| 【発明の名称】 |
電子回路装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】細川 雅司
【氏名】石川 幸一
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| 【要約】 |
【課題】電子回路装置1の静電気耐力を向上させて、放電による電子回路6の誤動作や破損を防止する。
【解決手段】プラスチックケース2の凹部2a内に、電子回路6を有するプリント基板8が固定され、これらケース2およびプリント基板8がアルミ等の金属製の筐体10内に収容されて密封されている。筐体10の内面の、プリント基板8と向かい合う位置に導電体であるポリエステルフィルム14が貼付されている。ポリエステルフィルム14には予め粘着材が付いており、容易に貼り付けることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製の筐体内に電子回路を有するプリント基板を収納した電子回路装置において、前記筐体とプリント基板との間に誘電体を介在させたことを特徴とする電子回路装置。 【請求項2】 前記誘電体を粘着材付きのフィルム状とし、前記筐体に貼付したことを特徴とする請求項1に記載の電子回路装置。 【請求項3】 金属製の筐体内に電子回路を有するプリント基板を収納した電子回路装置において、前記筐体に突起を設け、その先端をプリント基板に接触または接近させたことを特徴とする電子回路装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車載用の電子制御装置として用いられる電子回路装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両には、エンジン、ブレーキ、ステアリング、クラッチ、ミッション等を制御する電子制御装置(コントローラ)が種々取付けられている。このような車載用の電子制御装置として用いられる電子回路装置の一例について、図3により説明する。この電子回路装置は、凹部102aを有するプラスチックケース102上に、電子回路106を有するプリント基板108がボルト104によって固定され、これらケース102およびプリント基板108がアルミ等の金属から成る筐体110内に収容されて密封されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】静電気は、振動や摩擦によって帯電するが、特に、乾燥時には発生しやすい。前記電子回路装置のプリント基板108は、図示のように筐体110に対して所定の間隔をあけて設けられているが、筐体110がアースされていない場合には、前述のように静電気が発生すると、その静電気が、電子回路装置に印加され、筐体110に負または正電荷が、一方、電子回路106を有するプリント基板108に正または負電荷が誘導される。そして、その電荷が許容値を越えると、筐体110とプリント基板108(電子回路106)との間で空中放電が発生し、電子回路106に過電流が流れて電子回路106が誤動作や破損するおそれがある。 【0004】前記筐体110やプリント基板108に誘導される電荷間に働く静電力の大きさは、以下の式(1)に示すとおりである。 F=K・Q1 ・Q2 /r2 [N] ……(1) 但し、F:静電力Q1 ,Q2 :電荷[C] r:距離[m] K:比例定数K=1/(4πε) ε=ε0 ・εsK=1/(4πε0 ・εs )=9×109 ×1/εsε:誘電率[F/m] ε0 :真空の誘電率εs :比誘電率(ある物質の誘電率εと真空の誘電率εo の比) 【0005】なお、前記静電気による放電によって電子回路106が誤動作や破損することを防止するためには、筐体110をアースすることにより、電荷を逃がし、電子回路装置に蓄えられる電荷を零にする、あるいは、筐体110とプリント基板108(電子回路106)と間の距離rを大きくすることにより、静電力を低下させる等の方法がある。しかしながら、筐体110をアースするためには、アース用の配線が必要であり、しかもその取付け作業をしなければならないという問題がある。また、筐体110とプリント基板108との距離を大きくすると、筐体110が大型化するという問題があった。 【0006】本発明は前記課題を解決するためになされたもので、筐体をアースする必要がなく、また、筐体を大型化することもなく、静電気による放電を起こりにくくして、過電流により電子回路が誤動作を起こしたり破損されることを防止した電子回路装置を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明に係る電子回路装置は、金属製の筐体内に電子回路を有するプリント基板を収納したものであって、特に、前記筐体とプリント基板との間に誘電体を介在させたものである。 【0008】また、第2の発明に係る電子回路装置は、前記筐体に突起を設け、その先端をプリント基板に接触または接近させたことを特徴とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る電子回路装置(全体として符号1で示す)の断面図であり、図3に示す従来の電子回路装置と基本的な構造は同一である。この電子回路装置1は、内部に凹部2aが形成され、その開口側に段部2bを有するプラスチック製のケース2と、このケース2の前記段部2b上に載せられてボルト4によって固定された、電子回路6を有するプリント基板8と、これらケース2およびプリント基板8を収容するアルミ等の金属から成る筐体10とを備えている。この筐体10側にも、前記ケース2の凹部2aと向かい合う位置に浅い窪み10aが形成されている。さらに、筐体10の内面の浅い窪み10の周囲にOリング12が嵌着されて、ケース2の上端面2cに密着し、プリント基板8が収容されているケース2内を密封している。 【0010】さらに、前記筐体10の内面に形成された浅い窪み10a内に、誘電体(誘電率の大きい物質)から成るフィルム14が貼付されている。本実施の形態に係る電子回路装置1では、誘電体としてポリエステルを用いており、ポリエステルフィルム14の片面に粘着材を付けたものを用意し、筐体10の内面に貼り付けている。前述のように、筐体10の内面に形成された浅い窪み10aは、ケース2に形成されている凹部2aの開口部の大きさとほぼ一致しており、浅い窪み10aのほぼ全面に貼付されたポリエステルフィルム14が、ケース2に固定されているプリント基板8のほぼ全面に向かい合っている。 【0011】前記ポリエステルの誘電率は3.3(εs =3.3)であり、この値を前記(1)式に代入すると、F=9×10×1/(1+3.3)×Q1 ・Q2 /rとなる。なお、この式における比誘電率εs は、空気中の誘電率(ほぼ1)にポリエステルの誘電率(3.3)を加えたものである。これに対し、従来の構成では、空気中の誘電率が1であるから、F=9×109 ×Q1 ・Q2 /r2 である。従って、ポリエステルフィルム14を、筐体10とプリント基板8との間に介在させた本実施の形態に係る電子回路装置1では、従来の構成に対しほぼ4.3倍の静電気耐力を有することになる。すなわち、静電気の電荷Q1 ,Q2 が同じであるとすると、本装置の筐体10とプリント基板8との間の静電力Fは、従来の装置の約1/4.3となる。よって、放電の発生に対して余裕ができるので、放電が起きるおそれがなくなり、電子回路6が静電気によって誤動作や破損されることを防止できる。 【0012】なお、前記実施の形態では、誘電体としてポリエステルを用いたが、ポリエステルに限るものではなく、以下に例示する物質等を用いても良い。 パラフィン(2.1〜2.5) 紙 (2.0〜2.6) ゴム (2.0〜2.5) 雲母 (2.5〜6.6) ガラス (5.4〜9.9) 陶器 (5.7〜6.8) 但し、カッコ内の数値は比誘電率εs を示すまた、前記誘電体(誘電率の大きい物質)は、フィルム状にして筐体10に貼付するものに限らず、その他の形状であっても、筐体10とプリント基板8(電子回路6)との間に介在させれば同様の効果を奏することができる。 【0013】前記実施の形態では、予め粘着材を付けたポリエステルフィルム14を筐体10に貼り付けるようにしたので、貼付作業が極めて容易であり、しかも、電子回路装置の基本的構成は従来と同様のまま変更せずに対応可能である。また。誘電体を選択することにより、電子回路装置1の静電気耐力を容易に変更することができるので、設計上の自由度が増すという効果も得ることができる。 【0014】図2は第2の実施の形態に係る電子回路装置を示すもので、前記第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。この例では、筐体10の内面に、複数本の突起(足)10bが設けられている。これらの足10bは、筐体10の内面とプリント基板8との間の距離にほぼ等しい長さを有しており、その先端が、プリント基板8の表面に接触し、あるいは接近している。 【0015】この構成では、筐体10とプリント基板8との間で放電が生ずる電圧が小さくなるとともに、前記(1)式におけるr(筐体10とプリント基板8との間の距離)が小さくなるため、静電力Fが大きくなるので、小さな電荷で放電してしまうことになる。従って、電子回路6に大きな電流が流れることがなく、電子回路6が誤動作したり破損するおそれがない。 【0016】 【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、金属製の筐体内に電子回路を有するプリント基板を収納した電子回路装置において、前記筐体とプリント基板との間に誘電体を介在させたことにより、電子回路装置の構成を変えることなく、静電気による放電を起こりにくくして、電子回路の誤動作や破損を防止することができる。 【0017】また、第2の発明では、前記筐体に突起を設け、その先端をプリント基板に接触または接近させたことにより、静電気による放電によって電子回路に大きい電流が流れることがなく、電子回路の誤動作や破損を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000181239 【氏名又は名称】自動車機器株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】相川 守
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| 【公開番号】 |
特開平11−233988 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−51534 |
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