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【発明の名称】 走行作業車
【発明者】 【氏名】窪田 陽介

【要約】 【課題】作業機の位置や向きに拘わらず障害物を精度よく検出することにより、走行車が障害物に衝突してしまう危険性を抑制すること【解決手段】走行車に対する相対的な位置を変更できるように前記走行車に取り付けられた作業機を有し、作業機の向きが前記位置に応じて異なる走行作業車において、検出方向に存在する物体を検出するために作業機に設置された第1のセンサと、検出方向に存在する物体を検出するために作業機に設置され、第1のセンサとは異なる検出方向を有する第2のセンサと、作業機が第1の位置にある場合には、第1のセンサを選択すると共に、作業機が第1の位置とは異なる第2の位置にある場合には、第2のセンサを選択するセンサ制御手段と、制御手段により選択された、第1のセンサの出力または第2のセンサからの出力に応じて、検出された物体を回避するように走行車を制御する回避手段とを有する走行作業車である。

【解決手段】走行車に対する相対的な位置を変更できるように前記走行車に取り付けられた作業機を有し、作業機の向きが前記位置に応じて異なる走行作業車において、検出方向に存在する物体を検出するために作業機に設置された第1のセンサと、検出方向に存在する物体を検出するために作業機に設置され、第1のセンサとは異なる検出方向を有する第2のセンサと、作業機が第1の位置にある場合には、第1のセンサを選択すると共に、作業機が第1の位置とは異なる第2の位置にある場合には、第2のセンサを選択するセンサ制御手段と、制御手段により選択された、第1のセンサの出力または第2のセンサからの出力に応じて、検出された物体を回避するように走行車を制御する回避手段とを有する走行作業車である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行車に対する相対的な位置を変更できるように前記走行車に取り付けられた作業機を有し、前記作業機の向きが前記位置に応じて異なる走行作業車において、検出方向に存在する物体を検出するために前記作業機に設置された第1のセンサと、検出方向に存在する物体を検出するために前記作業機に設置され、前記第1のセンサとは異なる検出方向を有する第2のセンサと、前記作業機が第1の位置にある場合には、前記第1のセンサを選択すると共に、前記作業機が前記第1の位置とは異なる第2の位置にある場合には、前記第2のセンサを選択するセンサ制御手段と、前記制御手段により選択された、前記第1のセンサの出力または前記第2のセンサからの出力に応じて、検出された物体を回避するように前記走行車を制御する回避手段とを有することを特徴とする走行作業車。
【請求項2】前記第1のセンサの検出方向は、前記作業機が第1の位置にある場合に、前記検出方向が前記走行車の走行方向と実質的に一致することを特徴とする請求項1に記載された請求項1に記載された走行作業車。
【請求項3】前記第2のセンサの検出方向は、前記作業機が前記第2の位置にある場合に、前記走行方向と実質的に一致することを特徴とする請求項2に記載された走行作業車。
【請求項4】走行車に対する相対的な位置が変更できるように前記走行車に取り付けられた作業機を有し、前記位置によって前記作業機の向きが異なる走行作業車において、検出方向に存在する物体を検出するために前記作業機に設置され、前記検出方向を変更することができる可動式センサと、前記作業機の位置に応じて、前記可動式センサの前記検出方向を制御するセンサ制御手段と、前記可動式センサからの出力に応じて、検出された物体を回避するように前記走行車を制御する回避手段とを有することを特徴とする走行作業車。
【請求項5】前記センサ制御手段は、前記作業機が第1の位置にある場合に、前記可動式センサの前記検出方向が前記走行車の走行方向と実質的に一致するように前記可動式センサを制御すると共に、前記作業機が前記第1の位置とは異なる第2の位置にある場合に、前記検出方向が前記走行方向に実質的に一致するように前記可動式センサを制御することを特徴とする請求項4に記載された走行作業車。
【請求項6】前記走行車に対する前記作業機の相対的な位置を検出する検出手段をさらに有することを特徴とする請求項1または4に記載された走行作業車。
【請求項7】前記検出手段は、前記回転軸に設置され、前記作業機の回転角を検出するセンサであることを特徴とする請求項6に記載された走行作業車。
【請求項8】前記検出手段は、前記作業機の接地部分に設置され、前記作業機が接地しているか否かを検出するスイッチであることを特徴とする請求項6に記載された走行作業車。
【請求項9】前記可動式センサは、前記作業機に取り付けられた可動手段と、前記可動手段に取り付けられたセンサとを有し、前記可動手段は、前記センサ制御手段の制御に応じて、前記センサの向きを変更することを特徴とする請求項4または5に記載された走行作業車。
【請求項10】前記可動式センサは、光を発射する光学センサと、前記発射された光を反射する反射手段とを有し、前記反射手段は、前記センサ制御手段の制御に応じて、前記発射された光の反射方向を変更することを特徴とする請求項4または5に記載された走行作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業機上に設置されたセンサにより、走行経路上の障害物を検出しながら作業を行う走行作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】全地球測位システム(Global Positioning System。以下、GPSという)や推測航法による自律走行技術を用いて、所定のプログラムされた作業を無人で行う自律走行車が、様々な分野で実用化されつつある。このような自律走行車が行い得る作業の典型的な例としては、ゴルフ場、グランド、または公園といった各種フィールドにおける芝刈りや草刈り、田畑の耕耘、農薬や肥料の散布、または土木作業等が挙げられる。
【0003】一般に、この類の作業を行う走行車は、昇降式の作業機を有している。例えば、芝刈り作業車では、芝刈り用の昇降式カッターユニットが走行車のフロント部に取り付けられている。芝刈り作業時には、カッターユニットを降ろして(リフトダウン)、芝刈り作業を行うが、作業を実行することなく単に走行車を移動させる場合には、カッターユニットを上げておく(リフトアップ)。また、作業時であっても作業車が旋回する際には、カッターユニットをリフトアップさせておく。旋回時に芝や草を傷めないようにすると共に、カッターユニットがダメージを受けることを防ぐためである。
【0004】ところで、自律走行車では、無人で作業を行うために、多数のセンサが用いられている。障害物センサは、自律走行車における最も重要なセンサの一つであって、車体の様々な方向に対して設置されている。障害物センサがその検出方向、すなわち障害物を有効に検出できる方向において障害物を検出した場合、自律走行車の制御システムは、その障害物を回避すべく走行方向や走行速度を制御する。作業機が車体のフロント部に取り付けられているような走行車において、走行車前方の障害物を検出する障害物センサは、車体本体または作業機のどちらかに取り付けられる。
【0005】しかしながら、センサが車体本体または作業機のどちらに取り付けられた場合であっても、作業機の影響により障害物を良好に検出できないという問題がある。まず、センサを車体側に取り付けた場合、センサの前方に存在する作業機により、センサの検出領域の一部が遮蔽されてしまうといった問題がある。この遮蔽領域中に障害物が存在すると、センサが障害物を認識できず、走行車がその障害物に衝突してしまうといった危険性がある。また、センサを作業機側に取り付けた場合、作業機の向きに応じてセンサの検出方向も変動してしまうため、センサの検出方向が走行車の走行方向とずれてしまうことがある。例えば、作業機が、走行車側の軸部に取り付けられていて、この軸部を中心とした回転方向に昇降可能な場合、作業機のリフトダウンとリフトアップとでは、作業機の向きが異なってしまうことがある。センサの検出方向が走行方向を向いていない場合、センサは走行方向にある障害物を検出できず、やはり衝突の危険性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の技術では、車体のフロント部に取り付けられた作業機の位置や向きによって、センサが前方の障害物を正確に検出することができない場合がある。その結果、障害物に走行車が衝突する危険性を解消することができないという問題があった。
【0007】そこで本発明の目的は、作業機の位置や向きに拘わらず障害物を精度よく検出することにより、走行車が障害物に衝突してしまう危険性を抑制することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の第1の形態は、走行車に対する相対的な位置を変更できるように前記走行車に取り付けられた作業機を有し、作業機の向きが前記位置に応じて異なる走行作業車において、検出方向に存在する物体を検出するために作業機に設置された第1のセンサと、検出方向に存在する物体を検出するために作業機に設置され、第1のセンサとは異なる検出方向を有する第2のセンサと、作業機が第1の位置にある場合には、第1のセンサを選択すると共に、作業機が第1の位置とは異なる第2の位置にある場合には、第2のセンサを選択するセンサ制御手段と、制御手段により選択された、第1のセンサの出力または第2のセンサからの出力に応じて、検出された物体を回避するように走行車を制御する回避手段とを有する走行作業車を提供する。
【0009】ここで、第1のセンサの検出方向は、作業機が第1の位置にある場合に、検出方向が走行車の走行方向と実質的に一致するようにしてもよい。この場合、第2のセンサの検出方向は、作業機が第2の位置にある場合に、走行方向と実質的に一致するようにすることが好ましい。
【0010】本発明の第2の形態は、走行車に対する相対的な位置が変更できるように走行車に取り付けられた作業機を有し、その位置によって作業機の向きが異なる走行作業車において、検出方向に存在する物体を検出するために作業機に設置され、検出方向を変更することができる可動式センサと、作業機の位置に応じて、可動式センサの検出方向を制御するセンサ制御手段と、可動式センサからの出力に応じて、検出された物体を回避するように走行車を制御する回避手段とを有する走行作業車を提供する。
【0011】ここで、上記のセンサ制御手段は、作業機が第1の位置にある場合に、可動式センサの検出方向が走行車の走行方向と実質的に一致するように可動式センサを制御すると共に、作業機が第1の位置とは異なる第2の位置にある場合に、検出方向が走行方向に実質的に一致するように可動式センサを制御することが好ましい。
【0012】また、上記第1または第2の形態において、走行車に対する作業機の相対的な位置を検出する検出手段をさらに設けてもよい。この場合、検出手段は、回転軸に設置され、作業機の回転角を検出するセンサであってもよく、また、作業機の接地部分に設置され、作業機が接地しているか否かを検出するスイッチであってもよい。
【0013】さらに、上記の可動式センサは、作業機に取り付けられた可動手段と、可動手段に取り付けられたセンサとを有し、この可動手段は、センサ制御手段の制御に応じて、センサの向きを変更するようにしてもよい。また、このセンサは、光を発射する光学センサと、発射された光を反射する反射手段とを有し、この反射手段は、センサ制御手段の制御に応じて、発射された光の反射方向を変更するようにしてもよい。
【0014】
【作用】本発明では、センサの検出方向を走行車の走行可能に向けるように制御することで、センサの検出精度に関する作業機の位置や向きによる影響を抑制している。すなわち、上記の第1の形態では、検出方向が異なる複数のセンサを作業機上に設置しておき、作業機の位置に応じていずれかのセンサを選択している。また、上記の第2の形態では、作業機の位置に応じて、センサの検出方向を変更している。
【0015】
【発明の実施の形態】[第1の実施例]図1は、本実施例における芝刈り作業車を模式的に示した側面図である。この芝刈り作業車は、ゴルフ場の芝を刈る自律走行作業車で、無人でかつ自動的にゴルフ場の各ホールの芝を刈ることができる。この作業車は、車体部1、車体部1のフロントに取り付けられた芝刈り用作業機2、及び車輪3a、3bで構成されている。車体部1には、GPS装置や推測航法装置をはじめとした各種制御装置が装着されている。また車輪の回転数を測定する車輪エンコーダや障害物センサ等の各種センサも装着されている。これらの制御装置及び各種センサにより、この作業車は自律走行することができる。
【0016】作業機2は、懸架機構としてのブーム4と、ブーム4に懸架された複数の回転式カッター5で構成される。ブーム4は、車体部1中の回転軸部6において、車体に回動可能な状態で取り付けられていてる。同図における作業機2の状態は、作業機2が地面に接した状態、すなわちリフトダウン状態であり、実際に地表の芝を刈り得る状態である。一方、作業を行うことなく作業車が単に移動する場合、或いは作業中であっても作業車が旋回する場合には、作業機2を地面から持ち上げる(リフトアップ状態)。
【0017】このように、回転軸部6を中心として作業機2を所定の角度だけ回動させることで、車体部1に対する作業機2の相対的な位置を変更することができる。この際、リフトダウン状態とリフトアップ状態とでは、作業機2の向きがD1からD2に変わることに留意されたい。
【0018】さらに、作業機2はセンサ部7を有している。このセンサ部7は、車体前方に存在する予測できない障害物を検出し、この障害物に関する情報を検出信号として出力する。
【0019】図2は、図1に示した芝刈り作業車における制御装置のブロック図である。作業機2におけるセンサ部7は、2つの赤外線センサ11a、11bで構成されている。図3(a)に示すように、2つの赤外線センサ11a、11bは、それぞれの検出方向が異なるように設置されている。すなわち、赤外線センサ11aは、作業機2がリフトダウン状態にある場合に、作業車の前方に存在する障害物を検出できるように設置されている。すなわち、リフトダウン状態では、赤外線センサ11aの検出方向X1 (センサの検出領域の中央を進む方向)が、作業車が走行可能な方向Y(本芝刈り作業車の場合には地面に水平な方向)に一致するように設置される。但し、検出方向X1 が走行方向Yに完全に一致している必要は必ずしもなく、作業車前方の障害物を検出できる範囲であれば多少ずれていてもよい。
【0020】一方、赤外線センサ11bは、作業機2がリフトアップ状態にある場合に、前方の障害物を検出できるように設置されている。すなわち、リフトアップ状態で、赤外線センサ11bの検出方向X2 が、走行方向Yに実質的に一致するよう設置される。
【0021】赤外線センサ11a、11bより出力された検出信号は、出力切換部13に入力される。出力切換部13は、アングルセンサ12からの情報に応じて、赤外線センサ11a、11bの内のいずれか一方の検出信号を走行制御部14に与える。走行制御部14は、この情報に従い、必要に応じて障害物の回避制御を行うために、駆動制御部15及び操舵制御部16を制御する。駆動制御部15は、作業車の停止や速度制御を行い、操舵制御部16は、作業車の操舵角の制御を行う。
【0022】アングルセンサ12は、車体部1に対する作業機2の相対的な位置を検出する。アングルセンサ12としては、例えばロータリエンコーダを用いることができる。この場合、ロータリーエンコーダを回転軸部6に取り付けて、ブーム4の回転角度を検出することにより、作業機2の相対的位置を検出することができる。また、2つの近接スイッチを車体部1に設置してもよい。この場合、一方の近接スイッチをリフトダウン状態におけるブーム4の静止位置近辺に設け、他方の近接スイッチをリフトアップ状態におけるブーム4の静止位置近辺に設けておく。2つの近接スイッチの出力信号により、相対的位置を検出することができる。
【0023】図3(b)は、リフトダウン状態(作業機の向きは図1のD1 )におけるセンサの検出方向を説明した図である。この場合、アングルセンサ12からの出力信号により、出力切換部13はリフトダウン状態であると判断する。そして、出力切換部13は赤外線センサ11aを選択し、このセンサ11aの検出信号を走行制御部14に与える。通常、リフトダウン状態となるのは芝刈り作業中である。従って、作業中はセンサ11aがアクティブになり、この検出信号に基づいて、障害物回避のための走行制御が行われる。赤外線センサ11aの検出方向X1 はリフトダウン時に走行方向Yと実質的に一致するので、センサ11aの検出信号により、リフトダウン時における障害物の回避を精度よく行うことができる。
【0024】一方、図3(c)は、リフトアップ状態(作業機の向きは図1のD2 )におけるセンサの検出方向を説明した図である。この場合、アングルセンサ12からの出力信号により、出力切換部13はリフトアップ状態であると判断する。そして、出力切換部13は、赤外線センサ11aから赤外線センサ11bに切り換えて、赤外線センサ11bの検出信号を走行制御部14に与える。従って、移動や旋回におけるリフトアップ状態では、赤外線センサ11bからの検出信号が障害物回避のための情報として用いられる。
【0025】図1に示したように、リフトアップ状態における作業機2の向きD2 は、リフトダウン状態における作業機2の向きD1 と異なっている。そのため、リフトアップ状態におけるセンサ11aの検出方向X1 (図1の左斜め上方向)は、走行方向Yを向いていない。しかしながら、この場合、赤外線センサ11bの検出方向X2 が走行方向Yと実質的に一致している。従って、リフトアップ状態では、赤外線センサ11bの検出信号を走行制御部14に与えることにより、障害物を精度よく検出することが可能となる。
【0026】このように、上記の実施例では、作業機2の位置に応じて障害物検出用のセンサ11a、11bを切り換えている。それにより、作業機2の状態(位置や向き)に依存することなく、走行方向における障害物を良好に検出することができる。
【0027】なお、上記の実施例における赤外線センサ11に代えて、超音波センサやCCD撮像センサ等の周知の障害物センサを用いてもよいのは当然である。
【0028】また、上述したアングルセンサ12に代えて、作業機2中の接地する箇所にスイッチを設けてもよい。そして、作業機が接地していればスイッチがオンし、それ以外ではオフするように設定する。この場合、オン時には赤外線センサ11aを選択し、オフ時にはセンサ11bを選択すればよい。また、アングルセンサ12に代えて、有人で作業を行う作業車等の場合、オペレータによる作業機2の昇降ボタンの操作に従って赤外線センサ11a、11bの切換を行うように設定することも可能である。
【0029】さらに、上記の実施例では、作業機2がリフトダウンとリフトアップという2つの静止状態をとる場合を例に説明した。しかしながら、より多くの静止状態をとり得る作業機においても、本発明を適用することは当然に可能である。例えば、リフトダウンとリフトアップの中間位置に作業機を静止させる状態(ハーフリフト)が加わるような場合である。このような場合、静止状態の数だけセンサを用意し、各センサの検出方向を各静止状態における作業機の向きにより変えればよい。作業機の静止状態の数が増加する従って、静止状態の数と同数のセンサを設置すれば、障害物を精度よく検出することができよう。
【0030】作業機が異なる静止状態にある場合でも、1つの障害物センサで車両前方の障害物を有効に検出できるならば(すなわち、センサの検出方向と走行方向との実質的に一致しているならば)、静止状態の数だけ障害物センサを用意する必要は必ずしもないであろう。例えば、作業機がリフトダウン、ハーフリフト、及びリフトアップという3つの静止状態をとる場合、リフトダウン用のセンサとハーフリフト及びリフトアップ用のセンサの2つで、3つの静止状態に対応させることも可能である。障害物センサは、センサからの距離方向に対して放射線状に検出領域を有するため、センサの検出方向と走行方向とが多少ずれていても有効に障害物を検出し得る場合もあるからである。このように、複数の静止状態で一つのセンサを共用させれば、障害物センサの数を減らすことができる。
【0031】[第2の実施例]図4は、第2の実施例における制御装置のブロック図である。本実施例の特徴は、単一の可動式障害物センサを用い、作業機の相対的な位置に応じてセンサの検出方向が変わるように制御する点である。なお、第1の実施例と同様のブロックについては同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】可動式赤外線センサは、作業機2に固定された可動機構21と、可動機構21を台座として、その上に取り付けられた赤外線センサ11で構成される。赤外線センサ11の検出方向は、可動機構21によるセンサ11自体の向きを調整することにより変えることができる。アングル制御部22は、アングルセンサ12からの情報に従って、可動機構21を制御する。可動機構21は、その制御に応じて角度分だけセンサ11の向きを変える。走行制御部14は、赤外線センサ11からの検出信号に応じて、障害物回避のための制御を行う。
【0033】本実施例においては、作業機の相対的位置への対処が、単一の可動式センサのみで可能となるため、センサの数を減らせるという効果がある。作業機が多くの静止状態をとる場合に、この方法が有効である。
【0034】[第3の実施例]図5は、第3の実施例における制御装置のブロック図である。第2の実施例と同様に、本実施例でも単一の可動式赤外線センサを用いている。但し、動作させる対象がセンサ本体ではなく、センサから発射された光路を制御する光学系である点で相違する。すなわち、固定されたセンサから発射された光を反射ミラーで反射させ、反射光の光路を変えている。
【0035】可動式赤外線センサは、作業機2に固定された可動機構31と、可動機構31により角度が変えられる反射ミラー32と、作業機2に取り付けられた赤外線センサ11で構成される。そして、赤外線センサ11から発射された光は、可動式の反射ミラー32により反射され、反射方向に応じて、センサ11の検出方向が決定される。アングル制御部33は、アングルセンサ12からの情報に従って、可動機構31を制御する。可動機構31は、その制御に応じた角度分だけ反射ミラー32の角度を変える。走行制御部14は、赤外線センサ11からの検出信号に応じて、障害物回避のための制御を行う。
【0036】本実施例においても、第2の実施例と同様に、単一のセンサで作業機の影響をなくせるという効果がある。そして、作業機が多くの静止状態をとる場合に、この方法が有効である。
【0037】上述した各実施例では、作業車のフロント部に取り付けられ、作業車の高さ方向に対して相対的に移動可能な昇降式作業機を有する芝刈り作業車を例に説明した。しかしながら、本発明は、作業機が後方や側面に取り付けられた作業車や、作業車の幅方向に相対的に移動可能な作業機を有する作業車を含め広く適用することが可能である。また、本発明は、芝刈りや草刈り用の作業車に限定されることなく、例えば、耕耘、除草、または農薬等の散布用の農用トラクタや、土木作業車等の各種作業車に適用することも当然に可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、作業機に障害物センサが取り付けられた走行車において、作業機の位置や向きの変化に拘わらず、センサの検出方向が走行車の走行方向と実質的に一致するように制御している。従って、障害物センサの検出方向は、作業機の向きの影響を受けることなく、障害物を精度よく良好に検出することができる。それにより、走行車が障害物へ衝突することを回避でき、安全に走行することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
【出願日】 平成10年7月8日(1998.7.8)
【代理人】 【識別番号】100101982
【弁理士】
【氏名又は名称】久米川 正光
【公開番号】 特開2000−23507(P2000−23507A)
【公開日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【出願番号】 特願平10−207070