| 【発明の名称】 |
作業車 |
| 【発明者】 |
【氏名】梅本 享
【氏名】福本 俊也
|
| 【要約】 |
【課題】電磁比例型の制御弁の電磁ソレノイドに適正な電流を供給して制御遅れなく円滑に油圧シリンダを作動させる。
【解決手段】ロータリ耕耘装置の昇降制御時には、リフトシリンダを制御する制御弁の電磁ソレノイドに流れた電流値Irを計測し、この電流値Irが、昇降制御の偏差に基づいて設定される目標電流値Ioと異なる場合には駆動信号を補正する補正値Cを設定し、この設定後には駆動信号を補正値Cで補正して電磁ソレノイドに出力するよう制御形態を設定すると共に、この補正値Cを設定インターバル毎に更新するよう構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンで駆動される油圧ポンプからの作動油を電磁比例型の制御弁を介して油圧アクチュエータに供給する油圧駆動系を備えると共に、油圧アクチュエータの作動目標を設定する設定器からの設定信号と、油圧アクチュエータの作動位置を検出するセンサからの検出信号とが入力する制御装置、及び、この制御装置からの駆動信号に基づいて電源からの電流を前記制御弁の電磁ソレノイドに供給する電力制御手段を備え、前記設定器からの設定信号と前記センサからの検出信号との偏差に基づいて目標電流値を設定し、この目標電流値に対応して設定される駆動信号を前記電力制御手段に送るよう前記制御装置の制御形態を設定してある作業車であって、前記制御弁の電磁ソレノイドに流れた電流値を計測する計測手段を備え、この計測手段で計測された電流値と、前記目標電流値とに差がある場合には、この差を補い得る補正値を設定し、この補正値の設定の後には、前記駆動信号を補正値で補正するよう前記制御装置の制御形態を設定してある作業車。 【請求項2】 前記目標電流値を、前記計測手段で計測される電流値で除して得られる係数を前記補正値に設定すると共に、前記油圧アクチュエータの制御時には、前記目標電流値に対応して設定される駆動信号に補正値を乗ずることで駆動信号の補正を行うよう前記制御装置の制御形態が設定されている請求項1記載の作業車。 【請求項3】 前記補正値が設定時間毎に更新されるよう前記制御装置の制御形態が設定されている請求項1記載の作業車。 【請求項4】 入り操作で前記エンジンを稼働させ、車体の電気機器に電力を供給し、切り操作でエンジンを停止させ、車体の電気機器に対する電力供給を停止するスイッチを備えると共に、このスイッチが入り状態にある場合にのみ前記補正値の設定を行い、スイッチの切り操作で設定された補正値が消去されるよう構成されている請求項1記載の作業車。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンで駆動される油圧ポンプからの作動油を電磁比例型の制御弁を介して油圧アクチュエータに供給する油圧駆動系を備えると共に、油圧アクチュエータの作動目標を設定する設定器からの設定信号と、油圧アクチュエータの作動位置を検出するセンサからの検出信号とが入力する制御装置、及び、この制御装置からの駆動信号に基づいて電源からの電流を前記制御弁の電磁ソレノイドに供給する電力制御手段を備え、前記設定器からの設定信号と前記センサからの検出信号との偏差に基づいて目標電流値を設定し、この目標電流値に対応して設定される駆動信号を前記電力制御手段に送るよう前記制御装置の制御形態を設定してある作業車に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、上記のように構成された作業車として特開平5‐66802号公報に示されるものが存在し、この従来例では、農用トラクタの昇降制御系に対して電磁比例流量制御型(電磁比例型)の制御弁を備え、ポジション制御時には耕耘装置の対車体レベルを設定する第1ポテンショメータと、耕耘装置の対車体レベルをフィードバックする第2ポテンショメータとの偏差に基づいて目標開度を得るための値の電流を制御弁のソレノイド(電磁ソレノイド)に供給するものとなっており、この供給時には、ソレノイドに現実に流れた実供給電流と、目標電流値との偏差を求め比例積分制御によって、実供給電流が目標電流値に達するまで電流値を調節するものとなっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前述した従来例のように、電磁ソレノイドに対して現実に流れた電流を計測し、この電流値が目標とする電流値に達するまで電流値の補正を行うものでは、例えば、寒冷地での作業開始時のように電源としてのバッテリーの電圧が低い場合や、作業時に電磁ソレノイドの温度が変化して電磁ソレノイドの電気抵抗値が変化した場合のように、トランジスタ等の電力制御手段に対して適正な駆動信号を送っても制御弁の電磁ソレノイドに対して必要とする電流が供給されず、この制御弁の開度が必要とする値に達しない場合でも、目標電流値を補正する制御を行うことで、電磁ソレノイドに必要とする電流を流して所望の制御を無理なく行えるという良好な面を有するものである。しかし、この従来例のように電磁ソレノイドに対して電流を供給する毎にフィードバック制御を行うものでは、制御遅れに繋がるばかりでなく、大電流を必要とする制御の初期に小電流しか流れない現象や、この逆の現象が発生することもあり、油圧アクチュエータの作動を円滑化する面で改善の余地がある。本発明の目的は、電磁ソレノイドに対して必要とする電流を流すという制御の有効性を活かしながら制御遅れを生ずることがなく円滑に油圧アクチュエータを作動させ得る作業車を合理的に構成する点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記載したように、エンジンで駆動される油圧ポンプからの作動油を電磁比例型の制御弁を介して油圧アクチュエータに供給する油圧駆動系を備えると共に、油圧アクチュエータの作動目標を設定する設定器からの設定信号と、油圧アクチュエータの作動位置を検出するセンサからの検出信号とが入力する制御装置、及び、この制御装置からの駆動信号に基づいて電源からの電流を前記制御弁の電磁ソレノイドに供給する電力制御手段を備え、前記設定器からの設定信号と前記センサからの検出信号との偏差に基づいて目標電流値を設定し、この目標電流値に対応して設定される駆動信号を前記電力制御手段に送るよう前記制御装置の制御形態を設定してある作業車において、前記制御弁の電磁ソレノイドに流れた電流値を計測する計測手段を備え、この計測手段で計測された電流値と、前記目標電流値とに差がある場合には、この差を補い得る補正値を設定し、この補正値の設定の後には、前記駆動信号を補正値で補正するよう前記制御装置の制御形態を設定してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0005】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記目標電流値を、前記計測手段で計測される電流値で除して得られる係数を前記補正値に設定すると共に、前記油圧アクチュエータの制御時には、前記目標電流値に対応して設定される駆動信号に補正値を乗ずることで駆動信号の補正を行うよう前記制御装置の制御形態が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0006】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1において、前記補正値が設定時間毎に更新されるよう前記制御装置の制御形態が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0007】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1において、入り操作で前記エンジンを稼働させ、車体の電気機器に電力を供給し、切り操作でエンジンを停止させ、車体の電気機器に対する電力供給を停止するスイッチを備えると共に、このスイッチが入り状態にある場合にのみ前記補正値の設定を行い、スイッチの切り操作で設定された補正値が消去されるよう構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0008】〔作用〕上記第1の特徴によると、油圧アクチュエータの制御時には設定器からの設定信号と、センサからの信号との偏差に基づいて制御手段が制御弁の電磁ソレノイドに対する目標電流値を設定し、この目標電流値に対応する駆動信号を電力制御手段に送り、電源からの電流を電力制御手段から電磁ソレノイドに供給するものとなる。この電流の供給時には計測手段が電磁ソレノイドに対して現実に流れた電流値を計測し、この電流値と目標電流値とを比較して差がある場合には補正値を設定するものとなり、補正値が設定された場合には、これ以後、この補正値で補正された値の電流を電磁ソレノイドに供給することになるので、従来例のように一旦電流を供給した後に補正するものと比較して、制御弁を操作する毎に電磁ソレノイドに流れる電流を大きく変化させることがなく、適正な値の電流値を電流供給開始時から電磁ソレノイドに供給して油圧アクチュエータを所望の速度で駆動できるものとなる。 【0009】上記第2の特徴によると、補正値を係数の形に設定するので設定器とセンサとの偏差に応じて目標電流値を求め、この目標電流値に補正値を乗ずる計算を行うだけで必要とする電流値を正確に求めて前述の制御を行い得るものとなる。 【0010】上記第3の特徴によると、補正値が設定時間毎に更新されるので、例えば、温度の影響で電磁ソレノイドの電気抵抗値が想定されたものと異なる場合や、電源としてのバッテリーの電圧が低い場合のように、制御の初期に電磁ソレノイドに供給される電流値の補正を行った後、時間経過に伴って温度が変化する、あるいは、バッテリーの電圧が上昇して補正値を変更する必要を生じた場合でも、設定時間毎に補正値が更新されるので、従来例のように電磁ソレノイドに電流を供給する毎に補正を行うもののように処理に無駄な時間を消費することなく適正な値の電流を電磁ソレノイドに供給できるものとなる。 【0011】上記第4の特徴によると、例えば、スイッチを切り操作する以前の作業時の気温と、スイッチを入り操作して作業を開始する際の気温とが大きく異なる場合のように、夫々の状況における補正値が大きく異なり油圧アクチュエータの作動速度の差異が大きくなる場合でも、スイッチを切り操作した場合には補正値が消去されることによって、電磁ソレノイドに供給される電流値が過大であったり過小となる現象を回避して無理のない作動を可能にする。 【0012】〔発明の効果〕従って、電磁ソレノイドに対して必要とする適正な値の電流を流して作動遅れや制御開始時に過大な速度で油圧アクチュエータが作動する弊害を回避して円滑に油圧アクチュエータを作動させ得る作業車が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、補正値に基づいた簡単な計算で必要とする値の電流を電磁ソレノイドに供給し得るものとなり(請求項2)、設定時間毎に補正値を更新することによって制御遅れを生ずることなく迅速に油圧アクチュエータを作動させ得るものとなり(請求項3)、エンジンを始動して作業を開始する際には油圧アクチュエータの無駄な作動を回避して円滑な作動を行わせ得るものとなった(請求項4)。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1には作業車としての農用トラクタの後部が示されている。この農用トラクタの車体の後部にはリフトシリンダ1(油圧アクチュエータの一例)の駆動力で昇降作動する左右一対のリフトアーム2を備え、単一のトップリンク3と、左右一対のロアーリンク4とで成る3点リンク機構を介してロータリ耕耘装置5が連結支持され、このロアーリンク4とリフトアーム2とをリフトロッド6を介して吊り下げ支持することで、リフトシリンダ1の駆動力でロータリ耕耘装置5の昇降を行えるよう構成してあり、又、右側のリフトロッド6に介装した複動型のローリングシリンダ7の伸縮作動によってロータリ耕耘装置5のローリング作動を行えるよう構成してある。 【0014】図2に示すように、前記リフトシリンダ1、及び、ローリングシリンダ7に対する油圧系が形成されている。つまり、エンジンEで駆動される油圧ポンプPからの作動油をフロープライオリティ弁10を介して分流し、一定量の制御流を電磁操作型のローリング制御弁11に供給すると共に、フロープライオリティ弁10からの余剰流を電磁比例型の昇降制御弁Vに供給する油路系が構成されている。ローリング制御弁11は電気信号に基づいてローリングシリンダ7を収縮作動させる収縮位置と、伸張作動させる伸張位置と、伸縮を阻止する中立位置とに切換自在に構成されている。又、昇降制御弁Vは、リフトシリンダ1に対して作動油を供給する上昇制御弁12と、この上昇制御弁12をパイロット圧で開閉操作する上昇用パイロット弁12Pと、リフトシリンダ1から作動油を排出する下降制御弁13と、この下降制御弁をパイロット圧で開閉操作する下降用パイロット弁13Pとを備えて構成されると共に、上昇用パイロット弁12P及び下降用パイロット弁13Pは夫々の電磁ソレノイド12S,13Sに供給される電流値に正比例して開度が変化してパイロット圧を変化させ、上昇制御弁12、下降制御弁13夫々の開度を調節できるよう構成されている。 【0015】このように構成されているので、ロータリ耕耘装置5を上昇させる場合には上昇用パイロット弁12Pの電磁ソレノイド12Sに対して電流を供給し、この電流の電流値を調節することで上昇用パイロット弁12Pの開度が電流値に正比例して変化して、この上昇用パイロット弁12Pから上昇制御弁12に作用するパイロット圧が変化して上昇制御弁12の開度が電流値と比例した値に設定される結果、リフトシリンダ1に対して開度に比例した量の作動油が供給されてロータリ耕耘装置5の上昇速度が決まるものとなる。これと同様にロータリ耕耘装置5を下降させる場合には下降用パイロット弁13Pの電磁ソレノイド13Sに対して電流を供給し、この電流の電流値を調節することで下降用パイロット弁13Pの開度が電流値に正比例して変化して、この下降用パイロット弁13Pから下降制御弁13に作用するパイロット圧が変化して下降制御弁13の開度が電流値と比例した値に設定される結果、リフトシリンダ1から開度に比例した量の作動油が排出されてロータリ耕耘装置5の下降速度が決まるものとなっている。 【0016】図3に示すように、マイクロプロセッサを備えた制御装置16に対して車体に備えたポジションレバー17の操作位置を計測するポテンショメータ型のレバーセンサ17Sと、前記リフトアーム2の揺動量を計測するポテンショメータ型のリフトアームセンサ2Sと、ロータリ耕耘装置5の耕深を設定するようダイヤル18で操作されるポテンショメータ型の耕深設定器18Sと、前記ロータリ耕耘装置5の後カバー5Aの揺動量を計測して該ロータリ耕耘装置5の耕深を計測するポテンショメータ型のカバーセンサ5Sとからの信号がA/D変換器19を介して入力する系を形成すると共に、この制御装置16から電力供給手段としてのトランジスタ20,20に対して駆動信号を出力する系を形成し、このトランジスタ20,20から前記上昇用パイロット弁12P、下降用パイロット弁13P夫々の電磁ソレノイド12S,13Sに電流を供給するための電力系を形成してある。 【0017】又、この制御系では制御装置16、A/D変換器19、夫々のトランジスタ20等に対して電源としてのバッテリー21から電力を供給すると共に、エンジンEの点火プラグに電力を供給するためのスイッチ22を備え(セルモータを始動させる系は図示せず)、電磁ソレノイド12S,13Sに対して現実に流れた電流を電圧値に変換する抵抗器Rを備え、この抵抗器Rで電圧に変換された電圧信号を前記A/D変換器19に送り、このA/D変換器19を介して制御装置16にフィードバックする信号系が形成されている。尚、この抵抗器Rからの電圧信号をA/D変換器19を介して制御装置16フィードバックする系で計測手段が構成されている。 【0018】この農用トラクタではレバーセンサ17Sで設定されたロータリ耕耘装置5の対車体高さと、リフトアームセンサ2Sで計測されるロータリ耕耘装置5の対車体高さが略一致するまでロータリ耕耘装置5の昇降を行うポジション制御と、耕深設定器18Sで設定された耕深と、カバーセンサ5Sで計測されるロータリ耕耘装置5の耕深とが略一致するようロータリ耕耘装置5の昇降を行う自動耕深制御との2種のフィードバック制御を行うと共に、この制御時にはレバーセンサ17S、耕深設定器18Sで成る設定系と、リフトアームセンサ2S、カバーセンサ5Sで成るフィードバック系との偏差が大きいほど偏差と比例した速度でロータリ耕耘装置5を昇降させ(例えば、比例制御や比例積分制御)、設定系の設定値を基準に形成される不感帯の域内に、フィードバック系の計測値が達するとロータリ耕耘装置5の昇降を停止させるよう制御装置16の基本的な制御動作が設定されている。 【0019】又、前述のように偏差に基づいてロータリ耕耘装置5の昇降速度を設定する際には偏差に対応して電磁ソレノイド12S,13Sに供給される目標電流値を設定し、この目標電流値に対応したしたデューティ比の間歇信号(駆動信号)をトランジスタ20のベース端子に送る制御を行うものとなっているが、バッテリー21の電圧が低い場合や、温度の影響によって電磁ソレノイド12S,13Sの電気抵抗が変化した場合のように駆動信号に対応した値の電流が電磁ソレノイド12S,13Sに流れなかった場合には駆動電流のデューティ比を補正して目標電流値となる電流を電磁ソレノイド12S,13Sに流す制御を行うものとなっており、以下にポジション制御を例に挙げて制御の詳細を説明する。 【0020】つまり、図5のフローチャートに示すように、レバーセンサ17Sの信号値(Lo)と、リフトアームセンサ2Sの信号値(Ls)とを入力すると共に、夫々の信号値の偏差の絶対値(|Lo−Ls|)が予め設定されていた不感帯(E)より大きい場合には、(Lo,Ls)と、予め設定されたテーブルデータや所定の計算式とに基づいて電磁ソレノイド12S,13Sの一方に供給すべき目標電流値(Io)を求めると共に、この目標電流値(Io)に基づいてトランジスタ20を駆動する駆動信号のデューティ比(D)を予め設定されたテーブルデータや所定の計算式から求めて設定し、更に、このデューティ比(D)に対してマイクロプロセッサ内のレジスタやDRAM型のメモリのように電流の供給停止とともにデータが消滅する記憶部に保持された補正値(C)を乗じて補正を行い、このように補正されたデューティ比の駆動信号を必要とする電磁ソレノイドの側のトランジスタ20に出力する(#101〜#106ステップ)。 【0021】又、この駆動信号は図4に示す如く周期TでON状態とOFF状態とに切換わる間歇信号として出力されるものであり、周期Tに対するON状態の時間の比率をデューティ比(普通はパーセントで表される)と称し、ON時間の比率を増大させるとバッテリー21からトランジスタ20を介して電磁ソレノイドに供給される電流値が増大し、ON時間を減少させるとバッテリー21からトランジスタ20を介して電磁ソレノイド12S,13Sに供給される電流値が減少するものとなっている。 【0022】次に、抵抗器Rで電圧信号に変換された信号に基づいて電磁ソレノイドに現実に流れた制御電流値(Ir)を制御装置16に入力すると共に、この制御電流値(Ir)と、前記目標電流値(Io)とから、夫々の信号値の偏差の絶対値(|Io−Ir|)が予め設定された不感帯(E)より大きい場合にのみ(Io/Ir)の演算処理を行いこの処理結果を調節係数(K)にセットし、この調節係数(K)と前記補正値(C)とを駆動信号のデューティ比(D)に乗じ、この乗じた値のデューティ比の駆動信号をトランジスタ20に出力するものとなっている(#107〜#110ステップ)。 【0023】更に、インターバルタイマがON状態に達している場合には、前記補正値(C)に前記調節係数(K)を更新して、以後の制御時にはこの補正値(C)を用いてデューティ比(D)の値を求めるものとしている。そして、この制御によってレバーセンサ17Sの信号値(Lo)と、リフトアームセンサ2Sの信号値(Ls)との偏差の絶対値(|Lo−Ls|)が予め設定されていた不感帯(E)より小さくなると電磁ソレノイドに対する電流の供給を遮断するものとなっている(#111〜#113ステップ)。尚、インターバルタイマはソフトウエアで構成され、制御開始時にはON状態にあり、このON状態で補正値のセットが行われた後には数分程度に設定された時間が経過することで再度ON状態に達するものとなっており、詳述していないが、ON状態に達した後に補正値(C)の設定が行われない場合には、ON状態を維持するものとしている。 【0024】このように構成されたので、ポジションレバー17を操作してロータリ耕耘装置5を昇降する場合には、前述したように補正値(C)を用いた処理と調節係数(K)を用いた処理とによってレバーセンサ17Sの信号値とリフトアームセンサ2Sの信号値との偏差に対応した適正な値の電流を電磁ソレノイドに供給し、偏差に対応した速度での昇降を行い、夫々の信号値が略一致した時点で昇降を停止するものとなっている。特に、電磁ソレノイドに対して現実に流れた電流値と目標電流値との比較によって所定のインターバル毎に補正値(C)を更新するので、電磁ソレノイドに対して流れた電流値に基づいて常に補正値をセットするものと比較して処理時間の短縮が可能であり、しかも、駆動信号の出力開始の時点から補正値(C)によって補正されたデューティ比の駆動信号がセットされるので、駆動信号を出力した後に補正処理を行うものと比較して作動油量の変化が殆ど無く、このことから制御遅れやリフトシリンダ1の作動速度が変化する不都合を発生することがなく、迅速で円滑な作動を行えるものとなっている。そして、この補正値(C)は制御装置16に対する電力の遮断によって消滅するので、エンジンEを停止した後に、再度同様の制御を行う場合でも必ず補正値(C)が初期値「1」にセットされ、この値を用いて補正処理が行われることから、不適正な補正値(C)によってデューティ比が設定された駆動信号の出力が回避されるものとなっている。 【0025】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、前記自動耕深制御や、前記ローリング制御に適用することが可能であり、エンジンの負荷に基づいてロータリ耕耘装置の昇降を行う負荷制御に適用することも可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
|
| 【出願日】 |
平成10年8月12日(1998.8.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2000−50705(P2000−50705A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月22日(2000.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願平10−227822 |
|