| 【発明の名称】 |
作業車両における作業機昇降制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 志郎
【氏名】古川 浩二
【氏名】永野 良太
【氏名】徳住 敦
【氏名】山川 紀行
【氏名】石井 尚彦
【氏名】土谷 裕文
【氏名】松木 悟志
|
| 【要約】 |
【課題】高速走行時における昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきによる衝撃を緩和する。
【解決手段】昇降リンク装置を介して作業機を昇降可能に連結する作業車両における作業機昇降制御装置Aであって、作業機を昇降させる昇降手段と、作業車両が高速走行状態であることを検出する検出手段31と、昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきを感知する感知手段32と、前記検出手段が作業車両の高速走行状態を検出し、かつ前記感知手段ががたつきを感知したとき、そのがたつきを緩和する方向に作業機が昇降するよう前記昇降手段の作動を制御する制御手段13とを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 昇降リンク装置を介して作業機を昇降可能に連結する作業車両における作業機昇降制御装置であって、作業機を昇降させる昇降手段と、作業車両が高速走行状態であることを検出する検出手段と、昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきを感知する感知手段と、前記検出手段が作業車両の高速走行状態を検出し、かつ前記感知手段ががたつきを感知したとき、そのがたつきを緩和する方向に作業機が昇降するよう前記昇降手段の作動を制御する制御手段とを具備することを特徴とする作業機昇降制御装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、昇降リンク装置を介して作業機を昇降可能に連結する作業車両にて作業機を運搬する際、昇降リンク装置等のがたつきによる昇降リンク装置もしくは作業機にかかる衝撃を緩和させられるようにした作業機昇降制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】トラクタ等の農業用作業車両は、平行リンク機構や三点リンク機構等の昇降リンク装置を介して作業機を連結し、油圧シリンダ等のアクチュエータで昇降リンク装置を作動させて作業機を昇降するようになっている。この種の作業車両で作業機を運搬する場合、昇降リンク装置の作動を停止して作業機を地面から一定の高さに保持させるが、路面の凹凸や発信、ブレーキ等によって、昇降リンク装置自体や昇降リンク装置と作業機との連結部等にがたつきが生じ、作業機が上下或は前後に揺れるという事態が発生する。この作業機の揺れは昇降リンク装置を介して作業車両に伝わり、走行の安定性が損なわれるばかりか、揺れの衝撃が大きいと昇降リンク装置が破損するおそれもある。しかしながら、従来は、これに対し特別な対策がとられていなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記昇降リンク装置等のがたつきによる作業機に揺れを抑制して安定した走行が行われるようにすることを課題としている。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる作業車両における作業機昇降制御装置は、昇降リンク装置を介して作業機を昇降可能に連結する作業車両における作業機昇降制御装置であって、作業機を昇降させる昇降手段と、作業車両が高速走行状態であることを検出する検出手段と、昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきを感知する感知手段と、前記検出手段が作業車両の高速走行状態を検出し、かつ前記感知手段ががたつきを感知したとき、そのがたつきを緩和する方向に作業機が昇降するよう前記昇降手段の作動を制御する制御手段とを具備することを特徴としている。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。図1は農業用作業車両であるトラクタで作業機を運搬する状態を表している。このトラクタ1は、機体の前部にエンジン2、その後側にクラッチケース3、さらにその後側にミッションケース4がそれぞれ配設されており、エンジン2の下方に前輪5,5が操向自在に支架され、ミッションケース4の後部左右両側に後輪6,6が軸支されている。 【0006】左右の後輪6,6の前方から上方にかけてフェンダー8,8が取り付けられ、この左右フェンダーの間に座席9が設置されている。座席9の前方には、前輪2,2を操向操作する操向ハンドル10が設けられている。操向ハンドル10の下側には、作業機を作業位置と非作業位置に昇降させる昇降スイッチ11が設けられている。また、座席9の側方には、後述するコントローラ13を収納するコントロールボックス14があり、該コントロールボックスに作業機を任意の高さに昇降させるポジションレバー15、昇降制御モードを切り替えるモード切替スイッチ16等が設けられている。 【0007】機体の後部には、三点リンク機構の昇降リンク装置20が設けられている。この昇降リンク装置20は、左右一対のロワリンク21,21と左右中央のトップリンク21とを備え、リフトアーム23,23の先端部とロワリンク21,21の中間部とをリフトロッド24,24で連結している。片方のリフトロッド24L(図示例では左側)はローリングシリンダになっている。作業機25は、ロワリンク21,21とトップリンク22の後端部で三点支持される。図は作業機としてロータリ耕耘装置を連結した状態を表している。昇降手段である昇降シリンダ26を伸縮させてリフトアーム23,23を上下回動させると、作業機25が昇降する。また、ローリングシリンダ24Lを伸縮させると、作業機25の左右傾斜が調整される。 【0008】図2はこのトラクタの作業機昇降制御装置Aのブロック図で、制御手段であるコントローラ13の入力側に、前記昇降スイッチ11、ポジションレバーの操作位置を検出するポジションレバーセンサ30、リフトアームの角度を検出するリフトアーム角センサ31、ロワリンクにかかる負荷を検出するドラフトセンサ32、作業機であるロータリ耕耘装置の耕深を検出する耕深センサ33、及び前記モード切替スイッチ16が接続され、出力側に、昇降シリンダ26を制御する比例ソレノイド弁の上昇用ソレノイド34及び下降用ソレノイド35が接続されている。 【0009】モード切替スイッチ16でポジション制御モードを選択すると、ポジションレバー15を操作したとき、リフトアーム角センサ31の検出値をポジションレバーセンサ30が示す角度に一致させるように上昇用ソレノイド34もしくは下降用ソレノイド35に出力し、作業機25をポジションレバー15の操作位置に応じた高さまで昇降させる。また、昇降スイッチ11を作業機上昇位置に操作すると、作業機が所定の非作業位置まで上昇し、昇降スイッチ11を作業機下降位置に操作すると、作業機が所定の作業位置まで下降する。 【0010】モード切替スイッチ16でドラフト制御モードを選択すると、作業時にドラフトセンサ32の検出値が一定値以上になった場合、上昇用ソレノイド34に出力して作業機25を上昇させ、エンジン負荷が大きくなり過ぎないように制御する。 【0011】モード切替スイッチ16でミックス制御モードを選択すると、耕深センサ33の検出値に基づき耕深を一定に維持するようにトラクタ1に対し作業機25を昇降させる耕深制御と、上記ドラフト制御とを併せて行う。 【0012】モード切替スイッチ16でトランスポート制御モードを選択すると、リフトアーム角センサ31の検出値が一定以上、つまりトラクタが非作業状態であるときに、ドラフトセンサ32の検出値が一時的に減少した場合、下降用ソレノイド35に出力して作業機25を少し下降させた後、上昇用ソレノイド34に出力して作業機25を元の高さまで戻すように制御する。上記のような場合は、例えば作業機25を一定高さに保持しての運搬時に路面の凹凸や急ブレーキ等の速度変化によって昇降リンク装置20のがたつきの分だけ作業機25が上昇した場合であり、その反動で作業機25が下降することが予想される。そこで、その下降に相当する高低差だけ作業機25を予め下降させておくことで、昇降リンク装置20にかかる衝撃を緩和させるのである。この作業機昇降制御装置においては、リフトアーム角センサ31が作業車両の高速走行状態すなわち非作業状態を検出する検出手段、ドラフトセンサ32が昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきを感知する感知手段となっている。なお、変速位置から作業車両の高速走行状態を検出するようにしてもよい。 【0013】トランスポート制御はトラクタが高速走行状態にあるときに限定される制御であるので、モード切替スイッチ16をトランスポート制御モード以外に戻し忘れて作業を行うことを防止するため、トランスポート制御モード中にポジションレバー15或は昇降スイッチ11を操作すると、トランスポート制御モードは自動的に解除されるようになっている。 【0014】図3は異なる作業機昇降制御装置Bのブロック図、図4は当該作業機昇降制御装置を装備するトラクタの作業機昇降油圧装置の油圧回路図である。油圧装置は、ポンプPによってタンクTから吸引加圧される作動油を昇降切替弁40を介して昇降シリンダ26に供給すると作業機が上昇し、昇降シリンダ26内の作動油を昇降切替弁40を介してタンクTに戻すと作業機が下降するようになっている。また、昇降切替弁40を経由する作動油戻し回路とは別に、衝撃吸収用の作動油戻し回路が配索され、この戻し回路には絞りを有する開閉弁41が設けられている。昇降切替弁40のポンプポートの圧力は圧力センサ42によって検出される。 【0015】この作業機昇降制御装置Bは、昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきを感知する感知手段として、前記圧力センサ42が使用される。トランスポートスイッチ43をONにするとトランスポート制御モードになり、図5のフローチャートに示す制御を行う。すなわち、トランスポート制御モードにおいて、圧力センサ42の検出値が異常に高くなったときには、開閉弁41を開いて昇降シリンダ26内の作動油を絞りを介してタンクTに戻し、作業機を下降させる。これにより、昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきによる衝撃を緩和させる。また、昇降シリンダ26内の作動油がタンクTに戻されたなら、開閉弁41を閉じるとともに、昇降切替弁40を作業機上げ側に駆動して昇降シリンダ26に作動油を送り込み、作業機を元の高さに復帰させる。開閉弁41を開かせる圧力センサ41の値、及び開閉弁41を閉じさせる圧力センサ41の値は、衝撃吸収設定ダイヤル44によって、作業機の重量に応じて調節することができる。なお、昇降スイッチ11が作業機上昇位置になっているときに限り上記制御が行われるようになっており、作業中に昇降リンク装置が昇降作動して該昇降リンク装置や油圧機器を破損することを防いでいる。 【0016】また、図6に示す作業機昇降制御装置Cのように、エンジン回転数センサ50もしくは車速センサ51を設け、昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきによる衝撃を感知したときには、シフトダウンするか或はエンジン回転数が低下するように変速ソレノイド52もしくは燃料噴射ポンプ53に出力するように構成してもよい。 【0017】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明にかかる作業車両における作業機昇降装置は、作業機運搬時等のような高速走行をともなう非作業時に昇降リンク装置もしくは作業機のがたつきによる衝撃が生じてもこれを抑制することができるので、安定した走行を維持することができるとともに、昇降リンク装置等の破損を防止できるようになった。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年7月15日(1998.7.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
|
| 【公開番号】 |
特開2000−32807(P2000−32807A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月2日(2000.2.2) |
| 【出願番号】 |
特願平10−218606 |
|