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【発明の名称】 水田作業機の操作装置
【発明者】 【氏名】内島 章善

【氏名】谷 和典

【氏名】三本 松夫

【氏名】井上 信一郎

【要約】 【課題】牽制板の軽量化を図りながらも、牽制の確実化を図る。

【解決手段】中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバー30を設け、昇降手段による苗植付装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用のマーカを格納姿勢に切り換える格納操作手段と、マーカを各別に格納姿勢に保持するロック手段とを設け、レバー30の上昇位置及び下降位置への揺動により昇降手段をそれぞれ上昇作動及び下降作動させるように構成し、レバー30の左位置及び右位置への揺動により左右のロック手段をそれぞれ解除作動させるように構成し、レバー30が左位置及び右位置側に揺動している状態ではレバー30に周縁で接当してレバー30の上昇位置側への揺動を阻止する牽制板60を設け、レバー30が牽制板60の板面方向に近い方向で牽制板60の周縁に接当するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1軸芯周りでの揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに前記第1軸芯に対して直交する第2軸芯周りでの揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバーを搭乗運転部に設け、昇降手段による対地作業装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用の左右のマーカを付勢に抗して格納姿勢に切り換える格納操作手段と、左右のマーカを各別に格納姿勢に保持する左右のロック手段とを設け、前記レバーの中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段を下降作動させるようにレバーと昇降手段とを連係させる昇降連係手段を設け、前記レバーの中立位置から左位置への揺動により左のロック手段を解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段を解除作動させるようにレバーとロック手段とを連係させるマーカ連係手段を設けてある水田作業機の操作装置であって、前記レバーが中立位置に位置するときにのみそのレバーの上昇位置側への揺動を許容し、かつ、レバーが中立位置から左位置及び右位置側に揺動している状態ではそのレバーに周縁で接当してレバーの上昇位置側への揺動を阻止する牽制板を設け、レバーが牽制板の板面方向又はそれに近い方向で牽制板の周縁に接当するように牽制板とレバーとの位置関係を設定してある水田作業機の操作装置。
【請求項2】 第1軸芯周りでの揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに前記第1軸芯に対して直交する第2軸芯周りでの揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバーを搭乗運転部に設け、昇降手段による対地作業装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用の左右のマーカを付勢に抗して格納姿勢に切り換える格納操作手段と、左右のマーカを各別に格納姿勢に保持する左右のロック手段とを設け、前記レバーの中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段を下降作動させるようにレバーと昇降手段とを連係させる昇降連係手段を設け、前記レバーの中立位置から左位置への揺動により左のロック手段を解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段を解除作動させるようにレバーとロック手段とを連係させるマーカ連係手段を設けてある水田作業機の操作装置であって、前記昇降連係手段を構成するに、レバーと一体に第2軸芯周りに回転するマーカ操作軸に、レバーの上昇位置への揺動に伴い第1軸芯と平行な第1揺動軸芯周りに揺動して上昇スイッチをオン作動させる上昇アームと、レバーの下降位置への揺動に伴い第1軸芯と平行な第2揺動軸芯周りに揺動して下降スイッチをオン作動させる下降アームとを取り付け、前記上昇アームと下降アームとのうちスイッチ操作部よりも基端側の部分にわたって上昇アーム及び下降アームをともにスイッチオフ方向に揺動付勢することによりレバーを中立位置に付勢する中立復帰バネを介装してある水田作業機の操作装置。
【請求項3】 第1軸芯周りでの揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに前記第1軸芯に対して直交する第2軸芯周りでの揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバーを搭乗運転部に設け、昇降手段による対地作業装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用の左右のマーカを付勢に抗して格納姿勢に切り換える格納操作手段と、左右のマーカを各別に格納姿勢に保持する左右のロック手段とを設け、前記レバーの中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段を下降作動させるようにレバーと昇降手段とを連係させる昇降連係手段を設け、前記レバーの中立位置から左位置への揺動により左のロック手段を解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段を解除作動させるようにレバーとロック手段とを連係させるマーカ連係手段を設けてある水田作業機の操作装置であって、前記対地作業装置を昇降自在に連結するとともに搭乗運転部を備えた自走機体に、前記ロック手段を装備させてある水田作業機の操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機などの水田作業機の操作装置で、詳しくは、第1軸芯周りでの揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに前記第1軸芯に対して直交する第2軸芯周りでの揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバーを搭乗運転部に設け、昇降手段による対地作業装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用の左右のマーカを付勢に抗して格納姿勢に切り換える格納操作手段と、左右のマーカを各別に格納姿勢に保持する左右のロック手段とを設け、前記レバーの中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段を下降作動させるようにレバーと昇降手段とを連係させる昇降連係手段を設け、前記レバーの中立位置から左位置への揺動により左のロック手段を解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段を解除作動させるようにレバーとロック手段とを連係させるマーカ連係手段を設けてある水田作業機の操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の水田作業機の操作装置では、対地作業装置(苗植付装置など)を下降させるように、レバーを下降位置に揺動操作したのち、左や右のマーカを作用姿勢に切り換えるためにレバーを左位置や右位置に揺動操作する際、レバーを上昇位置に意に反して揺動操作してしまうことがあり、このようなことが発生すると、対地作業装置が不測に上昇してしまうことになる。そこで、従来では、特開平9‐289802号公報において見られるように、牽制板を設け、この牽制板に、レバーが中立位置に位置するときのみそのレバーの上昇位置側への揺動を許容するとともにレバーが左位置や右位置側に揺動している状態ではそのレバーに接当してレバーの上昇位置への揺動を阻止する牽制片を設けていた。
【0003】また、前記昇降連係手段を構成するに、従来では、前述の公報において見られるように、レバーと一体に第2軸芯周りに回転するマーカ操作軸に、レバーの上昇位置への揺動に伴い第1軸芯と平行な第1揺動軸芯周りに揺動して上昇スイッチをオン作動させる上昇アームと、レバーの下降位置への揺動に伴い第1軸芯と平行な第2揺動軸芯周りに揺動して下降スイッチをオン作動させる下降アームとを取り付け、上昇アームと下降アームとの先端部にわたって上昇アーム及び下降アームをともにスイッチオフ方向に揺動付勢することによりレバーを中立位置に付勢する中立復帰バネを介装していた。
【0004】更に、従来では、自走機体に昇降自在に連結された対地作業装置にロック手段を装備させて、左右のマーカを格納姿勢に保持するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技術によるときは、次のような欠点があった。つまり、レバーの牽制面では、レバーが上昇位置への揺動を牽制されるとき、牽制板の板面に直交する方向に近い方向でレバーが牽制片に接当するから、牽制に伴い牽制板には曲げ力が作用し、牽制板を軽量化のために薄い板から構成した場合には、牽制板が曲がってレバーの上昇位置側への移動を過剰に許容してしまい、その結果、レバーが牽制片に接当した時点でレバーが既に上昇位置に揺動しているといった牽制不良を発生させやすい。
【0006】また、レバーを中立位置に付勢する面では、レバーの揺動に伴うスイッチ操作部の揺動量を必要十分に確保して上昇アーム及び下降アームの揺動に伴うスイッチのオン・オフを確実に行う上で、スイッチ操作部の揺動軸芯からの最小距離が規定され、その結果、上昇アームと下降アームとの先端部に中立復帰バネを介装することは、その分、上昇アーム及び下降アームの長さが長くなることで、上昇アーム及び下降アームの第2軸芯周りでの揺動スペースが大きなものとなり、設置性が悪い。
【0007】そして、ロック手段を対地作業装置に装着してある場合には、レバーとロック手段とをマーカ連係手段で連係させる作業が、自走機体に対地作業装置を装着した後の作業となるから、作業手順に制約を受けて、連係作業性が悪い。
【0008】本発明の目的は、牽制板の軽量化を図りながらも、牽制の確実化を図れ、昇降連係手段のコンパクト化を図れ、レバーとロック手段との連係作業性の向上を図れるようにする点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本第1発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0010】〔特徴〕第1軸芯周りでの揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに前記第1軸芯に対して直交する第2軸芯周りでの揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバーを搭乗運転部に設け、昇降手段による対地作業装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用の左右のマーカを付勢に抗して格納姿勢に切り換える格納操作手段と、左右のマーカを各別に格納姿勢に保持する左右のロック手段とを設け、前記レバーの中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段を下降作動させるようにレバーと昇降手段とを連係させる昇降連係手段を設け、前記レバーの中立位置から左位置への揺動により左のロック手段を解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段を解除作動させるようにレバーとロック手段とを連係させるマーカ連係手段を設けてある水田作業機の操作装置であって、前記レバーが中立位置に位置するときにのみそのレバーの上昇位置側への揺動を許容し、かつ、レバーが中立位置から左位置及び右位置側に揺動している状態ではそのレバーに周縁で接当してレバーの上昇位置側への揺動を阻止する牽制板を設け、レバーが牽制板の板面方向又はそれに近い方向で牽制板の周縁に接当するように牽制板とレバーとの位置関係を設定してある点にある。
【0011】〔作用〕本第1発明によるときは、レバーが中立位置から左位置や右位置に揺動している状態でのレバーの上昇位置への揺動を牽制板の周縁への接当により牽制する際、レバーが牽制板の周縁に牽制板の板面方向又はそれに近い方向で接当するようにしてあるから、レバーの接当に伴い牽制板に作用する曲げ力を小さなものにできる。
【0012】〔効果〕従って、本第1発明によれば、牽制板として軽量化のために薄いものを用いながらも、牽制に起因した牽制板の曲がりを抑制して、牽制板による牽制性能を向上できるようになった。
【0013】請求項2に係る本第2発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0014】〔特徴〕第1軸芯周りでの揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに前記第1軸芯に対して直交する第2軸芯周りでの揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバーを搭乗運転部に設け、昇降手段による対地作業装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用の左右のマーカを付勢に抗して格納姿勢に切り換える格納操作手段と、左右のマーカを各別に格納姿勢に保持する左右のロック手段とを設け、前記レバーの中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段を下降作動させるようにレバーと昇降手段とを連係させる昇降連係手段を設け、前記レバーの中立位置から左位置への揺動により左のロック手段を解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段を解除作動させるようにレバーとロック手段とを連係させるマーカ連係手段を設けてある水田作業機の操作装置であって、前記昇降連係手段を構成するに、レバーと一体に第2軸芯周りに回転するマーカ操作軸に、レバーの上昇位置への揺動に伴い第1軸芯と平行な第1揺動軸芯周りに揺動して上昇スイッチをオン作動させる上昇アームと、レバーの下降位置への揺動に伴い第1軸芯と平行な第2揺動軸芯周りに揺動して下降スイッチをオン作動させる下降アームとを取り付け、前記上昇アームと下降アームとのうちスイッチ操作部よりも基端側の部分にわたって上昇アーム及び下降アームをともにスイッチオフ方向に揺動付勢することによりレバーを中立位置に付勢する中立復帰バネを介装してある点にある。
【0015】〔作用〕本第2発明によるときは、レバー操作に伴うスイッチのオン・オフを確実化するために上昇アーム及び下降アームのスイッチ操作部と揺動軸芯との間には十分なスペースがある点に着目して、上昇アームと下降アームとのうちスイッチ操作部よりも基端側の部分にわたって中立復帰バネを設けてあるから、中立復帰バネを設けながらも、上昇アーム及び下降アームをスイッチ操作部までの長さのものにすることができる。
【0016】〔効果〕従って、本第2発明によれば、上昇アーム及び下降アームの第2軸芯周りでの揺動スペースを小さなものに維持でき、設置性を向上できるようになった。
【0017】請求項3に係る本第3発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0018】〔特徴〕第1軸芯周りでの揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに前記第1軸芯に対して直交する第2軸芯周りでの揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のレバーを搭乗運転部に設け、昇降手段による対地作業装置の上昇に伴い作用姿勢にある次回走行指標溝形成用の左右のマーカを付勢に抗して格納姿勢に切り換える格納操作手段と、左右のマーカを各別に格納姿勢に保持する左右のロック手段とを設け、前記レバーの中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段を下降作動させるようにレバーと昇降手段とを連係させる昇降連係手段を設け、前記レバーの中立位置から左位置への揺動により左のロック手段を解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段を解除作動させるようにレバーとロック手段とを連係させるマーカ連係手段を設けてある水田作業機の操作装置であって、前記対地作業装置を昇降自在に連結するとともに搭乗運転部を備えた自走機体に、前記ロック手段を装備させてある点にある。
【0019】〔作用〕本第3発明によるときは、搭乗運転部、つまり、レバーを備えた自走機体にロック手段を装備させてあるから、対地作業装置の自走機体への装着の有無にかかわらず、レバーとロック手段とをマーカ連係手段を介して連係させることができる。換言すれば、レバーとロック手段とマーカ連係手段とを先組みすることができる。
【0020】〔効果〕従って、本第3発明によれば、レバーとロック手段との連係作業性を向上できるようになった。
【0021】
【発明の実施の形態】水田作業機の一例である乗用型田植機は、図1に示すように、自走機体1の後部に対地作業装置であるところの苗植付装置2を平行四連リンク機構3を介して昇降自在に連結し、この苗植付装置2を昇降する昇降手段4を設けて構成されている。
【0022】前記自走機体1は、操舵用の左右一対の駆動前輪5と左右一対の駆動後輪6とを備えた機体フレーム7に、前部の原動部8と搭乗運転部9とを搭載して構成されている。前記駆動前輪5は、走行・植付ミッションケース10を介して機体フレーム7に支持されており、駆動後輪6は、車軸ケース11を介して機体フレーム7に支持されている。
【0023】前記苗植付装置2は、左右方向に設定ストロークで往復移動する苗のせ台12と、この苗のせ台12の往復移動に連動して作動することにより苗のせ台12上の苗を植付単位量ずつ取り出して圃場に植え付ける回転式の苗植付機構13と、走行に伴い圃場面を滑走して植付予定箇所を整地する複数の接地フロート14とを、平行四連リンク機構3にローリング自在に装着される植付フレーム15に組み付けて構成されている。前記接地フロート14のうち左右中央に位置するセンタフロートは、植付フレーム15の圃場面からの高さ、つまり、植付深さを植付フレーム15に対する揺動姿勢をもって検出するためのセンサフロートであり、この苗植付装置2への伝動系には、苗植付装置2への動力伝達を断続する電動式の植付クラッチ16(図15参照)が植付・走行ミッションケース10に内装される状態で介装されている。そして、苗植付装置2には、図11にも示すように、左右横外方に突出して走行に伴い次回走行時の指標溝を圃場面に形成する作用姿勢と内方に引退起立した格納姿勢とに揺動切り換え自在な左右一対のマーカ17L,17Rが付設されている。
【0024】前記平行四連リンク機構3は、図9にも示すように、左右一対のロアーリンク18の前端それぞれを機体フレーム7に第1左右向き軸芯P1周りに上下揺動自在に連結し、左右一対のアッパーリンク19の前端それぞれを機体フレーム7に第2左右向き軸芯P2周りに上下揺動自在に連結し、前記苗植付装置2をローリング自在に支持する縦リンク20の下端部分を前記ロアーリンク18の後端それぞれに第3左右向き軸芯P3周りに揺動自在に連結し、前記縦リンク20の上端部をアッパーリンク19の後端それぞれに第4左右向き軸芯P4周りに揺動自在に連結して構成されている。
【0025】前記昇降手段4は、図14,図15にも示すように、前記第2左右向き軸芯P2上に位置する機体側支軸21と第3左右向き軸芯P3上に位置する苗植付装置側支軸22との間に介装されて圧油供給に伴い短縮作動することにより平行四連リンク機構3を苗植付装置2の重量に抗して上方に揺動させるとともに排油して伸長作動することにより平行四連リンク機構3を苗植付装置2の重量で下方に揺動させる油圧シリンダ23と原動部8により駆動される圧油供給用の油圧ポンプ24とを設け、油圧シリンダ23に圧油を供給する上昇状態と油圧シリンダ23から排油させる下降状態と油圧シリンダ23を作動停止させる中立状態とに切り換え操作自在な電磁式の昇降バルブ25を設けて構成されている。なお、油圧シリンダ23と苗植付装置側支軸22との間にはサスペンションバネ26が介装されている。
【0026】かつ、乗用型田植機は、格納操作手段27と左右のロック手段28L,28Rと昇降用の第1のレバー29と昇降用の第2のレバー30と制御装置31とを備えている。
【0027】前記格納操作手段27は、苗植付装置2の上昇に伴い作用姿勢にあるマーカ17L,17Rをスプリング32L,32Rによる付勢力に抗して格納姿勢に切り換え揺動させる手段であって、具体的には、図12の(イ)(ロ)、図13、図14に示すように、第5左右向き軸芯P5周りでの揺動により作用姿勢と格納姿勢とに変更自在で作用姿勢から格納姿勢に揺動することにより対応するマーカ17L,17Rを作用姿勢から格納姿勢にレリーズワイヤ33L,33Rを介して揺動させる左右一対の操作具34L,34Rを機体フレーム7に取り付け、アッパーリンク19のそれぞれに一体連設した操作アーム19a間にわたって、上昇作動時におけるアッパーリンク19の第2左右向き軸芯P2周りでの揺動に伴い作用姿勢に位置する操作具34L,34Rのそれぞれを格納姿勢に強制的に押圧揺動させる操作部35を架設して構成されている。
【0028】前記ロック手段28L,28Rは、図12の(イ)(ロ)、図13,図14に示すように、対応する左右のマーカ17L,17Rを各別に格納姿勢に保持する手段であって、具体的には、上下向き軸芯PL,PR周りでの揺動により格納姿勢にある操作具34L,34Rのうち対応するものに対して係脱自在で係合することにより操作具34L,34Rのスプリング32L,32Rの付勢力による作用姿勢側への揺動を阻止する左右一対の格納ロック具36L,36Rを機体フレーム7に取り付け、これら格納ロック具36L,36Rのそれぞれを係合姿勢にともに揺動付勢するロックバネ37を設け、前記操作具34L,34Rが揺動範囲のうち格納姿勢以外の姿勢にあるとき格納ロック具36L,36Rの係合部に接当して格納ロック具36L,36Rを係合解除姿勢に保持する、つまり、格納ロック具36L,36Rの係合姿勢へのロックバネ37の付勢力による揺動を規制する規制面38L,38Rを操作具34L,34Rに形成して構成されている。すなわち、格納ロック具36L,36Rは、操作具34L,34Rが格納姿勢に揺動したとき規制面38L,38Rによる規制が解除されて操作具34L,34Rに自動係合するようになっている。なお、格納ロック具36L,36Rの係合部はローラ39L,39Rから構成されている。
【0029】前記第1のレバー29は、図15に示すように、植付位置と下降位置と中立位置と上昇位置と自動位置とに操作されるものであって、前記搭乗運転部9の運転座席9aの横に配置されている。
【0030】第2のレバー30は、図2〜図4,図7に示すように、横軸芯X(第1軸芯)周りでの上下揺動により上昇位置と下降位置とに変更するとともに横軸芯Xに対して直交する縦軸芯Y(第2軸芯)周りでの前後揺動により左位置と右位置とに変更する中立復帰付勢された十字揺動操作式のものであって、前記搭乗運転部9のハンドル9bの横に配置されている。具体的には、レバー30は、ハンドルポスト9Aに上下のステー40,41を介して縦軸芯Y周りに回転自在に取り付けたマーカ操作軸42に、これと一体に縦軸芯Y周りに揺動する状態でかつ横軸芯X周りに揺動自在な状態で取り付けられている。
【0031】前記マーカ操作軸42には、図2〜図4に示すように、ブラケット43が縦軸芯Y周りに一体に回転する状態で取り付けられており、このブラケット43には、前記横軸芯Xと平行な揺動軸芯x周りでの中立位置から下方への揺動によりリミットスイッチ利用の上昇スイッチ44をオン作動させる上昇アーム45と、前記揺動軸芯x周りでの中立位置から上方への揺動によりリミットスイッチ利用の下降スイッチ46をオン作動させる下降アーム47と、接当により上昇アーム45の中立位置を越えての上方への揺動及び下降アーム47の中立位置を越えての下方への揺動を阻止する牽制部材48とが取り付けられている。そして、上昇アーム45及び下降アーム47は、図4の(イ)に示すように、前記第2のレバー30の上昇位置への揺動により上昇アーム45が下方に可逆的に揺動し、かつ、図4の(ロ)に示すように、下降位置への揺動により下降アーム47が上方に可逆的に揺動するようにレバー30に連係している。この実施の形態では、揺動軸芯xをもって、請求項2で記載の第1揺動軸芯x1と第2揺動軸芯x2とを兼用構成している。連係手段は、図2〜図4に示すように、レバー30の上昇位置への揺動により下方に移動しかつ下方位置への揺動により上方に移動する連動アーム49を設け、上昇アーム45と下降アーム47とにわたって両者を中立位置に揺動付勢する中立復帰バネ50を設け、前記連動アーム49に、この連動アーム49の下方への移動に伴い上昇アーム45を中立復帰バネ50による付勢力に抗して下方に押圧揺動させるとともに連動アーム49の上方への移動に伴い下降アーム47を中立復帰バネ50による付勢力に抗して上方に押圧揺動させる連動ピン51を設けて構成されている。つまり、上昇アーム45及び下降アーム47が中立位置に中立復帰バネ50で揺動付勢されることにより、レバー30が上昇位置と下降位置との間の中立位置に復帰付勢されるようになっている。そして、前記中立復帰バネ50は、上昇アーム45及び下降アーム47のスイッチ操作部45a,47aと揺動軸芯xとの間に位置する状態に配置されている。
【0032】前記下方のステー41には、図2,図3,図5に示すように、前記横軸芯X及び縦軸芯Yに対して直交する第3軸芯z周りに揺動自在な揺動板52が取り付けられており、この揺動板52は、第2のレバー30の中立位置から左位置への揺動に伴い中立姿勢から左姿勢に可逆的に揺動し、かつ、レバー30の中立位置から右位置への揺動に伴い中立姿勢から右姿勢に可逆的に揺動するようにレバー30、つまり、マーカ操作軸42に連動している。連動手段は、図6の(イ)(ロ)(ハ)にも示すように、マーカ操作軸42に連設のアーム53に接当作用してマーカ操作軸42を中立位置に回転付勢する、つまり、レバー30を前後方向の中立位置に揺動付勢する巻きバネ利用の前後用の中立復帰バネ54を設け、揺動板52に形成の切り欠き55に係合してマーカ操作軸42の中立位置から左位置への回転に伴い揺動板52を中立姿勢から左姿勢に揺動させるとともにマーカ操作軸42の中立位置から右位置への回転に伴い揺動板52を中立姿勢から右姿勢に揺動させる連動アーム56をマーカ操作軸42に連設して構成されている。かつ、下方のステー41には、マーカ操作軸42が左位置に回転したときそのマーカ操作軸42に連設したアーム42aに押圧されてオン作動するリミットスイッチ利用の左スイッチ57と、マーカ操作軸42が右位置に回転したときアーム42aに押圧されてオン作動するリミットスイッチ利用の右スイッチ58とが取り付けられている。
【0033】また、上方のステー40は、図7,図8にも示すように、前記レバー30が左位置と右位置との間の中立位置に位置するときのみそのレバー30を凹部59に移入させてレバー30の上昇位置側への揺動を許容し、かつ、レバー30が中立位置から左位置及び右位置側に揺動している状態ではそのレバー30に周縁で接当してレバー30の上昇位置側への揺動を阻止する牽制板60を兼用構成しており、この牽制板60とレバー30とは、レバー30が牽制板60の板面方向に近い方向で牽制板60の周縁に接当するようにそれらの位置関係が設定されている。
【0034】そして、前記揺動板52の中立姿勢から左姿勢への揺動に伴い左のロック手段28Lの格納ロック具36Lを付勢に抗して解除作動させる左連動ワイヤ61Lと、揺動板52の中立姿勢から右姿勢への揺動に伴い右のロック手段28Rの格納ロック具36Rを付勢に抗して解除作動させる右連動ワイヤ61Rとを設けてある。つまり、マーカ操作軸42、揺動板52、左連動ワイヤ61L、右連動ワイヤ61Rから、第2のレバー30の中立位置から左位置への揺動により左のロック手段28Lを解除作動させるとともに中立位置から右位置への揺動により右のロック手段28Rを解除作動させるようにレバー30とロック手段28L,28Rとを連係させるマーカ連係手段62が構成されている。
【0035】従って、第2のレバー30を左位置に揺動操作することにより、格納姿勢に保持されていた左のマーカ17Lが作用姿勢に付勢揺動し、レバー30を右位置に揺動操作することにより、格納姿勢に保持されていた右のマーカ17が作用姿勢に付勢揺動するのである。
【0036】また、乗用型田植機は、図15に示すように、制御用のセンサ類として、第1のレバー29の操作位置を検出するポテンショメータ利用の位置センサ63と、センサフロート14の揺動角を検出するポテンショメータ利用のフロートセンサ64と、苗植付装置2が上限位置にまで上昇したことを検出する上限検出手段とを有する。前記上限検出手段は、図9,図10に示すように、一方のロアーリンク18が上限位置にまで揺動したときこのロアーリンク18にバネ65による付勢力に抗して押圧されて揺動する接触部材66を機体フレーム7に取り付け、押圧揺動された接触部材66に押圧されてオン作動するリミットスイッチ利用の上限検出スイッチ67を設けて構成されている。
【0037】前記制御装置31の制御動作は次の〈1〉〜〈9〉である(図15参照)。
〈1〉第1のレバー29が中立位置に操作されていることが位置センサ63で検出されているとき、昇降バルブ25を中立状態に切り換えるとともに植付クラッチ16を切り作動させる。
〈2〉第1のレバー29が上昇位置に操作されていることが位置センサ63で検出されているとき、昇降バルブ25を上昇状態に切り換えるとともに植付クラッチ16を切り作動させる。
〈3〉第1のレバー29が下降位置に操作されていることが位置センサ63で検出されているとき、植付深さを設定深さとさせるようにフロートセンサ64の検出に基づいて昇降バルブ25を切り換える自動昇降制御を行う。
〈4〉第1のレバー29が植付位置に操作されていることが位置センサ63で検出されているとき、植付深さを設定深さとさせるようにフロートセンサ64の検出に基づいて昇降バルブ25を切り換える自動昇降制御を行うとともに植付クラッチ16を入り作動させる。
〈5〉第1のレバー29が自動位置に操作されていることが位置センサ63で検出されている状態で第2のレバー30が上昇位置に操作されて上昇スイッチ44がオン作動したとき、植付クラッチ16を切り作動させるとともに昇降バルブ25を上昇状態に切り換え、その後において、苗植付装置2が上限位置まで上昇して上限検出スイッチ67がオン作動したとき、昇降バルブ25を中立状態に切り換える。
〈6〉第1のレバー29が自動位置に操作されていることが位置センサ63で検出されている状態で第2のレバー30が下降位置に操作されて下降スイッチ46がオン作動したとき、前記の自動昇降制御を行う。
〈7〉前記〈6〉の状態で第2のレバー30が再度下降位置に操作されて下降スイッチがオン作動したとき、前記の自動昇降制御を継続しながら植付クラッチ16を入り作動させる。
〈8〉第1のレバー29が自動位置に操作されていることが位置センサ63で検出されている状態で第2のレバー30が左位置に操作されて左スイッチ57がオン作動したとき、植付クラッチ16を入り作動させる。
〈9〉第1のレバー29が自動位置に操作されていることが位置センサ63で検出されている状態で第2のレバー30が右位置に操作されて右スイッチ58がオン作動したとき、植付クラッチ16を入り作動させる。
【0038】そして、上昇アーム45、下降アーム47、上昇スイッチ44、下降スイッチ46、制御装置31から、第2のレバー30の中立位置から上昇位置への揺動により昇降手段4を上昇作動させるとともに下降位置への揺動により昇降手段4を下降作動させるようにレバー30と昇降手段4とを連係させる昇降連係手段68が構成されている。
【0039】〔別実施形態〕上記実施の形態では、マーカ17L,17Rを苗植付装置、つまり、対地作業装置2に装着させたが、マーカ17L,17Rを自走機体1に装着させて実施しても良い。
【0040】上記実施の形態では、マーカ連係手段62として、ワイヤを用いて機械的に連係させるものを示したが、機械的に連係させるものとしては、ワイヤに代えてロッドで連係させるものであってもよく、また、格納ロック具36L,36Rを解除作動させるシリンダなどのアクチュエータを設けて、電気的、或いは、油圧的に連係させるものであっても良い。
【0041】上記実施の形態では、乗用型田植機への適用例を示したが、本発明は、防除機や直播機などの各種の水田作業機に適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年7月21日(1998.7.21)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−32808(P2000−32808A)
【公開日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【出願番号】 特願平10−204885