| 【発明の名称】 |
電気接続箱の分別回収構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】山根 茂樹
|
| 【要約】 |
【課題】合成樹脂部品であるケースから複合部品である回路部品を簡単に取り出せるようにして、分別回収を目的としたリサイクル性を向上させる。
【解決手段】ロアケース6の周壁部6aとアッパーケース7の周壁部7aとがロック部6b,7bで相互にロックされて、この両ケース6,7内にバスバー等の回路部品8が収容された電気接続箱5において、上記両ケース6,7の内、少なくとも一方のケース7の表面部7cの上記周壁部7aに沿った全周囲に、比較的狭い幅Wで一対の切り取り用V字状溝7dがループ状に形成されると共に、この両V字状溝の7d間に、表面部7cから突出する引き起こし用摘み部7eが一体形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロアケースの周壁部とアッパーケースの周壁部とがロック部で相互にロックされて、この両ケース内にバスバー等の回路部品が収容された電気接続箱において、上記両ケースの内、少なくとも一方のケースの表面部の上記周壁部に沿った全周囲に、比較的狭い幅で一対の切り取り用V字状溝がループ状に形成されると共に、この両V字状溝の間に、表面部から突出する引き起こし用摘み部が一体形成されていることを特徴とする電気接続箱の分別回収構造。 【請求項2】 上記摘み部の引き起こし側の基部付近に、一対のV字状溝に跨って引き切り用V字状溝が形成されている請求項1に記載の電気接続箱の分別回収構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気接続箱の分別回収構造に関し、特に、分別回収を目的としたリサイクル性が向上するようにしたものである。 【0002】 【従来の技術】自動車用ワイヤーハーネス等を種々の電装品に分岐接続するのに用いられる電気接続箱は、分岐接続点を1個所に集中させて、配線を合理的かつ経済的に分岐接続するものであり、ワイヤーハーネスの高密度化に伴って、車種別又は用途別に種々の形式のものが開発されている。 【0003】上記のような電気接続箱としては、図5に示すように、ロアケース1の周壁部1aに多数個のロック爪1bを形成し、アッパーケース2の周壁部2aに、ロック爪1bに対応するロック凹部2bを形成して、両ケース1,2内にバスバー等の回路部品3を収容し、ロアケース1にアッパーケース2を被せて、各ロック爪1bに各ロック凹部2bを係合させることにより、両ケース1,2を相互にロックするようにしたものがある。 【0004】上記電気接続箱は、両ケース1,2が合成樹脂部品、回路部品3がバスバーのような銅・銅合金と絶縁板のような合成樹脂との複合部品であることから、リサイクル時には、ロアケース1からアッパーケース2を取り外して回路部品3を取り出し、合成樹脂部品と複合部品とに分別回収した後に、複合部品から銅・銅合金を分別回収し、残った合成樹脂を合成樹脂部品とともに埋め立て処理するのが好ましい。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロアケース1とアッパーケース2のロック構造が強固であって、ロアケース1からアッパーケース2を取り外すのが非常に困難であることから、従来では、ロアケース1からアッパーケース2を取り外さないまま電気接続箱全体を粉砕して、この粉砕物から銅・銅合金を分別回収し、残った合成樹脂を埋め立て処理するようにしていた。 【0006】しかしながら、このような粉砕物から分別回収した銅・銅合金には合成樹脂のような不純物は多く含まれることから、粉砕物から銅・銅合金を分別回収しないで、粉砕物全部を埋め立て処理しているというのが実状であった。 【0007】本発明は、上記従来の問題を解消するためになされたもので、合成樹脂部品であるケースから複合部品である回路部品を簡単に取り出せるようにして、分別回収を目的としたリサイクル性が向上する電気接続箱の分別回収構造を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、ロアケースの周壁部とアッパーケースの周壁部とがロック部で相互にロックされて、この両ケース内にバスバー等の回路部品が収容された電気接続箱において、上記両ケースの内、少なくとも一方のケースの表面部の上記周壁部に沿った全周囲に、比較的狭い幅で一対の切り取り用V字状溝がループ状に形成されると共に、この両V字状溝の間に、表面部から突出する引き起こし用摘み部が一体形成されていることを特徴とする電気接続箱の分別回収構造を提供するものである。 【0009】本発明によれば、分別回収時には、電気接続箱のケースの引き起こし用摘み部をペンチ等の工具で摘んで僅かに引き上げると、ループ状のV字状溝により、V字状溝の幅でケースの表面部の一部が切り取られ、このまま摘み部をさらに引き上げると、V字状溝の幅で表面部の全周囲がループ状に切り取られるようになり、残ったケースの表面部を取り除くとケースの表面部に大きな切り取り開口が形成されるようになる。 【0010】請求項2のように、上記摘み部の引き起こし側の基部付近に、一対のV字状溝に跨って引き切り用V字状溝が形成されていると、摘み部をペンチ等の工具で摘んで僅かに引き上げるとき、ループ状の切り取り始端部の切り取りが容易に行なえる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、従来技術と同一構成、作用の個所は同一番号を付して詳細な説明は省略する。 【0012】図1に示すように、電気接続箱5は、ロアケース6とアッパーケース7とを備え、ロアケース6の周壁部6aに多数個のロック爪6bを形成し、アッパーケース7の周壁部7aに、ロック爪6bに対応するロック凹部7bを形成して、両ケース6,7内にバスバー等の回路部品8を収容し、ロアケース6にアッパーケース7を被せて、各ロック爪6bに各ロック凹部7bを係合させることにより、両ケース6,7を相互にロックするようになっている。 【0013】上記アッパーケース7の表面部7cの下面には、上記周壁部7aに沿った全周囲に、図2(b)に詳細に示すように、比較的狭い幅Wで一対の切り取り用V字状溝7dがループ状に形成されている。この一対のV字状溝7dは、下面から上面に向かって表面部7cを切り込むようになり、このV字状溝7dの部分では表面部7cの肉厚t1がt2のように薄くなる。 【0014】上記表面部7cの両V字状溝7dの間における上面には、表面部7cから上方に突出する引き起こし用摘み部7eが一体形成され、この摘み部7eの引き起こし側の基部付近には、一対のV字状溝7dに跨って引き切り用V字状溝7fが形成されている。 【0015】上記構成であれば、分別回収時には、電気接続箱5のアッパーケース7の摘み部7eをペンチ等の工具で摘んで、図2(a)に二点鎖線で示すように僅かに引き上げると(矢印a参照)、引き切り用V字状溝7fにより、ループ状切り取り部7gの始端部7hが正確かつ軽力で容易切り取ることができる。 【0016】ついで、図3に矢印bで示すように、このまま摘み部7eをさらに引き上げると、図4に示すように、V字状溝7dの幅Wで表面部7cの全周囲がループ状に切り取られて、ループ状切り取り部7gを表面部7cから切り外せるようになり、その後、残ったアッパーケース7の表面部7cを取り除くとアッパーケース7の表面部7cに大きな切り取り開口7iが形成されるようになる。 【0017】そして、この切り取り開口7iを利用して、図4に矢印cで示すように、電気接続箱5内から回路部品8を簡単に取り出せるようになるから、分別回収を目的としたリサイクル性が向上する。 【0018】上記実施形態では、アッパーケース7の表面部7cを切り取るようにしたが、ロアケース6の表面部(底面部)を切り取るようにしても良く、あるいは、アッパーケース7の表面部7cとロアケース6の表面部の両方を切り取るようにしても良い。 【0019】 【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明の電気接続箱の分別回収構造は、分別回収時に、ケースの摘み部をペンチ等の工具で摘んで僅かに引き上げると、V字状溝の幅で表面部の全周囲がループ状に切り取られるようになって、ケースの表面部に大きな切り取り開口が形成されるようになるから、この切り取り開口を利用して、合成樹脂部品であるケースから複合部品である回路部品を簡単に取り出せるようになり、分別回収を目的としたリサイクル性が向上するようになる。 【0020】また、摘み部の引き起こし側の基部付近に、引き切り用V字状溝を形成すると(請求項2)、ループ状の切り取り始端部の切り取りが正確かつ軽力で容易に行なえるようになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】395011665 【氏名又は名称】株式会社ハーネス総合技術研究所 【識別番号】000183406 【氏名又は名称】住友電装株式会社 【識別番号】000002130 【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−243282 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−43595 |
|