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【発明の名称】 畦塗機
【発明者】 【氏名】島添 雅弘

【要約】 【課題】農業用トラクタの後方に連結装置を介して連結した畦塗機において、路上走行を安全かつ容易にする。また、格納スペースを小さくする。

【解決手段】同連結装置の後部にスライド機構を構成して、農業用トラクタに対して畦塗機を左右移動自在とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農業用トラクタ(1) の後方に連結装置(B) を介して連結した畦塗機(A) において、上記連結装置(B) の後部にスライド機構(S) を構成して、農業用トラクタ(1)に対して畦塗機(A) を左右移動自在としたことを特徴とする畦塗機。
【請求項2】上記スライド機構(S) は、連結装置(B) の後部に左右方向に伸延したスライドレール(14)を固設し、同スライドレール(14)に畦塗機(A) に固設した左右摺動体(15)(16)を左右摺動自在に嵌合して構成したことを特徴とする請求項1記載の畦塗機。
【請求項3】 畦塗機(A) に農業用トラクタ(1) からの動力を入力する入力軸(56)にクラッチ(58)を設けると共に、同クラッチ(58)は収納時には動力伝達切断状態となるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の畦塗機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畦塗機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、元畦の法面と畦際の田面とを切削して切削土を畦上面に掻き寄せる土寄せロータリと、掻き寄せられた土を整形して新畦を形成する畦成形部とで構成した畦塗機があり、畦塗り作業では、上記畦塗機を農業用トラクタの後方に連結し、農業用トラクタを畦際の内側を所定間隔を保持して走行させながら、畦塗機で畦を成形するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、農業用トラクタは畦の内側に沿って走行するため、畦塗機が農業用トラクタの側方に張出して連結されており、そのため、路上走行に特別の注意を要し、また、左右バランスが悪くなって走行安定性が低下し、更に、格納のためのスペースを広く要するという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、農業用トラクタの後方に連結装置を介して連結した畦塗機において、上記連結装置の後部にスライド機構を構成して、農業用トラクタに対して畦塗機を左右移動自在としたことを特徴とする畦塗機を提供せんとするものである。
【0005】また、次のような特徴を有する。
【0006】上記スライド機構は、連結装置の後部に左右方向に伸延したスライドレールを固設し、同スライドレールに畦塗機に固設した左右摺動体を左右摺動自在に嵌合して構成したこと。
【0007】畦塗機に農業用トラクタからの動力を入力する入力軸にクラッチを設けると共に、同クラッチは収納時には動力伝達切断状態となるように構成したこと。
【0008】
【発明の実施の形態】本実施例では、スライドレールと左右摺動体よりなるスライド機構を連結装置の後部に設けて、農業用トラクタに対して畦塗機を左右移動自在に連結して、畦塗り作業時には畦塗機を外側方に張出し、路上走行や格納に際しては、畦塗機を内側方に移動させて、上記張出しを無くすようにしている。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0010】図1〜図3は、本発明に係る畦塗機Aを示しており、同畦塗機Aは、農業用トラクタ1の後面に突設したヒッチ2に連結装置Bを介して連結されている。
【0011】連結装置Bは、上記ヒッチ2に左右方向に伸延した左右前枢軸3,3 を介し、左右リンク杆4,4 の前端を上下回動自在に枢着し、農業用トラクタ1の後部に設けた昇降用油圧シリンダ(図示せず)に連動連結したリフトアーム5の後端と、上記左右リンク杆4,4 の後端部上面に突設したリフトロッド取付体6とをリフトロッド7を介し連結して、昇降用油圧シリンダの伸縮作動により、連結装置Bの後部に連結した畦塗機Aを昇降させるようにしている。
【0012】左右リンク杆4,4 の後端には、左右方向に伸延した左右後枢軸8,8 を介してスライド機構Sを上下回動自在に枢着しており、同スライド機構Sの上面に螺杆支持体9を立設し、同螺杆支持体9の上端部と前記リフトロッド取付体6との間にハンドル10の回動操作により伸縮作動する螺杆11を介設して、同螺杆11の伸縮作動によりスライド機構Sの前後傾斜角度を調節できるようにしている。
【0013】スライド機構Sは、前記左右リンク杆4,4 の後端に、上下端縁にそれぞれ上下リップ12,13 を形成した後方向開口断面略コ字形状のスライドレール14を左右方向に伸延させて連設すると共に、畦塗機Aから左右摺動体15,16 を前方向に突設し、左右摺動体15,16 の前端上下部に左右上下ローラ17,18,19,20 を軸着し、同左右上下ローラ17,18,19,20 を、上記スライドレール14の開口内部に左右摺動自在に挿入し、前記上下リップ12,13 により上記左右上下ローラ17,18,19,20 の前後方向の移動を規制している。図中、21はストッパ、22はストッパピンである。
【0014】畦塗機Aは、油圧装置の作動油タンクとフレームとを兼ねるギヤケース30の右側面から斜め右下方向に延出したロータリ軸ケース31に土寄せロータリ32を装着し、同土寄せロータリ32の上方及び前後方をロータリカバー33で被覆すると共に、上記ギヤケース30の上面から延出した畦成形部支持機構34を介して畦成形部35を支持している。
【0015】畦成形部支持機構34は、図3で示すように、ギヤケース30の後面に右上がりに傾斜した略矩形状の縦支持枠36を連設し、同縦支持枠36内部に右上がりに傾斜した縦支持杆37を挿通し、同縦支持枠36の左右隅部にそれぞれガイドローラ38,38を軸着して、上記縦支持杆37を新畦の法面と略平行に摺動自在に支持し、同縦支持杆37の上端に右下がりに傾斜した略矩形状の横支持枠39を連設し、同横支持枠39の内部に右下がりに傾斜した横支持杆40を挿通し、同横支持枠39の四隅部にガイドローラ38,38,38,38 を軸着して、横支持杆40を新畦の法面と上面とに略同一角度で交差する方向に摺動自在できるようにしている。図中、41は畦成形部35を引き上げ位置に保持するためのフック、42は縦支持杆37に沿って畦成形部35を昇降させるための電動シリンダ、43はギヤケース30を冷却するためのダクテッドファン、44は冷却フィン、45はロータリカバー支持アーム、46は土寄せロータリ32の耕深を一定に保持するためのガイド輪である。
【0016】上記横支持杆40の右側端には、弾性支持部47を介し畦成形部35を連設しており、弾性支持部47は、上記横支持杆40の右側端に略矩形板状の畦成形部取付板48を固設し、同畦成形部取付板48の下面四隅部と、後述する略矩形状のバイブレータ上面板49の四隅部上面との間に、それぞれスプリング50を介設して畦成形部35を弾性支持して、後述するバイブレータ51からの振動が機体に伝達するのを遮断すると共に、畦成形部35を効率的に振動させるようにしている。
【0017】畦成形部35は、上記バイブレータ上面板49の下面に、油圧モータMで駆動されるバイブレータ51を連設し、同バイブレータ51の下面に振動伝達体52を介し新畦の法面と上面を成形する法面成形板53と上面成形板54を連結し、上記油圧モータMをギヤケース30の外側面に配設した油圧ポンプ(図示せず)からの作動油で駆動するようにしている。
【0018】また、前記土寄せロータリ32に動力を供給するために、農業用トラクタ1の後面に突設したPTO軸55と、ギヤケース30の前面に突設した入力軸56との間に、スプライン嵌合により伸縮自在とした駆動軸57を介設しており、入力軸56にクラッチ58を設けて動力伝達を断接するようにしている。図中、59はドッグ、60はクラッチレバーである。
【0019】本発明の実施例は上記のように構成されており、畦の成形に際しては、スライドレール14と左右摺動体15,16 との摺動により畦塗機Aを右側に移動させて、ストッパ21とストッパピン22とで畦塗機Aを該位置に固定し、このように畦塗機Aを右側に張出して連結した農業用トラクタ1を圃場の畦際を走行させながら、農業用トラクタ1のPTO軸55からギヤケース30の入力軸56に入力する動力により土寄せロータリ32を駆動して、元畦の法面と畦際の田面とを切削し、この切削土を元畦の側面と上面とにかき寄せ,このかき寄せた切削土を、バイブレータ51による法面成形板53と上面成形板54との振動で突き固めて新畦を形成する。
【0020】また、路上走行や格納に際しては、スライドレール14と左右摺動体15,16 との摺動により畦塗機Aを左側に移動させて、ストッパ21とストッパピン22とで畦塗機Aを該位置に固定することで、上述した畦塗機Aの側方への張出しがなくなるので、路上走行が安全かつ容易になり、また、左右バランスが良くなって走行安定性が向上し、更に、格納のためのスペースも小さくてすむ。
【0021】また、入力軸56にクラッチ58を設けたので、PTOクラッチを装備していないトラクタに連結した場合でも、路上走行中には動力伝達を切断して、土寄せロータリ32の空転を防止することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0023】請求項1の発明では、農業用トラクタの後方に連結装置を介して連結した畦塗機において、上記連結装置の後部にスライド機構を構成して、農業用トラクタに対して畦塗機を左右移動自在としたことによって、畦塗機を外側方に張出させて畦塗り作業を行うことができ、しかも、路上走行時には畦塗機を内側方に移動させて上記張出しを無くすことで、路上走行が安全かつ容易になり、また、左右バランスが良くなって走行安定性が向上し、更に、格納に要するスペースが小さくてすむという効果がある。
【0024】請求項2の発明では、上記スライド機構は、連結装置の後部に左右方向に伸延したスライドレールを固設し、同スライドレールに畦塗機に固設した左右摺動体を左右摺動自在に嵌合して構成したことによって、農業用トラクタに対する畦塗機の前後位置が変更せず、前後バランスの悪化を防止することができる。
【0025】請求項3の発明では、畦塗機に農業用トラクタからの動力を入力する入力軸にクラッチを設けると共に、同クラッチは収納時には動力伝達切断状態となるように構成したことによって、畦塗機の不慮の作動を防止して、安全性を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年9月4日(1998.9.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−78903(P2000−78903A)
【公開日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【出願番号】 特願平10−267389