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【発明の名称】 ロータリ耕耘装置の残耕処理機構
【発明者】 【氏名】中野 将憲

【氏名】新井 弘之

【氏名】中村 忠義

【要約】 【課題】管理機にロータリー耕耘装置を装着し耕耘作業した際、一般に、耕耘ケース直下には未耕耘部、いわゆる残耕部が発生するが、この対策としては、耕耘作業後に改めて残耕処理用具用いて残耕を除去する方法やクロスロータリータイプの耕耘爪を採用する方法が従来からとられていたが、手間や処理の確実性あるいはコストの面で好ましくない、という問題があった。

【解決手段】耕耘装置2に横架した耕耘軸23近傍に、耕耘面に略垂直な回転軸26上に複数の板状羽根から構成した残耕処理用羽根28を有する残耕処理部31を配設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリ耕耘装置の耕耘ケースより下方に設ける残耕処理部において、前記耕耘ケースに支持した耕耘軸に対して略垂直に回転軸を突出し、該回転軸上に複数の板状羽根から構成した残耕処理用羽根を設けたことを特徴とするロータリ耕耘装置の残耕処理機構。
【請求項2】 前記残耕処理用羽根を回転軸の軸心に対して傾斜して固定したことを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘装置の残耕処理機構。
【請求項3】 前記残耕処理用羽根を回転軸に対して着脱可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘装置の残耕処理機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管理機の耕耘装置における残耕処理の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、管理機には作業機としてロータリー耕耘装置を装着することは行われており、該ロータリー耕耘装置の耕耘ケースの左右側面からは、耕耘作業を行う耕耘爪を設けた耕耘軸が側方に突出され、該耕耘軸の回動によって耕耘爪による耕耘作業を行っていた。しかしながら、この場合、耕耘ケースの直下には耕耘爪が設けられていないために、耕耘されない未耕耘部、いわゆる残耕が発生し、耕耘作業におけるロータリー耕耘装置の牽引抵抗の増加をもたらすとともに、耕耘面の品質悪化の原因の一つともなっていた。
【0003】この残耕に関する対策としては、耕耘作業後に改めて残耕処理用の板金や棒などを用いて残耕を除去する方法、あるいは、クロスロータリータイプの耕耘爪を採用することにより、耕耘ケース下で耕耘爪を交差させて左右の耕耘範囲を一部重複させて、耕耘範囲を拡大し、それによって未耕耘部を解消するなどの方法がとられていた。しかしながら、作業後に専用具を用いて残耕を処理する前者の対策は、新たに残耕処理のための時間や手間がかかり、しかも、必ずしも全ての残耕を確実に処理できるとは限らない、という問題があった。また、後者の対策については、処理の確実性は高いが、左右のクロス爪機構が別途必要なため、部品点数が増加してコストアップにつながる、という問題があった。このような問題点を解消するために、耕耘ケースより下方に耕耘軸を突出した技術が公知となっている。例えば、実公平7−45121号の技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術では、耕耘ケースより下方に耕耘軸を突出し、該耕耘軸上にスパイラル羽根を固設していたので、耕耘範囲が狭く、また、前下方に傾斜して配置していたので、耕耘作業時にはスパイラル羽根に大きな力がかかり、折損が生じ易くなっていた。本発明は、前記の点に鑑み、確実にしかも安価に残耕処理が可能な管理機の耕耘装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1においては、ロータリ耕耘装置の耕耘ケースより下方に設ける残耕処理部において、前記耕耘ケースに支持した耕耘軸に対して略垂直に回転軸を突出し、該回転軸上に複数の板状羽根から構成した残耕処理用羽根を設けたものである。
【0006】請求項2においては、前記残耕処理用羽根を回転軸の軸心に対して傾斜して固定したものである。また請求項3においては、前記残耕処理用羽根を回転軸に対して着脱可能に構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明する。図1はロータリー耕耘装置を付設した管理機の全体側面図、図2はロータリー耕耘装置の前面一部断面図、図3は残耕処理部の正面図、図4は同じく側面図、図5はロータリー耕耘装置における耕耘範囲や残耕処理範囲の説明図である。
【0008】まず、本発明に係わる管理機の全体構成を、図1により説明する。歩行型移動農機である管理機1の後部(進行方向を前方とする)には、作業機としてロータリー耕耘装置2が配設され、管理機1の前部にはエンジン3が載置されている。
【0009】該エンジン3の上部には燃料タンク4が搭載され、エンジン3の側部には伝動ケース5が配置され、該伝動ケース5内の図示せぬベルトやプーリー等の伝動機構を介して、エンジン3の動力が伝動ケース5の後部に位置するミッションケース6に伝動され、そこで変速が行われる。
【0010】該ミッションケース6の上部にはハンドルベースが設けられており、該ハンドルベース上には、水平方向360度回動可能なハンドル7が載置して固定可能とされている。ミッションケース6の後部からは、後方に略水平にビーム14が突設され、該ビーム14の下部には、ロータリーカバー15の内側を枢支し、ビーム14の後端には、尾輪16を高さ調節ハンドル17によって上下高さ調節可能に設けている。
【0011】また、ミッションケース6の後下部には、入力ケース8が突設され、該入力ケース8の前下方には伝動ケース9が延出されている。この入力ケース8から伝動ケース9内には伝動軸10が内装・延設されており、PTOクラッチレバー36の操作によってミッションケース6内で変速された動力がロータリー耕耘装置2まで伝達される。
【0012】ミッションケース6の前下方には、走行チェーンケース11が延出され、該走行チェーンケース11下部には車軸12が横架され、該車軸12には走行輪13が軸支されており、該走行輪13は主変速レバー35の操作によってミッションケース6内で変速されて駆動される構成となっている。
【0013】次に、このような全体構成から成る耕耘機おいて、ロータリー耕耘装置及び該ロータリー耕耘装置に配設した本発明の残耕処理部について、図1、図2により説明する。前記伝動ケース9の下端には耕耘ケース18が固設され、該耕耘ケース18には、前記伝動軸10の下端にベベルギア20が固設され、該ベベルギア20には耕耘ケース18に横架した耕耘軸23上に固設したベベルギア21が噛合され、動力を伝達する構成としている。
【0014】前記耕耘軸23の両側上には、耕耘爪25・25・・を植設した耕耘爪軸24が外嵌固定されている。従って、エンジン3からの動力は、ミッションケース6、伝動軸10、ベベルギア21、ベベルギア22を介して耕耘軸23に伝達され、該耕耘軸23を駆動し、耕耘爪25・25・・が回動されて、耕耘作業が行われる構成となっている。
【0015】そして、前記耕耘ケース18の後下部からは、軸受部19を後下方に突設し、該軸受部19には回転軸26を嵌挿してベアリングを介して回転自在に支持し、該回転軸26の上端にはベベルギア22を固設し、前記ベベルギア21に噛合させて動力が伝達されるようにしている。一方、回転軸26の下部にはパイプ状の取付部材27を着脱可能に外嵌固定し、該取付部材27の外周両側に残耕処理用羽根28・28を固設して、残耕処理部31を構成している。
【0016】このようにして、機体が図1の矢印方向に前進してロータリー耕耘作業を行うと同時に、両残耕処理用羽根28・28を回転させることによって、耕耘ケース18の下方側の残耕処理も同時に行うことができるのである。
【0017】したがって、地面に略垂直な回転軸26を有する残耕処理用羽根28・28を用いて残耕を取り除くために、機体の振れが小さく、安定した作業ができ、処理残しのない確実な処理が可能となる。また、この残耕処理部31を耕耘軸23近傍に配設したため、機体の動きに左右されずに残耕処理を行うことができるのである。
【0018】また、クロスロータリータイプのように左右のクロス爪を耕耘軸23の軸心よりも傾斜させたような特別な機構が必要ではないために、部品点数を減少することができ、コストダウンに寄与することができる。なお、本実施例では、回転体として2枚の板状羽根を適用したが、回転によって残耕を効率よく除去できる形状であればよく、特に限定されるものではない。例えば、回転軸26の外周面に一枚又は複数のなた爪状の羽根を固設したもの等が挙げられる。
【0019】ここで、残耕処理部31における残耕処理用羽根28の形状等について、図2乃至図5により説明する。パイプ状の前記取付部材27下部の外周面には、前記残耕処理用羽根28・28の垂直辺28a・28aの上部が、回転軸26の軸心に対して傾斜して固定されている。即ち、図4の矢印で示す如く、回転軸26の軸心に対して垂直な面から傾き30をもって固設されており、この傾き30は、回転方向に対し鈍角に設定している。
【0020】前記残耕処理用羽根28・28に、このような角度をつけると、回転時には残耕部の土壌を上方に飛散除去できるため、土塊の残留がなく、残耕処理面の仕上がりが極めて良好となる。さらには、残耕処理用羽根28・28の傾斜によって地面に食い込みやすくなるため、残耕処理の処理能力が高まり、ロータリー耕耘作業速度を著しく向上させることができるのである。なお、本実施例では、前記傾き30は両残耕処理用羽根28・28とも同じ角度に設定しているが、圃場の状況等に応じて、適宜別角度に設定してもかまわない。
【0021】また、前記回転軸26の下端近傍にはスプライン部26aを設け、該スプライン部26aに取付部材27を嵌合して相対回転不能としている。そして、回転軸26の中心部には下端よりネジ穴26bを穿孔し、該ネジ穴26bに下方からボルト29を螺挿して取付部材27が抜けないように固定している。すなわち、取付部材27を回転軸26に下方から外嵌した後、ボルト29を螺挿すると、取付部材27は、ボルト29の頭部29aによって下方へ抜けることがない。
【0022】さらに、取付部材27上部には取付孔27aを穿孔し、前記のように取付部材27を回転軸26にボルト29で締結固定した後、取付孔27aに固定ネジなどの固定具を直交状態で貫通することにより、取付部材27と回転軸26が固定され、ガタを防止することができる。
【0023】したがって、前記ボルト29と併せて、取付部材27をその上下2箇所で回転軸26に確実に固定することができるため、残耕処理用羽根28・28が回転中でも軸心がずれることなく、また、土壌中の硬い石に当たって外れたりするトラブルも防止できるため、安定した回転性能が得られる。また、取付部材27は簡単に着脱できるため、残耕処理用羽根28・28が損耗した際の部品交換などの保守管理も、極めて容易かつ迅速に行うことが出来るのである。
【0024】なお、残耕処理部31による残耕処理によって土壌が処理される範囲は、図5に示すように、残耕処理用羽根28・28の回転範囲である残耕処理部軌跡33に相当し、一方、耕耘範囲は、耕耘爪25・25・・・が耕耘爪軸24により回動する範囲である耕耘爪軸軌跡32に相当する。そして、この両範囲は一部で重複するように構成されている。すなわち、耕耘軸23と回転軸26はベベルギア21・22によって連動連結されているため同期して回転することができ、耕耘爪25と残耕処理用羽根28の回転位置はずらして当接することなく配置することができる。従って、前記の如く軌跡重複範囲34を形成することができ、残耕を完全に解消することができ、溝上げ作業等では底面を平坦にすることができるため、溝部には土塊がほとんど残らないように仕上げることができるのである。
【0025】以上のように構成した本発明の残耕処理部31を配設することによって、機体のぶれ等の少ない安定したロータリー耕耘作業ができ、しかも、残耕処理の能力および仕上げ面の品質が極めて良好なため、固い圃場などでも対応可能となるのである。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1の如く、ロータリ耕耘装置の耕耘ケースより下方に設ける残耕処理部において、前記耕耘ケースに支持した耕耘軸に対して略垂直に回転軸を突出し、該回転軸上に複数の板状羽根から構成した残耕処理用羽根を設けたので、ロータリー耕耘作業と同時に残耕処理ができ、しかも残耕処理部の振動などのない確実な残耕処理を行うことができ、ロータリー耕耘作業における作業効率や仕上げ品質を著しく向上させ、ひいては、作業負荷の軽減や作物の品質向上にも貢献することができるのである。また、簡単な構造で残耕処理を行うことができ、しかも、羽根の形状や枚数を変更することによって圃場の状況に応じた適切な残耕処理を行うことができる。
【0027】請求項2の如く、前記残耕処理用羽根を回転軸の軸心に対して傾斜して固定したので、回転時の抵抗を軽減でき、土壌の反転もできて、効率よく残耕処理を行うことができるのである。
【0028】また、請求項3においては、前記残耕処理用羽根を回転軸に対して着脱可能に構成したので、残耕処理用羽根が摩耗によって磨り減った場合でも、容易に交換ができるのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】390029621
【氏名又は名称】ニューデルタ工業株式会社
【出願日】 平成10年9月24日(1998.9.24)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−92901(P2000−92901A)
【公開日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【出願番号】 特願平10−269793