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【発明の名称】 電源電池内蔵型電子機器
【発明者】 【氏名】成田 久弥

【氏名】黒沢 秀明

【氏名】身内 英男

【氏名】毛利 晶成

【要約】 【課題】電源電池を内蔵しても出来るだけ小型、コンパクトに構成し、安定して載置でき、しかも片手でも持ち易く、かつ操作し易い電源電池内蔵型電子機器を得ること。

【解決手段】本発明の実施形態の電源電池内蔵型電子機器1は、前方に突出してマイクロホンMa、Mbが収納されたマイクロホン収納部3が、その後方に、前記マイクロホンで集音したオーディオ信号をカセットテープTに記録する記録再生部4が配設された一体構造で構成されており、そしてその中央部に配設された電子回路基板Pには電源回路パターンPwと、その両側に沿ってアースパターンEとが形成されていて、これらの電源回路パターン側に配設した電池Baによって発生する磁場を前記アースパターンEによって遮蔽できるように構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電源電池で作動し、該電源電池に接続された電源回路パターンが形成された電子回路基板の該電源回路パターン形成面に近接してほぼ平行に前記電源電池を配設した電子機器において、前記電源回路パターンの両側にアースパターンを配設したことを特徴とする電源電池内蔵型電子機器。
【請求項2】 前記電源電池と前記電子回路基板との間に磁気シールドが施されていることを特徴とする請求項1に記載の電源電池内蔵型電子機器。
【請求項3】 電源電池で作動し、前方にマイクロホンを収納したマイクロホン収納部が突出した状態で形成されており、該マイクロホン収納部の後方には、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録し、或いは記録再生する記録再生部が形成されており、前記記録再生部のほぼ中央部には、前記電源電池に接続された電源回路パターン、該電源回路パターンの両側に形成されたアースパターン、前記記録再生部に接続された記録再生回路パターンなどの回路パターンが形成された電子回路基板が、該電子回路基板の一方の側面には平行に前記記録媒体を装着する記録媒体装着部が、そして他方の側面には前記電源電池を収納する電源電池収納部が前記電子回路基板の前記電源回路パターン形成面に近接してほぼ平行に配設されていることを特徴とする電源電池内蔵型電子機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源電池と、この電源電池に接続された電源回路パターンなどが形成された電子回路基板とを内蔵した電源電池内蔵型電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】初めに、本明細書においては、従来の技術の説明及び本発明の実施形態の説明に、電子機器として記録再生装置、その中でも特に磁気テープレコーダを採り上げて説明することを断っておく。先ず、従来技術を説明する。従来技術のマイクロホンが内蔵された磁気テープレコーダ、特に小型の磁気テープレコーダは、ほぼ直方体に形成されたキャビネットで構成され、そのキャビネットの内部の大半のスペース部分にカセットテープの収納部とそのカセットテープを駆動する駆動部及びそのカセットテープにオーディオ信号を記録し、またはこれより再生する記録再生部が配設され、前記キャビネットの外壁の一隅には独立したマイクロホンが取り付けられているマイクロホン収納部を配設し、他の一隅にスペースが取り付けられているスピーカ収納部を配設し、そして電源電池の収納部が前記カセットテープ収納部、前記カセットテープ駆動部、或いは記録再生部などの端部に配設されている形式のものが殆どであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような構成の磁気テープレコーダを用いてオーディオ信号を記録する場合には、マイクロホン収納部を話者の方に向けて卓上に置かなければならず、マイクロホン収納部の配設位置によっては不安定な姿勢で置かなければならないという問題がある。また、前記のような構成の磁気テープレコーダは、収録者が磁気テープレコーダを手に持って、そのマイクロホン収納部を話者及び収録者の口許に近づけて両者の会話を収録することはできるが、前記のように磁気テープレコーダそのものが直方体のキャビネットで構成されているため、比較的広い面積の直方体の一面が話者の顔に対面することになり、話者に威圧感などの不快感を与え、良好な状態で情報を収録し難いという問題がある。更にまた、前記のような構成の磁気テープレコーダは、収録者が磁気テープレコーダを片手で握って持ち、操作するには、余りにも持ちにくく、片手で操作しにくいものである。
【0004】本発明は、このような課題を解決しようとするものであって、電源電池を内蔵しても出来るだけ小型、コンパクトに構成し、安定して載置でき、しかも片手でも持ち易く、かつ操作し易い、特に本発明を磁気テープレコーダに適用すると、全体の形状があたかもマイクロホン装置であるがごとく強調された磁気テープレコーダに構成することができる電源電池内蔵型電子機器を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の第1の発明の電源電池内蔵型電子機器は、電源電池で作動し、該電源電池に接続された電源回路パターンが形成された電子回路基板のその電源回路パターン形成面に近接してほぼ平行に前記電源電池を配設し、その電源回路パターンの両側にアースパターンを配設して、前記課題を解決している。
【0006】また、本発明の第2の発明の電源電池内蔵型電子機器においては、前記電源電池と前記電子回路基板との間に磁気シールドを施して、前記課題を解決している。
【0007】更にまた、本発明の第3の発明の電源電池内蔵型電子機器においては、電源電池で作動し、前方にマイクロホンを収納したマイクロホン収納部が突出した状態で形成されており、そのマイクロホン収納部の後方には、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録し、或いは記録再生する記録再生部が形成されており、前記記録再生部のほぼ中央部には、前記電源電池に接続された電源回路パターン、その電源回路パターンの両側に形成されたアースパターン、前記記録再生部に接続された記録再生回路パターンなどの回路パターンが形成された電子回路基板を、その電子回路基板の一方の側面には平行に前記記録媒体を装着する記録媒体装着部を、そして他方の側面には前記電源電池を収納する電源電池収納部を前記電子回路基板の前記電源回路パターン形成面に近接してほぼ平行に配設して、前記前記課題を解決している。
【0008】従って、前記第1の発明によれば、電源電池内蔵型電子機器を非常に小型、コンパクトな構造で構成しても、電源電池を流れる電流による磁場の悪影響を極力防止することができる。
【0009】また、前記第2の発明によれば、電源電池を流れる電流による磁場の悪影響を更に一層防止することができる。
【0010】更にまた、前記第3の発明によれば、電源電池を流れる電流による磁場の悪影響を更に一層防止でき、しかもマイクロホン収納部にスピーカを配設したことにより、記録再生装置全体をより一層小型化でき、記録媒体装着部と電池収納部とを並行に配設したことにより、記録再生装置全体をより一層コンパクトに構成でき、電池収納部の一部分を記録再生装置の側方に膨出するように構成したことにより、記録再生装置を片手でもより一層保持し易く、そして操作し易くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら本発明の実施形態の電源電池内蔵型電子機器の一つである記録再生装置を説明する。なお、以下の説明においては、前記記録再生装置の一例として小型カセットテープ用の磁気テープレコーダを採り上げ、これに本発明を適用して説明する。また、本明細書において用いる用語の「記録再生」とは、記録媒体にオーディオ信号を記録し、その記録したオーディオ信号を再生する記録再生の両機能を意味するものである他、記録媒体にオーディオ信号を記録する記録機能のみの場合も併せて意味するものであることを断っておく。
【0012】先ず、図1乃至図7を参照しながら、本発明の実施形態の磁気テープレコーダの構成及びその構造を説明する。図1において、符号1は本発明の実施形態の磁気テープレコーダを指す。この磁気テープレコーダ1は一体的に組み立てられた組立構造のキャビネット2で構成されていて、外観的には、そのキャビネット2の比較的小口径の円筒で形成されている前方部分をマイクロホンを収納するマイクロホン収納部3とし、このマイクロホン収納部3の後方部全体が丸みを帯びた、どちらかと言えば箱型形状で形成されているキャビネット2の部分を、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録し、再生する記録再生部4として構成されている。言い換えれば、この磁気テープレコーダ1はマイクロホン収納部3が記録再生部4から前方に突出した構造となっており、この構造が本発明の一大特徴である。
【0013】前記マイクロホン収納部3の正面部分には金網構造のフード301が被せられており(図1、図2)、その右側面のキャビネット2には内部に収納されたスピーカからの音を有効に放出できるようにグリル302が形成されている(図1、図4〜図6)。このマイクロホン収納部3の内部の構造は後記する。
【0014】前記記録再生部4は、正面から見て右側面部にカセットテープを収納するホルダー410がキャビネット2の表面と同一面を形成するように配設されていて、その下端部をヒンジにして開閉できるように取り付けられている(図1〜図3、図5、図6)。そしてホルダー410と前記マイクロホン収納部3との間のキャビネット2部分には、マイク感度切り換えスイッチ420が、ホルダー410の上後方部には、テープカウンター421が、ホルダー410の上前方部には電池残量表示部422が、そして記録再生部4の正面上方部には音量摘み423が配設されている。なお、カセットテープTをホルダー410へ装着し、或いはホルダー410から取り出す場合の操作は後記する。
【0015】また、正面から見て左側面部の前記記録再生部4には、その内部に収納されている記録再生回路などに電力を供給するための電池Baが収納される電池収納部430が記録再生部4からマイクロホン収納部3の一部分にかけて、その一部膨出した状態で、しかしキャビネット2の表面と同一カーブの面を形成するように配設されていている(図2、図3、図5及び図7)。そしてこの電池収納部430の上方のマイクロホン収納部3側にはVOR(ボイスオペレーテッドレコーディング)オンオフスイッチ5とFAST PB (早送り再生)スイッチ6とが配設されている。
【0016】更にまた、前記記録再生部4の上面部分には、記録再生部4の内部に収納されている記録再生回路部、制御回路、記録媒体駆動機構を制御するための複数個の押しボタンからなる操作部440が配設されている(図1、図4、図6、図7)。そして、この上面部後方のコーナーには、先端部に板状スタンド71が結び付けられているハンドストラップ7が取り付けられている。
【0017】更にまた、前記記録再生部4の背面部分には、記録再生部4の内部に収納されている記録再生回路部、制御回路、記録媒体駆動機構に接続されたテープスピード切り換えスイッチ451、外部イヤホンを接続するためのイヤホンジャック452、外部電源を接続するためのDC IN ジャック453が配設されている。そして前記記録再生部4の底面部分には、折り畳み構造の2脚スタンド460が取り付けられていて、図5は折り畳まれた状態を示している。
【0018】前記操作部440は、例えば、記録釦441、再生釦442、停止釦443、一時停止釦444、早送り・巻戻し釦445、そしてキューマーカ釦446とから構成されており、これらは2列に配列されていて、その右側(ホルダー410側)の1列には、前方(マイクロホン収納部3側)から記録釦441、再生釦442、停止釦443が、その左側(電池収納部430側)の一列には、前方から一時停止釦444、早送り・巻戻し釦445が、そして両列の先端部に、両列にまたがってキューマーカ釦446が配設されている(図1、図4、図6、図7)。
【0019】次に、図8乃至図10を参照しながら、前記マイクロホン収納部3の構造を説明する。前記ほぼ円筒状のマイクロホン収納部3には、ほぼ円筒状の開口全面に被せられているフード301の背後に、縦方向に並列に2個のマイクロホンMa、Mbが配設、固定されている。これらのマイクロホンMa、Mbの内の一つは全指向性マイクロホンで、他の一つは単一指向性マイクロホンで構成されている。集音部周辺部の雰囲気を集音したい場合には全指向性マイクロホンを主として使用し、講義録音、取材などの特定の話者の声を録音する場合には単一指向性マイクロホンを使用し、これらはマイク感度切り換えスイッチ420によりそれぞれの感度を切り換えて使用できるように接続されている。
【0020】また、マイクロホンMa、Mbの背後の、そして前記グリル302の背後のスペースに、グリル302に向かって放音部が斜めに向いた姿勢でスピーカSpが配設、固定されている。スピーカSpを斜めに配設した理由は、前記のように電池収納部430が記録再生部4からマイクロホン収納部3の一部分にかけて形成されており、その電池収納部430に収納された1本の単3型バッテリーBaを避けるためである。従って、一般に、スピーカ収納部分は比較的広い面積を必要とするが、本発明のようにマイクロホン収納部3にスピーカSpを斜めに収納することにより、磁気テープレコーダ1全体を比較的コンパクトに構成することがでる。特に、磁気テープレコーダ1をマイクロカセットテープ用に設計すると、後記するように、前記記録再生部4を片手で握ることができる程、小さな体積にまとめ上げることができる。
【0021】次に、図11乃至図15を参照しながら、前記記録再生部4、ホルダー410及び電池収納部430の構成及びこれらの配置関係について説明する。記録再生部4は、電子回路基板P、駆動機構Mから構成されている。電子回路基板Pはキャビネット2のほぼ中央部に底面に対して垂直に配設、固定されている。この電子回路基板Pの前記ホルダー410側にはカセットテープTを駆動する駆動機構Mが電子回路基板Pにほぼ並行に配設、固定されている。カセットテープTはこの駆動機構Mの前記ホルダー410側から装着され、電子回路基板Pに組み込まれている電源回路、制御回路、記録再生回路などの下に、この駆動機構Mにより駆動制御される。
【0022】前記ホルダー410は、図12において、前記駆動機構Mの右側に配設されていて、図13に示したように、ホルダー410の下端縁がキャビネット2の開口縁にヒンジなどで連結されており、停止釦443を深く押圧することにより、ホルダー410の上方が矢印Raの方向に開くような機構でキャビネット2に取り付けられている。
【0023】前記電池収納部430は、例えば、単3型電池Baが2本直列に、磁気テープレコーダ1の長手方向に収納できるスペースで構成されており、図12において、前記電子回路基板Pの左側に膨出部431を形成して設けられている。そして、その膨出部431の一部は、図15に示したように、前記電池収納スペースに沿った蓋432で形成されていて、電池収納部430への蓋432の装着は、その蓋432を前記電池収納スペースに沿って摺動して差し込むことにより行われ、蓋432の取り外しは、この逆の動作で行うことができる。
【0024】本発明の実施形態の磁気テープレコーダ1は、以上説明したような構造で構成されている。次に、この磁気テープレコーダ1の取扱いについて説明する。先ず、図15に示したように、電池収納部430の蓋432を摺動しながら引き抜き、電池収納部430に2本の電池Baを所定の極性で装着し、その後、蓋432を摺動させながら閉じる。次に、図13に示したように、停止釦443を深く押圧して、ホルダー410を矢印Raの方向に開く。そして次に、図14に示したように、カセットテープTをホルダー410の内部に装着し、その後、ホルダー410の上部を矢印Rbの方向に手指で押圧して閉じる。この状態でこの磁気テープレコーダ1は録音ができる状態になる。
【0025】講演会などでの話者の話を録音する場合には、マイクロホン収納部3のフード301部を話者の方向に向け、操作部440を上にして机上に載置し、必要に応じてマイク感度切り換えスイッチ420を切り換え、マイクロホンMa、Mbの内、単一指向性のマイクロホンが有効に作動する状態にして、記録釦441を押圧すれば、記録再生部4が作動し、カセットテープTを駆動して録音が開始される。この磁気テープレコーダ1を机上に載置する場合に、マイクロホン収納部3が話者の方向に出来るだけ正確に向き合うようにするために、図1に示した板状スタンド71を記録再生部4の底面に履かせて仰角を持たせるか、更に、仰角を持たせたい場合には、図5に示したスタンド460を引き出してマイクロホン収納部3を起こせばよい。
【0026】磁気テープレコーダ1がマイクロカセットテープ(例えば、ソニー株式会社製のMC−30、60など)や切手サイズの超小型カセットテープ(例えば、ソニー株式会社製のNT−2)用に設計されておれば、その磁気テープレコーダ1を極めて小型に構成することができる。従って、図16に示したように、そのような小型の磁気テープレコーダ1を用いてインタビューする場合は、その磁気テープレコーダ1を片手に持ってマイクロホン収納部3を話者の口許に向けることができる。この場合、右手の掌を電池収納部430側に添え、右手親指を操作部440に、他の4本の指は記録再生部4の底部からホルダー410側に添えて持って、マイクロホン収納部3を話者の口許に向ける。しかも、このような持ち方をした場合、右親指の付け根が電池収納部430の膨出部431の上部に引っ掛かる感じで当たり、磁気テープレコーダ1の記録再生部4をしっかりと把持することができる。
【0027】収録者がこのよな持ち方をすると、収録者は親指のみで操作部440の各種釦を操作でき、しかも磁気テープレコーダ1の記録再生部4を殆ど全て掌内に納めることができ、手から露出している部分は殆どマイクロホン収納部3だけとなって、話者から見た場合は、あたかも単独のマイクロホンのみを向けられたように感じ取られ、違和感無く、気安くインタビューに応じることができる。
【0028】インタビュー中、話の要点などをメモにとりたい場合には、開いている左手で筆記することができる。ただし、前記のように電池収納部430が正面から見て磁気テープレコーダ1の左側に形成されていて、収録者が左利きの場合である。もし、収録者が前記磁気テープレコーダ1をインタビュー用に、しかもメモを取りながら使用するであろうということに重点を置いて設計されるならば、前記のような形態の左利き用磁気テープレコーダ1のみならず、電池収納部430が正面から見て記録再生部4の左側に形成されているような磁気テープレコーダ1を用意しておけばよい。このような磁気テープレコーダ1があれば、右利きの収録者でも、左手の掌に記録再生部4を納めて把持して、右手でメモをとることができる。
【0029】以上記したように、本発明の実施形態の磁気テープレコーダ1は電源電池を内蔵しても極めて小型、コンパクトに構成でき、安定して載置することもでき、しかも片手でも持ち易く、そして操作もし易い。このように小型、コンパクトに構成できたのは、構造的に工夫が凝らされただけでなく、電気的にも工夫が凝らされているからである。次に、その電気的に工夫が凝らされた技術を図10乃至図12に加えて図17及び図18を参照しながら説明する。
【0030】図10乃至図12を用いて前記したように、電池収納部430は電子回路基板Pの一方の側面に配設されている。そしてこの電子回路基板Pに、例えば、単3型電池Baを2本直列に接続して収納すると、それらの電池Baは電子回路基板Pの中央部近傍で平行に極めて近接して収納された状態になる。
【0031】また、図17に示したように、前記電子回路基板Pの少なくとも一面には、前記のように、電源回路、制御回路、記録再生回路などの電子回路が形成されていて、その一部の電子回路を図18に示した。即ち、図18には、前記マイクロホン収納部3側に配設された電子回路基板Pの一部に形成されている前記電子回路の一部分と、やはりマイクロホン収納部3側に収納された1本の電池Baの一部分とを共に示した。この電子回路基板Pには、電池Baの陽極Ba1に接続されている電源回路パターンPwが配線されている。
【0032】このような電子回路基板Pと電源電池Baとの配置構造関係で磁気テープレコーダ1の電源スイッチ(不図示)を投入すると、前記2本の電池Baの中を陰極(不図示)から陽極Ba1に向かって電流が流れ(矢印Xa)、そして電源回路パターンPwに電流が流れる(矢印Xb)。そしてこの電源回路に急激に負荷が掛かったとすると、前記2本の電池Baの中を電流が変化しながら流れ、この電流により右ねじの法則に従う磁場が発生し、そしてその磁場に基づいて発生する非常に微弱な電流が前記電源回路パターンPwの近傍に配設されている電子回路に悪影響を及ぼす。
【0033】通常、マイクロホン収納部3側の電子回路基板Pには、破線で囲って図示したVOR回路が配置されている場合があって、このVOR回路は微弱な音声に感応して発生する極めて微弱な電流により動作するよう高感度に構成されているため、外部からの微小な妨害磁場にも悪影響を受け易い。
【0034】このような現象はVOR回路のみならず、この他、ヘッドアンプなど微小な電流を扱う電子回路にも生じる。この現象を避けるには、微小な電流を扱う電子回路を電池収納部430から遠ざかった部分の電子回路基板P上に形成するように設計すればよいのであるが、前記のように磁気テープレコーダ1を小型でコンパクトな構造に仕上げるには、電子回路基板Pも出来るだけ小面積の基板で構成しなければならず、そしてそのような小面積の基板に様々な微小な電流を扱う電子回路を形成しなければならない。一方、電池Baは比較的単価の安い単3型電池を使用するとなると、単3型電池が前記電子回路基板Pに対して投影されて占める面積は比較的広い面積を占めることになり、従って、微小な電流を扱う電子回路を全て前記のような悪影響を避けることができるように電子回路基板P上に配設することは極めて難しく、設計の自由度が少なくなる。
【0035】それ故、本発明においては、微小な電流を扱う電子回路が電子回路基板Pのいずれの部分に形成されていても、そして電池Baが前記のように電子回路基板Pの中央部に近接して配設されても、その電池Baから生じる磁場の悪影響を受けない電子機器を、前記の実施形態では磁気テープレコーダ1を発明した。それは、図18に示したように、前記電源回路パターンPwの両側に沿ってアースパターンEを形成し、その電源回路パターンPwを磁気シールドしたことである。また、本発明の前記磁気テープレコーダ1においては、図11及び図12に示したように、前記電子回路基板P側の前記電池収納部430の底にシート状の磁気シールド板Sdを配設して、電池Baからの磁場を一層完全に遮蔽するようにした。
【0036】このように電子回路基板Pに電源回路パターンPwを形成することにより、電池収納部430と電子回路基板Pとの間に磁気シールド板Sdを介在させることにより、電池Baから発生する磁場をほぼ完全に遮蔽することができた。
【0037】以上記した実施形態では、記録再生装置の一例として磁気テープレコーダを採り上げて説明したが、本発明はカセットテープにオーディオ信号を記録する磁気テープレコーダのみに限定されるものではなく、記録媒体として磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体集積回路メモリを利用した各種装置にも適用でき、また、記録再生装置のみならず、例えば、電池を内蔵した液晶プロジェクター、デジタルカメラ、スチルカメラ(通常のカメラ)などの光学機器にも適用できることを付言しておく。なお、前記のような光学機器には、通常、内蔵の電池で作動する電子回路が内蔵されいて、その光学機器が電気的にも作動することから、本発明の「電源電池内蔵型電子機器」には、このような光学機器も含まれることを付言しておく。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態の電源電池内蔵型電子機器は、電池が電子回路基板の中央部に近接して平行に配設されていても、その電池から生じる磁場を遮蔽できて、電源電池内蔵型電子機器そのものの性能に悪影響を与えられることはない。その結果、電池を内蔵しても極めて小型、コンパクトに構成でき、安定して載置することもでき、しかも片手でも持ち易く、そして操作もし易いなど、数々の優れた効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 光男
【公開番号】 特開平11−233990
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−32470