L,105R は走行駆動軸、106L,106R はファイナル入力ギヤ、107L,107R は駆動輪取付体である。 【0043】前側ミッションケース43は、図7に示すように、ケース本体46内に直進用入力軸110 と直進用中間軸111 と直進用出力軸112 とを平行状態に横架して、これら各軸110,111,112 を第1〜第7直進用伝動ギヤ113,114,115,116,117,118,119 を介して連動連結しており、直進用入力軸110 は、前記直進用HST51の定容量型油圧モータMbの出力軸120 に油圧式の直進用クラッチ部121 を介して連動連結する一方、直進用出力軸112 は前記伝動機構44に連動連結している。122 は直進用ブレーキ部、123 は直進用変速部である。 【0044】そして、上記ケース本体46内には、図7に示すように、PTO用入力軸125 とPTO用中間軸126 とPTO軸127 とを平行状態に横架して、これら各軸125,126,127 を第1〜第8PTO用伝動ギヤ128,129,130,131,132,133,134,135 を介して連動連結しており、PTO用入力軸125 は、前記可変容量型油圧ポンプPbを駆動すべくエンジンEと直結した駆動軸136 に油圧式のPTO用クラッチ部137 を介して連動連結している。138 はPTO用変速部である。 【0045】運転部5は、図1、図2及び図8に示すように、ボンネット41の前端部にダッシュボード140 とハンドルコラム141 とを一体的に連設し、同ハンドルコラム141 に後側ハンドル支柱142 を設けると共に、車体フレーム2の前部に前側ハンドル支柱143 を設けて、これら前・後側ハンドル支柱143,142 に1個のステアリングハンドル144 を付替え自在に取付け、これら前・後側ハンドル支柱143,142 間に運転席145 を運転席支持体146 を介して前後方向へ反転自在に配設して、同運転席145 に前方向きに着座して行なう前方向き運転操作形態と、後方向きに着座して行なう後方向き運転操作形態とを選択可能としている。 【0046】そして、後側ハンドル支柱142 は、図8に示すように、車体フレーム2の中途部にボックスステー147 を介して固設した後側ステアリングボックス148 に連動連結しており、後側ステアリングボックス148 より上方へ突出させた入力軸149に、ステアリングシャフト150 の下端部をユニバーサルジョイント162 を介して連動連結し、同ステアリングシャフト150 の上端部に筒状ステリアングシャフト151 の下端部を連動連結し、同筒状ステアリングシャフト151 の上端部にステアリングハンドル144 に取付けたハンドル支軸152 を抜差し自在に挿通すると共に、ステアリングシャフト150 にハンドル支軸152 の下端部をスプライン連結体153 を介してスプライン嵌合することにより連動連結可能として、ステアリングハンドル144 と後側ハンドル支柱142 とにより後側の操向手段を形成するようにしている。154 はキャップである。 【0047】また、前側ハンドル支柱143 は、図8に示すように、車体フレーム2の前部にボックス支持台155 を介して固設した前側ステアリングボックス156 に連動連結しており、前記した後側ハンドル支柱142 と同様に構成してステアリングハンドル144 と前側ハンドル支柱143 とにより前側の操向手段を形成するようにしている。157 は入力軸、158 はステアリングシャフト、159 は筒状ステアリングシャフト、160 はスプライン連結体、161 はユニバーサルジョイントである。 【0048】後側ステアリングボックス148 と前側ステアリングボックス156 は、基本的構造を同じくしており、各入力軸149,157 にピニオンギヤ165,165 を取付け、各ピニオンギヤ165,165 にセクタギヤ166,166 を噛合させ、各セクタギヤ166,166 をセクタギヤ支軸167,168 により支持すると共に、各セクタギヤ支軸167,168 を下方へ突出させ、各セクタギヤ支軸167,168 の下端部に作動アーム169,170 の基端部を取付けている。 【0049】そして、後側ステアリングボックス148 の作動アーム169 は、図5にも示すように、旋回用HST50の可変容量型油圧ポンプに設けた斜板に連動連結したトラニオンアーム171 に、操向伝達手段としての旋回用リンク機構172 を介して連動連結して、車体の旋回操作が行なえるようにしている。 【0050】しかも、後側ステアリングボックス148 の作動アーム169 には、連動アーム173 をセクタギヤ支軸167 を介して連動連設し、同連動アーム173 に前側ステアリングボックス156 の作動アーム170 を、操向用連動手段としての旋回用連動ワイヤ174 を介して連動連結している。 【0051】このようにして、前側の操向手段によっても旋回用リンク機構172 を介して旋回用HST50の可変容量型油圧ポンプに設けた斜板(図示せず)を作動させて、車体の旋回操作が行なえるようにしている。 【0052】すなわち、運転部5に設けたステアリングハンドル144 の旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部1L,1R をそれぞれ増減速作動させて、一方の走行部1L(1R)が減速する緩旋回と、一方の走行部1L(1R)が停止するピボットターンと、一方の走行部1L(1R)が他方の走行部1R(1L)とは反対方向に進行すべく作動するスピンターンのいずれかの形態で車体を旋回可能としている。 【0053】また、前側ハンドル支柱143 は、車体フレーム2の前部より上方へ膨出状に形成した前側カバー体180 との間に、中折れ自在の連結体181 を介設して、使用位置(イ)と、その後方へ傾倒させた収納位置(ロ)との間で位置変更自在としている。 【0054】前記した運転席支持体146 は、運転部5に形成した床部190 上に立設した支柱としての昇降伸縮支柱182 と、同昇降伸縮支柱182 の上端部に一側方へ張出し状に載設した支持台としての旋回台183 とを具備しており、184 は昇降ストッパーピン、185 は旋回ストッパーピン、186 は旋回ストッパーピン操作レバー、187は昇降シリンダ、188 は昇降操作レバーである。 【0055】このようにして、前方向き運転操作形態では、昇降伸縮支柱182 を伸長状態にて固定すると共に、旋回台183 上に載置した運転席145 が前方向きとなるように旋回台183 を旋回させて固定する一方、後方向き運転操作形態では、昇降伸縮支柱182 を短縮状態にて固定すると共に、旋回台183 上に載置した運転席145 が後方向きとなるように旋回台183 を旋回させて固定することができる。 【0056】この際、旋回台183 は、昇降伸縮支柱182 の上端部に一側方へ張出し状に載設しているために、各運転操作状態において、運転席145 とステアリングハンドル144 との間の間隔、すなわち、運転操作空間を適度に確保することができて、オペレータは、楽に運転操作が行なえて、疲労を少なくすることができる。 【0057】また、運転部5には、図2及び図9に示すように、運転席145 の下方に形成した床部190 の後部右側にアクセルペダル191 とブレーキペダル192 を近接させて配設する一方、床部190 の前部の右側にアクセルペダル193 を配設すると共に、床部190 の前部の左側にブレーキペダル194 を配設している。 【0058】そして、後側のアクセルペダル191 は、アクセル作動軸195 に連動連結し、同アクセル作動軸195 は、ハンドルコラム141 の左側壁に取付けたアクセルレバー196 にアクセル連動機構197 を介して連動連結し、同アクセルレバー196 はエンジンEにアクセルワイヤ198 を介して連動連結している。 【0059】しかも、後側のアクセルペダル191 に連動連結したアクセル作動軸195 と、前側のアクセルペダル193 に連動連結したアクセル支軸199 との間には、アクセル用連動手段としてのアクセル用連動ワイヤ200 を介設して、前側のアクセルペダル193 を踏込み操作した場合にも、後側のアクセルペダル191 を踏込み操作した場合と同様に、アクセル操作が行なえるようにしている。 【0060】また、後側のブレーキペダル192 は、後側ブレーキ支軸201 に連動連結し、同ブレーキ支軸201 にブレーキ作動アーム202 を連動連設して、同ブレーキ作動アーム202 に前記直進用ブレーキ部122 を連動連結している。 【0061】しかも、後側ブレーキ支軸201 には後側ブレーキ連動アーム203 を連動連設する一方、前側のブレーキペダル194 に連動連結した前側ブレーキ支軸204 には前側ブレーキ連動アーム205 を連動連設して、両ブレーキ連動アーム203,205 間にブレーキ用連動手段としてのブレーキ用連動ワイヤ206 を介設して、前側のブレーキペダル194 を踏込み操作した場合にも、後側のブレーキペダル192 を踏込み操作した場合と同様に、ブレーキ操作が行なえるようにしている。 【0062】ここで、前側のアクセルペダル193 とブレーキペダル194 は、図9に示すように、後方向き運転操作形態では、運転席145 の下方への投影面積内に配置している。 【0063】そして、運転席145 は、図1及び図2に示すように、左右方向に略連続する床部190 上に配設し、同運転席145 の左右両方向にそれぞれ開放空間208,209 を形成して、車体の左右いずれの方向からも開放空間208,209 を通して楽に乗降が行なえるようにしている。 【0064】しかも、運転席145 は、図1に示すように、左右一対の走行部1,1が相互に反対方向に進行すべく作動して車体を旋回させるスピンターンの旋回中心線Cの近傍に配置している。 【0065】このようにして、車体がスピンターンした際に、運転席145 に着座しているオペレータは、大きく振り回されることがなく、恐怖感を感じることなく、安心して薬剤散布作業を行なうことができる。 【0066】また、前方向き運転操作形態において、運転席145 の右側方に前記作動油タンク6を配設すると共に、同作動油タンク6の内側方に副変速レバー210 とPTO変速レバー211 を配設する一方、左側方に前記燃料タンク7を配設すると共に、同燃料タンク7の内側方に主変速レバー212 とポジションレバー213 とサブコントロールレバー214 とコントロールボックス215 とを配設している。 【0067】そして、上記した各レバー210,211,212,213,214 は、前方向き運転操作形態はもとより、後方向き運転操作形態においても操作可能としている。 【0068】薬剤タンク8は、図1及び図2に示すように、車体フレーム2の後端部より補助フレーム220 を後方へ向けて延設して、同補助フレーム220 上に載設しており、同薬剤タンク8は、ボンネット41の直後方位置に配置したタンク本体221 と、同タンク本体221 の左右側部よりボンネット41の左右側壁に沿わせて前方へ延設させて形成した左右側伸延部形成体222,223 とから、平面視コ字状に形成している。 【0069】このようにして、薬剤タンク8の容積を可及的に大きく形成している。 【0070】薬剤散布装置9は、図1〜図3及び図10に示すように、車体フレーム2の前端部に装置支持枠体225 を上側連結体226 と左右一対の下側連結体227,227 とを介して連結し、装置支持枠体225 に、薬剤タンク8と連通連結した薬剤吐出用ポンプ228 と、同薬剤吐出用ポンプ228 から吐出される薬剤を圧送する圧送ファン229 と、同圧送ファン229 より圧送されてくる薬剤を若苗N上に散布する散布部230 とを設けている。 【0071】薬剤吐出用ポンプ228 は、図4にも示すように、PTO軸127 に伝動ケース231 とポンプ用伝動シャフト232 と減速ケース233 とポンプ用伝動ベルト234 とを介して連動連結している。235 は入力プーリ、236 は出力プーリ、237 は連動ベルト、238 はポンプ用出力プーリ、239 はポンプ用入力プーリである。 【0072】圧送ファン229 は、図4にも示すように、PTO軸127 に伝動ケース231 とファン用伝動シャフト240 とファン用伝動ベルト241 とを介して連動連結している。242 はファン用出力プーリ、243 はファン用入力プーリである。 【0073】散布部230 は、装置支持枠体225 に昇降機構250 を取付け、同昇降機構250 に上下揺動機構251 を取付け、同上下揺動機構251 に散布用パイプ252 を取付けている。 【0074】昇降機構250 は、装置支持枠体225 にスライド体253 を上下スライド自在に取付け、同スライド体253 を装置支持枠体225 に立設した昇降用シリンダ254 により昇降可能としている。 【0075】上下揺動機構251 は、スライド体253 の中央部に、左右方向に伸延する揺動アーム255 の中央部を、前後方向に軸線を向けた枢軸256 により枢支し、同揺動アーム255 の右側部と装置支持枠体225 との間に揺動用シリンダ257 を介設している。258 は衝撃吸収用のダンパーである。 【0076】ここで、揺動用シリンダ257 は、装置支持枠体225 の姿勢が水田の耕盤の凹凸により変化したことを検出して伸縮作動し、散布用パイプ252 の姿勢が水平に保持されるように、コントロールボックス215 を介して姿勢制御すべく構成している。 【0077】そして、揺動アーム255 の左右側端部には、それぞれ回動アーム259,259 の基端部を上下方向に軸線を向けた枢軸260,260 を介して枢支し、両アーム255,259,259 の間には回動用シリンダ261,261 を介設している。262 は、収納状態保持用スプリングである。 【0078】散布用パイプ252 は、左右方向に伸延させて揺動アーム255 に取付けた固定側パイプ形成体265 と、同固定側パイプ形成体265 の左右側端部に可撓性連結体266,266 を介して接続し、かつ、回動アーム259,259 に取付けた第1可動側パイプ形成体267,267 と、各第1可動側パイプ形成体267,267 の先端部に基端部を可撓性連結体268,268 を介して接続すると共に、折返し用連結ブラケット269,269 を介して折返し自在に連結した第2可動側パイプ形成体270,270 とから形成している。 【0079】そして、各パイプ形成体265,267,270 には薬剤散布用ノズル271 を長手方向に一定の間隔を開けて形成し、各ノズル271,271 間には送風孔272 を形成している。 【0080】このようにして、散布部230 は、散布用パイプ252 を昇降機構250 により適宜昇降位置調節自在とすると共に、薬剤散布作業中は、上下揺動機構251 により姿勢制御されて、水平姿勢を保持することができるようにしている。 【0081】そして、散布用パイプ252 は、第1可動側パイプ形成体267,267 を回動用シリンダ261,261 により左右方向に張出した使用姿勢と、車体の側方に沿わせた収納姿勢との間で回動させて姿勢変更自在とし、第2可動側パイプ形成体27,270を第1可動側パイプ形成体267,267 と同一伸延方向に張出した使用姿勢と、第1可動側パイプ形成体267,267 の上側面に重合すべく折返した収納姿勢との間で回動させて姿勢変更自在としている。 【0082】また、本実施例では、左右一対のクローラ式の走行部1L,1R 間に車体フレーム2を介設し、同車体フレーム2上の前部に運転部5を配設し、同運転部5の後方位置に原動機部3を配設し、同原動機部3の後方位置に薬剤タンク8を配設する一方、車体フレーム2の前方位置に薬剤散布装置9を配設しているために、車体の前後重量バランスを良好に確保することができて、走行安定性を向上させることができる。 【0083】しかも、走行部1L,1R はクローラ式としているために、ホイール式のものに比べて接地圧を小さくすることができて、水田をいためないようにすることができる。 【0084】さらに、薬剤散布装置9を車体の前方位置に配設しているために、運転部5の運転席145 に着座したオペレータは、同薬剤散布装置9による薬剤の散布状況を視認しながら、操向操作を行なうことができ、薬剤散布作業の安全性と確実性とを確保することができる。 【0085】 【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。 【0086】■ 請求項1記載の本発明では、左右一対のクローラ式の走行部間に車体フレームを介設し、同車体フレーム上に、原動機部と、同原動機部に連動連結した旋回用HST及び直進用HSTと、両HSTと上記走行部との間に介設したミッション部と、各HSTに設けた斜板を操作可能とした運転部とを設け、走行部は、ミッション部に連動連設すると共に、車体フレームの左右側略中央部に配置した駆動輪と、各駆動輪の前後側下方位置にそれぞれ配置した従動輪と、三角形の頂点を形成する位置に配置したこれら各駆動輪と各前・後側従動輪との間に巻回した履帯とを具備し、運転部に設けたステアリングハンドルの旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部をそれぞれ増減速作動させて、一方の走行部が減速する緩旋回と、一方の走行部が停止するピボットターンと、一方の走行部が他方の走行部とは反対方向に進行すべく作動するスピンターンのいずれかの形態で車体を旋回可能としているために、回行領域において車体をスピンターンさせることにより、速やかに車体を回行させることができると共に、履帯による接地圧を小さくすることができて、水田の回行領域や枕地をいためることがない。 【0087】■ 請求項2記載の本発明では、旋回用HSTと直進用HSTからの動力をそれぞれミッション部に設けた左・右遊星歯車機構に合流させ、各遊星歯車機構より左右一対の走行部を駆動する左右走行駆動軸にそれぞれ動力を伝達可能としているために、ステアリングハンドルの旋回操作切角に連動して、左右一対の走行部をそれぞれスムーズに増減速作動させて、車体を緩旋回、ピボットターン、及び、スピーンターンの内のいずれか一つの形態で旋回させることができる。 【0088】従って、薬剤散布作業能率を向上させることができる。 【0089】■ 請求項3記載の本発明では、左・右遊星歯車機構にそれぞれ設けたサンギヤに旋回用HSTを連動連結する一方、左・右遊星歯車機構にそれぞれ設けたリングギヤに直進用HSTを連動連結して、上記リングギヤにサンギヤをプラネタリギヤを介して噛合しているために、旋回用HSTからの動力をサンギヤに入力して、同サンギヤからリングギヤにプラネタリギヤを介して減速することができて、同リングギヤより走行駆動軸へ伝達される回転トルクを増大させることができる。 【0090】従って、水田中では、クローラ式の走行部も自重により沈下して旋回抵抗が大きくなるにもかかわらず、大きな回転トルクで走行部を駆動して、スムーズに車体を旋回させることができ、この点からも薬剤散布作業能率を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月28日(1998.9.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080160 【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−92914(P2000−92914A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願平10−273635 |
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