| 【発明の名称】 |
金属配線の形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】村尾 健二
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、光線の照射により非導電性および/または導電性の基体表面の任意の位置に銅等電気配線となしうる金属の薄膜を析出するに際して、十分な析出膜厚を簡便な工程と十分な析出速度で実現しうる方法を提供することにある。
【解決手段】導電線路としうる金属パターンを設ける方法は、外皮を保護コロイドとする該金属コロイドを前駆体として該基体上に薄膜として堆積し、次いでこの表面に空間選択的な光照射を行って該外皮を分解もしくは破壊して金属薄膜とし、次いで非露光部の金属コロイドを除去する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】基体上に実質的に導電線路としうる金属パターンを設ける方法において、外皮を保護コロイドとする該金属コロイドを前駆体として該基体上に薄膜として堆積し、次いでこの表面に空間選択的な光照射を行って該外皮を分解もしくは破壊して金属薄膜とし、次いで非露光部の金属コロイドを除去することを特徴とする金属配線の形成方法。 【請求項2】前記外皮がテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1記載の金属配線の形成方法。 【請求項3】前記外皮がエチレンオキシドの骨格を有する高分子化合物であることを特徴とする請求項1記載の金属配線の形成方法。 【請求項4】前記外皮がジオルガノポリシランであることを特徴とする請求項1記載の金属配線の形成方法。 【請求項5】前記金属コロイドが銅,パラジウム,ニッケル,クロム,亜鉛,コバルト,モリブデン,タングステン,ルテニウム,オスミウム,イリジウム,鉄,マンガン,白金,銀,金,ゲルマニウム,錫,ガリウム,インジウム、から選ばれる1種または2種以上の元素からなることを特徴とする請求項1記載の金属配線の形成方法。 【請求項6】前記金属コロイド薄膜の前駆体の膜厚が5乃至600nmであることを特徴とする請求項1記載の金属配線の形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は光線の光化学的および/あるいは熱化学的な作用により、金属コロイドを用いて基体上に金属のパターンを形成する手段に関し、特にプリント配線板や半導体装置の配線の製造方法に係わる。 【0002】 【従来の技術】樹脂基体や半導体装置のパッシベーション膜上など、電気的に非導電性の物質の表面に銅等の金属の配線パターンを設ける技術は、半導体素子や種々の電子部品を高密度で実装する手段の基礎をなすものとして、極めて重要である。樹脂基体等の表面に銅配線パターンを形成する手段としては、従来より大別して2つの主要な方法が知られている。 【0003】その1つは、該基体の全面に予め設けた銅箔を所望の部分を残して銅溶解性を有する液に浸してエッチングすることにより取り去るもので、サブトラクティブ法と呼ばれている。このような位置選択的なエッチングを行うには、事前に該銅箔の表面の配線パターンになるべき部分をレジストと呼ばれる樹脂で覆っておく必要がある。 【0004】このような目的に使用されるレジストは通常感光性を有しており、所望の光線像で露光することにより任意のレジストパターンを得ることができるわけである。 【0005】樹脂基体等の表面に銅配線パターンを形成するもう1つの手段は、アディティブ法と呼ばれるもので、樹脂等基体上の所望の部分に無電解メッキ法により配線パターンを形成するものである。 【0006】この方法では、まず該樹脂基体上に接着剤層を設けてその表面を粗化し、この表面に後の工程で行われる無電解銅メッキを行う際の触媒となる核を付着させる。次いで該基体の全面に感光性メッキレジスト膜を設け、この表面に所望の配線パターンに対応する光線像を露光し、現像することによって所望のパターンで該基体表面をメッキレジストで被覆することができる。引き続いて該基体を無電解銅メッキ液に浸し、該レジストに覆われていない部分に銅を析出させた後、該メッキレジストを剥離する。このようにしてアディティブ法により銅配線パターンを樹脂基体等の表面に形成できる。 【0007】上記した2つの方法は、プリント配線板を得る手段としていずれも当業界において従来より最も広く用いられているところである。しかしながらいずれの場合においても、所望の配線パターンを得るのにレジストによる被覆−剥離という煩瑣な工程が必須であり、これがプリント配線板の生産性の向上に限界をもたらしている。 【0008】上記した2法の他に、レジストを用いないで金属の配線パターンを形成する方法が提案されている。その代表的なものの1つは金属箔となるべき可溶性の銅前駆体化合物の薄膜を基板上に設け、この特定の部位に紫外光を照射することにより銅を析出させるものである。しかしこの方法では導電路とするのに十分な膜厚を得難いという難点があり、引き続き無電解メッキ等による増幅が必要となる。レジストを用いないで金属の配線パターンを形成する別の方法は、L. Mini らによりApplied Physics Letters 誌の第64巻,3404ページ〜3406ページ(1994年)に記載されている。それによると、誘電体やガラスの基板に予め200Å程度の銅などの金属の薄膜を基板全面に析出しておき、次いで硫酸銅,硫酸、およびグリコールを含む電解液中でAr+ イオンレーザーを照射するもので、該レーザー光線の照射された部位に起電力が生じ、電気化学反応が起こって銅の析出に到るものである。 【0009】この方法では、該基板表面に銅以外のものが析出され難く、またレーザー光線の掃引速度を変えることによって析出される銅の膜厚がある程度の幅のなかで可変であるという利点を有しているものの析出膜厚が十分でなく、掃引速度をかなり遅くせねばならないこと、また事前に基板全面に銅の薄膜を設けておかねばならない等、制約が多い。 【0010】また析出された銅薄膜は一様なものでなく、0.1〜0.3μmの粒径の銅粒子が相互に結合した構造となっている。溶液中の銅イオンから金属状態の銅薄膜を析出しようとする場合には、析出する銅の量に相当する量のイオンを逐一還元する必要があり、これが工程の速度と膜の性質を左右している。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光線の照射により非導電性および/または導電性の基体表面の任意の位置に銅等電気配線となしうる金属の薄膜を析出するに際して、十分な析出膜厚を簡便な工程と十分な析出速度で実現しうる方法を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の上記欠点に鑑みて種々の検討を行った結果、光線の照射により膜質のすぐれた銅等の金属薄膜を基体上に析出する簡便な方法を見出すに到った。すなわち本発明による1つの実施形態においては、光線の照射で金属となるべき前駆体物質として酸化状態が主としてゼロ価の状態の金属超微粒子からなるコロイド粒子を用いることにより、前記従来技術の欠点を解消しうることを見出すに到った。 【0013】従来コロイドの状態にある金属を極微量基体上に付着させて銅等の無電解メッキにおける触媒として用いることは前記アディティブ法として当業者の間でよく知られた事実である。 【0014】しかしながら、本発明の場合、これとは原理的に異なり、コロイド状態にある金属そのものを実質的に金属薄膜に変化させて直接導電パターンとすることを特徴としており、該金属コロイドの触媒作用による化学反応に依拠するものではない。勿論、本発明の方法により製作した金属薄膜を触媒作用を起こさしめる目的に供したとしても、本発明の趣旨を逸脱するものでないことは言うまでもない。金属コロイドの典型的な例では、数nmから数十nmの径を有する原子の集合体すなわちクラスタやコロイドが、相互に凝集や融合するのを防止する目的で、ある種の有機化合物等の外皮を纏った構造をとらせるのが普通である。このような構造は通常保護コロイドと称されている。 【0015】本発明では、このような形態を有するコロイドを薄膜として基体上に堆積した後、その安定構造を光の化学的および/または熱的作用により意図的に破壊して融合し金属薄膜とするものである。したがって該薄膜中に夾雑物として含まれる恐れのある物質は、上記外皮の最小限の分解残留物のみとなるわけである。約3nm程度の径を有する金属コロイドでは、通常その中に約100個の原子が含まれており、これに対して該外皮は有機化合物からなる界面活性剤の比較的疎な単分子膜となっているのが普通である。低分子量の界面活性剤に替えて高分子化合物を外皮に用いる場合も金属コロイドを安定化するのに有効であるが、その場合でも有機物質の成分はその中の金属原子に比べてことさら多量とはならない。 【0016】本発明による場合、前駆体薄膜中で金属薄膜となるべき原子の数の比率が従来例よりも大幅に大きいという利点は、先に述べた銅前駆体化合物の場合と比較すれば明白である。該引例の前駆体では、銅原子の数に比べて圧倒的に多数の銅以外の原子が含まれており、本発明の場合とは著しく相違している。このため、前駆体の薄膜の膜厚と金属薄膜となした後の膜厚との差が上記従来技術による場合に比較して小さくなる訳である。 【0017】このように本発明では金属薄膜となるべき前駆体において、金属元素以外の元素を従来技術に比較して圧倒的に少ない比率でしか含んでおらず、該前駆体が先に述べた酸化状態がゼロ価の金属元素から成っていることと併せて、本発明の著しい特徴を構成している。 【0018】ゼロ価のコロイド粒子を用いて金属薄膜形成を行うことによる利点は、対象金属イオンを逐一還元する必要がないため光照射による金属薄膜形成がすばやく効率的に行われる点にあり、その結果析出の工程が速やかに進行することである。仮にもし酸化を受けやすい金属元素を用いた場合には、光照射によって得られる金属薄膜の1部もしくは全部が酸化物の形態をとっていることが避け難い場合が存在する。 【0019】このような場合にも該酸化物を1部に含むかもしくは全部が酸化物となっている薄膜を一括して還元することにより、最終的に導電性にすぐれた薄膜とすることが可能である。このような方法は、金属イオンを逐一化学的もしくは電気化学的に還元して金属薄膜として基体上に析出する方法に比較して速度的に圧倒的に有利である。金属酸化物の超微粒子もゼロ価金属同様コロイドを形成することは良く知られた事実であり、したがって本発明の対象をゼロ価金属よりなるコロイドに限定すべきではない。 【0020】さらに、鉄やマンガンなど磁性原子の酸化物のコロイドは、その磁気的なコヒーレンス長と同等以下のサイズになると興味ある磁気的な挙動を示すようになることから、本発明を金属酸化物コロイドの空間選択的な堆積方法として適用するのも効果的である。その際には各酸化物のコロイド粒子が融合する必要はなく、単に外皮が破壊されて‘現像’時に非照射部との間で溶解度の差が顕著となるだけで十分である。 【0021】また単一のコロイド粒子が、複数の種類の金属元素を実質的に含んでいる例が多数知られている。本発明による別の利点は、このような単一のコロイド粒子が複数の種類の金属元素から成っているような金属コロイド前駆体を用いた場合にも、複数の金属元素が混合した金属薄膜を容易に得ることができることである。多種の金属元素がコロイド状態を形成することは以前より周知の事実であり、上記外皮を纏った状態の比較的安定なコロイドの製法に関しても、種々報告されている。 【0022】例えば白金のポリビニールアルコールで保護されたコロイドの製法は、JohnKiwi らによりJournal of the American Chemical Society 誌の第101巻,7214ページ〜7217ページ(1979年)に記載されている。この方法によれば、弱アルカリ状態の塩化白金酸水溶液をポリビニールアルコールの存在下加熱することにより得られている。また別の例が、H. BonnemannらによりAngewandte Chemie, International Edition Engl.,誌の第30巻,1312ページ〜1314ページ(1991年)に記載されている。ここではクロム,マンガン,ルテニウム,オスミウム,コバルト,ロジウム,イリジウム,ニッケル,パラジウム,白金のハロゲン化物を還元剤により還元して、4級アンモニウム塩に保護されたこれら元素のコロイドとして得られている。 【0023】また金属のハロゲン化物をアルカリ金属水素化物やアルカリ土類金属水素化物と反応させてナノメートルサイズの金属粉末を製造する方法が特開平8−325613号公報に記載されている。あるいは金属イオンを電極プロセスに基づき電気化学的に還元してコロイドとなすことも可能である。 【0024】その際電解液中に外皮となるべき有機物質を予め共存させておけば、容易に該有機物質により保護されたコロイドとして得られる。その際該外皮となる有機基を適当な分子構造のものから選択することにより有機溶媒や水に対して溶解するように調製することが可能である。このような外皮に保護され且つ可溶化された金属コロイドの電気化学的製法については、たとえば特開平7−310107 号公報に記載がある。また高分子化合物の共存下銅塩をヒドラジンで還元することにより、該高分子化合物で保護された銅の超微粒子が得られることも公知である。 【0025】こうして化学還元法や電気化学還元法により得られる金属コロイドの溶液にスピンコート法などを適用すれば、容易に薄膜とすることができる。 【0026】本発明の要点は、堆積された金属コロイドを金属薄膜に実質的に転換することであり、したがって強調されなければならないのは、本発明がその前駆体となるべき金属コロイドの特定の製法に依拠しないという点であり、これは本発明の趣旨に照らして明白である。また前記した複数の種類の金属元素からなるコロイドを用いうる他に、2種以上の異なる元素からなる金属コロイドを互いに積層もしくは混合して用いることも本発明の趣旨に合致している。また金属コロイドの1部または全部が酸化をうけて酸化物となっている場合にも、最終的に種々の方法で還元することが可能であり、本発明の趣旨に反しない。 【0027】外皮によって保護された金属コロイドの薄膜は、一般に小さい電気伝導性しか示さないばかりでなく、容易に剥落したり溶媒によって溶解されたりするなど機械的・物理化学的にも不安定である。このようなコロイドの堆積物を金属薄膜となすには、外皮によって保護されたコロイド粒子から外皮を実質的に破壊して除去し、金属コロイドまたはクラスタを相互に接触させ融着せしめることが重要である。 【0028】また金属コロイドを金属薄膜の形成の前駆体とする際に極力他の物質を介在させないことが本発明の効果を最大限に発現せしめる点で重要である。これは前記したように最終的に得られる金属薄膜の夾雑物を極力少なくする上で極めて重要である。具体的には外皮によって保護された該金属コロイド前駆体を他の膜形成性物質で極力混合・希釈せしめないことである。 【0029】しかしながら、本発明による前駆体の膜に、最終的に得られる金属薄膜の電気特性などに実質的に影響を及ぼさない程度の最小量の介在物を存在せしめたとしても、本発明の趣旨から完全に逸脱するものではない。 【0030】基体上に設けられた金属コロイドからなる前駆体薄膜に光を照射すると、コロイドの外皮および該コロイドを構成する金属原子集合体によって照射光線が吸収されることとなる。その際主として以下の2つの効果が介在しうる。1つは該光線のエネルギーが熱に転換され、その結果外皮を破壊してコロイドを融合させ薄膜とするものである。金属原子集合体であるコロイドが熱をうけると、その構成原子の熱的振動が活発となり、同じく外皮を破壊された他のクラスタあるいはコロイドと接触して融合するようになる。この光照射によるコロイド外皮の破壊をより効率的に行わしめるようにすることは、本発明の効果を高める上で重要である。 【0031】その1つの手だては、該外皮を形成する有機化合物またはコロイド集合体が照射光を効率良く吸収できるようにすることである。吸収した光のエネルギーがさらに発光や電気現象、あるいは後で述べる光化学反応などに用いられない限り、最終的に熱に転換される。したがって該前駆体は光の吸収性、および熱エネルギーへの転換性の良いものであることが好ましい。 【0032】このような目的で光の吸収に適した置換基を該外皮化合物に含ませるのが得策である。逆に、該前駆体がこのような光吸収と熱エネルギーへの転換に都合の良い波長の光を照射に用いることが重要である。例えば金や銅では可視光線の照射でd電子レベルからフェルミレベルへの励起や自由電子に基づくプラズモン励起などに対応した光吸収が起こり、最終的に格子振動のエネルギーに転換されて熱となることが知られている。 【0033】その際、該前駆体のコロイドが熱的に破壊されやすくなるように、コロイドの外皮を構成する物質の構造やその吸着性が熱的に脆弱なものを用いると都合が良い。例えば光照射によって外皮の有機化合物の特定の結合が開裂したりあるいは異性化したりして金属コロイドに対する吸着性能を失わしめるような場合である。 【0034】該前駆体に光を照射した場合に期待されるもう1つの効果は、光化学的な反応を引き起こす場合である。光化学的な反応によれば熱的な場合とは異なった経路で外皮の有機化合物が破壊され、金属コロイドの融合が促される。この場合にも熱的な効果の共存が重要であり、金属薄膜にいたる反応を助ける。 【0035】またこの光化学的反応を利用する場合にも、これに適した分子構造の物質を外皮として用いることが肝要である。たとえばジオルガノポリシランは紫外光の照射によって主鎖のSi−Si結合が光化学的に開裂することから、本発明の目的に供しうる。またポリエチレングリコール類もコロイドを保護する外皮として有効である。金属コロイドを保護する目的で設けた外皮を化学的に修飾することによって、該外皮に保護以外の機能を併せ持たせた例としては特許出願公告昭62−51138 号が挙げられる。 【0036】そこでは電子受容性の外皮を用いて貴金属コロイドの触媒作用に電子移動の機能を併せもたせている。光化学的作用を起こさせる波長の光を照射した場合にも、最終的にかなりの割合のエネルギーが熱に転換される。したがって外皮を光化学的に破壊するような紫外域の光線を照射した場合にも熱的な効果は大いに介在しうる。 【0037】一部の貴金属元素を除けばほとんどの金属元素は多かれ少なかれ空気中の酸素ガスにより酸化を受ける。したがって析出された金属薄膜の1部もしくは全部が酸化されるため、引き続き還元処理等の操作が必要になる場合がある。このような不都合を避けるため、本発明の実施に当たっては可能な限り真空下ないしは不活性ガスの雰囲気下で行うのが好ましい。 【0038】しかしながら、金属コロイド調製の途上やそれに引き続く前駆体薄膜の調製過程、あるいは光照射反応の過程で金属コロイド成分が酸化を受けて酸化物となったとしても、最終的に水素等還元雰囲気中で加熱処理することにより金属状態に戻すことが可能である。 【0039】基体上で光照射によって金属薄膜とした部分以外の、前駆体のままで残った部分を取り去るのは比較的容易である。すなわち、光線を照射した部位では金属となるためもはや溶媒によって溶かされることがない一方、光照射を受けなかった領域は化学的変化を受けていないため、溶媒により溶出し去ることができる。こうして光照射により簡便に金属薄膜パターンを描くことが可能になる。 【0040】本発明による場合、金属コロイドから金属薄膜に変化する際には外皮が除かれるのみであるので、該前駆体薄膜から金属薄膜への変化に際しては膜厚の変化は前記引例の公知例に比較して極めて小さくてすむ。本発明の光照射に供しうる光源としては、紫外域から赤外域まで可能であり、また通常光源のほかレーザー光源も用いうる。特に微細な金属パターンが必要となる場合には、紫外光のようなより波長の短い光源を用いるのが好ましい。 【0041】照射波長は、先に述べた外皮を構成する分子の吸収波長に依るほか、コロイド粒子自身のプラズマバンドも照射の対象としうる。前駆体である金属コロイド薄膜に光照射をして金属薄膜とする際、多くの場合外皮の破壊から金属コロイドの融合にいたる過程は光化学過程と熱的な過程が混合したものである。したがって照射光が光化学的作用と熱化学的作用を発現できるように外皮の構造や照射波長を設定するのがより好ましい。 【0042】 【発明の実施の形態】以下本発明を実施例に従い説明する。 【0043】例1 窒素ガスでパージし置換したテトラヒドロフラン1500mlのエタノールに塩化銅(II)0.01mmolを懸濁し攪拌しつつ、0.02mmolのテトラデシルアンモニウムテトラハイドロボーレートを加え攪拌した。この溶液を窒素雰囲気のもとでろ過し、溶媒を留去した後テトラヒドロフランを加えて溶解した。次いでこの溶液にn−ヘキサンを加えて粉末を得た。この粉末0.5g にテトラヒドロフラン1000mlとポリオキシエチレン5mgを加えて窒素雰囲気下に溶解し、次いで減圧下溶媒を留去して濃縮した。 【0044】この溶液をシリコンウェハ上に滴下してスピン塗布し乾燥させた。このシリコン基板の表面をマスクを介してキセノンランプを1.5 時間照射した。次いでこの基板をテトラヒドロフラン500ml中に浸し、溶媒を緩やかに攪拌して非照射部を溶解し銅の配線パターンを得た。 【0045】例2 塩化銅に替えて塩化ニッケル(II)を用いた他は例1と同様の操作を行い、ニッケルの配線パターンを得た。 【0046】 【発明の効果】以上述べたように本発明により有機物質で保護された金属コロイドの膜に光照射を行うことにより、実質的に導電路となしうる膜質と膜厚を有する配線パターンを簡便に得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男
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| 【公開番号】 |
特開平11−243273 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−44859 |
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