| 【発明の名称】 |
電子機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】高野 自平
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| 【要約】 |
【課題】地下構造物と地上とを繋ぐ穴の蓋の内側に取り付けられて使用される電子機器の場合、直射日光によって高温に熱せられた蓋の熱が電子機器に伝達され、電子機器の寿命低下や信頼性低下を発生させ、最悪の場合には故障、破損等を引き起こすという問題点があった。
【解決手段】蓋の内面に断熱スペーサを介して熱絶縁板を取り付け、この熱絶縁板を覆うように上記蓋の内側に取り付けたカバーによって形成される空間に電子機器を上記熱絶縁板と接触させて配置することにより、蓋からの熱を電子機器へ伝えないよう断熱するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地下構造物と地上とを繋ぐ穴の蓋の内側に設けた電子機器において、上記蓋の内面に断熱スペーサを介して熱絶縁板を取り付け、この熱絶縁板を覆うように上記蓋の内側に取り付けたカバーによって形成される空間内に上記電子機器を配置し、かつ上記電子機器は上記熱絶縁板と接触していることを特徴とする電子機器。 【請求項2】 上記熱絶縁板は格子状にくり抜いた板の両面に薄板が取り付けられて成形されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。 【請求項3】 上記熱絶縁板は制振合金材料からなり、かつ格子状にくり抜いた振動絶縁板の両面にスキン材が取り付けられて成形されていることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、下水道に代表される地下構造物と地上とを繋く穴の蓋の内側に設けた電子機器の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、上記下水道が光ファイバー等の通信線の通路として使用されるようになり、それによって、上記下水道と地上とを繋ぐ穴の蓋には所要の電子機器が取り付けられるようになってきた。すなわち、上記蓋の内側には通信回線の中継を行うような電子機器が取り付けられている。 【0003】ところで、このように蓋の内側に電子機器を取り付けた場合、特に、蓋を介して電子機器へ伝達される熱の問題がある。蓋は鋳鉄等の鉄材により成形されているため、直射日光によって高温に熱せられ易く、熱せられた熱は蓋の内側の電子機器まで伝わり易い。つまり、蓋の内側に電子機器を取り付けた場合、熱せられた蓋の熱が直接電子機器に加わる事になる。したがって、電子機器は蓋から受ける熱ストレスにより、寿命低下をもたらし、信頼性低下を発生させ、最悪の場合には故障、破損等を引き起こすという問題が想定される。そこで、蓋の内側に電子機器を取り付けた場合においても蓋から受ける熱ストレスを軽減することにより信頼性および放熱効果に優れ、しかもメンテナンスの容易な電子機器を提案する。 【0004】図7は、従来の蓋の内側に取り付けられる電子機器の構造図であり、図7において1は穴、2は受枠、3は蓋、4はきょう体、5は電子機器、6はブラケット、7はネジ、8は通信線である。従来の蓋の内側に取り付けられる電子機器は上記のように構成され、下水道と地上とを繋ぐ穴1に設けられた受枠2に対して開閉可能に設置され、鋳鉄等の鉄材料で成形される蓋3の内側に、気密、防食、放熱対策が施されたきょう体4の内部に収納された電子機器5が取り付けられている。ここで、上記きょう体4には固定用のブラケット6が設けられ上記蓋3の内側にネジ7により固定されている。また、上記電子機器5には下水道に敷設された通信線8が接続されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記のように構成された電子機器は、蓋の内側に電子機器を取り付けることにより、特に、蓋を介して電子機器へ伝達される熱の問題が予想される。蓋は鋳鉄等の鉄材により成形されているため、直射日光によって高温に熱せられ易く、熱せられた熱は蓋の内側の電子機器まで伝わりやすい。つまり、蓋の内側に電子機器を取り付けた場合、熱せられた蓋の熱が直接電子機器に加わる事になる。したがって、電子機器は蓋から受ける熱ストレスにより、寿命低下をもたらし、信頼性低下を発生させ、最悪の場合には故障、破損等を引き起こすという課題があった。 【0006】この発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、地下構造物と地上とを繋ぐ穴の蓋の内側に電子機器を取り付けた場合においても、蓋から受ける熱ストレスを軽減することにより、信頼性および放熱効果に優れ、しかもメンテナンスの容易な電子機器を得ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】第1の発明による電子機器は、蓋の内面に断熱スペーサを介して熱絶縁板を取り付け、この熱絶縁板を覆うように上記蓋の内側に取り付けたカバーによって形成される空間に上記電子機器を配置し、かつ上記電子機器は上記熱絶縁板と接触するよう配置したものである。 【0008】また、第2の発明による電子機器は、上記第1の発明における手段を施した電子機器の上記熱絶縁板を、格子状にくり抜いた板の両面に薄板を取り付けて成形したものである。 【0009】更に、第3の発明による電子機器は、上記第2の発明における手段を施した電子機器の上記熱絶縁板が制振合金材料からなり、かつ格子状にくり抜いた振動絶縁板の両面にスキン材を取り付けて成形したものである。 【0010】 【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示す外観図であり、図において9はカバー、10は固定用ネジを示しており、他の符号については従来のものと同様である。また、図2は図1における断面A−Aを示す図であり、図において11は断熱スペーサ、12は熱絶縁板、13は断熱空気層を示しており、他の符号については従来のものおよび図1と同様である。 【0011】以上のように構成された電子機器においては、蓋3の内面に断熱スペーサ11を介して熱絶縁板12を取り付け、この熱絶縁板12を覆うように上記蓋3の内側に取り付けたカバー9によって形成される空間に電子機器5を上記熱絶縁板12に接触させるように配置し、上記カバー9は上記熱絶縁板12に固定用ネジ10により固定されている。このため日射により熱せられた上記蓋3の熱は、上記断熱スペーサ11と上記熱絶縁板12により形成される断熱空気層13により空気が断熱材の働きをして熱を遮断するため、上記電子機器5が配置される空間まで達しない。また、上記断熱スペーサ11と熱絶縁板12を、たとえばガラスエポキシ材などの断熱材料によって成形することにより、蓋3からの伝導による熱の侵入を防いでいる。さらに、上記断熱空気層13の熱も、上記熱絶縁板12をたとえばガラスエポキシ材などの断熱材料によって成形することにより、上記電子機器5が収納された空間まで達しない。この時、上記蓋3からの上記電子機器5が収納される空間への熱の侵入による温度上昇値Δt1は数1により求めることができる。 【0012】 【数1】
【0013】上記数1からわかるように、熱伝導率Kを変えることにより温度上昇値Δt1を変化させることができる。よって、断熱スペーサ11と熱絶縁板12には、従来の下水道内部で使用されている防食性を考慮したステンレス合金(16W/m・℃)や鉄材(58W/m・℃)のような金属材料に比べ熱伝導率が低く腐食しないガラスエポキシ材(1.5W/m・℃)などの樹脂材料を使用し、断熱スペーサ11と熱絶縁板12によって断熱空気層13(0.025W/m・℃)を形成することにより、従来のように蓋3の内側に電子機器を直接取り付ける方法に比べ、電子機器の温度上昇値Δt1は1/10〜1/100に断熱される。 【0014】さらに、上記電子機器5が発生する熱による電子機器5収納部の温度上昇値Δt1も上記カバー9の熱伝導率Kにより変化することが上記数1からわかる。したがって、上記カバー9を、耐食性を有し、しかも熱伝導率の高い材料である耐食アルミ合金(160W/m・℃)のような金属材料で成形することにより、従来使用していたステンレス合金(16W/m・℃)や鉄材(58W/m・℃)に比べ、2.7倍〜10倍程度放熱効果が向上する。 【0015】したがって、この実施の形態1によれば、蓋3の内面に電子機器5を取り付けることにより修理、メンテナンスが容易となり、また、断熱スペーサ11と熱絶縁板12を例えばガラスエポキシ(1.5W/m・℃)などの熱伝導率の低い樹脂材料で成形し、断熱空気層13(0.025W/m・℃)を形成することにより、蓋3から与えられる電子機器5ヘの熱ストレスを従来に比べ10倍〜100倍軽減できる。また、カバー9を例えば耐食アルミ合金(160W/m・℃)などの耐食性を有し、しかも熱伝導率の高い金属材料で成形することにより、従来に比べ放熱効果を2.7倍〜10倍程度向上することが可能となるばかりでなく、下水道の点検作業などでの乱暴な取り扱いから電子機器5を保護することができる。さらに、断熱スペーサ11と熱絶縁板12をガラスエポキシなどの樹脂材料で成形しているため、蓋3とカバー9が異種金属であっても電解腐食を発生することがない。よって、信頼性および放熱効果に優れ、しかもメンテナンスの容易な電子機器を実現できるという利点がある。 【0016】実施の形態2.図3は上記実施の形態1をさらに改善した、実施の形態2における熱絶縁板を示す外観図であり、図において14は格子状にくり抜いた板、15は薄板を示している。また、図4は図3における熱絶縁板の分解図を示す図であり、図において16は空気溜まりを示している。 【0017】以上のように構成された電子機器においては、実施の形態1における熱絶縁板12を例えばガラスエポキシ(1.5W/m・℃)などの熱伝導率の低い樹脂材料により空気溜まり16をもうけるように格子状にくり抜いた板14を成形し、上記格子状にくり抜いた板14の両面には同じくガラスエポキシ(1.5W/m・℃)などの熱伝導率の低い材料からなる薄板15を取り付けることにより、上記実施の形態1と同様の利点があるばかりでなく、空気溜まり16を形成したことにより、空気の熱伝導率(0.025W/m・℃)がガラスエポキシ(1.5W/m・℃)に比べ60倍低いため、上記数1からもわかるように熱伝導率Kを小さくできるので、日射により熱せられた蓋3からの熱の侵入による電子機器5収納部の温度上昇値Δt1を小さくすることができる。したがって、さらに信頼性に優れた電子機器を実現できるという利点がある。 【0018】実施の形態3.図5は上記実施の形態2をさらに改善した、実施の形態3における熱絶縁板を示す外観図であり、図において17は振動絶縁板、18はスキン材を示しており、他の符号については実施の形態2と同様である。また、図6は図5における熱絶縁板の分解図を示す図であり、図における符号については実施の形態2および図5と同様である。 【0019】以上のように構成された電子機器においては、実施の形態2における熱絶縁板12を例えばアルミー亜鉛合金などの内部摩擦の大きい特性を有する制振合金材料により形成することにより、上記実施の形態2と同様の利点があるばかりでなく、空気溜まり16をもうけるように格子状にくり抜いた振動絶縁板17とスキン材18を制振合金材料により成形することにより、電子機器の共振周波数における応答倍率を低減することができる。例えば、電子機器の共振周波数が350Hzで、その時の応答倍率が5倍であった場合、車の通行等による振動、衝撃や、下水道の点検作業などでの乱暴な取り扱いにおいて発生する衝撃が350Hzと重なった時、電子機器には入力に対し5倍の振動、衝撃レベルが印加されることになり、電子機器に実装されている電子回路部品はこの振動レベルに耐えることが必要となる。このことは、電子機器の市場性を狭め、コスト高を招く事になる。また、電子回路部品の実装状態によっては、この振動ストレスにより、リード破断やハンダ付け部のクラック等を発生する可能性がある。ここで、電子機器の共振周波数における応答倍率は数2により求めることができる。 【0020】 【数2】
【0021】電子機器の共振時においては、入力角振動数ωと電子機器の角振動数ωnは等しいことから、上記数2は数3のようになる。 【0022】 【数3】
【0023】また、上記数3における減衰比ζは数4より求められる。 【0024】 【数4】
【0025】さらに、上記数4における対数減衰率δは数5により求められる。 【0026】 【数5】
【0027】上記数2〜上記数5は、電子機器の内部摩擦q-1を大きくすれば、共振周波数における応答倍率Aを小さくすることができることを示しており、上記数5において内部摩擦q-1を大きくすると対数減衰率δが大きくなる。そして、上記数4において対数減衰率δが大きくなると減衰比ζが大きくなる。さらに、減衰比ζが大きくなると上記数3における応答倍率Aを小さくすることができる。例えば、減衰比ζが0.03の場合、応答倍率Aは16.7倍となるのに対して、減衰比ζが0.07の場合、応答倍率Aは7.2倍となり、応答倍率Aを小さくすることができる。 【0028】したがって、この実施の形態3によれば、空気溜まり16をもうけるように格子状にくり抜いた振動絶縁板17とスキン材18を、内部摩擦(一般的な構造用アルミ合金の内部摩擦は0.5〜2×10-3)の大きい特性を有する例えばアルミー亜鉛合金(5×10-3)等の制振合金材料にて成形することにより、実施の形態2と同様の断熱効果を得られるばかりでなく、車の通行や下水道の点検作業などでの乱暴な取り扱いにおいて蓋に発生し電子機器に伝達される振動、衝撃レベルは、上記振動絶縁板17とスキン材18で減衰され、電子機器の共振周波数における応答倍率が小さくなり、電子機器に印加される振動、衝撃ストレスを低下させることができる。よって、さらに信頼性、放熱効果および耐振性、耐衝撃性に優れた電子機器を実現できるという利点がある。 【0029】 【発明の効果】第1の発明によれば、蓋の内面に断熱スペーサを介して熱絶縁板を取り付け、この熱絶縁板を覆うように上記蓋の内側に取り付けたカバーによって形成される空間に電子機器を配置し、かつ上記電子機器は上記熱絶縁板と接触するように配置したことにより、修理、メンテナンスが容易となり、また、上記断熱スペーサと熱絶縁板を例えばガラスエポキシなどの熱伝導率の低い樹脂材料で成形し、断熱空気層を形成することにより、蓋から与えられる電子機器への熱ストレスを従来に比べ10倍〜100倍軽減できる。また、上記カバーを例えば耐食アルミ合金などの耐食性を有し、しかも熱伝導率の高い金属材料で成形することにより従来に比べ放熱効果を2.7倍〜10倍程度向上することが可能となるばかりでなく、下水道の点検作業などでの乱暴な取り扱いから電子機器を保護することができる。さらに、上記断熱スペーサと熱絶縁板を樹脂材料で成形しているため、蓋とカバーが異種金属であっても電解腐食を発生することがない。したがって、信頼性および放熱効果に優れ、しかもメンテナンスの容易な電子機器を実現できるという効果がある。 【0030】また、第2の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果を得ることができるだけでなく、上記第1の発明における熱絶縁板を例えばガラスエポキシなどの熱伝導率の低い樹脂材料により空気溜まりをもうけるように格子状にくり抜いた板の両面に、同じくガラスエポキシなどの熱伝導率の低い材料からなる薄板を取り付けることにより、上記第1の発明と同様の利点があるばかりでなく、空気溜まりが形成されることにより、空気の熱伝導率がガラスエポキシに比べ60倍低いため、日射により熱せられた蓋からの熱の侵入による電子機器収納部の温度上昇値Δt1を小さくすることができるので、さらに信頼性に優れた電子機器を実現できるという効果がある。 【0031】また、第3の発明によれば、上記第2の発明と同様の効果を得ることができるだけでなく、上記熱絶縁板を内部摩擦の大きい特性を有する例えばアルミー亜鉛合金等の制振合金材料にて成形することにより、上記第2の発明と同様の断熱効果を得られるばかりでなく、車の通行や下水道管の点検作業などでの乱暴な取り扱いにおいて蓋に発生し電子機器に伝達される振動、衝撃レベルは、上記振動絶縁板とスキン材で減衰され、電子機器の共振周波数における応答倍率が小さくなり、上記電子機器に印加される振動、衝撃ストレスを低下させることができる。よって、さらに信頼性、放熱効果および耐振性、耐衝撃性に優れた電子機器を実現できるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月5日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−251760 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月17日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−53646 |
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