トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 リバーシブルプラウ作業機
【発明者】 【氏名】下村 剛

【要約】 【課題】安全装置としてのシェアボルトの破断により、作業機フレームの上方の非作業のボトムがビームと共に前方に移動する際に、ボトムとコールタとが干渉することを回避できるリバーシブルプラウ作業機を提供する。

【解決手段】作業機フレーム(5)に対して前後方向に回動可能に枢着され且つシェアボルト(15)により回動規制された共通ビーム(7E,8E)を介して作業機フレーム(5)の上下に支持されたボトム(7,8)と、各ボトム(7,8)の直前方に配置されて作業機フレーム(5)に支持されたコールタ(10,11)とを備えている。コールタ(10,11)は、作業機フレーム(5)に対し軸廻りに回動自在に取り付けられたコールタアーム(18,19)を介して支持されており、コールタアーム(18,19)は、作業機フレーム(5)の上方に非作業状態で位置するコールタ(10,11)をボトム(7,8)の直前位置から非干渉位置に退避させるように軸廻りに回動付勢されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機フレームに対して前後方向に回動可能に枢着され且つシェアボルトにより回動規制された共通ビームと、この共通ビームを介して作業機フレームの上下に支持されたれき土の反転方向の異なる上下のボトムと、各ボトムの直前方に配置されて作業機フレームに支持されたコールタとを備え、作業機フレームのリバース回動に伴い上下のボトムおよびコールタの位置が反転するように構成されたリバーシブルプラウ作業機において、前記コールタは、作業機フレームに対し軸廻りに回動自在に取り付けられたコールタアームを介して支持されており、前記コールタアームは、作業機フレームの上方に非作業状態で位置するコールタをボトムの直前位置から非干渉位置に退避させるように軸廻りに回動付勢されていることを特徴とするリバーシブルプラウ作業機。
【請求項2】 前記コールタアームは、作業機フレームとの間に張設されたバネにより軸廻りに回動付勢されている請求項1記載のリバーシブルプラウ作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、れき土の反転方向の異なるボトムを共通のビームを介して作業機フレームの上下に支持したリバーシブルプラウ作業機に関し、詳しくは、安全装置としてのシェアボルトの破断により作業機フレームの上方の非作業状態のボトムがビームと共に前方に移動する際に、ボトムとコールタとの干渉を回避できるように改良されたリバーシブルプラウ作業機に関する。なお、以下の説明において、「リバーシブルプラウ作業機」は、「プラウ」又は「作業機」と適宜略称する。
【0002】
【従来の技術】トラクタ作業機の1種であるプラウ作業機として、れき土の反転方向の異るボトムをリバース回動可能な作業機フレームの上下に支持したリバーシブルプラウ作業機が知られている。また、この種のリバーシブルプラウ作業機において、れき土の耕起反転の作業中、圃場に埋没している石塊や切り株によって過負荷がボトムに加わった際の安全装置としては、作業機フレームに対して前後方向に回動可能に枢着され且つシェアボルトにより回動規制されたビームを設け、このビームを介して作業機フレームの上下にボトムを支持する構造が提案されている。このような安全装置を装備したリバーシブルプラウ作業機においては、作業機フレームの下方に支持されたボトムによるれき土の耕起反転の作業中、石塊や切り株による過負荷がボトムに加わると、シェアボルトが破断し、その結果、ビームと共にボトムが後方に回動して過負荷から解放される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述したリバーシブルプラウ作業機においては、ボトムに過負荷が加わってシェアボルトが破断し、ビームと共にボトムが後方に回動して過負荷から解放される際、作業機フレームの上方の非作業状態のボトムがビームと共に前方に移動してコールタと干渉し、コールタやボトムを破損するという問題があった。そこで、本発明は、安全装置としてのシェアボルトの破断により作業機フレームの上方の非作業状態のボトムがビームと共に前方に移動する際に、ボトムとコールタとの干渉を回避することができるリバーシブルプラウ作業機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、本発明に係るリバーシブルプラウ作業機は、作業機フレームに対して前後方向に回動可能に枢着され且つシェアボルトにより回動規制された共通ビームと、この共通ビームを介して作業機フレームの上下に支持されたれき土の反転方向の異なる上下のボトムと、各ボトムの直前方に配置されて作業機フレームに支持されたコールタとを備え、作業機フレームのリバース回動に伴い上下のボトムおよびコールタの位置が反転するように構成されたリバーシブルプラウ作業機において、前記コールタは、作業機フレームに対し軸廻りに回動自在に取り付けられたコールタアームを介して支持されており、前記コールタアームは、作業機フレームの上方に非作業状態で位置するコールタをボトムの直前位置から非干渉位置に退避させるように軸廻りに回動付勢されていることを特徴とする。本発明のリバーシブルプラウ作業機において、前記コールタアームは、例えば、作業機フレームとの間に張設されたバネによって軸廻りに回動付勢される。
【0005】本発明のリバーシブルプラウ作業機においては、作業機フレームの下方に支持されたコールタ及びボトムによりれき土の耕起反転作業が行われ、その際、コールタは、キャスタ動作によりコールタアームを回動復帰させてボトムの直前に位置する。前記コールタおよびボトムによるれき土の耕起反転の作業中、石塊や切り株による過負荷がボトムに加わると、安全装置としてのシェアボルトが破断し、ボトムは共通ビームと共に後方に回動して過負荷から解放される。その際、作業機フレームの上方に支持された非作業状態のボトムは、共通ビームと共に前方に移動するが、その直前方に配置される非作業状態のコールタは、軸廻りに回動するコールタアームにより非干渉位置に退避しているため、非作業状態のボトムとコールタとが干渉することを回避できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るリバーシブルプラウ作業機を説明する。参照する図面において、図1はリバーシブルプラウ作業機の全体構成を概略的に示す側面図、図2はリバーシブルプラウ作業機に装備されるボトムの構造を示す斜視図、図3は作業機フレームに対する上下のボトムの支持構造を示す部分側面図、図4は作業機フレームに対するコールタの支持構造を示す部分平面図である。尚、本発明に係るリバーシブルプラウ作業機は、下記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0007】一実施形態に係るリバーシブルプラウ作業機は、図1に示すように、下部ヒッチピンを有するフロントフレーム1及び上部ヒッチピンを有するマスト2を最前部に備えており、これらの下部ヒッチピン及び上部ヒッチピンを介してトラクタの3点リンクヒッチ機構(図示省略)に装着される様に構成されている。そして、フロントフレーム1には、作業機の左右方向に延びる横フレーム3の中央部が回転自在に連結され、横フレーム3に接続フレーム4を介して作業機フレーム5が接続されている。
【0008】作業機フレーム5は、横フレーム3の端部付近とマスト2の頂部付近との間に架設されたシリンダ装置6の伸縮動作に応じて軸廻りにリバース回動するように構成されている。この作業機フレーム5には、れき土の反転方向が異るボトム7,8が上下に分離して装備されている。ボトム7,8はそれぞれ3連に構成されており、最前部のボトム7,8に対応したコールタ9は前記フロントフレーム1側に支持され、それ以外のボトム7,8に対応したコールタ10,11は作業機フレーム5側に支持されている。そして、シリンダ装置6の伸縮動作により作業機フレーム5がリバース回動すると、れき土の反転方向の異なるボトム7,8及びこれらに対応したコールタ10,11が上下に反転して位置するように構成されている。
【0009】前記ボトム7は、図2に示すように、作業機の進行方向に沿って延びるランドサイド7Aと、ランドサイド7Aの前端部から側方に向って斜めに延びるシェア7Bと、シェア7Bにより耕起されたれき土を反転するモールドボード7Cと、これらを纏めて連結するベッド7Dと、ベッド7Dに連結された支持部材としてのビーム7E等によって構成されている。一方、ボトム8は、図3に示すように、前記ボトム7と同様のランドサイド8A、シェア8B、モールドボード8C、ベッド8Dおよびビーム8Eを有するが、平面視において前記ボトム7と左右対称形に構成されている。
【0010】図3に示すように、前記ボトム7,8のビーム7E,8Eは、先端部が接続ブラケット12を介して連結されることにより、1本の共通ビームとして構成されている。そして、この共通ビームの中間部を構成する接続ブラケット12は、図4にも示すように、作業機フレーム5に固定された支持ブラケット13に対し、枢着ボルト14を介して前後方向に回動可能に枢着されると共に、枢着ボルト14廻りの不用意な回動を規制するように、シェアボルト15を介して支持ブラケット13に連結されている。
【0011】前記コールタ9は、図1に示すように、L字状に屈曲したコールタアーム16の下端部に回転自在に支持されている。また、コールタアーム16の上端部は、フロントフレーム1に固定されたコールタフレーム17のボス部17A、17Aを上下方向に貫通している。さらに、そのボス部17A、17Aの間には、コールタアーム16と常套手段により一体的に取り付けられたカラー16Aが設けられている。これにより、コールタアーム16はフロントフレーム1に対し軸廻りに回転自在に取り付けられることとなる。同様に、前記コールタ10は、図3に示すように、それぞれL字状に屈曲したコールタアーム18の一端部に回転自在に支持されている。また、コールタアーム18の他端部は、作業機フレーム5に固定されたコールタフレーム20のボス部20A,20Aを上下方向に貫通している。さらに、ボス部20A,20Aの間には、コールタアーム18と常套手段により一体的に取り付けられたカラー18Aが設けられている。これにより、コールタアーム18は作業機フレーム5に対し軸廻りに回転自在に取り付けられることとなる。なお、説明は省略したが、コールタ11を回転自在に支持するコールタアーム19も同様の構成により、作業機フレーム5に対して軸廻りに回転自在に取り付けられている。
【0012】また、図4に示すように、ボス部20A、20Aの間に設けられたコールタアーム18と一体的に取り付けられたカラー18Aには、バネ掛け部18Bが設けられている。また、このバネ掛け部18Bと作業機フレーム5に固定された支持ブラケット13との間には、引張りバネ22が張設されている。すなわち、コールタアーム18は、引張りバネ22によって軸廻りに回動付勢されており、このため、コールタ10は、作業機フレーム5の上方に非作業状態で位置する際に、ボトム7の直前位置から非干渉位置に退避する。なお、図示省略したが、コールタ11を回転自在に支持するコールタアーム19も同様に構成されている。
【0013】次に、以上のように構成されたリバーシブルプラウ作業機の作用を圃場におけるれき土の耕起反転作業に則して説明する。一実施形態のリバーシブルプラウ作業機は、図1に示すフロントフレーム1の下部ヒッチピン及びマスト2の上部ヒッチピンが図示省略したトラクタ側の3点リンクヒッチ機構に装着されることにより、トラクタに牽引される。
【0014】トラクタに牽引されるリバーシブルプラウ作業機は、れき土の反転方向を同方向に揃えた往復耕起を行う。このため、往復耕起の往路においては、例えば、作業機フレーム5の下方に支持された複数のボトム7及びその直前方に配置された複数のコールタ9,10により、圃場のれき土を右側に反転して耕起する。その際、コールタ9は、コールタフレーム17のボス部17Aに挿入されるコールタアーム16の他端部を中心としてキャスタ動作することにより、ボトム7の直前方に位置する。同様に、コールタ10は、コールタフレーム20のボス部20Aに挿入されるコールタアーム18の他端部を中心としてキャスタ動作することにより、引張りバネ22によるコールタアーム18の回動付勢力を相殺してボトム7の直前方に位置する。なお、作業機フレーム5の後端部に装着されたゲージホイール(図示省略)が接地することで、リバーシブルプラウ作業機による圃場の耕深が一定に保持され、リバーシブルプラウ作業機の姿勢も安定する。
【0015】トラクタは、圃場の枕地に至ると3点リンクヒッチ機構によりリバーシブルプラウ作業機をリフトして未耕地側へ旋回する。そして、れき土の反転方向を同方向に揃えた往復耕起を行うため、リバーシブルプラウ作業機のシリンダ装置6が伸縮操作される。これにより、作業機フレーム5がリバース回動し、右側反転用の各ボトム7及びコールタ10が作業機フレーム5の上方に位置し、左側反転用の各ボトム8及びコールタ11が作業機フレーム5の下方に位置して耕起可能な状態となる。以降、れき土の反転方向を同方向に揃えた往復耕起の復路においては、作業機フレーム5の下方に支持された複数のボトム8及びその直前方に配置された複数のコールタ9,11が、圃場のれき土を左側に反転して耕起する。
【0016】前述したリバーシブルプラウ作業機による圃場の往復耕起の作業において、例えば、往路の耕起反転の作業中、圃場に埋没していた石塊や切り株にボトム7が突当ると、大きな過負荷がボトム7に加わる。すると、安全装置としてのシェアボルト15が破断し、ボトム7が共通ビームとしてのビーム7Eと共に後方に回動して、過負荷から解放される。その際、作業機フレーム5の上方に支持された非作業状態のボトム8は、共通ビームとしてのビーム8Eと共に前方に移動する。ところで、本発明においては、ボトム8の直前方に配置されるコールタ11は、引張りバネ22によるコールタアーム19の回動付勢力によってボトム8の直前方の位置から非干渉位置に退避しているため、ボトム8とコールタ11との干渉が回避される。リバーシブルプラウ作業機による圃場の復路における耕起反転の作業中、ボトム8に大きな過負荷が加わってシェアボルト15が破断し、作業機フレーム5の上方に支持された非作業状態のボトム7が前方に移動する場合は、コールタ10がボトム7の直前方の位置から非干渉位置に退避しているため、ボトム7とコールタ10との干渉が回避される。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のリバーシブルプラウ作業機においては、作業機フレームの下方に支持されたコールタ及びボトムによりれき土の耕起反転作業が行われ、その際、コールタは、キャスタ動作によりコールタアームを回動復帰させてボトムの直前に位置する。そして、前記コールタ及びボトムによるれき土の耕起反転の作業中、石塊や切り株による過負荷がボトムに加わると、安全装置としてのシェアボルトが破断し、ボトムは共通ビームと共に後方に回動して過負荷から解放される。その際、作業機フレームの上方に支持された非作業状態のボトムは、共通ビームと共に前方に移動するが、その直前方に配置されるコールタは、軸廻りに回動するコールタアームにより非干渉位置に退避しているため、ボトムとコールタとの干渉が回避される。従って、本発明のリバーシブルプラウ作業機によれば、安全装置としてのシェアボルトが破断した際の非作業状態のボトムとコールタとの衝突を回避することができ、これらの破損を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】391057937
【氏名又は名称】スガノ農機株式会社
【出願日】 平成10年7月10日(1998.7.10)
【代理人】 【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂 (外1名)
【公開番号】 特開2000−23501(P2000−23501A)
【公開日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【出願番号】 特願平10−211744