| 【発明の名称】 |
金属片インサート射出成形回路基板 |
| 【発明者】 |
【氏名】大川 喜教
【氏名】駒木根 力夫
【氏名】大阿久 俊幸
【氏名】市毛 敏明
【氏名】高場 進一
【氏名】遠藤 一也
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| 【要約】 |
【課題】射出成形回路基板に設ける外部接続端子の機械強度を改善し、外部接続端子の機械接触方式で外部との接触を行えるようにすることにより、部品点数を減少できる金属片インサート射出成形回路基板を提供する。
【解決手段】成形体10表面にめっきにより導電パターン20が形成された射出成形回路基板において、成形体10内に外部接続端子30となる金属片21を成形と共にインサートする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 成形体表面にめっきにより導電パターンが形成された射出成形回路基板において、成形体内に外部接続端子となる金属片を成形と共にインサートしたことを特徴とする金属片インサート射出成形回路基板。 【請求項2】 インサートした金属片の根元に凸部が形成されるよう成形体を成形した請求項1記載の金属片インサート射出成形回路基板。 【請求項3】 金属片は、Cu,Ni,Au等の無電解めっきと同じ金属、乃至それぞれの金属を最低一つ1wt%以上含む請求項1記載の金属片インサート射出成形回路基板。 【請求項4】 金属片は、成形体に埋もれる部分に、その金属片の脱落を防止する切れ込みや抜き孔等の脱落防止手段が形成された請求項1記載の金属片インサート射出成形回路基板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形回路基板に係り、特に成形体内に外部接続端子となる金属片がインサートされた金属片インサート射出成形回路基板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】成形体の表面に電気回路パターンとして利用される金属層を持つ射出成形回路基板、例えばMCB(molded circuit boad )や、MID(molded interconnect device)が、3次元化、配線工数低減、軽量化、省スペース化、及びコスト低減要求に適うものとして注目されている。 【0003】MIDは、製造法により、プリント基板の製造技術である露光法を利用した1回成形法で製造されるものと、成形技術を利用した2回成形法で製造されるものに大別される。 【0004】例えば、2回成形法で製造されるMIDの場合、特開昭63−60482号公報に示されているように、金属が付着しがたい樹脂(以下、難めっき樹脂と称する。)と、金属めっきが付着しやすい樹脂(以下、易めっき性樹脂と称する。)とを利用したいわゆる2ショットモールド成形品が用いられており、これは易めっき樹脂で所望の電気回路パターン形状を形成し、難めっき樹脂により不要な部分を埋め込み、成形品全体を形付けるように成形を行う。 【0005】つまり、2回成形法は、図3(a)に示すように、目的とする電気回路パターンに応じたパターン面1aを突出させた一次成形体1を易めっき樹脂をもって成形し、二次成形として図3(b)に示すように、パターン面1aを除く一次成形体1の周囲を難めっき樹脂で包囲して二次成形体2を形成し、これによって射出成形品3を成形する。その後、図3(c)に示すように、薬品処理によりパターン面1aの粗化を行い、処理後のパターン面1aに無電解めっきを行う。この際、図3(d)に示すように、難めっき樹脂の部分にはめっき金属が付着せず、易めっき樹脂に形成されたパターン面1aにのみめっき金属が析出し、下地めっき6が形成される。更に、図3(e)に示すように、めっき金属の耐腐食性・半田濡れ性・ボンディング性を向上させるために、こうして形成された下地めっき6の上に例えばニッケル、金めっきを上めっき7として施して電気回路5を形成し、MIDを製造する。 【0006】このMIDは、通常、それに実装される部品、あるいは他の基板サイドと電気的に接続する際に、半田・ボンディング・金バンプ・導電性接着剤等が用いられている。 【0007】また、着脱自在に接続する場合には、実装される部品、あるいは他の基板サイドに半田などで接続した金属バネ材を設け、MIDの成形品サイドに外部接続端子を設け、この外部接続端子を電気的に接続する方式が用いられている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、MIDの成形品サイドに、外部接続端子を設ける際には、成形品サイドに突出部を成形し、その上に電気回路を形成して外部接続端子を製造し、それを他の部品や基板の雌側(金属バネ材などの凹部)に挿入して電気的接続を行うことは、例外を除き行われていない。 【0009】これは凸部の母材となるプラスチックが基本的に脆いものであり、このような機械的なストレスが加わると破損する虞があるためである。特に信頼性を要する箇所や何度も抜き差しするような使用方法においては、このような外部接続端子として射出成形品の一部を直接使用することはできない。 【0010】このため、図3(f)に示すように、新たに金属片8を半田などで射出成形回路基板の電気回路5に固定し、その金属片8を挿入用接続端子としていた。 【0011】しかしながら、部品点数の減少というメリットのある射出成形回路基板も、このような用途においては、その金属片8の他にもそれを固定・支持する部材等が必要となり、固定部品点数を絞り込めないという状況にあった。 【0012】そこで、本発明の目的は、前記した射出成形回路基板に設ける外部接続端子の機械強度を改善し、外部接続端子の機械接触方式で外部との接触を行えるようにすることにより、部品点数を減少できる金属片インサート射出成形回路基板を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1の発明は、成形体表面にめっきにより導電パターンが形成された射出成形回路基板において、成形体内に外部接続端子となる金属片を成形と共にインサートしたものである。 【0014】請求項2の発明は、上記インサートした金属片の根元に凸部が形成されるよう成形体を成形したものである。 【0015】請求項3の発明は、上記金属片は、Cu,Ni,Au等の無電解めっきと同じ金属、乃至それぞれの金属を最低一つ1wt%以上含むものである。 【0016】請求項4の発明は、上記金属片は、成形体に埋もれる部分に、その金属片の脱落を防止する切れ込みや抜き孔等の脱落防止手段が形成されたものである。 【0017】すなわち、本発明の要旨は、外部の部品や基板と接続するための外部接続端子を金属片とし、射出成形時にインサートで成形体と一体化させる製造法を用いることである。 【0018】上記請求項1の構成によれば、プラスチック(成形体)では十分な強度を得られない箇所を、インサートした金属片で置き換えることにより、挿入部は十分な強度を得ることができる。 【0019】上記請求項2の構成によれば、凸部近傍のめっき液の循環が良くなってめっきの付きが良くなり、ひいては電気接続の信頼性の向上につながる。 【0020】上記請求項3の構成によれば、金属片とめっきとが十分な密着強度で結合される。 【0021】上記請求項4の構成によれば、成形体と脱落防止手段とが噛み合い、金属片が成形体から脱落しなくなる。 【0022】尚、金属片が垂直ないしその角度に近い形状で成形体表面にインサートされる場合、上述したように、成形体の形状を金属片が埋め込まれている根元の部分において上に凸、つまりRがついている凸部を形成することが望ましい。 【0023】また、金属片の素材は、上述したように、例えばめっきに無電解銅メッキを用いるのなら純銅、ないし銅を含む真鍮などの素材が良い。無電解ニッケルめっきを用いるのならニッケル系の金属片を用いる方が好ましい。合金を使用する場合、めっき金属と同じものが30wt%以上含まれる場合が密着性が極めて良好であるが、1wt%以上の含有量であれば通常の用途においては差し支えがない。 【0024】更に、成形体に埋め込む金属片の形状が単純な場合、樹脂収縮などでプラスチック(成形体)と金属片との間に隙間ができ、金属片が脱落する虞がある。これを回避するために、上述したように、金属片の樹脂に埋もれる部分に、脱落防止手段として切れみを付けたり、穴を開けて噛み合わせを付ける。 【0025】 【発明の実施の形態】次に、本発明の好適一実施の形態を添付図面を用いて詳述する。 【0026】図1(a)〜図1(e)は、本発明の製造工程を順に示したものであり、図1(e)は、金属片インサート射出成形回路基板の断面図を示したものである。 【0027】図1(e)に示すように、金属片インサート射出成形回路基板は、パターン面1aを有する一次成形体1とそのパターン面1a以外の面を覆うように形成された二次成形体2とからなる射出成形品10と、そのパターン面1a上に形成された電気回路20と、その電気回路20と電気的に接続されると共に外部の部品や基板と電気的に接続するための金属片21を有する外部接続端子30とから構成されている。 【0028】一次成形体1は、樹脂に無電解めっき用触媒を配合した易めっき樹脂からなり、LCP(液晶ポリマ)であるLCX−249(ヘキストセラニース製 商品名)で形成されている。この一次成形体1は、上述した金属片21がインサートされて一体に設けられており、金属片の根元部分に、図2に示すように、金属片21の先端に向かって錐体状の凸部1bが形成されている。また、二次成形体2は、樹脂に無電解めっき用触媒を配合していない難めっき樹脂からなり、PPS(ポリフェニレンサルファイド)であるCF−100HG(出光石油化学製 商品名)で形成されている。 【0029】電気回路20は、銅からなる下地めっき16の上に、保護めっきとしてのNiめっき、又はAuめっきからなる上めっき17が積層されて構成されている。 【0030】外部接続端子30は、上述したように、銅を75wt%含む黄銅で形成された金属片21を有しており、この金属片21の上に下地めっき16が形成され、更にその下地めっき16上に上めっき17が形成されて構成されている。 【0031】この金属片21は、電気回路20を貫通して射出成形品10から突出して一体に設けられており、図2に示したように、射出成形品10に埋もれる部分に、その金属片21の脱落を防止するための打ち穴31、切れ込み、及び抜き孔等の脱落防止手段が形成されている。 【0032】尚、図示していないが、射出成形品10を成形する際には、上述したパターン面1aと凸部1bが形成されるように一次成形体1を成形するための一次成形用金型と、二次成形体2を成形するための二次成形用金型とが用いられる。 【0033】次に、本発明の製造方法を、図1(a)〜図1(e)を用いて作用と共に説明する。 【0034】この金属片インサート射出成形回路基板を製造するに際しては、一次成形用金型のパターン面と交差する位置に金属片をセットした後、図1(a)に示すように、射出成形して、一次成形体1を形成する。これにより、金属片21が、パターン面1aを貫通して、いわゆるインサート成形により一次成形体1と一体化して設けられる。この時、金属片21の根元に、上述した凸部1bが形成される。そして、この金属片21が一体化された一次成形体1を二次成形用金型内にセットし、図1(b)に示すように、一次成形体のパターン面1aが露出するように射出成形を行い、二次成形体2を形成し、射出成形品10が作製される。 【0035】そして、図1(c)に示すように、射出成形品10の表面を湿式処理、具体的には、温度70℃の水酸化カリウム溶液(11mol/L)中に30分間浸す処理をし、表面をエッチングした後、塩酸で中和処理を行う。これにより、パターン面1aが粗化される。 【0036】その後、図1(d)に示すように、射出成形品10を、無電解銅めっき液であるNo.562( kollmorgen co 製 商品名)で処理し、パターン面1a及び金属片21上に、電気導電体被膜として下地めっき16を30μm形成する。この時、射出成形品10の凸部1b近傍のめっき液の循環が良く、十分な密着強度で下地めっき16と金属片21及びパターン面1aとが接続される。 【0037】更に、図1(e)に示したように、この下地めっき16上に上めっき17を施して、電気回路20と外部接続端子30を形成し、上述した金属片インサート成形回路基板が製造される。 【0038】このように、外部接続端子30を設けることにより、少ない工程で外部接続端子30を形成できると共に、金属片21と射出成形品10とが強固に固定されているので、これらを補強するための部品を必要としない。また、外部接続端子30は、金属で形成されているので、外部の部品や基板と繰り返し抜き差しして接続しても、破損する虞が少ない。 【0039】次に、本発明の外部接続端子の電気的接続性と強度について説明する。 【0040】電気回路20と金属片21との電気的接続について実験した結果、接続は良好であった。また、外部接続端子30に、45℃−150℃のヒートサイクルを100回行ったものでも、電気的接続に特に問題はなかった。 【0041】更に、専用のコネクタを用いて挿入テストを行った。その結果、この金属片21、及び射出成形品10との接合部は、機械的に十分な強度を持ち、1,000 回の挿入テストを行ったが、強度に特に問題は発生しなかった。 【0042】また、インサートする金属片21は、めっきする金属と同等か、少なくとも1wt%以上含む合金とする。これはめっき金属と異種の金属片を用いた場合、めっきと金属片との間の密着強度が得られないためである。チタンの金属片をインサート成形してCuめっきを行った場合、めっき金属の銅が金属片から剥離を起こし、安定した電気接続が得られなかった。一方、銅を60wt%含む黄銅の場合は、密着性が良く、ヒートサイクル試験(45℃−150℃)を100サイクル行った後も外観上の問題もなく導電性もとれていた。 【0043】また、成形品10と金属片21の接続を高めるために、めっき後に何らかの導電性の部材を塗布するのも良い。例えば、半田、導電性接着剤等を塗布することにより、電気的接続の信頼性は完全になる。 【0044】尚、本実施の形態では、射出成形品の製法として、2回以上の成形を特徴とする2回成形法を用いたが、露光法、レーザなどのパターン化技術を用いる1回成形法のどちらで製造しても良い。 【0045】また、金属片がインサートされる成形体の挿入部分に使用する樹脂は、1回成形法や2回成形法で形成されるパターン面にめっきのできる種類であれば良く、特にLCP(液晶ポリマ)・PES・PPS(ポリフェニレンサルファイド)などのスーパーエンジニアリングプラスチックであるならばなお良い。 【0046】更に、2回成形法で形成される非めっき部の樹脂は、何でも良く、本実施の形態で用いたPPSのほか、前記したLCP・PES・SPS等でも構わない。 【0047】また、本実施の形態にあっては、金属片の一部は、成形体内に挿入して設けられたが、成形体を貫通させて電気回路同士を接続しても良い。このように金属片を設けることにより、金属片がスルーホールの代用となる。 【0048】 【発明の効果】以上要するに本発明によれば、機械的に十分な強度のもつ外部接続端子を、別部品を接続することなく、更に、少ない工数で形成することが可能になる。これにより、部品点数の低減、実装工数の低減、信頼性の向上などが見込まれる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005120 【氏名又は名称】日立電線株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】絹谷 信雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−243270 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−42073 |
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