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【発明の名称】 農作業車両
【発明者】 【氏名】片上 望

【氏名】家木 邦彦

【氏名】常川 松彦

【氏名】菰田 祥二

【氏名】渡部 勉

【氏名】後藤 廉史

【氏名】藤田 武利

【氏名】石丸 秀司

【氏名】小山 浩二

【氏名】辻 英和

【要約】 【課題】果樹栽培をはじめとする高所での農作業を行う際、専用の高所作業機を必要とせずに作業者を簡便に高所へ移動させるとともに、作業状況に応じて作業者を迅速に低位置へ下降可能とする。

【解決手段】トラクタ10の運転席15後方に、平行リンク機構22を介して第2の座席21を設け、油圧シリンダ14の作動により該第2の座席21を昇降可能に形成する。該第2の座席21を最上昇させたときは該第2の座席21の高さを運転席15より高位置にし、第2の座席21を最下降させたときは該第2の座席21の高さを運転席15より低位置にするように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本機の後方に運転席とは別に第2の座席を設け、油圧シリンダの作動により該第2の座席を昇降可能に形成した農作業車両に於いて、前記油圧シリンダの作動により第2の座席を最上昇させたときは該第2の座席の高さを運転席より高位置にし、第2の座席を最下降させたときは該第2の座席の高さを運転席より低位置に変更自在に構成したことを特徴とする農作業車両。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農作業車両に関するものであり、特に、運転席とは別に昇降可能な第2の座席を設けた農作業車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】果樹栽培では、樹木の高い部分に防虫袋を被せたり、熟した果実の摘果等、高所での作業を行うことが多い。斯かる場合、一般には梯子や脚立を使用して作業を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、梯子や脚立を使用する場合、足場が不安定であるため転倒の危険があり、また、作業高さを変更する場合は作業者自らが足場を変える必要があって作業効率が悪かった。
【0004】一方、作業台を昇降可能にした高所作業機の利用も考えられるが、専用の高所作業機は非常に高価であり、且つ、高所作業専用の単機能であるため、一般の農家が購入しても経済的効率が悪い。また、果樹園では低い棚を設置した箇所もあり、高所作業機がこのような箇所を通過する際は、作業台に着座した作業者が棚に接触する虞がある。
【0005】そこで、果樹栽培をはじめとする高所での農作業を行う際、専用の高所作業機を必要とせずに作業者を簡便に高所へ移動させるとともに、作業状況に応じて作業者を迅速に低位置へ下降可能とするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、本機の後方に運転席とは別に第2の座席を設け、油圧シリンダの作動により該第2の座席を昇降可能に形成した農作業車両に於いて、前記油圧シリンダの作動により第2の座席を最上昇させたときは該第2の座席の高さを運転席より高位置にし、第2の座席を最下降させたときは該第2の座席の高さを運転席より低位置に変更自在に構成した農作業車両を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1及び図2は農作業車両の一例としてトラクタ10を示し、該トラクタ10の後部にはロータリやプラウ等の作業機を牽引するためのヒッチ11と、牽引された作業機を昇降するためのリフトアーム12が設けられている。前記ヒッチ11には運搬用台車13が連結され、トラクタ10の進行に伴って運搬用台車13が牽引される。また、リフトアーム12は油圧シリンダ14の伸縮作動によって上下に回動する。
【0008】ここで、運転席15の後部に固設されている安全フレーム取付部16に、アッパリンク17の前端とロワリンク18の前端を上下回動可能に連結し、該アッパリンク17の後端とロワリンク18の後端をシートブラケット19の下部へ連結する。また、アッパリンク17と前記リフトアーム12をリフトロッド20にて連結する。尚、前記シートブラケット19には第2の座席21が装着されている。
【0009】而して、前記アッパリンク17とロワリンク18、並びに、安全フレーム取付部16とシートブラケット19にて平行リンク機構22が構成され、前記リフトアーム12の回動によりリフトロッド20を介してアッパリンク17が押し引きされたとき、該アッパリンク17とロワリンク18は常に平行状態を保持して上下に回動するとともに、該アッパリンク17とロワリンク18の回動角度に拘らず、前記シートブラケット19に装着した第2の座席21は水平姿勢を保持する。
【0010】ここで、該アッパリンク17とロワリンク18は平面視が夫々Z字形に屈曲しており、該アッパリンク17とロワリンク18の後端に連結されたシートブラケット19はトラクタ10の中心線Cに対して右側へオフセットされている。また、前記運搬用台車13はトラクタ10の中心線Cに対して左側へオフセットされている。従って、前記第2の座席21は運搬用台車13の側方位置にて上下に昇降する。
【0011】更に、シートブラケット19の前方にハンドルステー25を突設し、該ハンドルステー25の上部にサブハンドル26を取り付けるとともに、各種操作レバー27,27…を装着する。そして、トラクタ10側に設けられているステアリングハンドル30と前記サブハンドル26を伸縮可能な自在式ロッド31にて連結し、サブハンドル26の回転に連動してステアリングハンドル30が回転するように構成してある。
【0012】また、トラクタ10側に設けられている各種操作レバー32,32…と前記ハンドルステー25側の各種操作レバー17,17…とをリモコンワイヤ(図示せず)にて連結してある。斯くして、前記サブハンドル26及び各操作レバー17,17…を操作することにより、作業者が第2の座席21に着座した状態にてトラクタ10の走行操作やリフトアーム12の回動操作を可能としている。
【0013】而して、前記油圧シリンダ14を作動してリフトアーム12を下方へ回動すれば、図3の実線で示すように、平行リンク機構22が下方へ回動して第2の座席21が下降する。これに対して、リフトアーム12を上方へ回動すれば、同図の二点鎖線で示すように、平行リンク機構22が上方へ回動して第2の座席21が上昇する。ここで、第2の座席21を最上昇させたときは、該第2の座席21の高さをトラクタ10の運転席15より高位置にし、第2の座席21を最下降させたときは、該第2の座席21の高さをトラクタ10の運転席15より低位置Sなるように構成する。
【0014】即ち、果樹栽培に於ける高い枝部分の作業では、第2の座席21を上昇させて防虫や摘果作業を行い、低い棚を設置した箇所に於いては、従来、運転席15に着座した作業者が身体を傾斜して棚との接触を回避しながら運転したのに比べ、本発明では、第2の座席21に作業者が着座したまま、該第2の座席21を最下降させて運転席15より低位置することにより、作業者と棚との接触事故を簡易且つ迅速に防止できる。
【0015】また、図4及び図5に示すように、シートブラケット19の左右方向にガイドバー35を架設し、第2の座席21の底部に保持具36を突設してこのガイドバー35へスライド自在に嵌着する。従って、前記第2の座席21がガイドバー35に沿って左右へ移動可能となり、第2の座席21での作業範囲を拡大できる。或いは、図示は省略するが、左右の安全フレーム取付部16,16間にガイドバーを架設し、このガイドバーに左右のアッパリンク17とロワリンク18の前端を左右スライド自在に取り付けることもできる。斯かる構成では、ガイドバーに沿って平行リンク機構22が左右方向へスライドし、前述と同様に、第2の座席21の作業範囲を拡大することができる。
【0016】尚、該第2の座席21は運転席15とは別個の座席を装着してあるが、前述の作業時のみ運転席15を取り外して、これを前記シートブラケット19へ装着して第2の座席とすることもできる。
【0017】而して、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したように、油圧シリンダの作動により第2の座席を昇降可能に形成した農作業車両に於いて、第2の座席を最上昇させたときは運転席より高位置にし、第2の座席を最下降させたときは運転席より低位置にするように構成したので、果樹栽培での高所作業を安全且つ容易に行えるとともに、従来運転席の作業者が接触するような低い棚を設置した箇所であっても、作業者が第2の座席に着座したまま該第2の座席を最下降させることにより、簡易且つ迅速に作業者と棚との接触を防止できる。
【0019】斯くして、果樹栽培等のように、高所作業と低所作業が混在する農作業に於ける作業性を向上できるとともに、作業者と棚との接触事故を防止して安全性を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年8月28日(1998.8.28)
【代理人】 【識別番号】100060575
【弁理士】
【氏名又は名称】林 孝吉
【公開番号】 特開2000−69804(P2000−69804A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−242937