| 【発明の名称】 |
トラクタ |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 健太郎
【氏名】服部 彰夫
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| 【要約】 |
【課題】泥や飛来物によるピストンロッド及びシールの損傷・腐食を防止する。
【解決手段】機体後部に配置のミッションケースに左右向き軸芯P3周りに上下揺動自在なリフトアーム12を取り付け、このリフトアーム12を揺動駆動する油圧シリンダ14を、ピストンロッド19の先端をリフトアーム12に連結しかつシリンダチューブ15の下端をミッションケースに連結する状態でミッションケースの後部外方に配置し、油圧シリンダ14が伸長した状態でピストンロッド19の外周を覆うシリンダカバー23をシリンダチューブ15に対してピストンロッド19と一体に移動する状態でピストンロッド19に取り付ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体後部に配置のミッションケースに左右向き軸芯周りに上下揺動自在なリフトアームを取り付け、このリフトアームを揺動駆動する油圧シリンダを、ピストンロッドの先端をリフトアームに連結しかつシリンダチューブの下端をミッションケースに連結する状態でミッションケースの後部外方に配置してあるトラクタであって、前記油圧シリンダが伸長した状態でピストンロッドの外周を覆うシリンダカバーをシリンダチューブに対してピストンロッドと一体に移動する状態でピストンロッドに取り付けてあるトラクタ。 【請求項2】 シリンダカバーが、ピストンロッドの左右及び後方を覆う状態で前方に開放した構造のものである請求項1記載のトラクタ。 【請求項3】 油圧シリンダが、シリンダチューブ内のうちピストンの一方側に位置する室を油室としかつ他方側に位置する室を空気室とする単動型の油圧シリンダであり、前記空気室に形成の通気孔を連通用のチューブを介してミッションケース内に連通させてある請求項1又は2記載のトラクタ。 【請求項4】 油圧シリンダとは別の油圧機器の制御バルブをミッションケースの上面に取り付け、この制御バルブのミッションケース内へのドレンポートを介して連通用のチューブをミッションケース内に連通させてある請求項3記載のトラクタ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耕耘ロータリーなどの対地作業装置を駆動昇降自在に連結するトラクタで、詳しくは、機体後部に配置のミッションケースに左右向き軸芯周りに上下揺動自在なリフトアームを取り付け、このリフトアームを揺動駆動する油圧シリンダを、ピストンロッドの先端をリフトアームに連結しかつシリンダチューブの下端をミッションケースに連結する状態でミッションケースの後部外方に配置してあるものに関する。 【0002】 【従来の技術】この種のトラクタでは、リフトアームを揺動駆動する油圧シリンダをミッションケースの後部外方に配置してあるから、例えば、油圧シリンダをミッションケースの上部に組み込んであるものに比較して、ミッションケースの上部に配置する座席を低くできる利点を有する。 【0003】そのような利点を有する従来のトラクタでは、油圧シリンダのピストンロッドが外部に露出していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来の技術によるときは、泥や飛来物がピストンロッドに付着したり当たったりし、しかも、ピストンロッドとシリンダチューブとの間のシール(ダストシールなど)が上を向いてそこに泥や飛来物が溜まりやすいから、ピストンロッドやシールが損傷・腐食しやすいものであった。 【0005】本発明の目的は、泥や飛来物によるピストンロッド及びシールの損傷・腐食を防止する点にある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る本第1発明の特徴、作用、効果は次の通りである。 【0007】〔特徴〕機体後部に配置のミッションケースに左右向き軸芯周りに上下揺動自在なリフトアームを取り付け、このリフトアームを揺動駆動する油圧シリンダを、ピストンロッドの先端をリフトアームに連結しかつシリンダチューブの下端をミッションケースに連結する状態でミッションケースの後部外方に配置してあるトラクタであって、前記油圧シリンダが伸長した状態でピストンロッドの外周を覆うシリンダカバーをシリンダチューブに対してピストンロッドと一体に移動する状態でピストンロッドに取り付けてある点にある。 【0008】〔作用〕本第1発明によるときは、ピストンロッドの外周を覆うシリンダカバーをシリンダチューブに対してピストンロッドと一体に移動する状態でピストンロッドに取り付けて、油圧シリンダの伸縮の全域においてシリンダカバーでピストンロッド及びシールを覆うようにしてあるから、泥や飛来物のピストンロッドの付着やシール部に泥や飛来物が溜まることを防止することができる。 【0009】〔効果〕従って、本第1発明によれば、シリンダカバーを設けるだけの簡単な構造改良により、ピストンロッド及びシールの泥・飛来物による損傷・腐食を防止できるようになった。 【0010】請求項2に係る本第2発明の特徴、作用、効果は次の通りである。 【0011】〔特徴〕上記本第1発明の特徴において、シリンダカバーが、ピストンロッドの左右及び後方を覆う状態で前方に開放した構造のものである点にある。 【0012】〔作用〕本第2発明によるときは、油圧シリンダがミッションケースの後部後方に配置することでミッションケースが油圧シリンダに対するカバーとして作用することに着目して、シリンダカバーを、ピストンロッドの左右及び後方を覆う状態で前方に開放した構造のものにしてあるから、泥・飛来物によるピストンロッド及びシールの損傷・腐食を防止しながらも、ピストンカバーのピストンロッドへの取り付けを側方から行え、ピストンロッドをリフトアームから外さなくてもピストンカバーを取り付けることができる。つまり、油圧シリンダを組み付けた状態でピストンカバーを取り付けることができる。 【0013】しかも、前方を開放してあるから、洗車時などにピストンカバー内に流れ込んだ泥水を容易に排出させることができる。 【0014】〔効果〕従って、本第2発明によれば、組付け作業性を向上でき、しかも、洗車時などにピストンカバー内に流れ込んだ泥水をピストンカバー内に溜めることなく確実に排出させることができる。 【0015】請求項3に係る本第3発明の特徴、作用、効果は次の通りである。 【0016】〔特徴〕上記本第1発明や本第2発明の特徴において、油圧シリンダが、シリンダチューブ内のうちピストンの一方側に位置する室を油室としかつ他方側に位置する室を空気室とする単動型の油圧シリンダであり、前記空気室に形成の通気孔を連通用のチューブを介してミッションケース内に連通させてある点にある。 【0017】〔作用〕本第3発明によるときは、油圧シリンダの空気室をチューブを介してミッションケース内に連通させて、油室から空気室に漏れたオイルを外部に排出させることなくミッションケースに戻すようにしてあるから、ピストンロッドとシリンダチューブとの間のシールとしてダストシールなどの軽微なもので済む。 【0018】〔効果〕従って、本第3発明によれば、簡単なシールでシール性を向上できるようになった。 【0019】請求項4に係る本第4発明の特徴、作用、効果は次の通りである。 【0020】〔特徴〕上記本第3発明の特徴において、油圧シリンダとは別の油圧機器の制御バルブをミッションケースの上面に取り付け、この制御バルブのミッションケース内へのドレンポートを介して連通用のチューブをミッションケース内に連通させてある点にある。 【0021】〔作用〕本第4発明によるときは、制御バルブのドレンポートを介して前記チューブをミッションケース内に連通させてあるから、ミッションケースにチューブを連通させるための専用の接続口が不要である。 【0022】〔効果〕従って、本第4発明によれば、油圧シリンダの漏出油をミッションケース内に戻す形式を採用しながらも、ミッションケースを構造簡素なものにできる。 【0023】 【発明の実施の形態】トラクタは、図1に示すように、左右一対の操舵用の前輪1と左右一対の駆動後輪2とを備えた機体にエンジンEと搭乗運転部3とを前後に並べて搭載し、機体後部に、耕耘ロータリーなどの対地作業装置4を昇降並びにローリング自在に連結する三点リンク機構5を装着し、対地作業装置4を昇降させる昇降駆動手段と対地作業装置4をローリングさせるローリング駆動手段とを設けて構成されている。 【0024】前記前輪1は前車軸ケースを介して機体に支持されており、駆動後輪2は、図2に示すように、機体後部の一部を構成するミッションケース7に後車軸ケース8を介して支持されている。前記ミッションケース7は、図2及び図8に示すように、上部開口を有するケース本体7Aと上部開口を閉塞する蓋板39とからなり、後方に突出する動力取出し軸60を備えている。 【0025】前記三点リンク機構5は、対地作業装置4を揺動昇降自在に連結する左右一対のロアーリンク9と、揺動昇降に伴う対地作業装置4の前後向き姿勢を規制するトップリンク10とを設けて構成されている。ロアーリンク9は、図2に示すように、後車軸ケース8に第1左右向き軸芯P1周りに上下揺動自在に連結されており、トップリンク10は、図2に示すように、前記ミッションケース7の後部に連結した第1ブラケット11に第2左右向き軸芯P2周りに上下揺動自在に連結されている。 【0026】前記昇降駆動手段は、図2及び図4に詳しく示すように、前記ミッションケース7の上面に連設したリフトブラケット27に支軸28を第3左右向き軸芯P3周りに回動自在に取り付け、この支軸28の両端に左右一対のリフトアーム12を支軸28と一体回動、つまり、上下に一体揺動するようにスプラインを介して取り付け、これらリフトアーム12の上下揺動に伴いロアーリンク9が上下揺動するように対応するリフトアーム12とロアーリンク9とを連結する左右一対のリフトロッド13を設け、前記リフトアーム12を同期して上下揺動させる左右一対の油圧シリンダ14を設けて構成されている。 【0027】前記油圧シリンダ14は、図5に詳しく示すように、シリンダチューブ15内のうちピストン16の一方側に位置する室を油室17としかつ他方側に位置する室を空気室18とする単動型の油圧シリンダであって、ピストンロッド19の先端を軸20を介してリフトアーム12に枢支連結し、かつ、シリンダチューブ15の下端をミッションケース7に連結の第2ブラケット21に軸22を介して枢支連結する状態でミッションケース7の後部外方に配置されている。そして、圧油供給に伴い伸長作動することにより、リフトアーム12を荷重に抗して上昇揺動させ、排油に伴い短縮作動することにより、リフトアーム12を荷重で下降揺動させるものである。シリンダチューブ15の下端には、下端に形成の軸孔15aと軸22との間を潤滑するグリスを注入するためのグリスニップル15Aが付設されており、ピストンロッド19は、圧油供給に伴いピストン16により接当押圧されて移動するものである。つまり、ピストンロッド19は、ピストン16に片当たりして単独に伸長方向に移動自在なものである。 【0028】前記ピストンロッド19には、図2に示し、図5及び図6に詳しく示すように、油圧シリンダ14が伸長した状態でピストンロッド19の外周を覆うシリンダカバー23がシリンダチューブ15に対してピストンロッド19と一体に移動する状態で取り付けられている。前記シリンダカバー23は、図7にも示すように、ピストンロッド19の左右及び後方を覆う状態で前方に開放した断面形状U字形構造のものであって、上端片23aをピストンロッド19の上端ブラケット19aに係止させた状態で上端立上り片23bを上端ブラケット19aにボルト24を介して固定することでピストンロッド19に取り付けられている。 【0029】また、シリンダチューブ15とピストンロッド19との間にはダストシール25が介装されている。 【0030】前記ローリング駆動手段は、図2及び図3に示すように、前記リフトロッド13のうち一方のものを伸縮固定自在な複動型の油圧シリンダ26から形成して、油圧シリンダ26を伸縮させることで一方のロアーリンク9を他方のロアーリンク9に対して揺動させることにより、対地作業装置4をローリングさせるものである。つまり、この油圧シリンダ26が、別の油圧機器の一例である。 【0031】前記両油圧シリンダ14,26を制御する手段は、図3の油圧回路に示すように、ローリング用の油圧シリンダ26に対するローリング制御用の制御バルブ29と、昇降用の油圧シリンダ14に対する昇降制御用の制御バルブ30とを設けて構成されている。 【0032】前記ローリング制御用の制御バルブ29は、エンジンEで駆動される油圧ポンプPからの圧油を制御流と余剰流とに分流するフロープライオリティーバルブ31を備えるとともに、制御流を油圧シリンダ26に供給して油圧シリンダ26を伸長作動させる伸長状態と、制御流を油圧シリンダ26に供給して油圧シリンダ26を短縮作動させる短縮状態と、制御流の油圧シリンダ26への供給を停止して油圧シリンダ26を固定する中立状態とに切り換え操作自在な電磁操作式のローリングバルブ32を備えている。 【0033】前記昇降制御用の制御バルブ30は、昇降制御バルブ部30Aと落下速度(下降速度)調整バルブ部30Bとに分割されている。前記昇降制御バルブ部30Aは、前記フロープライオリティーバルブ31からの余剰流を油圧シリンダ14に供給する上昇弁33と、この上昇弁33をパイロット圧で操作する電磁操作型の上昇用パイロット弁34と、油圧シリンダ14からミッションケース7に作動油を排出する下降弁35と、この下降弁35をパイロット圧で操作する電磁操作型の下降用パイロット弁36とを備えている。前記上昇用パイロット弁34及び下降用パイロット弁36のそれぞれは、電磁ソレノイドに供給される電流値に正比例して開度が変化することでパイロット圧を変化させるものであって、このパイロット圧の変化に応じて上昇弁33及び下降弁35の開度が調整されるようになっている。落下速度調整バルブ部30Bは、上昇弁33からの作動油のみを油圧シリンダ14に供給させるチェック弁37と、操作具38Aの操作量に応じた抵抗を油圧シリンダ14からの排油に与えることで落下速度を調整する全閉可能な可変絞り弁38とを備えている。 【0034】前記ローリング制御用の制御バルブ29と、昇降制御バルブ部30Aと、落下速度調整バルブ部30Bとは、図2及び図4,図8に詳しく示すように、ミッションケース7に形成の上部開口7aを閉塞する蓋板39の上面にその記載順に後方から前方に向かって並ぶ状態で取り付けられている。前記蓋板39の内部には、ローリング制御用の制御バルブ29から昇降制御バルブ部30Aへの油路40と、昇降制御バルブ部30Aから落下速度調整バルブ部30Bへの油路41とが形成されている。 【0035】そして、前記ローリング制御用の制御バルブ29には、ローリング用の油圧シリンダ26に対する一対の油圧ホース42を接続するための一対のローリング用接続部43と、ミッションケース7内への一対のドレンポート44のそれぞれに連通する一対のドレン接続部45と、油圧ポンプPからの油圧配管46に接続するためのポンプ接続部47とが外部に突出する状態で装備させられており、落下速度調整バルブ部30Bには、昇降用の油圧シリンダ14に対する一対の油圧ホース48を接続するための一対の昇降用接続部49が外部に突出する状態で装備させられている。 【0036】前記ドレン接続部45のそれぞれは、図5に示すように、前記昇降用の油圧シリンダ14の空気室18に形成した通気孔50の対応するものに通気用のチューブ51を介して連通している。つまり、空気室18は、通気孔50・チューブ51・ドレン接続部45・ドレンポート44を介してミッションケース7内に連通している。 【0037】図4及び図8に示すように、前記ローリング制御用の制御バルブ29と、昇降制御バルブ部30Aと、落下速度調整バルブ部30Bとを前記蓋板39の上面に取り付ける手段は、上方からのボルト52の締め付け操作で取り付ける手段であり、蓋板39はケース本体7Aに上方から締め付け操作されるボルト53により固定されている。また、前記リフトブラケット27は、蓋板39に載置される状態で蓋板39とケース本体7Aにボルト53で共締め連結されている。 【0038】また、前記搭乗運転部3は、左右の後輪フェンダ54間に配置される座席3Aとステアリングハンドル3Bとを備え、座席3Aは、図2及び図9に示すように、後輪フェンダ54と一体で前記ミッションケース7の上方に配置される座席取付け用のフロアーシート55に取り付けられている。 【0039】前記フロアーシート55のうち制御バルブ29,30群の設置部に対応する箇所には、図4にも示すように、着脱自在な蓋56で開閉されるメンテナンス用の開口57が形成されており、開口57は、平面視においてその外郭内に設置部外郭が位置するように形成されている。前記座席3Aは、フロアーシート55のうち蓋56に取り付けられている。 【0040】〔別実施形態〕上記実施の形態では、別の油圧機器26として、ローリング用の油圧シリンダを示したが、別の油圧機器26としては、ロアーリンク9を左右に揺動させる、つまり、対地作業装置4を左右にシフトさせる油圧シリンダであっても良い。 【0041】上記実施の形態において、シリンダカバー23としてピストンロッド19の外周全体を覆うものに構成する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【識別番号】000104858 【氏名又は名称】クボタ精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月25日(1998.9.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−92912(P2000−92912A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願平10−270982 |
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