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【発明の名称】 移植機のマーカ制御装置
【発明者】 【氏名】中村 八郎

【氏名】松川 雅彦

【氏名】水谷 智恵

【要約】 【課題】マーカ装置を使用しないときは、植付部が下降しても左右マーカが自動的に下方に繰り出されるのを防止する。

【解決手段】乗用田植機1には、圃場面に走行機体5の走行基準線を引く左右マーカ50R,50Lが装着されていて、植付部10の上昇に伴い、作業位置に下降繰り出された左右マーカ50R,50Lは、マーカ引上げ機構40により非作業位置に引き上げられ、また植付部10の下降に伴い、左右マーカ50R,50Lは、制御部39により制御されるマーカ切換えモータ46により、作業位置に下降繰り出されるようになっている。そして、マーカの繰出しは、各種モニタや警報を作動状態にする植付スイッチ90がオン作動状態にあるときにのみ可能となっていて、植付スイッチ90がオフの場合は、左右マーカ50R,50Lが繰出されることはない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転席を有する走行機体にリンク機構を介して作業部を昇降自在に支持すると共に、該作業部の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と下降繰出される作業位置とに移動可能な左右マーカを備えた移植機のマーカ制御装置において、運転操作部に、上下及び前後に夫々独立して操作し得る手元操作手段を設け、該手元操作手段の上下方向の操作で、前記作業部を昇降制御可能とすると共に、前後方向いずれか一方への操作で、前記左右マーカの作業位置への繰出し方向を選択的に切換え可能とした、ことを特徴とする移植機のマーカ制御装置。
【請求項2】 前記手元操作手段の前後方向いずれか他方への操作で、前記左右マーカの繰出しを自動的に交互に切換える自動モードと、左右同時に繰出す双方モードと、繰出しを停止する停止モードと、の各モードに順次選択的に切換え可能とした、ことを特徴とする請求項1記載の移植機のマーカ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機等の移植機のマーカ制御装置に係り、詳しくは手元操作レバーにて左右マーカの繰出しを制御する移植機のマーカ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗用田植機等の移植機は、苗の植付条間を適正に保持し、また機体の直進性を良好にするために、植付作業時に、次工程の機体走行基準線となる線を田面に引くマーカ装置を備えている。
【0003】そして従来、この種マーカ装置として、例えば本件出願人の出願に係る特公平7−102006号公報に記載の技術が公知であり、この従来例によれば、マーカを機体側方に下降繰り出す作業位置から上昇収納する非作業位置へ移動するのに、植付部の昇降動作に連動して行い、かつ左右いずれか一方のマーカを非作業位置にて保持する機械的なロック部材を植付部の昇降作動に伴って左右交互に切換えて、圃場端における機体回向時に、植付部を昇降することにより左右マーカを自動的に作業位置に切換えるように構成されている。
【0004】すなわち、マーカ装置の繰り出しを制御する切換え制御部は、植付部の昇降に連動しかつ左右マーカに夫々連結している左右作動体と、これら作動体の移動により切り換えられる切り換え部材と、該切り換え部材の切り換えによりその付勢方向が切り換えられて左右作動体のいずれか一方の移動を規制するロック部材とを有し、このロック部材が左右いずれか一方の作動体方向に付勢されてその先端が作動体側面に当接し、該作動体が移動して当接が解除されると突出し該作動体の逆方向への移動を規制することで、植付部の昇降に伴い左右マーカを作業位置と非作業位置とに交互に切換えるように構成されている。
【0005】これにより、例えば最初に右マーカを作業位置に繰り出して圃場面に線を引き、枕地にて回向した後は、次に反対側の左マーカを作業位置に繰り出して圃場面に線を引きながら移植作業を行えば、前記基準線を目安として走行しながら、該基準線に沿って整列状の移植が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のマーカ装置は、機械的なロック部材を植付部の昇降作動に伴って自動的に左右交互に切換えていたため、機構が複雑になると共に、例えば移植作業の最終段階において、畦際等により邪魔されてマーカを降ろせない場合には、運転者は後ろ向きになって座席下方のロック部材を左右作動体の中立位置に切り換えなければならず、また、植付作業に先立ち、左右マーカのいずれから先に作動させるかを選択するにも、座席下方のロック部材を操作する等、煩雑な作業が必要であった。
【0007】本発明は、斯かる課題を解消するためになされたもので、その目的とするところは、1本の操作レバーで作業部の昇降と左右マーカの切換え操作等を可能として作業性の向上を図り得る移植機のマーカ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、運転席(9)を有する走行機体(5)にリンク機構(8)を介して作業部(10)を昇降自在に支持すると共に、該作業部(10)の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と下降繰出される作業位置とに移動可能な左右マーカ(50R,50L)を備えた移植機(1)のマーカ制御装置において、運転操作部に、上下及び前後に夫々独立して操作し得る手元操作手段(38)を設け、該手元操作手段(38)の上下方向の操作で、前記作業部(10)を昇降制御可能とすると共に、前後方向いずれか一方への操作で、前記左右マーカ(50R,50L)の作業位置への繰出し方向を選択的に切換え可能とした、ことを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の発明は、前記手元操作手段(38)の前後方向いずれか他方への操作で、前記左右マーカ(50R,50L)の繰出しを自動的に交互に切換える自動モードと、左右同時に繰出す双方モードと、繰出しを停止する停止モードと、の各モードに順次選択的に切換え可能とした、ことを特徴とする。
【0010】[作用]以上の発明特定事項に基づき、移植機(1)は、走行機体(5)にリンク機構(8)を介して昇降自在に支持された作業部(10)を有すると共に、該作業部(10)には、圃場面に走行基準線を引く左右マーカ(50R,50L)が、作業部(10)の昇降に伴い上昇収納される非作業位置と下降繰出される作業位置とに移動可能に装着されている。
【0011】そして、運転操作部には、上下方向と前後方向に夫々独立して操作し得る手元操作手段(38)が設けられていて、この手元操作手段(38)を上下方向に操作すると前記作業部(10)が昇降制御され、また、手元操作手段(38)を前後方向に操作すると、前記左右マーカ(50R,50L)の作業位置への繰出し方向等が選択的に切換えられる。
【0012】すなわち、前記手元操作手段(38)を前後いずれか一方に操作すると、前記左右マーカ(50R,50L)の作業位置への繰出し方向が選択的に切換えられ、また、いずれか他方に操作すると、前記左右マーカ(50R,50L)の繰出しが自動的に交互に切換えられる自動モードと、左右マーカ(50R,50L)が左右同時に繰出される双方モードと、左右マーカ(50R,50L)の繰出しが停止される停止モードと、に順次選択的に切換えられる。
【0013】なお、上述したカッコ内の符号は図面を参照するために示すものであって、本発明の発明特定事項を何ら限定するものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0015】図1に示すように、乗用田植機1は、前輪2及び後輪3により支持された走行機体5を有しており、該走行機体5にはその前輪前方部分のボンネット4内にエンジン6が搭載され、走行機体5の前後方向の中間部には座席シート7を有する運転席9が配設されている。この座席シート7の側方には、手動操作レバー17が設けられていて、この手動操作レバー17は、レバーガイド21に沿い「上げ」、「固定」、「下げ(自動)」、「植付(自動)」の各位置に操作可能となっている。
【0016】前記走行機体5の後方には、昇降リンク機構8を介して作業部としての植付部10が昇降自在に支持され、該植付部10には多数のプランタ、フロー卜14及びマット苗を縦方向に載置し得る苗載せ台12が備えられている。また、植付部10の左右両端部には、左右マーカ50R,50Lが取り付けられている。この左右マーカ50R,50Lは、例えば植付部10の昇降に伴い機体側方に下降繰り出す作業位置と、上昇収納する非作業位置とに自動的かつ交互に切換えられるようになっており、作業位置においては圃場面に走行機体5の走行基準線を引くことができる。
【0017】前記走行機体5には、昇降リンク機構8に固着されたリンクブラケット44との間に油圧シリンダ装置19が配設されていて、前記手動操作レバー17の操作に基づき、座席シート7下部のリヤカバー26内に配置された制御部39を介して油圧コントロールバルブ35が制御され、更に該油圧コントロールバルブ35により前記油圧シリンダ装置19が伸縮制御されて、植付部10が昇降作動する。なお、前記手動操作レバー17の操作位置は、レバー位置検出ポテンショメータ42により検出され、この検出値に応じて前記制御部39を介して油圧コントロールバルブ35が制御される。
【0018】また、図2(a)に示すように、前記運転席9の前部には、ステアリングホイール13が設けられ、そのステアリングコラム13aのスイッチボックス51に手元操作レバー38が取り付けられている。
【0019】この手元操作レバー38は、図示しない弾発部材により、手を離すと図の基準位置に夫々自動復帰するように付勢されていて、この基準位置を中心として上下方向に操作可能であると共に、この上下操作とは独立して機体前後方向に操作可能となっている。前記スイッチボックス51内には、植付部10を制御すべく手元操作レバー38の上下方向位置を検出する切換スイッチ43と、左右マーカ50R,50Lの繰出しを制御すべく手元操作レバー38の前後方向位置を夫々検出するモード切換スイッチ52及び方向切換スイッチ53が内蔵されている。
【0020】そして、前記手元操作レバー38を、基準位置から上方向に1回操作すると、その操作が前記切換スイッチ43により検出されて、前記制御部39を介し植付部10が上昇制御され(上げ位置)、同様に下方向に1回操作すると植付部10が下降制御され(下げ位置)、更にこの下げ位置から下方向に1回操作すると植付部10が植付位置(植付位置)に制御される。
【0021】また、前記手元操作レバー38を、前後方向の例えば後方(A方向)に操作すると、その操作が前記方向切換スイッチ53により検出されて、前記制御部39を介し左右マーカ50R,50Lの作業位置への繰出し方向が選択的に切換えられると共に、前方(B方向)に操作すると、その操作が前記モード切換スイッチ52により検出されて、前記制御部39を介し左右マーカ50R,50Lの繰出しモード(後述する)が順次選択的に切換えられる。
【0022】すなわち、図2(a)〜(c)に示すように、マーカ制御において、手元操作レバー38を基準位置から後方(A方向)に1回操作すると、例えば左マーカ50Lが作業位置に繰出され、更に同方向にもう1回操作すると、右マーカ50Rが作業位置に繰出されるようになっていて、1回操作するごとに順次右→左→右と切り換えられる(図2(b)参照)。
【0023】また、手元操作レバー38を基準位置から前方(B方向)に1回操作すると、左右マーカ50の双方が繰出される双方モードとなり、同方向にもう1回操作すると、左右マーカ50の繰出しを停止する停止モードとなり、更に同方向にもう1回操作すると、左右マーカ50の繰出しを自動的に交互に切換える自動モードとなるようになっていて、1回操作するごとに順次自動→双方→停止→自動と切り換えられる(図2(c)参照)。なお、双方モードの場合、一方のマーカを繰り出し状態にしておき、かつ植付部10の下降途中で他方のマーカを繰り出し状態にすることで左右マーカ50R,50Lの両方が繰り出される。
【0024】なお、本実施の形態においては、エンジン始動時(初期状態)においては、左右マーカ50の繰出しモードは「自動モード」に設定され、また、左右マーカ50の作業位置への繰出し方向は「右」に予め設定されている。
【0025】更に、他の実施の形態として、左右マーカ50の繰出しモードの切換えは、図3に示すように、手元操作レバー38のレバー軸芯を中心として所定位置に回動保持し得るモード切換部55により行うようにしても良い。
【0026】この場合のモード切換部55は、スイッチボックス51内に前記と同様のモード切換えスイッチ52を有していて、手元操作レバー38を回動操作すると、左右マーカ50の繰り出しを停止する停止モード(切位置)と、左右マーカ50の繰り出しを自動的に切換える自動モード(自動位置)と、左右マーカ50を同時に繰り出す双方モード(左右位置)とに選択可能とされている。
【0027】次に、図4に基づき、前記植付部10の昇降制御について説明する。
【0028】前記手元操作レバー38を操作すると、リヤカバー26内に配置されたバルブ作動機構22が作動し、このバルブ作動機構22により前記油圧コントロールバルブ35が操作されて植付部10が昇降制御される。
【0029】すなわち、前記バルブ作動機構22はカム回動モータ41を有し、このカム回動モータ41は小ギヤ23を介して平板カム30に噛合されている。この平板カム30は、バルブ操作板36を介して前記油圧コントロールバルブ35に連結され、この油圧コントロールバルブ35の回動により前記油圧シリンダ装置19が伸縮される。
【0030】一方、前記手元操作レバー38は、前記制御部39を介してカム回動モータ41と電気的に接続されていて、該手元操作レバー38の上下方向の操作により、その操作内容が前述の切換スイッチ43(図2,図8参照)により判別される。このため、該切換スイッチ43からの制御信号で、前記カム回動モータ41により平板カム30が回動され、油圧コントロールバルブ35を介して油圧シリンダ装置19が伸縮され、更に昇降リンク機構8を介して植付部10が昇降制御される。
【0031】次に、図5及び図6に基づき、マーカの制御機構について説明する。
【0032】同図におけるマーカ引上げ機構40は、昇降リンク機構8による植付部10の上昇に伴い、作業位置に下降繰り出された前記左右マーカ50R,50Lを、非作業位置に引上げて上昇収納するものである。
【0033】このマーカ引上げ機構40は、座席シート7の下方に設けられていて、機体側のベース板56上にピン57が立設されており、このピン57に切換えレバー58が回動可能に軸着されている。この切換えレバー58は、断面略々L字形をなすと共に、側方に突出した舌片59を有し、前記ピン57を中心とする左右略々対称位置に夫々孔60,60が形成されている。
【0034】一方、前記切換えレバー58の側部近傍には、マーカ切換えモータ46が配置されていて、そのモータ軸46aには作動アーム48が固定されている。そして、この作動アーム48が時計方向又は反時計方向に回転することにより、その先端部が前記舌片59に当接して押圧付勢すると、前記切換えレバー58は前記ピン57を中心として同方向に回動する。また、前記マーカ切換えモータ46の側方には、作動アーム48の初期位置(ホームポジション)を検出するリミットスイッチ49が設けられていて、作動アーム48の回動に伴い、このリミットスイッチ49の接触子を押圧等してスイッチをオン・オフ操作する。
【0035】また、前記ピン57の後方のベース板56上には、左右端側を機体フレームに支持された軸61が横設されていて、該軸61にはカム62,62が機体前後方向に揺動可能に軸着されている。このカム62,62は、その高さ方向中途部に孔63,63が形成され、かつその後方に突出する突起部62a,62aを有している。そして、前記孔63,63と切換えレバー58に形成された孔60,60との間に、夫々ロッド64,64が取り付けられている。このロッド64,64の一端側はボルト65,65により切換えレバー58に取り付けられ、他端側は内側に折曲されて前記カム62,62に係止されている。なお、これらのカム62,62は、捩りバネ66,66により軸61を中心として図6の時計方向に付勢されている。
【0036】更に、このカム62,62に対峙するように、アーム67,67が支点軸68を中心として揺動可能に軸着されている。このアーム67,67には、前記カム62,62に対峙する前端側に、前記カム62,62に当接するピン69,69が植設され、後端側にはローラ受け70,70が固定され、更に中央先端側にはワイヤ取付孔71,71が形成されている。
【0037】前記支点軸68の下方には、横軸75が機体フレームに枢支されており、この横軸75にブラケット76,76の中間部が回動可能に軸着されている。そして、これら左右ブラケット76の前端側には、前記アーム67,67のローラ受け70,70に当接可能にローラ77が取り付けられ、後端側には連結ピン79を介してプレート78の前端部が連結されている。このプレート78の後端部は、ピン85によりリンクブラケット44に取り付けられている。このリンクブラケット44は、昇降リンク機構8の基端部に固設されている。この昇降リンク機構8は、左右の機体フレーム間に橋絡されている軸86に枢支されている。
【0038】また、前記ワイヤ取付孔71,71には、インナワイヤ73a,73aの連結ピン72,72が係合され、該インナワイヤ73a,73aの他端は、前記左右マーカ50R,50Lに夫々連結されている。なお、アウタワイヤ73,73の一端はブラケット74にネジ92により調節自在に取り付けられ、他端は後述するマーカ基部回動部材93に固定されている。
【0039】図7(a)(b)に示すように、苗載せ台12支持用の左右ステー81には、マーカ基部回動部材93を介してマーカ枢支ピン91により左右のマーカ50R,50Lが回動自在に支持されている。この左右のマーカ50R,50Lは、苗載せ台12の裏面に上昇収納された非作業位置と、植付部10の側部下方に繰り出されてその折曲側の先端aが圃場面に接触する作業位置とに切り換えられ、かつこれらマーカ50R,50Lは植付フレーム82,82との間に張設された繰り出しスプリング83,83により作業位置になるように付勢されている。
【0040】以上により、前述したマーカ引上げ機構40の作動は、図5及び図6において、例えば制御部39からの右マーカ50Rの繰り出し指令に基づき、マーカ切換えモータ46が初期位置から図5の時計方向に一回転して元の位置に戻って停止する。このとき、作動アーム48も同方向に回転し、該作動アーム48が切換えレバー58の舌片59を押圧付勢する。
【0041】これにより、切換えレバー58はピン57を中心として反時計方向に揺動し、右ロッド64を図面右方に引っ張る。すると、右側カム62が軸61を中心として図6の時計方向に回動し、その突起部62aと右側アーム67のピン69との係合が外れる。こうして、右側アーム67は、支点軸68を中心として時計方向に回動し、先端のワイヤ取付孔71が同方向に回動し、インナワイヤ73aが繰り出しスプリング83により引っ張られ、右マーカ50Rが作業位置に繰り出される。
【0042】一方、植付け走行により走行機体5が枕地に至り、該枕地において走行機体5を回向する際、油圧シリンダ装置19が作動して植付部10が上昇すると、昇降リンク機構8の基部に固定されたリンクブラケット44が軸86を中心として時計方向に回動するため、プレート78が図6の左方に引かれ、ブラケット76が横軸75を中心として時計方向に回転し、ローラ77がアーム67のローラ受け70を持ち上げる。すると、アーム67は支点軸68を中心として反時計方向に回転し、ワイヤ取付孔71を介してインナワイヤ73aを引っ張り、右マーカ50Rを上昇させて該右マーカ50Rを非作業位置に収納する。
【0043】次いで、走行機体5を回向して植付部10が下降し、リフト角ポテンショメータ87にて植付部10が所定位置に下降したことを検知すると、マーカ繰出しモードが自動モードの場合、制御部39から前記と反対の左マーカ50Lの繰り出し指令が発せられ、この指令に基づき、マーカ切換えモータ46が初期位置から図5の反時計方向に一回転して元の位置に戻って停止する。このとき、作動アーム48も同方向に回転し、該作動アーム48が切換えレバー58の舌片59を押圧付勢する。
【0044】これにより、切換えレバー58はピン57を中心として時計方向に揺動し、左ロッド64を図面右方に引っ張る。すると、左側カム62が軸61を中心として図6の時計方向に回動し、その突起部62aと左側アーム67のピン69との係合が外れる。こうして、左側アーム67は、支点軸68を中心として時計方向に回動し、先端のワイヤ取付孔71が同方向に回動し、インナワイヤ73aが繰り出しスプリング83により引っ張られ、左マーカ50Lが作業位置に繰り出される。
【0045】更に、走行機体5が枕地に至り、植付部10が上昇して昇降リンク機構8の基部のリンクブラケット44が軸86を中心として時計方向に回動すると、プレート78が図4の左方に引かれ、ブラケット76が横軸75を中心として時計方向に回転し、ローラ77がアーム67のローラ受け70を持ち上げる。すると、アーム67は支点軸68を中心として反時計方向に回転し、ワイヤ取付孔71を介してインナワイヤ73aを引っ張り、左マーカ50Lを上昇させて該左マーカ50Lを非作業位置に収納する。
【0046】以下、同様にして、走行機体5が枕地に至り、植付部10が昇降する毎に左右マーカ50R,50Lが交互に切り換えられる。
【0047】図8は、本実施の形態の制御ブロック図を示しており、前記制御部39はマイクロコンピュータ(以下、CPUという)を有し、このCPUに、植付部制御用の切換スイッチ43、マーカ制御用のモード切換スイッチ52及び方向切換スイッチ53、リミットスイッチ49、リフト角ポテンショメータ87からの信号が入力され、該CPUにより、植付部10を昇降制御するカム回動モータ41、マーカ50が作業位置にあるか否かを知らせるランプ84L,84R、前記マーカ切換えモータ46が制御される。前記リフト角ポテンショメータ87は、植付部10の昇降位置を検出するものである。
【0048】次に、図9のマーカモードセットに関するフローチャートに基づき、本実施の形態の制御動作を説明する。
【0049】同図において、S31では植付部10がマーカ収納が可能な位置にあるか否か、すなわち植付部10が「固定位置」又は「上げ位置」にあるか否かを判断し、YesならS32でマーカモニタフラグをセットし、S33に進む。しかし、S31で植付部10がマーカ収納が可能な位置になければ、最初に戻る。
【0050】S33では、手元操作レバー38の前方(図2(a)のB方向)への切換え操作があるか否か、すなわちマーカの繰出しモードの切換え操作があるか否かを判断し、操作がなければS38に進み、切換え操作があればS34において、オートマーカモードフラグがセットされているか否かを判断する。ここで、オートマーカモードフラグがセットされていれば、次いでオートマーカモードフラグをリセットすると共に(S35)、方向切換フラグをリセットし(S36)、更にマーカ左右振出し作動フラグをセットして(S37)、次のS38に進む。
【0051】一方、S34において、オートマーカモードフラグがリセットされていれば、S39において、マーカ左右振出モードフラグがセットされているか否かを判断する。そして、マーカ左右振出モードフラグがセットされていれば、S40においてマーカ左右振出モードフラグをリセットし、セットされていなければ、S41においてオートマーカモードフラグをセットして、S38に進む。
【0052】S38においては、オートマーカモードフラグがセットされているか否かを判断し、リセットされているならS43に進み、セットされていれば、S42においてマーカ左右振出し(双方繰出し)作動フラグがセットされているか否かを判断する。このS42において、マーカ左右振出し作動フラグがセットされていれば、S46でマーカ左右振出し作動フラグとマーカ作動フラグをリセットし、S51に進む。また、S42において、マーカ左右振出し作動フラグがリセットされているなら、S47においてマーカ作動フラグがセットされているか否かを判断し、セットされているならS48にてマーカ作動フラグをリセットしてS49に進む。このS49では、植付クラツチ入フラグがセットされているか否かを判断し、セットされているならS50で方向切換フラグをリセットからセット(又はセットからリセット)に反転した後に、S51で植付クラッチ入フラグをリセットし、S52に進む。また、S47でマーカ作動フラグがリセット、又はS49で植付クラツチ入フラグがリセットされているならS51に進む。
【0053】一方、S38において、オートマーカモードフラグがリセットされている場合は、S43に進み、ここでマーカ左右振出しモードフラグがセットされているか否かを判断する。そして、マーカ左右振出しモードフラグがセットされていれば、S44にてマーカ指示フラグをR&L(左右マーカの双方繰出し)にセットし、セットされていなければ、S45にてマーカ指示フラグをリセットする。
【0054】次いで、S52において、手元操作レバー38の後方(図2(a)のA方向)への切換え操作があるか否か、すなわち方向切換スイッチ53が切換えられたか否かを判断し、切換え操作がなければS54に進み、切換え操作があればS53にて方向切換フラグをリセットからセット(又はセットからリセット)に反転した後にS54に進む。
【0055】このS54では、方向切換フラグがセットされているか否かを判断し、リセットされていればS55で右(R)のマーカ指示フラグをセットし、方向切換フラグがセットされていればS56で左(L)のマーカ指示フラグをセットする。
【0056】次に、図10は、マーカモードセットに関する他の実施の形態のフローチャートを示す。
【0057】同図において、S71では植付部10がマーカ収納が可能な位置にあるか否か、すなわち植付部10が「固定位置」又は「上げ位置」にあるか否かを判断し、YesならS72でマーカモニタフラグをセットし、S73に進む。若しもS71において、植付部10がマーカ収納可能な位置にない場合には最初に戻る。
【0058】S73では、手元操作レバー38のモード切換部52の操作により、オートモード(自動モード)が選択されているか否かを判断し、オートモードが選択されていればS74にてオートマーカモードフラグをセットし、S77に進む。若しもS73において、オートモードが選択されていなければ、S75〜S76において、オートマーカモードフラグをリセットすると共に、方向切換フラグをリセットしてS77に進む。
【0059】S77においては、オートマーカモードフラグがセットされているか否かを判断し、セットされているならS78に進み、ここでマーカ左右振出し(双方繰出し)作動フラグがセットされているか否かを判断する。そして、S78でマーカ左右振出し作動フラグがリセットされているならS82に進み、ここで更にマーカ作動フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていればS84にてマーカ作動フラグをリセットし、S85に進む。このS85では、植付クラッチの入フラグがセットされているか否かをクラッチモータポテンショメータ88(図8参照)にて判断し、セットされているならS86にて左右マーカ50の繰り出しを切換える方向切換フラグを左右反転させた後、S87で植付クラッチ入フラグをリセットし、S88に進む。
【0060】なお、前述したS88において、マーカ左右振出し作動フラグがセットされているなら、S83でマーカ左右繰出し作動フラグとマーカ作動フラグをリセットし、S87に進む。また、S82でマーカ作動フラグがリセット状態の場合と、S85で植付クラッチの入フラグがリセット状態の場合は、S87に進む。
【0061】つまり、オートマーカモードに設定されている場合は、植付スイッチ90がオンでかつ植付クラッチが入り状態のときのみ、左右マーカ50の左右繰り出しの切換えを可能としている。これは、植付作業前に圃場の外周側にマーカ50にてラインのみを引きたい場合、オートマーカモードで行おうとすると、植付部10の昇降動作によって左右マーカ50の繰り出しが自動的に切換わってしまうので、これでは植付部10を昇降するたびにその都度マーカの左右切換え操作を必要とし煩わしいからである。
【0062】次いで、S88では手元操作レバー38の後方(図2(a)のA方向)への切換え操作があるか否か、すなわち方向切換スイッチ53が切り換えられたか否かを判断し、切換え操作があればS89にて方向切換フラグをリセットからセット(又はセットからリセット)に反転した後にS90に進む。
【0063】一方、前述したS77において、オートマーカモードフラグがリセット状態なら、S79においてマーカ左右繰出し作動スイッチ、すなわち手元操作レバー38のモード切換部52が左右モード(双方繰出しモード)に設定(オン状態)されているか否かを判断し、オンならS80でマーカ左右繰出しモードフラグをセットし、オフならS81においてマーカ左右繰出しモードフラグをリセットしてS90に進む。
【0064】S90では、オートマーカモードフラグがセットされているか否かを判断し、セットされていればS91に進み、このS91では、方向切換フラグがセットされているか否かを判断し、リセットされていればS96で右(R)のマーカ指示フラグをセットし、方向切換フラグがセットされていればS95で左(L)のマーカ指示フラグをセットする。また、前述のS90において、オートマーカモードフラグがリセットされていればS92に進み、このS92では、マーカ左右繰出しモードフラグがセットされているか否かを判断し、セットされていればS93でマーカ指示フラグをR&L(左右マーカの双方繰出し)にセットし、リセットならS94でマーカ指示フラグをリセットする。
【0065】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1記載の発明によれば、上下及び前後に夫々独立して操作し得る手元操作手段を設け、この手元操作手段の上下方向の操作で作業部を昇降制御可能とすると共に、前後方向いずれか一方への操作で左右マーカの作業位置への繰出し方向を選択的に切換え可能としたことで、1本の操作レバーで作業部の昇降とマーカ制御とが可能であるため、誤操作を軽減することができ、また、移植作業における左右マーカの切換え操作が簡単になり、作業性の向上を図ることができる。
【0066】請求項2記載の発明によれば、手元操作手段の前後方向いずれか他方への操作で、前記左右マーカの繰出しモードを自動モード・双方モード・停止モードの各モードに順次選択的に切換え可能としたことにより、左右マーカの繰出しモードの切換え操作が簡単となり、作業性の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年6月17日(1998.6.17)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
【公開番号】 特開2000−4608(P2000−4608A)
【公開日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【出願番号】 特願平10−170342