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【発明の名称】 電子部品用位置決め装置
【発明者】 【氏名】治田 暁

【氏名】石橋 宏治

【要約】 【課題】電子部品の抜き差しがスムーズに行え、また、電子部品の位置決め固定を確実に行うとともに、電子部品の外形サイズが異なった場合でも、柔軟な対応を行うことのできる電子部品用位置決め装置を提供する。

【解決手段】電子部品用位置決め装置1は、基台金属板3と位置決め金属板2とからなる。位置決め金属板2は、電子部品用のパッケージPを位置決めする部分を複数有しており、位置決めされる電子部品を固定設置する平面的に凹形に形成された位置決め部21と、この位置決め部の両端から互いに離隔する方向に伸長したのち、湾曲して互いに近接する2つの弾性アーム22,22と、これら伸長した弾性アーム22,22の先端を連結する押圧部23とからなる。押圧部23にはパッケージPの2つの角部と接する斜面部24,24が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板体に設けられた凹部内に矩形形状の電子部品を設置固定する位置決め装置であって、この板体と接続され、前記電子部品の外周形状の一部に対応する形状を有し、当該電子部品を位置決めする位置決め部と、この位置決め部に対向し押圧固定時に電子部品と接する押圧部と、この押圧部から細長く伸長し、前記板体と接続される少なくとも2つの弾性アームとからなり、前記押圧部には、電子部品を押圧した際、当該電子部品の2カ所の角部と接触する斜面部が各々形成されていることを特徴とする電子部品用位置決め装置。
【請求項2】前記押圧部の外側に、当該押圧部が前記位置決め部に向かって正しく押圧動作する動作規正斜面部を形成したことを特徴とする請求項1記載の電子部品用位置決め装置。
【請求項3】少なくとも前記弾性アームの一部あるいは全部には、薄肉加工が施されていることを特徴とする請求項1、請求項2記載の電子部品用位置決め装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば圧電振動子等の各種電子部品を製造する際に用いる電子部品の位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子等の各種電子部品は多量生産に対応するため、半製品(例えば電子部品素子搭載前のパッケージ)を多数個並べて位置決めする電子部品位置決め装置を用いて製造を行っている。このような電子部品位置決め装置は、例えば、特開平7−106799号に開示されている。図5は特開平7−106799号に開示された構成の1つを示す平面図である。電子部品Pは弾性アーム62によって可動状態にある押圧部63により位置決め装置内に押圧固定される。なお、61は位置決め部である。また、図6も同公報に記載された構成であり、電子部品Pの対角で対向する角部を押圧固定する構成である。図6において、71は位置決め部、72は弾性アーム、73は押圧部である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら各構成は位置決め固定された電子部品のがたつきを極力抑制することを目的とした構成である。しかしながら、図5に示した構成であると、押圧方向のがたつきはなくなるが、押圧方向と直交する方向においては所定位置からずれて位置決めされることがあった。このような場合、後工程における素子のマウント作業に支障をきたすことがあった。また、図6に示した構成であると、位置決めはほとんどずれなく行うことができるが、対角方向での押圧であるため、電子部品の外形が相似形のものしか対応できず、また、サイズの変更に余裕を持って対応することができないという問題があり、外形サイズの異なった電子部品毎に当該位置決め装置を用意する必要があった。
【0004】本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、位置決め固定される電子部品(半製品)の抜き差しがスムーズに行え、また、電子部品の位置決め固定を確実に行うとともに、電子部品の外形サイズが異なった場合でも、柔軟な対応を行うことのできる電子部品用位置決め装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するために、本発明による電子部品用位置決め装置は、請求項1に記載したように、板体に設けられた凹部内に矩形形状の電子部品を設置固定する位置決め装置であって、この板体と接続され、前記電子部品の外周形状の一部に対応する形状を有し、当該電子部品を位置決めする位置決め部と、この位置決め部に対向し押圧固定時に電子部品と接する押圧部と、この押圧部から細長く伸長し、前記板体と接続される少なくとも2つの弾性アームとからなり、前記押圧部には、電子部品を押圧した際、当該電子部品の2カ所の角部と接触する斜面部が各々形成されていることを特徴としている。
【0006】上記構成によれば、電子部品を設置する電子部品位置決め部の両端から互いに離隔する方向に伸長したのち、互いに近接する少なくとも2つの弾性アームと、これら弾性アームを連結し押圧時に電子部品の一部と接する押圧部とを有しているので、搭載される電子部品への押圧部による押圧が均一にかつ安定して行うことができる。また、弾性アームに開放端がない構成であるので、形状の変形による弾性の機能の変化、喪失のおそれがほとんどなくなる。
【0007】さらに、前記押圧部は中央部分に向かって漸次幅が小さくなることにより形成される斜面部が2つ形成され、当該斜面部で電子部品の2カ所の角部を押圧し位置決め固定した構成であるので、押圧方向と直交する方向においても、電子部品が所定の位置に確実に位置決めされる。
【0008】また、請求項2に示すように、請求項1記載の電子部品用位置決め装置において、前記押圧部の外側に、当該押圧部が前記位置決め部に向かって正しく押圧動作する動作規正斜面部を形成したことを特徴とする構成としてもよい。
【0009】上記構成によれば、押圧部の押圧時の動作が規正斜面により規正され、押圧方向と直交する方向においても、電子部品が所定の位置により確実に位置決めされる。
【0010】さらに、請求項3に示すように、請求項1、2記載の電子部品用位置決め装置において、少なくとも前記弾性アームの一部あるいは全部には、薄肉加工が施されていることを特徴とする構成としてもよい。当該薄肉加工は、プレス加工、ハーフエッチング等の技術を用いて形成することができる。
【0011】上記構成によれば、電子部品を位置決め装置に設置したり、取り出したりした際、弾性アームの変形歪みが板体等の他の領域に及ぶことを抑制する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す斜視図であり、図2は図1の平面図である。電子部品用位置決め装置1は、長辺方向Xと短辺方向Yを有する細長い板形状を有しており、比較的厚板の基台金属板3と、この上部に電子部品用のパッケージPを位置決めする部分を複数有する比較的薄板の位置決め金属板2とからなる。すなわち、基台金属板3と位置決め金属板2とで枠体を構成している。
【0013】この実施例では、基台金属板3は厚さ1mm程度のステンレス鋼(例えばSUS-304)からなり、位置決め金属板2は厚さ0.3mm程度のステンレス鋼からなる。位置決め金属板2は、電子部品用のパッケージPを位置決めする部分を複数有しており、各部分は、位置決めされる電子部品を固定設置する平面的に凹形に形成された位置決め部21と、この位置決め部の両端から互いに離隔する方向に伸長したのち、湾曲して互いに近接する2つの弾性アーム22,22と、これら伸長した弾性アーム22,22の先端を連結する押圧部23とからなる。これら各構成部品により、パッケージpを包囲した状態となっている。押圧部23の中央部分には押圧部23を移動させる時に用いる挿入穴23aが設けられている。また、押圧部23には電子部品用のパッケージPの2つの角部と接する斜面部24,24が形成されている。当該斜面部24,24の両先端はパッケージPの角部P1,P1より外側にあることが必要であるとともに、挿入穴23aのある中央部分に向かって、漸次幅が小さくなる構成となっている。
【0014】前記電子部品位置決め部21と、前記押圧部23とが対向する面の距離(より正確には、押圧固定時に押圧部に形成された斜面部におけるパッケージとの接触予定部分との距離)は、通常の状態において、設置される電子部品の挟持される方向(この実施例では長辺方向X)の寸法より小となるよう設定される。これにより、弾性アーム22,22の弾性力が、設置される電子部品に対して押圧(挟持)する力として作用する。押圧力の調整は、弾性アームの寸法、材料の選択、厚さ等により設定すればよい。これら、各部分の加工は、プレス加工あるいはフォトエッチング技術を用いれば容易に行うことができる。
【0015】なお、この実施例において、位置決め金属板2の厚みは0.3mmであるが、使用する材料によっては弾性アームの弾性力(押圧力)を適正にするための厚み等を選択する必要がある。
【0016】また、この実施例において、少なくとも弾性アーム22の一部あるいは全部に薄肉加工を施してもよい。このような構成により、パッケージPを位置決め装置に設置する際、あるいは取り出す際に変形する弾性アームの歪みが弾性アーム部分で収束しやすくなるので、変形歪みが他の板体の領域に及ぶことを抑制し、位置決めが確実となる。
【0017】本位置決め装置に対して電子部品の脱着を行う場合は、図2の右端の位置決め装置の一部に示すように、外部の機器の可動椀Gの一部を押圧部23の挿入穴23aに挿入し、矢印X1の方向に移動させ、位置決め部と押圧部間を拡張する。そして、位置決め部にパッケージPを設置した後、前記可動椀Gの移動を解除し、弾性アームの矢印X2方向の挟持力により、パッケージPを挟持する。パッケージPを取り出す際は、再度押圧部23を可動椀Gにより矢印X1の方向に移動させ、位置決め部と押圧部間を拡張し、パッケージPを取り出す。
【0018】なお、上記実施例において、基台金属板3は1枚の金属板で構成していたが、平板上の下部基台金属板と、搭載される電子部品の搭載位置に貫通凹部の設けられた上部基台金属板とからなる構成としてもよい。上部基台金属板の貫通凹部で電子部品の補助的な位置決めがなされ、位置決めが容易になる。なお、基台金属板、位置決め金属板の厚さは設置される電子部品の高さに応じて決定すればよいし、また、上部金属板の厚さを変化させることにより、全体の板体の厚さの制御が容易となる。
【0019】本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。図3は本発明の第2の実施の形態を示す平面図である。基本的構成は上述の実施例と類似しているが、この実施例では、位置決め金属板5が基台金属板3に溶接あるいはネジ止め固定された構成である。押圧部53の外側には、位置決め部51から延びる動作規正斜面部55が形成され、押圧部53の両側の角部分54aが漸次センタリングされるよう構成されている。この動作規正斜面部55により、当該押圧部53がセンタリングされて、前記位置決め部51に向かって正しく押圧動作するよう、押圧方向を規正している。また、当該位置決め金属板は金属板体と一体的に形成されていないので、一部破損、変形あるいは老朽化した際には取り替えることが可能である。なお、54は斜面部である。
【0020】さらに、図4に示すように、弾性アーム52に、複数の屈曲部52aを設けることにより、弾性アームの変形歪みの悪影響を抑制する等の工夫を行ってもよい。また、前述の薄肉加工を併せて用いてもよい。
【0021】
【発明の効果】請求項1によれば、電子部品を設置する電子部品位置決め部の両端から互いに離隔する方向に伸長したのち、互いに近接する少なくとも2つの弾性アームと、これら弾性アームを連結し押圧時に電子部品の一部と接する押圧部とを有しているので、搭載される電子部品への押圧部による押圧が均一にかつ安定して行うことができる。また、弾性アームに開放端がない構成であるので、形状の変形による弾性の機能の変化、喪失のおそれがほとんどなくなる。
【0022】さらに、前記押圧部は中央部分に向かって漸次幅が小さくなることにより形成される斜面部が2つ形成され、当該斜面部で電子部品の2カ所の角部を押圧し位置決め固定した構成であるので、押圧方向と直交する方向においても、電子部品が所定の位置に確実に位置決めされる。また、電子部品の外形サイズが多少異なった場合でも、同じ位置決め装置を適用することができる。
【0023】従って、位置決めが正確に行われ、例えば電子部品(パッケージ)への電子部品素子の搭載位置がずれることがなくなり、信頼性の高いアッセンブリが可能となる。
【0024】請求項2によれば、請求項1の構成による効果に加えて、押圧部の押圧時の動作が規正斜面により規正され、押圧方向と直交する方向においても、電子部品が所定の位置により確実に位置決めされる。
【出願人】 【識別番号】000149734
【氏名又は名称】株式会社大真空
【出願日】 平成10年(1998)2月10日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−233997
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−44654