| 【発明の名称】 |
作業機昇降制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高須賀 誠
【氏名】八束 政治
|
| 【要約】 |
【課題】作業機を昇降操作するためのレバーの配置及び操作を簡略化する。
【解決手段】互いに交差する2方向に操作可能な作業機昇降操作レバー12と、当該レバーの一方向の操作位置を検出する第一検出手段53と、当該レバーの他の方向の操作位置を検出する第二検出手段54と、作業機を昇降させる昇降手段と、前記第一検出手段の検出結果に応じた位置まで作業機を昇降させるとともに、前記第二検出手段の検出結果に基づき作業機を作業位置と非作業位置との間を連続的に昇降させるように前記昇降手段を制御する制御手段とを具備する構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに交差する2方向に操作可能な作業機昇降操作レバーと、当該レバーの一方向の操作位置を検出する第一検出手段と、当該レバーの他の方向の操作位置を検出する第二検出手段と、作業機を昇降させる昇降手段と、前記第一検出手段の検出結果に応じた位置まで作業機を昇降させるとともに、前記第二検出手段の検出結果に基づき作業機を作業位置と非作業位置との間を連続的に昇降させるように前記昇降手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする作業機昇降制御装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタや田植機等の農業機械における作業機昇降制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】トラクタや田植機における作業機の昇降に関しては、作業機を任意の位置に昇降させる場合と、予め定められた作業位置と非作業位置との間を連続的に昇降させる場合とがあり、従来、これら二通りの昇降をそれぞれ別の操作レバーで操作するようになっていた。例えば、前者の昇降操作のためのレバーは操縦座席の側方に設けられ、後者の昇降操作のためのレバーは操縦ハンドルの下側近傍に指先だけで操作できるように設けられているものが多い。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記農業機械には作業機昇降操作用以外の各種レバー類も多数設けられているので、レバー類の配置が煩雑で操作ミスが起こりやすかった。また、操縦座席の側方に設けられているレバーは操縦ハンドルから手を離して操作しなければならないので、緊急時に当該レバーの操作が遅れたり、或は当該レバーの操作のためにハンドル操作を誤る等の原因となっていた。そこで本発明は、上記二通りの作業機昇降操作を共通のレバーで行えるようにし、レバーの配置及び操作を簡略化することを課題としている。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる作業機昇降制御装置は、互いに交差する2方向に操作可能な作業機昇降操作レバーと、当該レバーの一方向の操作位置を検出する第一検出手段と、当該レバーの他の方向の操作位置を検出する第二検出手段と、作業機を昇降させる昇降手段と、前記第一検出手段の検出結果に応じた位置まで作業機を昇降させるとともに、前記第二検出手段の検出結果に基づき作業機を作業位置と非作業位置との間を連続的に昇降させるように前記昇降手段を制御する制御手段とを具備することを特徴としている。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。図1はトラクタに作業機としてロータリ耕耘装置を装着した状態を表している。トラクタ1は、各左右一対の前輪2,2及び後輪3,3を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にエンジン5が搭載され、その後側にクラッチハウジング6、さらにその後側にミッションケース7がそれぞれ配設されている。左右の後輪3,3の前方から上方にかけてフェンダー8,8が取り付けられ、この左右フェンダーの間に座席9が設置されている。 【0006】そして、座席9の前方に上向きに突出するステアリング軸10aの上端部に、操向車輪である前輪2,2を操向操作する操向ハンドル10が設けられている。操向ハンドル10の下側には、作業機を昇降させる作業機昇降操作レバー12が設けられている。また、座席9の足下部には、後記後輪ブレーキ装置37L,37Rを左右個別に作動させるブレーキペダル13L,13Rが設けられている。さらに、座席9の側方には、後述するコントローラを収納するコントロールボックス14があり、該コントロールボックスに各種スイッチ、設定器類が設けられている。 【0007】機体の後部には、昇降手段である昇降油圧シリンダ20で上下回動させるリフトアーム21,21が設けられている。このリフトアーム21,21の先端部とロワリンク22,22の中間部とがリフトロッド23,24で連結されており、リフトアーム21,21を上げ作動及び下げ作動させることにより、ロワリンク22,22とトップリンク25で構成される三点リンク機構で支持された作業機26が昇降する。なお、左側のリフトロッド23は左右傾動用の油圧シリンダになっており、これを伸縮作動させることにより、作業機26の左右傾斜が調整される。 【0008】図2はトラクタの伝動機構図である。エンジン5の回転動力は、クラッチハウジング6内の主クラッチ30を介して、伝動入・切可能にミッションケース7に入力される。ミッションケース7に入力された動力は、まず前輪及び後輪を駆動する走行駆動力と外部動力取出のPTO駆動力の二系統に伝動分岐される。 【0009】走行駆動力は、前後進切替装置31、主変速装置32、及び副変速装置33により前後進切替及び変速された後、その一部がリヤデフ装置36を経由して左右の後輪3,3に伝達される。後輪3,3への伝動経路中には、左右の後輪を個別に制動可能な後輪ブレーキ装置37L,37Rが設けられている。この後輪ブレーキ装置は、前記ブレーキペダル13L,13Rの踏圧操作によって作動される以外に、ブレーキシリンダ38L,38Rによっても作動させられるようになっている。また、変速された残りの動力は、駆動切替装置40を介してミッションケース7の前方に取り出され、前輪軸ケース41内のフロントデフ装置42を経由して前輪2,2に伝達される。駆動切替装置40は、前輪2,2と後輪3,3をほぼ等速度で駆動する「前後輪等速四駆」と、前輪2,2と後輪3,3をほぼ2:1の速度比で駆動する「前輪増速四駆」と、前輪2,2の駆動を切って後輪3,3だけを駆動する「後輪二駆」とに切り替える装置である。 【0010】一方、PTO駆動力は、PTO変速装置44を経て、ミッションケース7の背面部から後方に突出するPTO軸45に取り出される。そして、PTO軸45の突出部に、各種作業機への伝動軸46を着脱自在に伝動連結する。 【0011】図3は作業機昇降操作レバー12の取付部を表している。作業機昇降操作レバー12は、ステアリング軸10aを支持するステアリングポスト50の外周部に回動自在に嵌合する回動体51の右端部に回動軸52によって取り付けられ、回動体51ごとステアリング軸回りに前後に回動操作させられるとともに、回動軸52回りに先端側が上下に回動操作させられるようになっている。作業機昇降操作レバー12のグリップ部は操向ハンドル10の右端下側近傍に位置するように設けられているので、右手で操向ハンドル10を握ったままの状態で、指操作により上記2方向の回動操作を行える。 【0012】回動体51の外周部の一部にはギヤ51aが形成されており、そのギヤ51aに、第一検出手段であるポテンショメータ53の検出軸に取り付けたピニオン53aが噛み合っている。これにより、作業機昇降操作レバー12の前後方向の回動角度がポテンショメータ53に検出される。また、回動体51には第二検出手段であるリミットスイッチ54が取り付けられており、作業機昇降操作レバー12を上下に回動操作することで、このリミットスイッチ54がON・OFF切り替わるようになっている。便宜上、作業機昇降操作レバー12を上に操作するとON、下に操作するとOFFとするが、実際にはON・OFFが逆であってもよい。 【0013】前記昇降油圧シリンダ20は図示しないソレノイド制御弁によって伸縮制御される。この制御弁の上昇用ソレノイド60及び下降用ソレノイド61は、前記ポテンショメータ53、前記リミットスイッチ54、及びリフトアーム21,21の角度を検出するリフトアームセンサ63の検出結果に基づき、制御手段であるコントローラ64から出力される通電信号で駆動される(図4参照)。 【0014】すなわち、図5のフローチャートに示すように、作業機昇降操作レバー12を上に操作してリミットスイッチ54がOFFからONに切り替わると、上昇用ソレノイド60に連続通電して作業機を非作業位置(最上位置)まで一気に上昇させ、作業機昇降操作レバー12を下に操作してリミットスイッチ54がONからOFFに切り替わると、下降用ソレノイド61に連続通電して作業機を予め設定されている作業位置まで一気に下降させる。 【0015】また、作業機昇降操作レバー12を前後方向に操作してポテンショメータ値が変化すると、変化後のポテンショメータ値が指示する作業機位置とリフトアームセンサ値が示す実際の作業機位置とが一致するように、上昇用ソレノイド60もしくは下降用ソレノイド61にパルス通電して作業機を昇降させる。なお、作業機昇降操作レバー12を前後方向に操作するとき、操作開始時におけるレバー位置が実際の作業機位置に合っていない場合は、ソレノイド60,61への通電を規制する牽制機能を有している。この牽制機能は、作業機昇降操作レバー12を上下方向に操作して作業機を非作業位置もしくは作業位置に昇降させた後、誤操作等で作業機昇降操作レバー12が前後に動いてしまったときに、作業機が不意に昇降作動することを未然に防止するためのものである。上記のように作業機昇降操作レバー12の誤操作があった場合は、実際の作業機位置とレバー位置が一致するまで一旦作業機昇降操作レバー12を動かしてから、新たに作業機昇降操作レバー12を所望の位置まで操作すればよい。 【0016】また、前記ブレーキシリンダ38L,38Rも図示しない一対のソレノイド制御弁によってそれぞれ伸縮制御されるようになっており、これら制御弁のブレーキソレノイド66,67は、操向ハンドル10の操作量を検出する操向量センサ68の検出結果に基づき、コントローラ64から出力される通電信号で駆動される(図6参照)。すなわち、機体旋回が円滑に行えるように、操向量が一定以上になると、旋回内側の後輪にだけブレーキがかかるようにブレーキソレノイド66(或は67)に出力し、操向量が一定未満に戻ると、上記片ブレーキを停止するのである。片ブレーキが作動開始及び作動停止する操向量の大きさは、片ブレーキ作動タイミング設定器69によって任意に設定することができる。このため、圃場の硬軟等に応じて適切なブレーキングを行うことができる。なお、前輪の切れ角を測定して操向量を検出するようにしてもよい。 【0017】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明にかかる作業機昇降制御装置は、作業機昇降操作レバーを互いに交差する2方向に操作可能に設け、当該レバーを一方向に操作すると作業機が任意の位置まで昇降し、当該レバーを他の方向に操作すると作業機が予め定められた作業位置と非作業位置との間を連続的に昇降する構成とすることにより、上記二通りの作業機昇降操作を1本のレバーで行えるようになり、レバーの数を減少させるとともに、上記いずれの操作も例えば操縦ハンドルを握ったまま指先だけで簡単に操作できるようになった。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年9月11日(1998.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
|
| 【公開番号】 |
特開2000−83410(P2000−83410A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−276459 |
|