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【発明の名称】 作業車の昇降操作構造
【発明者】 【氏名】吉川 研治

【氏名】杉本 吉昭

【氏名】岡部 伸行

【氏名】朝田 晃宏

【要約】 【課題】ポジション設定器やポジションセンサなどが故障した故障緊急時におけるリフトアームの昇降操作を容易に行えるようにする。

【解決手段】作業昇降用のリフトアーム8を上昇させる上昇操作指令を出力する状態と、リフトアーム8を下降させる下降操作指令を出力する状態と、両操作指令を出力しない状態とを現出する外部昇降スイッチS2を走行機体Aの作業装置連結部近くに備えた作業車の昇降操作構造において、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を、運転部に配備された3状態を現出する他の操作スイッチに接続切り換え可能となるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業昇降用のリフトアームを上昇させる上昇操作指令を出力する状態と、前記リフトアームを下降させる下降操作指令を出力する状態と、前記両操作指令を出力しない状態とを現出する外部昇降スイッチを走行機体の作業装置連結部近くに備えた作業車の昇降操作構造であって、前記外部昇降スイッチに対するワイヤハーネスを、運転部に配備された3状態を現出する他の操作スイッチに接続切り換え可能となるように構成してある作業車の昇降操作構造。
【請求項2】 前記他の操作スイッチを、ワンショット操作で前記リフトアームを上限位置まで上昇させる強制上昇指令を出力する状態と、ワンショット操作で前記リフトアームを所定の下降位置まで下降させる復帰下降指令を出力する状態と、前記両指令を出力しない状態、の3状態を現出する昇降スイッチとしてある請求項1記載の作業車の昇降操作構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業昇降用のリフトアームを上昇させる上昇操作指令を出力する状態と、前記リフトアームを下降させる下降操作指令を出力する状態と、前記両操作指令を出力しない状態とを現出する外部昇降スイッチを走行機体の作業装置連結部近くに備えた作業車の昇降操作構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような作業車には、リフトアームを昇降させる操作手段として一般的にポジション設定器及び昇降スイッチが運転部に配備されている。ポジション設定器は、その操作位置に基づくリフトアームの目標操作位置と、ポジションセンサにより検出されるリフトアームの実操作位置とが合致する(ポジション設定器で設定されたリフトアームの制御目標値の不感帯幅内にポジションセンサからの検出値が収まる)ようにリフトアームの昇降を制御するポジション制御を行う際に操作されるものである。一方、昇降スイッチは、上限設定器にて設定された制御上でのリフトアームの上限位置と、ポジションセンサにより検出されるリフトアームの実操作位置とが合致する(上限設定器で設定されたリフトアームの制御目標値の不感帯幅内にポジションセンサからの検出値が収まる)までリフトアームを強制上昇させるポジション制御や、ポジション設定器にて設定されたリフトアームの所定の下降位置と、ポジションセンサにより検出されるリフトアームの実操作位置とが合致する(ポジション設定器で設定されたリフトアームの制御目標値の不感帯幅内にポジションセンサからの検出値が収まる)までリフトアームを復帰下降させるポジション制御、などを行う際に操作されるものである。
【0003】従来、このような作業車において、ポジション設定器やポジションセンサなどの故障により、運転部に配備されたポジション設定器や昇降スイッチの操作に基づくポジション制御によるリフトアームの昇降操作が行えなくなった場合には、走行機体の作業装置連結部近くに配備された外部昇降スイッチの操作でリフトアームを所望の操作位置まで昇降させるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外部昇降スイッチは、走行機体に対する作業装置の付け替え作業を行う際に、作業装置連結部近くの外部からでもリフトアームの昇降操作が行えるように、走行機体の作業装置連結部近くに配備された外部操作用のものであることから、外部昇降スイッチの操作でリフトアームを昇降させるためには、運転部から外部昇降スイッチの配設箇所である走行機体の作業装置連結部近くまで移動しなければならないことから、ポジション設定器やポジションセンサなどが故障した故障緊急時におけるリフトアームの昇降操作が煩わしいものとなっていた。
【0005】本発明の目的は、ポジション設定器やポジションセンサなどが故障した故障緊急時におけるリフトアームの昇降操作を容易に行えるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、作業昇降用のリフトアームを上昇させる上昇操作指令を出力する状態と、前記リフトアームを下降させる下降操作指令を出力する状態と、前記両操作指令を出力しない状態とを現出する外部昇降スイッチを走行機体の作業装置連結部近くに備えた作業車の昇降操作構造において、前記外部昇降スイッチに対するワイヤハーネスを、運転部に配備された3状態を現出する他の操作スイッチに接続切り換え可能となるように構成した。
【0007】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、リフトアームの目標操作位置を設定するポジション設定器や、リフトアームの実操作位置を検出するポジションセンサなどの故障により、運転部に配備されたポジション設定器や昇降スイッチの操作に基づくポジション制御によるリフトアームの昇降操作が不可能になった場合には、外部昇降スイッチに対するワイヤハーネスを運転部に配備された3状態を現出する他の操作スイッチに接続することによって、外部昇降スイッチの配設箇所である走行機体の作業装置連結部近くまで移動しなくても、運転部からの他の操作スイッチの操作でリフトアームを所望の操作位置に向けて昇降させることができるようになる。
【0008】つまり、対地作業途中においてポジション設定器やポジションセンサなどが故障したとしても、運転部からの他の操作スイッチによるリフトアームの昇降操作で作業装置を所望の高さ位置に向けて昇降させることができるので、作業装置を作業高さ位置(接地高さ位置)から非作業高さ位置(非接地高さ位置)へ上昇させるようにすれば作業車を作業地から容易に脱出させることができ、又、作業装置を作業高さ位置(接地高さ位置)と非作業高さ位置(非接地高さ位置)とに亘って昇降させるようにすれば、枕地旋回時などにおいて作業装置を上昇させる必要のある対地作業を継続させることができるようになる。
【0009】ところで、外部昇降スイッチに対するワイヤハーネスを他の操作スイッチに接続切り換え可能にする構成としては、外部昇降スイッチのコネクタと他の操作スイッチのコネクタとを共通にして付け替え可能にする構成や、外部昇降スイッチと他の操作スイッチとを本来のワイヤハーネスに接続する状態と、他の操作スイッチに対する本来のワイヤハーネス26の接続を解除して他の操作スイッチに外部昇降スイッチに対するワイヤハーネスを接続する状態とに切り換える切換スイッチを装備する構成などが考えられる。前者の構成によると、外部昇降スイッチのコネクタと他の操作スイッチのコネクタとを共通にするだけの切換スイッチなどの新たな部品を必要としない簡単な構成で、他の操作スイッチを外部昇降スイッチに対するワイヤハーネスに接続切り換え可能にできることから、構成の複雑化や製造コストの増大を回避できるようになる。一方、後者の構成によると、切換スイッチを操作するだけで簡単に他の操作スイッチの接続状態を切り換えられることから、操作性の面で有利することができるようになる。
【0010】しかも、前者の構成においては各コネクタを、又、後者の構成においては切換スイッチを、運転部にて操作できる位置に配置するようにすれば、運転部から移動しなくても他の操作スイッチの接続状態を切り換えられる利点をも有するようになる。そして、この利点を有することによって、ポジションセンサやポジション設定器及び上限設定器などの自己診断又は微調節を行うための準備操作の一つとしてリフトアームの基準状態を現出する際に、リフトアームの基準状態であるリリーフ弁が作動する最上端位置(制御上の上限位置よりも上方の機械的な上限位置)までリフトアームを上昇させる場合にも、外部昇降スイッチの配設箇所である走行機体の作業装置連結部近くまで移動しなくても、運転部からの他の操作スイッチの操作でリフトアームをリリーフ弁が作動する最上端位置まで容易に上昇させることができるようになる。ちなみに、従来、トラクタなどの作業車においては、外部昇降スイッチの操作でリフトアームを最上端位置まで上昇させるようにしていた。
【0011】その上、本来より運転部に配備されている他の操作スイッチを有効利用することによって、ポジション設定器やポジションセンサなどが故障した故障緊急時に使用するアップ・ダウンスイッチを新たに設ける必要がないので、構成の複雑化や製造コストの増大を回避できるようになる。
【0012】〔効果〕従って、構成の複雑化や製造コストの増大を回避しながらも、ポジション設定器やポジションセンサなどが故障した故障緊急時でも、運転部からの操作でリフトアームを昇降させることができて、作業車の作業地からの脱出や作業の継続を容易に行えるようになった。又、ポジションセンサやポジション設定器及び上限設定器などの自己診断又は微調節を行う際の準備操作の一つであるリフトアームの基準状態を現出するためのリフトアームの昇降操作をも、運転部からの操作で容易に行えるようになった。
【0013】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記他の操作スイッチを、ワンショット操作で前記リフトアームを上限位置まで上昇させる強制上昇指令を出力する状態と、ワンショット操作で前記リフトアームを所定の下降位置まで下降させる復帰下降指令を出力する状態と、前記両指令を出力しない状態、の3状態を現出する昇降スイッチとした。
【0014】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、ポジション設定器やポジションセンサの故障などによりポジション制御によるリフトアームの昇降操作が行えなくなった故障緊急時には機能しなくなる昇降スイッチを利用してリフトアームを昇降させるようにしていることから、故障緊急時に機能している他の操作スイッチを利用する場合のように、リフトアームを昇降させるために、その操作スイッチの本来の機能を損なう不都合が生じることを回避できるようになる。
【0015】又、本来よりリフトアームの昇降操作用として配備されている昇降スイッチを利用することから、全く関係のない他の操作スイッチを利用する場合のように、リフトアームを昇降させる際に操縦者が違和感を覚えることを回避できるようになる。
【0016】〔効果〕従って、ポジション設定器やポジションセンサなどが故障した故障緊急時での運転部からのリフトアームの昇降操作を、他の操作機能を損なうことなく行えるとともに、その操作性の面でも有利にすることができるようになった。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】図1には、作業車の一例である農用トラクタの全体側面が示されており、このトラクタは、エンジン1、ミッションケース2、左右一対の前輪3と後輪4、ステアリングホイール5、及び、運転座席6、などを備えて走行機体Aが構成されるとともに、その後部に配備された油圧式のリフトシリンダ7の作動により昇降揺動するリフトアーム8に、3点リンク機構9を介して、ロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置10が昇降自在に連結されるようになっている。尚、図1では、作業装置10としてロータリ耕耘装置を例示している。
【0019】図2に示すように、トラクタには、予め設定されたリフトアーム8の制御上での昇降操作範囲内において、ポテンショメータからなるポジション設定器11の操作位置に基づいて設定されるリフトアーム8の目標操作位置と、ポテンショメータからなるポジションセンサ12により検出されるリフトアーム8の実操作位置とが合致する(ポジション設定器11により設定されたリフトアーム8の制御目標値の不感帯幅内にポジションセンサ12からの検出値が収まる)ようにリフトアーム8の昇降を制御するポジション制御を行うポジション制御モードや、プラウなどによる牽引作業時に牽引負荷に応じて自動的にリフトアーム8(作業装置10)を昇降させて一定の牽引力を維持するドラフト制御を行うドラフト制御モードなどを備えた制御装置13が搭載されている。ポジション設定器11は、運転座席6の右横側方に前後揺動操作可能に配備されたポジションレバー14を介して運転座席6から操作されるようになっている。
【0020】図2及び図3に示すように、運転座席6の右横側方には、ポジションレバー14を操作案内するガイド溝15Aが形成された操作パネル15を配設している。この操作パネル15には、制御装置13の制御モードをポジション制御モードとドラフト制御モードとに切り換えるモード切換スイッチ16、自動復帰型の押しボタンスイッチからなる上昇スイッチ17と下降スイッチ18、ドラフト制御モードにおいて牽引負荷の変化量に対するリフトアーム8(作業装置10)の動き量を調節する際に使用されるポテンショメータからなるドラフト比設定器19、リフトアーム8の制御上での上限位置を設定するポテンショメータからなる上限設定器20、及び、リフトアーム8の下降速度を設定するポテンショメータからなる下降速度設定器21、などが配備されている。
【0021】上昇スイッチ17は、そのワンショット操作でリフトアーム8を上限位置まで上昇させる強制上昇指令を制御装置13に向けて出力するものであり、又、下降スイッチ18は、そのワンショット操作でリフトアーム8を予め設定された所定の下限位置まで下降させる復帰下降指令を制御装置13に向けて出力するものであり、これらの上昇スイッチ17と下降スイッチ18とから、強制上昇指令を出力する状態と、復帰下降指令を出力する状態と、両指令を出力しない状態(上昇スイッチ17及び下降スイッチ18を操作しない状態)、の3状態を現出する昇降スイッチ(他の操作スイッチの一例)S1が構成されている。
【0022】制御装置13は、ポジション制御モード及びドラフト制御モードにおいて上昇スイッチ17のワンショット操作が行われると、リフトアーム8を上限設定器20にて設定された上限位置まで上昇させるポジション制御を行うようになっている。又、ポジション制御モードにおいて下降スイッチ18のワンショット操作が行われると、リフトアーム8をポジション設定器11にて設定された下限位置まで下降させるポジション制御を行うようになっている。一方、ドラフト制御モードにおいて下降スイッチ18のワンショット操作が行われると、リフトアーム8をドラフト制御高さまで下降させ、その下降後、下降スイッチ18の押圧操作が行われると、その押圧操作が継続されている間、リフトアーム8を自重下降状態とし、下降スイッチ18の押圧操作が解除されると、リフトアーム8をドラフト制御高さに復帰させるドラフト制御を行うようになっている。
【0023】尚、図3に示す符号22は、ポジションレバー14との接当によりポジションレバー14の下降方向への操作を規制するレバーストッパであり、符号23は、そのレバーストッパ22をガイド溝15Aに沿って移動させることによって、ポジションレバー14により操作されるポジション設定器11の下限設定位置を変更する下限設定ダイヤルである。
【0024】図1及び図2に示すように、走行機体Aの作業装置連結部近くである左後端部には、走行機体Aに対する作業装置10の付け替え作業を行う際に、作業装置連結部近くの外部からでもリフトアーム8の昇降操作を行えるようにするための外部昇降スイッチS2が配備されている。外部昇降スイッチS2は、押圧操作が継続されている間だけリフトアーム8を上昇させる上昇操作指令を制御装置13に向けて出力する外部上昇スイッチ24と、押圧操作が継続されている間だけリフトアーム8を下降させる下降操作指令を制御装置13に向けて出力する外部下降スイッチ25とから構成されており、上昇操作指令を出力する状態と、下降操作指令を出力する状態と、両操作指令を出力しない状態(外部上昇スイッチ24及び外部下降スイッチ25を操作しない状態)、の3状態を現出するようになっている。
【0025】制御装置13には、外部上昇スイッチ24の押圧操作が継続されている間はリフトアーム8を上昇させ、外部上昇スイッチ24の押圧操作が解除されるのに伴ってリフトアーム8の上昇を停止させる手動上昇制御を行い、又、外部下降スイッチ25の押圧操作が継続されている間はリフトアーム8を下降させ、外部下降スイッチ25の押圧操作が解除されるのに伴ってリフトアーム8の下降を停止させる手動下降制御を行う手動昇降制御モードが備えられている。
【0026】図2に示すように、制御装置13の昇降スイッチ接続用端子13Aから延設されたワイヤハーネス26と昇降スイッチS1とを接続するコネクタ27と、制御装置13の外部昇降スイッチ接続用端子13Bから延設されたワイヤハーネス28と外部昇降スイッチS2とを接続するコネクタ29には、前述のように昇降スイッチS1と外部昇降スイッチS2とが互いに3状態を現出するものであることから、共通のものを採用するようにしており、これによって、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を運転部に配備された昇降スイッチS1に接続することが可能となっている。又、各コネクタ27,29は運転部近くに配置されており、これによって、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28の昇降スイッチS1と外部昇降スイッチS2の間での付け替え作業を運転部から行えるようになっている。
【0027】この構成から、リフトアーム8の目標操作位置を設定するポジション設定器11や、リフトアーム8の実操作位置を検出するポジションセンサ12などの故障により、運転部に配備されたポジション設定器11や昇降スイッチS1の操作に基づくポジション制御によるリフトアーム8の昇降操作が不可能になった場合には、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を運転部に配備された昇降スイッチS1に接続することによって、外部昇降スイッチS2の配設箇所である走行機体Aの作業装置連結部近くまで移動しなくても、運転部からの昇降スイッチS1の操作でリフトアーム8を所望の操作位置に向けて昇降させることができるようになっている。
【0028】つまり、対地作業(本実施形態では耕耘作業)途中においてポジション設定器11やポジションセンサ12などが故障したとしても、運転部からの昇降スイッチS1によるリフトアーム8の昇降操作で作業装置10を所望の高さ位置に向けて昇降させることができるので、作業装置10を作業高さ位置(接地高さ位置)から非作業高さ位置(非接地高さ位置)へ上昇させるようにすればトラクタを作業地から容易に脱出させることができ、又、作業装置10を作業高さ位置(接地高さ位置)と非作業高さ位置(非接地高さ位置)とに亘って昇降させるようにすれば、枕地旋回時などにおいて作業装置10を上昇させる必要のある対地作業を継続させることができるようになっている。
【0029】又、昇降スイッチS1のコネクタ27と外部昇降スイッチS2のコネクタ29とを共通にするだけの切換スイッチなどの新たな部品を必要としない簡単な構成で、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を昇降スイッチS1に接続切り換え可能にすることができ、更に、本来より運転部に配備されている昇降スイッチS1を有効利用することによって、ポジション設定器11やポジションセンサ12などが故障した故障緊急時に使用するアップ・ダウンスイッチを新たに設ける必要がないので、構成の複雑化や製造コストの増大を効果的に回避できるようになっている。
【0030】図2に示すように、制御装置13には、リフトアーム8、ポジションレバー14、ドラフト比設定器19、上限設定器20、及び、下降速度設定器21、などを基準状態に設定した状態で下降スイッチ18を押圧操作しながらメインスイッチ30をオン操作することによって、ポジションセンサ12や各設定器11,19〜21などの点検を行う自己診断モード、並びに、リフトアーム8、ポジションレバー14、ドラフト比設定器19、上限設定器20、及び、下降速度設定器21、などを基準状態に設定した状態で上昇スイッチ17を押圧操作しながらメインスイッチ30をオン操作することによって、ポジションセンサ12や各設定器11,19〜21などの微調節(零点調節)を行う微調節モードが備えられている。ちなみに、リフトアーム8の基準状態は最上端位置に位置させた状態であり、ポジションレバー14の基準状態は操作位置「9」に位置させた状態であり、ドラフト比設定器19の基準状態はセンタクリック位置に位置させた状態であり、上限設定器20の基準状態は操作位置「高」に位置させた状態であり、下降速度設定器21の基準状態は操作位置「速」に位置させた状態である。
【0031】つまり、自己診断モードや微調節モードを行う際には、リフトアーム8を、制御上の上限位置よりも上方のリリーフ弁が作動する最上端位置に位置させる上昇操作を行う必要があるが、この上昇操作も、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を昇降スイッチS1に接続した後の上昇スイッチ17の押圧操作によって、リフトアーム8を最上端位置に向けて上昇させることができるようになっており、これによって、リフトアーム8の基準状態を現出する基準状態現出時には、外部昇降スイッチS2の配設箇所である走行機体Aの作業装置連結部近くまで移動しなくても、運転座席6に着座した状態のままで、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を昇降スイッチS1に接続して上昇スイッチ17を操作することによって、リフトアーム8をその基準状態であるリリーフ弁が作動する最上端位置まで容易に上昇させることができるようになっている。
【0032】ちなみに、自己診断モードにおいては、下降スイッチ18を押圧操作しながらメインスイッチ30をオン操作するモード切り換え操作の段階で、自己診断用の第1ランプ31のみが一回点滅して消灯することによって、自己診断モードへの切り換え操作の完了を確認することができ、その確認後、下降スイッチ18の押圧操作を解除することによって自己診断モードが実行されるようになっている。そして、設定不良、部品不良、又は、組付け不良がある場合には、不良箇所に応じた回数だけ第1ランプ31が繰り返し点滅する(例えば、不良箇所がポジションセンサ12である場合は第1ランプ31が2回点滅する)ようになっている。又、異常がない場合には、第1ランプ31が連続点灯するようになっている。尚、自己診断モードの終了は、第1ランプ31による表示を確認した後、メインスイッチ30をオフ操作することによって行えるようになっている。
【0033】一方、微調節モードにおいては、上昇スイッチ17を押圧操作しながらメインスイッチ30をオン操作するモード切り換え操作の段階で、微調節用の第2ランプ32のみが一回点滅して消灯することによって、微調節モードへの切り換え操作の完了を確認することができ、その確認後、上昇スイッチ17の押圧操作を解除することによって微調節モードが実行されるようになっている。そして、設定不良、部品不良、又は、組付け不良がある場合には、不良箇所に応じた回数だけ第2ランプ32が繰り返し点滅する(例えば、不良箇所がポジションセンサ12である場合は第2ランプ32が2回点滅する)ようになっている。又、異常がない場合には、第2ランプ32が連続消灯するようになっており、この異常がない状態で再度上昇スイッチ17を3秒以上押し続けると、基準状態でのポジションセンサ12や各設定器11,19〜21などの出力電圧を制御装置13に記憶させることができ、その記憶が正常に行われた場合には、第2ランプ32が連続点灯するようになっている。尚、微調節モードの終了は、第2ランプ32の点灯を確認した後、メインスイッチ30をオフ操作することによって行えるようになっている。
【0034】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。
■ 作業車としては芝刈機や田植機などであってもよい。
■ 図4に示すように、昇降スイッチ(他の操作スイッチ)S1と外部昇降スイッチS2とを本来のワイヤハーネス26,28に接続する状態と、昇降スイッチS1に対する本来のワイヤハーネス26の接続を解除して、昇降スイッチS1に外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を接続する状態、とに切り換える切換スイッチ33を運転部に配備するようにしてもよい。
■ 外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28が接続切り換え可能となるように構成される他の操作スイッチとしては、運転部に配備されて3状態を現出するものであれば、昇降スイッチS1以外のものであってもよい。例えば、図5に示すように、運転部に配備される変速レバー34に、シフトアップ操作指令を制御装置13に出力するシフトアップスイッチ35と、シフトダウン操作指令を制御装置13に出力するシフトダウンスイッチ36とから、シフトアップ操作指令を出力する状態と、シフトダウン操作指令を出力する状態と、両操作指令を出力しない状態、の3状態を現出するように構成された変速スイッチS3を備えるものにおいては、その変速スイッチS3が他の操作スイッチとなるように、制御装置13の変速スイッチ接続用端子13Cから延設されたワイヤハーネス37と変速スイッチS3とを接続するコネクタ38に、制御装置13の外部昇降スイッチ接続用端子13Bから延設されたワイヤハーネス28と外部昇降スイッチS2とを接続するコネクタ29と共通のものを採用して、外部昇降スイッチS2に対するワイヤハーネス28を運転部に配備された変速スイッチS3に接続切り換え可能となるように構成してもよい。
■ 他の操作スイッチとしては、3位置切り換え式に構成されたものであってもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年9月9日(1998.9.9)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−83411(P2000−83411A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−254888