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【発明の名称】 冷却構造
【発明者】 【氏名】松本 央

【要約】 【課題】冷却効率の向上とコスト削減とが可能な冷却構造を提供する。

【解決手段】プラグインパッケージ3に搭載されかつ発熱部材である搭載部品10上には可動型ヒートシンク5に取付けた熱伝導部材4が接触する。可動型ヒートシンク5はブラケット6の開口部6aに挿通される突起部5aと、ガイド板9のガイド溝9aに挿通される突起部5b〜5eとを備えている。熱伝導部材4は搭載部品10の形状にあわせて変形可能な弾性体からなる。ブラケット6は突起部5aが挿通される開口部6aと、粘性物質8が注入される容器7とを備えている。容器7は突起部5aの挿入範囲に応じて変形可能な弾性体からなる。容器7に粘性物質8を注入すると、開口部6aに突入した突起部5aをバックボード2側に押付け、突起部5b〜5eがガイド板9のガイド溝9aに案内されて可動型ヒートシンク5が移動して熱伝導部材4を搭載部品10に押付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のパッケージが着脱自在にプラグインされる電子機器筐体の冷却構造であって、前記複数のパッケージ各々に対応して配設されかつ前記パッケージの発熱部分に押付けられる複数の可動型ヒートシンクと、粘性物質の圧力で前記複数の可動型ヒートシンクを前記複数のパッケージ各々の発熱部分に押付ける押付け部材とを有することを特徴とする冷却構造。
【請求項2】 前記押付け部材は、前記粘性物質を収納しかつ前記複数の可動型ヒートシンク各々の移動量に応じて変形する絶縁性の容器を含むことを特徴とする請求項1記載の冷却構造。
【請求項3】 前記パッケージの発熱部分とそれに対応する前記可動型ヒートシンクとの間に配設されかつ前記発熱部分の形状に応じて変形する熱伝導部材を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却構造。
【請求項4】 複数のパッケージがバックボードに着脱自在に実装されてプラグインされる電子機器筐体の冷却構造であって、前記複数のパッケージ各々に対応して配設されかつ前記パッケージの発熱部分に押付けられる複数の可動型ヒートシンクと、前記パッケージを挟んで前記バックボードに対向して設けられかつ粘性物質の圧力で前記複数の可動型ヒートシンクを前記複数のパッケージ各々の発熱部分に押付ける押付け部材とを有することを特徴とする冷却構造。
【請求項5】 前記押付け部材は、前記粘性物質を収納しかつ前記複数の可動型ヒートシンク各々の移動量に応じて変形する絶縁性の容器を含むことを特徴とする請求項4記載の冷却構造。
【請求項6】 前記パッケージの発熱部分とそれに対応する前記可動型ヒートシンクとの間に配設されかつ前記発熱部分の形状に応じて変形する熱伝導部材を含むことを特徴とする請求項4または請求項5記載の冷却構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷却構造に関し、特に複数のパッケージを着脱自在にプラグインする通信機器等の筐体における冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のパッケージを着脱自在にプラグインする通信機器等の筐体において、ヒートシンクを用いた冷却構造は、プラグインしたパッケージの発熱部分に如何に均等にヒートシンクを接触させ、冷却効率を上げるかが課題となっている。
【0003】従来、ヒートシンクを発熱部分に接触させる方法としては、個々のプラグインパッケージ毎にヒートシンクを作成して接触させる方法が取られている。また、最近では、図3に示すように、ゴム等の熱伝導部材(パック12,13)をヒートシンク17とLSI(大規模集積回路)チップ16の発熱面との間に挟み込んむ方法も取られている。
【0004】図3において、LSIチップ16はボード15上に配置されており、ボード15はその両面を挟むようにプラッタ19,20が挿着されている。LSIチップ16の上部にはパック12,13内に封入液14が封入された接触部材11を介してヒートシンク17が配置されている。
【0005】ヒーシンク17はボルト22によってプラッタ19,20にネジ止めされ、接触部材11をLSIチップ16に押さえ付けている。また、ヒートシンク17内には冷却水18が流れる流路が設けられている。
【0006】ここで、接触部材11はLSIチップ16の高さが相違する場合が多いことを考慮し、大きな高さの相違を接触部材11の厚みを変えることによって吸収している。また、接触部材11のヒートシンク17側の面は平坦に成形され、その面にヒートシンク17を押し付けて固定している。
【0007】ヒートシンク17はフレキシブル部23a,24aを備えた2本の冷却水パイプ23,24を介して冷却供給装置25と連結されており、ヒートシンク17への冷却水18の供給及び排出を行うようになっている。冷却供給装置25は水ポンプ26と水タンク27とチラー28とから構成されている。尚、上記の冷却構造については、特開平4−280460号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の冷却構造では、個別の部品形状に対応したヒートシンクを製作しなければならず、そのコストが増大してしまう。また、可動型ヒートシンクの場合においても、部品実装のバラツキによってパッケージ自体が強く圧縮されて破損したり、逆に弱すぎて接触面積が不十分なために必要な冷却性能が望めなくなってしまう。
【0009】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、冷却効率の向上とコスト削減とを図ることができる冷却構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による冷却構造は、複数のパッケージが着脱自在にプラグインされる電子機器筐体の冷却構造であって、前記複数のパッケージ各々に対応して配設されかつ前記パッケージの発熱部分に押付けられる複数の可動型ヒートシンクと、粘性物質の圧力で前記複数の可動型ヒートシンクを前記複数のパッケージ各々の発熱部分に押付ける押付け部材とを備えている。
【0011】本発明による他の冷却構造は、複数のパッケージがバックボードに着脱自在に実装されてプラグインされる電子機器筐体の冷却構造であって、前記複数のパッケージ各々に対応して配設されかつ前記パッケージの発熱部分に押付けられる複数の可動型ヒートシンクと、前記パッケージを挟んで前記バックボードに対向して設けられかつ粘性物質の圧力で前記複数の可動型ヒートシンクを前記複数のパッケージ各々の発熱部分に押付ける押付け部材とを備えている。
【0012】すなわち、本発明の冷却構造は、可動型ヒートシンクを発熱部分に押し付けるブラケットに粘性物質を注入し、その粘性物質による圧力を利用した構造を採用し、各可動型ヒートシンクに対して均等に圧力が伝わるような構造とすることで、上記課題を解決する。
【0013】これによって、複数のパッケージを着脱自在にプラグイン実装する通信機器の可動型ヒートシンク冷却構造において、如何にヒートシンクを部品実装高さの違うパッケージに接触させるかという課題が解決可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による冷却構造の斜視図であり、図2は本発明の一実施例による冷却構造の断面図である。
【0015】これらの図において、プラグインパッケージ3はコネクタ3aを筐体1内のバックボード2のコネクタ(図示せず)に挿着して電気的に接続することで、筐体1内に実装されている。このプラグインパッケージ3には搭載部品10が実装されており、発熱部材である搭載部品10上に、可動型ヒートシンク5に取付けられた熱伝導部材4が接触されている。尚、可動型ヒートシンク5及び熱伝導部材4はプラグインパッケージ3各々に対応して設けられている。
【0016】可動型ヒートシンク5は筐体1の外部に露出したヒートシンクの内側に熱的に接触させることで、熱伝導によって外部へ放熱する冷却構造となっている。また、可動型ヒートシンク5にはブラケット6の開口部6aに挿通される突起部5aと、ガイド板9のガイド溝9aに挿通される突起部5b〜5eとが設けられている。熱伝導部材4は搭載部品10の形状にあわせて変形可能な弾性体(例えば、シリコンゴム等)から形成されている。
【0017】ブラケット6は可動型ヒートシンク5の突起部5aが挿通される開口部6aと、粘性物質(例えば、グリース等の粘性のあるジェル物質)8が注入される容器7とを備えている。容器7は可動型ヒートシンク5の突起部5aの挿入範囲に応じて、つまり搭載部品10の形状にあわせて可変となる突起部5aの開口部6aへの突入状態に応じて変形可能な弾性体(例えば、シリコンゴム等)から形成されている。
【0018】したがって、容器7に粘性物質8を注入することで、開口部6aに突入されている突起部5aをバックボード2側に押し付けるので、可動型ヒートシンク5の突起部5b〜5eがガイド板9のガイド溝9aに案内されて可動型ヒートシンク5が移動する。
【0019】これによって、可動型ヒートシンク5は熱伝導部材4を搭載部品10に押し付けた状態で固定される。このとき、各熱伝導部材4と各プラグインパッケージ3上の搭載部品10との間の圧力が均等になる。
【0020】このように、筐体1のバックボード2上にプラグインパッケージ3を実装し、プラグインパッケージ3を挟んでバックボード2に対向して設けられたブラケット6に取付けられた容器7に粘性物質8を注入して可動型ヒートシンク5をバックボード2側に押し込んで可動型ヒートシンク5をスライドさせることによって、可動型ヒートシンク5が部品実装高さの違う各プラグインパッケージ3の搭載部品10に各可動型ヒートシンク5によって押し付けられる熱伝導部材4と各プラグインパッケージ3上の搭載部品10との間の圧力が均等になる。
【0021】上記の構造によって、各可動型ヒートシンク5の熱伝導部材4と部品実装高さの違う各プラグインパッケージ3とを均一な圧力で接触させることが可能となり、十分な冷却構造を得ることができる。
【0022】ブラケット6に取付けられた容器7に粘性物質8として熱抵抗が低くかつ粘性のある物質を注入する構造を取ることで、ブラケット6自身についてもヒートシンクの機能を果たし、より冷却効率の向上を図ることができる。この場合、プラグインパッケージ3毎に異なるヒートシンクを製作する必要がなくなり、コスト削減をも図ることが可能となる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複数のパッケージが着脱自在にプラグインされる電子機器筐体の冷却構造において、パッケージの発熱部分に押付けられる複数の可動型ヒートシンクを複数のパッケージ各々に対応して配設し、それら複数の可動型ヒートシンク各々を粘性物質の圧力で複数のパッケージ各々の発熱部分に押付けることによって、冷却効率の向上とコスト削減とを図ることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】▲柳▼川 信
【公開番号】 特開平11−233987
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−35297