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【発明の名称】 スイッチを搭載したプリント配線板の取付け構造及びこの取付け構造を用いた人体局部洗浄装置
【発明者】 【氏名】阿部 哲弥

【氏名】永山 成充

【要約】 【課題】プリント配線板に高さの異なるスイッチを取り付けても、スイッチの作用面が一定の高さになるように、プリント配線板の取付け高さを変えられるようにして、高さの異なる複数種のスイッチにプリント配線板を対応できるようにする。

【解決手段】プリント配線板20の取付け基板24からの係止高さが、群間で異なり、群内で等しい複数群(第1の係止ピンの群、第2の係止ピンの群)の係止ピン25a、25bを取付け基板24から立設し、プリント配線板20には上記複数群の一群毎に適宜のピッチだけ互いにずらした座標を基準として、その群の係止ピン25a(25b)に対応する位置に係合穴22b(22a)を設けるとともに、他の群の係止ピン25aの係止高さがより高い場合には、上記座標を基準とした上記他の群の係止ピンに対応する位置に他の群の係止ピン25aを貫通する逃げ穴23を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スイッチを搭載したプリント配線板を取付け基板に取り付けるプリント配線板の取付け構造において、取付け基板からの係止高さが、群間で異なり、群内で互いに略等しい複数群の係止ピンを立設した取付け基板と、上記複数群の一群毎に適宜のピッチだけ互いにずらした座標を基準として、その群に属する上記取付け基板の係止ピンに対応する位置に、係合穴を設けるとともに、係止高さがより高い他の群の係止ピンに対応する位置に、上記他の群の係止ピンを貫通する逃げ穴を設けたプリント配線板とを具備し、上記取付け基板からのスイッチの作用面の高さがいずれの群の係止ピンと係合穴を組み合わせても一定になるようにしたことを特徴とするスイッチを搭載したプリント配線板の取付け構造。
【請求項2】 取付け基板をケースに固定するための複数組の基板固定用穴が取付け基板に設けられ、上記複数組の基板固定用穴の各々の組は、係合穴を一群毎にずらしたピッチだけ係合穴と逆向きにずらされていて、搭載したスイッチの高さに応じて基板固定用穴の組を選択して使用することにより、取付け基板をケースに固定したとき、スイッチの取付け基板平面方向の位置がずれないようにしたことを特徴とする請求項1記載のスイッチを搭載したプリント配線板の取付け構造。
【請求項3】 高さの低い係止ピン群の係止ピンの高さが、高さの高い係止ピン群の係止ピンの係止段部の高さに略等しくなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチを搭載したプリント配線板の取付け構造。
【請求項4】 便器本体の背面上部に設置され、人体局部洗浄のための機能部と該機能部を駆動操作する操作部とを有し、該操作部には、スイッチ操作部を搭載したカバーと、上記スイッチ操作部によりON・OFFされるスイッチを搭載したプリント配線板と、該プリント配線板を取り付ける取付け基板と、上記プリント配線板、取付け基板を収納し、上記カバーで覆われるケースとを備えた人体局部洗浄装置において、取付け基板には、該取付け基板からの係止高さが、群間で異なり、群内で互いに略等しい複数群の係止ピンを立設し、プリント配線板には、上記複数群の一群毎に適宜のピッチだけ互いにずらした座標を基準として、その群の係止ピンに対応する位置に係合穴を設けるとともに、係止高さがより高い他の群の係止ピンに対応する位置に上記他の群の係止ピンを貫通する逃げ穴を設け、上記プリント配線板に搭載されたスイッチの作用面が、いずれの群の係止ピンと係合穴を組み合わせても、カバーに搭載されたスイッチ操作部と係合可能としたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項5】 取付け基板をケースに固定するための複数組の基板固定用穴が取付け基板に設けられ、上記複数組の基板固定用穴の各々の組は、係合穴を一群毎にずらしたピッチだけ係合穴と逆向きにずらされていて、搭載したスイッチの高さに応じて係合穴の組を選択して使用することにより、上記プリント配線板に搭載されたスイッチの作用面が、いずれの群の係止ピンと係合穴を組み合わせても、カバーに搭載されたスイッチ操作部と係合可能としたことを特徴とする請求項5記載の人体局部洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の局部を洗浄する人体局部洗浄装置に関し、特に、人体局部洗浄装置の操作を行うスイッチ等の電子部品を搭載したプリント配線板の取付け構造及びこの取付け構造を用いた人体局部洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人体局部洗浄装置は、人体の局部を洗浄するノズル装置、洗浄後に局部を乾燥する温風装置、局部洗浄用の温水を貯湯する温水タンク、温水タンクに給水する給水ユニット等の機能部、これらの機能部に制御信号を出力する制御装置、及び上記制御装置に使用者の操作により指令信号を出力する操作部を、本体ケース内の空所に収納している。
【0003】上記ノズル装置や温風装置の作動は、使用者が上記本体ケースの表面に設けた洗浄スイッチ操作部、温風スイッチ操作部を操作することにより行なわれる。この操作により、上記スイッチ操作部の下方に設けられた各々のスイッチがオンとなり、これに応じて上記制御装置から各スイッチの操作に対応する制御信号を出力し、この制御信号により、給水ユニットを駆動して、貯湯タンク内の温水をノズル装置に供給し、ノズル装置から温水を噴射させて局部を洗浄し、洗浄後は温風ファンを駆動し局部の乾燥を行うようになっている。
【0004】上記操作部の主要部は、上記洗浄スイッチ、温風スイッチ等の電子部品を搭載したプリント配線板を有し、このプリント配線板は、本体ケース内に固定されている。
【0005】ところで、近年、人体局部洗浄装置は、ユニットバス等の湿気が多く、水のかかりやすい場所にも設置することが多くなっている。このような多湿環境下では、上記制御装置、操作部を構成するプリント配線板に電子部品が搭載されているので、水滴等により、電子部品が破損、焼損したり、漏電の危険等も生じる。
【0006】そのため制御装置及び操作部を構成するプリント配線板に防湿処理をし、人体局部洗浄装置内部に水が侵入したり、結露が発生してもプリント配線板上の電子部品に付着しないような方策が取られている。一般的な方法としては、プリント配線板を本体ケースに収納後、防湿剤をケース内に充填して、プリント配線板に搭載した電子部品を覆うものがある。なお、この場合、使用者が操作するスイッチは、プリント配線板上の周囲の部品より背の高い部品を使用して防湿剤がスイッチの上面まで覆わないよう配慮している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述したプリント配線板の防湿処理は、生産コストが高く、操作用のスイッチも、防湿剤でスイッチの上部が覆われないようにするため、通常のスイッチより背の高い特殊なスイッチを使用するのでコストアップにつながる。従って、湿気の少ない場所に設置する通常環境用の人体局部洗浄装置には、プリント配線板の防湿処理を行わずに、スイッチも通常の背の低いスイッチを使用することになるが、前述した背の高いスイッチを使用するための本体ケースに取り付けられたプリント配線板では、表面に設けたスイッチ操作部のストロークが不足してスイッチ操作部を操作してもスイッチが作動しない等の問題が生じてしまう。
【0008】更に、プリント配線板の取付け高さ、またはケース表面に設けたスイッチ操作部のストロークを変えた場合には、プリント配線板取付け用の取付け基板、ケース、カバー等の部品が多湿環境下で使用する防湿用、通常環境で使用する非防湿用の2種類となり、生産性が低下するばかりでなく、部品違いによる誤組立や部品のコストアップにつながることになる。
【0009】本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、共通の1種類のプリント配線板とこのプリント配線板を取り付ける取付け基板を兼用で使用して、このプリント配線板に、高さの異なる複数種のスイッチのうちの任意のスイッチを選択して搭載しても、スイッチの作用面が一定の高さになるように、プリント配線板の取付け高さを変えられるようにした、スイッチを搭載したプリント配線板の取付け構造及びこの取付け構造を用いた人体局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、請求項1のプリント配線板の取付け構造の発明は、図3(a)、(b)、(c)に示すように、スイッチを搭載したプリント配線板(20)を取付け基板(24)に取り付けるプリント配線板の取付け構造において、取付け基板(24)からの係止高さ(hb、ha(図4参照))が、群(第1の係止ピンの群25A、第2の係止ピンの群25B)間で異なり、群内で互いに略等しい複数群の係止ピン(25a、25b)を立設した取付け基板(24)と、上記複数群の一群(第1の係止ピンの群25Aまたは第2の係止ピンの群25B)毎に適宜のピッチ(s)だけ互いにずらした座標を基準として、その群(第1の係止ピンの群25Aまたは第2の係止ピンの群25B)に属する上記取付け基板(24)の係止ピン(25aまたは25b)に対応する位置に、係合穴(22aまたは22b)を設けるとともに、係止高さ(hbまたはha)がより高い他の群(第1の係止ピンの群25Aまたは第2の係止ピンの群25B)の係止ピン(25aまたは25b)に対応する位置に、上記他の群の係止ピン(25aまたは25b)を貫通する逃げ穴(23)を設けたプリント配線板(20)とを具備し、上記取付け基板(24)からのスイッチの作用面の高さ(hs(図5、図6参照))がいずれの群((第1の係合穴の群22A、第1の係止ピンの群25A)、(第2の係合穴の群22B、第2の係止ピンの群25B))の係止ピン(25a、25b)と係合穴(22a、22b)を組み合わせても一定になるようにしたことを特徴とする。
【0011】請求項1に記載のプリント配線板の取付け構造の発明によれば、取付け基板(24)の複数群の係止ピン(25a、25b)のうちの任意の1群の係止ピン(25aまたは25b)に、これに対応するプリント配線板(20)の係合穴(22aまたは22b)を係合することにより、1種類の取付け基板(24)に1種類のプリント配線板(20)を複数の係止高さ(ha又はhb、図4参照)で取り付けることができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、図3に示すように、取付け基板(24)を本体ケース(3)に固定するための複数組の基板固定用穴(第1の基板固定用穴24a、第2の基板固定用穴24b)が取付け基板(24)に設けられ、上記複数組の基板固定用穴の各々の組(24a−24a、24b−24b)は、係合穴を一群(第1の係合穴の群22A、第2の係合穴の群22B)毎にずらしたピッチ(s)だけ係合穴(22a、22b)と逆向きにずらされていて、搭載したスイッチ)の高さに応じて基板固定用穴の組(24a−24a、24b−24b)を選択して使用することにより、取付け基板(24)を本体ケース(3)に固定したとき、スイッチの取付け基板(24)平面方向の位置がずれないようにしたことを特徴とする。
【0013】請求項2のプリント配線板の取付け構造の発明によれば、取り付けた本体ケース(3)に対するプリント配線板(20)のプリント配線板平面内方向のずれを生じない。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、図4に示すように、高さの低い係止ピン群(第2の係止ピンの群25B)の係止ピン(25b)の高さ(hc)が、高さの高い係止ピン群(第1の係止ピンの群25A)の係止ピン(25a)の係止段部の高さ(ha)に略等しくなっていることを特徴とする。
【0015】請求項3のプリント配線板の取付け構造の発明によれば、図5に示すように、高さの低い係止ピン群(第2の係止ピンの群25B)の係止ピン(25b)群の頂部(28b)が高さの高い係止ピン(25a)群で係止されたプリント配線板(20)を支持する。
【0016】請求項4の人体局部洗浄装置の発明は、図3に示すように、便器本体(2(図1参照))の背面上部に設置され、人体局部洗浄のための機能部と該機能部を駆動操作する操作部(11b(図1参照))とを有し、該操作部(11b)には、スイッチ操作部(32(図5参照))を搭載したカバー(33(図5、図6参照))と、上記スイッチ操作部(32)によりON・OFFされるスイッチ(21(図5参照))を搭載したプリント配線板(20)と、該プリント配線板(20)を取り付ける取付け基板(24)と、上記プリント配線板(20)、取付け基板(24)を収納し、上記カバー(33)で覆われる本体ケース(3)とを備えた人体局部洗浄装置(1(図1参照))において、取付け基板(24)には、該取付け基板(24)からの係止高さ(ha、hb(図4参照))が、群(25A、25B)間で異なり、群内で互いに略等しい複数群の係止ピン(25a、25b)を立設し、プリント配線板(20)には、上記複数群の一群(第1の係止ピンの群25Aまたは第2の係止ピンの群25B)毎に適宜のピッチ(s)だけ互いにずらした座標を基準として、その群(第1の係止ピンの群25Aまたは第2の係止ピンの群25B)の係止ピン(25aまたは25b)に対応する位置に係合穴(22a、22b)を設けるとともに、係止高さ(haまたはhb)がより高い他の群(第1の係止ピンの群25Aまたは第2の係止ピンの群25B)の係止ピン(25bまたは25a)に対応する位置に上記他の群(第1の係止ピンの群25Aまたは第2の係止ピンの群25B)の係止ピン(25aまたは25b)を貫通する逃げ穴(23)を設け、上記プリント配線板(20)に搭載されたスイッチ(21、(図5参照))の作用面(21c、(図5参照))が、いずれの群((第1の係止ピンの群25A、第1の係合穴の群22A)、(第2の係止ピンの群25B、第2の係合穴の群22B))の係止ピン(25a、25b)と係合穴(22a、22b)を組み合わせても、カバー(33、(図5参照))に搭載されたスイッチ操作部(32、(図5参照))と係合可能としたことを特徴とする。
【0017】請求項5の発明は、請求項4記載の発明において、図3に示すように、取付け基板(24)を本体ケース(3)に固定するための複数組の基板固定用穴(第1の基板固定用穴24a、第2の基板固定用穴24b)が取付け基板(24)に設けられ、上記複数組の基板固定用穴の各々の組(24a−24a、24b−24b)は、係合穴を一群(第1の係合穴の群22A、第2の係合穴の群22B)毎にずらしたピッチ(s)だけ係合穴(22a、22b)と逆向きにずらされていて、搭載したスイッチ(21(図5参照))の高さに応じて基板固定用穴の組(24a−24a、24b−24b)を選択して使用することにより、上記プリント配線板(20)に搭載されたスイッチ(21(図5参照))の作用面(21c(図5参照))が、いずれの群((第1の係止ピンの群25A、第1の係合穴の群22A)、(第2の係止ピンの群25B、第2の係合穴の群22B))の係止ピン(25a、25b)と係合穴(22a、22b)を組み合わせても、カバー(33(図5参照))に搭載されたスイッチ操作部(32(図5参照))と係合可能としたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】図1は、本発明の人体局部洗浄装置を便器に据付けた状態を示す斜視図である。1は、便器本体2の上面後背部に設置した人体局部洗浄装置で、上記人体局部洗浄装置1は、本体ケース3と下ケース4とによって内部に所定の空間を備え、上記下ケース4を便器本体2に固定することによって据付けられている。また、本体ケース3には便座5と便蓋6が図示しない枢支手段を介して開閉自在に取付けられている。
【0020】次に、人体局部洗浄装置1の内部について説明する。図2は、本実施形態の人体局部洗浄装置1の内部を示す正面透視図である。上記人体局部洗浄装置1の内部には、図2で示すように、局部洗浄用の適温水を貯湯する貯湯タンク7と、給水源(図示省略)と上記貯湯タンク7との間に配置した給水ユニット8と、上記貯湯タンク7から供給される適温水を局部に向けて噴射するノズル装置9と、洗浄後の局部を乾燥する温風ファン10と、更に、上記給水ユニット8、ノズル装置9、温風ファン10の駆動制御、及び温風ファン10の温風温度、貯湯タンク7内の適温水の温度を制御するための制御装置11aと、使用者が局部の洗浄、乾燥、洗浄または乾燥の停止、洗浄水量、温水タンク内温度、温風温度の調整を行う操作部11bとを収納する。
【0021】操作部11bは、図1に示すように、使用者が座った状態でも操作しやすいように本体ケース3の一方の端部(図1の左側)に前方に向けて突出形成する。
【0022】図3は、本発明の一実施の形態によるプリント配線板の取付け構造に使用する部品を示し、(a)は、プリント配線板、(b)は、上記プリント配線板を取り付ける取付け基板、(c)は、本体ケースに上記取付け基板を固定する部分をそれぞれ示す平面図である。なお、操作部11bは、以下の説明が繁雑になるのを避けるため、操作用のスイッチの数を2として説明する。
【0023】図3(a)の20は、プリント配線板であり、上記プリント配線板20上にはスイッチ21等の電子部品が搭載されている。また、プリント配線板20には、複数の係合穴22a、22a、22b、22b、22bと該係合穴22a、22aよりも大きい逃げ穴23、23が設けられている。
【0024】図3(b)の24は、上記プリント配線板20を取り付けて収納する取付け基板であり、上記取付け基板24の底面には、上記係合穴22a、22a、22b、22b、22bに対応して、係止ピン25a、25a、25b、25b、25bが立設されている。また、取付け基板24の両サイドには、フランジ24F、24Fが突設してあり、このフランジ24F、24Fのそれぞれに、第1及び第2の基板固定用穴24a、24bが、図3において右側が第1の、左側が第2の基板固定用穴となるように配設されている。隣り合う上記第1及び第2の基板固定用穴24a、24bの間隔は、後に説明するピッチsに等しくしてある。なお、この第1及び第2の基板固定用穴24a、24bは、図面に破線で示すようにひとつにつなげて長穴にまとめてもよい。
【0025】図3(c)は、上記本体ケース3の操作部11b(図2参照)付近を示し、3a、3aは、操作部11bを取り付けるためのボスで、このボス3a、3aには、上記取付け基板24固定用のねじ穴31、31が、フランジ24F、24Fの第1の基板固定用穴24aあるいは第2の基板固定用穴24bに対応して、穿設されている。なお、32、32は、上記スイッチ21、21の真上に接して配設されるスイッチの押しボタン等のスイッチ操作部である。図3(c)では、ボス3aを本体ケース3に設けているが、ボス3aは、図1に示す下ケース4に設けてもよい。
【0026】上記係合穴22a、22b、及び係止ピン25a、25bの配置の関係を、以下詳細に説明する。取付け基板24から立設された係止ピン25a、25bは、図4に示すように、2本の係止ピン25aの高さが高く、3本の係止ピン25bはそれよりも高さが低くなっていて、2本の係止ピン25aが、高さが高い第1の係止ピンの群25Aを、3本の係止ピン25bが、高さが低い第2の係止ピンの群25Bを形成している。
【0027】各係止ピン25a、25bには、それぞれ、中間に係止段部26a、26bが形成され、係止ピン25a(または25b)に上記プリント配線板20の係合穴22a(または22b)(図3(a)参照)が挿入されたとき、この係止段部26a(または26b)に上記プリント配線板20が係止される。すなわち、上記第1の係止ピンの群25Aの係止ピン25aと、第2の係止ピンの群25Bの係止ピン25bとは、取付け基板24からの係止高さha、hbが、群間で異なり、群内で互いに略等しくなっている。更に、この実施の形態では、高さの低い第2の係止ピンの群25Bの係止ピン25bの高さhcが、高さの高い第1の係止ピンの群25Aの係止ピン25aの係止段部26aの高さhaに略等しくなっている。また、上記各係止ピン25a、25bの係止段部26a、26bより上側は、小径部27a、27bとなっており、これらの小径部27a、27bの直径は、対応する係合穴22a、22b(図3(a)参照)よりもやや小さくなっていて、小径部27a、27bと係合穴22a、22bとは、ほとんど隙間がないが、わずかにスキマバメの関係になっていて、容易に抜き差しできるようになっている。
【0028】上記プリント配線板20の係合穴22a、22bも、図3に示すように、係止ピン25a、25bに対応して、第1の係合穴の群22A、第2の係合穴の群22Bを形成している。そして、上記第1の係合穴の群22Aと第2の係合穴の群22Bとは、第1の係止ピンの群25Aの係止ピン25a、第2の係止ピンの群25Bの係止ピン25bに対して、プリント配線板20上で、適宜のピッチだけ互いにずらした座標、この実施の形態では、プリント配線板20の長手方向にピッチsだけ互いにずらした座標を基準として、その第1の係合穴の群22A(または第2の係合穴の群22B)に属する取付け基板24の係止ピン25a(または25b)に対応する位置に、係合穴22a(または22b)が設けられている。すなわち、各係合穴の群(第1の係合穴の群22A、第2の係合穴の群22B)の係止穴22a、22bのそれぞれは、係合穴22a、22a(または22b、22b、22b)間の相対位置関係が、第1の係止ピンの群25A(または第2の係止ピンの群25B)の係止ピン25a(または25b)間の相対位置関係に合わせてある。
【0029】それ故、プリント配線板20の第1の係合穴の群22Aの係合穴22a、22aを取付け基板24の第1の係止ピンの群25Aの係止ピン25a、25aに合わせて小径部27a、27a(図4参照)に嵌め込むと、プリント配線板20は、図5に示すように、係止段部26a、26aにより、取付け基板24からhaの高さに係止され、更に、係合穴22b、22b、22b(図3(a)参照)からピッチsだけずれた位置で、係止ピン25b、25b、25bの頂部28b、28b、28bで当接、支持される。
【0030】プリント配線板20は樹脂製で、外力により変形、破損しやすいものであるが、この頂部28b、28b、28bでの支持により、プリント配線板20はスイッチ21を押す力による変形、破損が防止される。また、プリント配線板20は、取付け基板24からhaの高さに係止されるから、プリント配線板20に実装した電子部品のプリント配線板の下面よりも突出したリード線が、取付け基板24に接触し電子部品にストレスが加わり故障する等の不具合を回避している。
【0031】上記の図5に示すプリント配線板の取付け構造は、湿気の少ない場所に設置する場合に適合している。スイッチ21は特に防水構造のものではなく、比較的安価なものが使用でき、プリント配線板20とそこに搭載、配線する電子部品も、特別の防水処理を施していない。
【0032】人体局部洗浄装置1を、浴室等、湿気の多い場所に設置する場合は、制御装置11a(図2参照)、操作部11b(図2参照)を防湿、防水にしなければならない。このような多湿環境下にて使用できるように、図6は、図5とは異なる防水性のスイッチ21b、21bをプリント配線板20に搭載し、プリント配線板20の係止高さを変えて取付け基板24に取り付けたプリント配線板の取付け構造を示している。
【0033】図6における防水性のスイッチ21b、21bは、図5に示すスイッチ21より高さが高く、高価なスイッチであって、この防水性のスイッチ21b、21bその他の電子部品や配線を搭載したプリント配線板20は、取付け基板24に取り付け、収納した後に、従来から使用されている防湿剤29を充填して電子部品や配線を覆う。なお、スイッチ21b、21bは、その作用面21c付近のみを露出しておく。防湿剤29の充填により、万一操作部11b(図2参照)に水滴等が侵入しても電子部品等に付着することがなく、また、スイッチ21bの作用面21cは防水構造となっているから故障が発生することはない。
【0034】図6に示した、多湿環境仕様のプリント配線板の取付け構造においては、プリント配線板20の第2の係合穴の群22Bの係合穴22b、22b、22bを取付け基板24の第2の係止ピンの群25Bの係止ピン25b、25b、25bに合わせて、その小径部27b、27b、27bに嵌め込む。この場合は、第1の係止ピンの群25Aの係止ピン25a、25aがプリント配線板20の第1の係合穴の群22Aの係合穴22a、22aからピッチsだけずれるが、このピッチsだけずれた位置に、上記逃げ穴23、23が穿設されていて、係止高さがより高い第1の係止ピンの群25Aの係止ピン25aがこの逃げ穴23、23を貫通するようになっている。従って、プリント配線板20は、係止段部26b、26b、26bにより、取付け基板24からhbの高さに係止される。
【0035】上記プリント配線板20の係止高さhbは、スイッチ21bと図5におけるスイッチとの実装高さの差だけ、図5におけるプリント配線板20の係止高さhaより低くしてあり、本体ケース3の上面に取り付けるカバー33に設けたスイッチ操作部32がスイッチ21bの作用面21cに対向して、スイッチ21bをON/OFF操作できるようになっている。すなわち、本発明によれば、いずれの高さのスイッチ21(21b)をプリント配線板20に搭載しても、プリント配線板20の係止高さを変えることにより、取付け基板24からのスイッチの作用面21cの高さが一定になるようにできるのである。
【0036】以上のように、本発明のスイッチを搭載したプリント配線板20の取付け構造においては、プリント配線板20を、その係止高さを変えて取付け基板24に取り付けることにより、湿気の多い場所に設置する多湿環境仕様にも、湿気の少ない場所に設置する通常環境仕様にも、共通に使用できるのであるが、本体ケース3に取り付け基板24を固定する際、図5あるいは図6のようにスイッチ操作部32にスイッチ21あるいは21bを正しく対向して向かい合わせるためには、取り付け基板24を、一群毎にずらしたピッチsだけ係合穴22a(22b)と逆向きにずらす必要がある。
【0037】図7を参照して、その理由を説明する。図7は、図6の多湿環境仕様のスイッチを搭載したプリント配線板20の取付け基板24と同一の位置で、図5に示した通常環境仕様のスイッチを搭載したプリント配線板20の取付け基板24を本体ケース3に取り付けようとした場合を示している。すなわち、図5及び図7においては、取付け基板24は、それぞれフランジ24Fの第1の基板固定用穴24a、24a(図3(b)参照)にビス34、34を通してねじ穴31、31(図3(c)参照)に螺合し、締結して本体ケース3に固定している。
【0038】図5では、スイッチ操作部32にスイッチ21が正しく対向して向かい合っているけれども、図7では、スイッチ操作部32にスイッチ21が係合穴22a、22bを第1の係合穴の群22A(第2の係合穴の群22B)毎にずらしたピッチsだけずれてしまうのである。
【0039】このずれを解消して、スイッチ操作部32にスイッチ21が正しく対向して向かい合わせるには、この実施の形態では、取付け基板24のフランジ24Fに設けた第1の基板固定用穴24aと第2の基板固定用穴24bとをピッチsだけ逆方向にずらし、第1の係合穴の群22Aと第1の係止ピンの群25Aとを組み合わせる図5の場合に、第1の基板固定用穴24aを選択して使用し、第2の係合穴の群22Bと第2の係止ピンの群25Bとを組み合わせる図6の場合には、第2の基板固定用穴24bを選択して使用することにより、スイッチの取付け基板平面方向の位置がずれないようにしている。
【0040】なお、この発明は、係止ピン、係合穴の群数が2のみでなく、必要に応じて、群数が3以上の場合でも実施できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスイッチを搭載したプリント配線板の取付け構造によれば、取付け基板からの係止高さが、群間で異なり、群内で互いに略等しい複数群の係止ピンを立設した取付け基板と、上記複数群の一群毎に適宜のピッチだけ互いにずらした座標を基準として、その群に属する上記取付け基板の係止ピンに対応する位置に、係合穴を設けるとともに、係止高さがより高い他の群の係止ピンに対応する位置に、上記他の群の係止ピンを貫通する逃げ穴を設けたプリント配線板とを具備したから、取付け基板からのスイッチの作用面の高さがいずれの群の係止ピンと係合穴を組み合わせても一定になり、共通のプリント配線板を用いて、実装高さの異なるスイッチを用途別に選択して使用することができる。
【0042】更に、使用するスイッチの種類に関わらず、カバー、取付け基板が共通にできるので、生産性が著しく向上する等の利点が得られる。
【0043】また、複数組の基板固定用穴を取付け基板に設けて、上記複数組の基板固定用穴の各々の組が、係合穴を一群毎にずらしたピッチだけ係合穴と逆向きにずらせば、搭載したスイッチの高さに応じて係合穴の組を選択して使用することにより、取付け基板をケースに固定したとき、スイッチの取付け基板平面方向の位置がずれなく、カバーとスイッチとの位置ずれが発生しない。
【0044】また、本発明の人体局部洗浄装置によれば、その操作部に、多湿環境仕様(防水仕様)、通常環境仕様兼用のプリント配線板、取付け基板を使用でき、仕様に合わせた別個のプリント配線板、取付け基板を準備する必要がなく、生産、流通、更には、保守上の合理化に著しい効果をもたらす。
【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
【公開番号】 特開平11−243286
【公開日】 平成11年(1999)9月7日
【出願番号】 特願平10−42031