トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 プリント基板ユニットの製造方法
【発明者】 【氏名】北川 晃博

【氏名】林 信弘

【要約】 【課題】作業性が良く、製造効率の良いプリント配線板ユニットの製造方法を提供する。

【解決手段】半導体素子1と、前記半導体素子1の発熱を放熱させるための放熱板2とをビス3により密着させて締め付けた半導体ユニット4を予め製造し、前記半導体ユニット4のプリント配線板5への取り付けを前記ビス3のネジ側端部をはんだ付け10とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体素子と、前記半導体素子の発熱を放熱させるための放熱板とをビスにより密着させて締め付けた半導体ユニットを事前に製造し、前記半導体ユニットのプリント配線板への取り付けを前記ビスのネジ側端部をはんだ付けすることを特徴とするプリント基板ユニットの製造方法。
【請求項2】 放熱板のビス穴にタップを切ったことを特徴とする請求項1記載のプリント基板ユニットの製造方法。
【請求項3】 ビスにネジとバネ座金が一体化されたセムスコネジを用いることを特徴とする請求項1または2記載のプリント基板ユニットの製造方法。
【請求項4】 角ワッシャを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のプリント基板ユニットの製造方法。
【請求項5】 ビスにメッキ処理を施した請求項1〜4のいずれか1項記載のプリント基板ユニットの製造方法。
【請求項6】 プリント配線板に両面プリント配線材を用い、かつビス穴をスルホール化したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のプリント基板ユニットの製造方法。
【請求項7】 プリント配線板の部品面側のビス穴ランド部にレジストをかけたことを特徴とする請求項6記載のプリント基板ユニットの製造方法。
【請求項8】 プリント配線板に片面プリント配線材を用い、かつビス穴部にハトメを実装したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のプリント基板ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板ユニットの製造に係り、特に、発熱を生じるパワー系半導体素子とその放熱に寄与する放熱板の実装および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の製造方法について、図9、図10を用いて説明する。
【0003】図9、10は従来の半導体素子および放熱板のプリント配線板への取り付け構成図である。図9において、電子部品はプリント配線板50上に実装され、はんだ付け前のプリント配線板50の部品面側に放熱板51、半導体素子52およびトメカナグ53を備え、プリント配線板50のはんだ面側よりビス54を挿入し、トメカナグ53とによりプリント配線板50、放熱板51、半導体素子52を締め付けてプリント配線板50への取り付けを行い、その後半導体素子52のリード部を含めたその他の電子部品リードのはんだ付けを行うものであった。
【0004】また、図10において、プリント配線板50の部品面側に放熱板51、半導体素子52を備え、バネ座金53、座金54の一体ビス55をプリント配線板50の部品面側より挿入し、はんだ面側で座金56、ナット57によりプリント配線板50、放熱板51、半導体素子52を締め付けることでプリント配線板50への取り付けを行い、その後、半導体素子52のリード部を含めたその他の電子部品リードのはんだ付けを行う製造方法が一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の構成では、放熱板、半導体素子をはじめ手挿入による電子部品或いは、ハーネス等は一般的に、はんだ付けを行う前の最終工程であるため、放熱板や半導体素子を取り付ける際にはその他の機械実装されたアキシャル、ラジアル部品等が実装されており、放熱板と半導体素子をビスにより締め付ける際に機械実装された電子部品が脱落する場合があった。また、プリント配線板ユニットは外形形状にもよるが通常1シート板、数枚取りの構成であり、特にビスをプリント配線板のはんだ面から締め付ける構成においては、取り付け治具等を利用し、トメカナグ、半導体素子、放熱板とを位置決めして、半導体素子のリード部をプリント配線板のリード挿入穴にプリント配線板ユニットのシート板を裏返しにして挿入することは極めて困難であり作業性の悪いものであった。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、プリント配線板への放熱板と半導体素子の取り付け実装を容易にすると共に、プリント配線板シート板がなくとも事前に放熱板と半導体素子とのユニットをビスにより製造することが出来るため、作業性が良く、製造効率の良いプリント基板ユニットの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、半導体素子と、半導体素子の発熱を放熱させるための放熱板とをビスにより密着させて締め付けた構成としており、プリント配線板シート板がなくとも半導体ユニットを事前に製造、完成品とすることができるものである。また、プリント配線板への取り付けについても、半導体ユニットをプリント配線板上に乗せるだけであり、ビスと半導体素子のリード部をはんだ付けすることによりプリント配線板との機械的保持を行うため、作業性、製造効率が良く、はんだ付けについても手間のかからないものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、半導体素子と、前記半導体素子の発熱を放熱させるための放熱板と、前記半導体素子と前記放熱板とをビスにより密着させて締め付けた構成とした半導体ユニットを事前に製造し、プリント配線板への取り付けを前記ビスと前記半導体素子のリード部をはんだ付けすることによりプリント配線板との機械的保持を行うようにしたものであり、プリント配線板なしでも半導体ユニットを完成品として事前に製造することができるばかりでなく、プリント配線板への取り付けについてもプリント配線板上に乗せるだけで、ビスと半導体素子のリード部をはんだ付けすることができるために、プリント配線板シート板を扱うことによる手間を省くことができる。
【0009】本発明の請求項2記載の発明は、放熱板のビス穴にタップを切ったもので、ビス締めによる半導体素子と放熱板との密着性を向上させることができる。
【0010】本発明の請求項3記載の発明は、ビスとバネ座金をセットにしたセムスコネジを用いることでビス締めの作業性と締め付け強度を向上させることができる。また、ビスの緩みを抑えることができる。
【0011】本発明の請求項4記載の発明は、角ワッシャを用いるので、半導体素子と放熱板との密着性の向上および、放熱板の反りを抑えることができる。
【0012】本発明の請求項5記載の発明は、メッキ処理を施したビスを用いるので、はんだ付け性が良くプリント配線板への取り付け保持をより強固にできる。
【0013】本発明の請求項6記載の発明は、両面プリント配線材を用い、ビス穴をスルホール化したので、ビス穴内部にもはんだが吸い上がり、はんだ付け強度が向上できると共に、半導体素子のリード根元部に対するストレスを抑えることができる。
【0014】本発明の請求項7記載の発明は、部品面側のビス穴ランド部にレジストをかけたので、はんだの吸い上がりによる放熱板および半導体素子の浮きを防止できると共に、半導体素子のリードはんだ付け部およびリード根元部のストレスを抑えることができる。
【0015】本発明の請求項8記載の発明は、片面プリント配線材を用い、ビス穴部にハトメを実装したので、ビス穴内部にもはんだが吸い上がり、はんだ付け強度が向上できる。
【0016】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の各実施例を添付図面にもとづいて説明する。以下、同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0017】まず、本発明の第1の実施例について図1、図2を参照しながら説明する。図1は本施例を示す半導体ユニットの構成図である。図1において、半導体素子1と、半導体素子1の発熱を放熱させるためのビス穴を有する放熱板2とは、半導体素子1の有する放熱板取り付け穴と放熱板2とに設けたビス穴とを半導体素子1側よりビス3を挿入、締め付けることで半導体ユニット4を事前に製造できるものである。
【0018】上記構成により、プリント配線板なしでも半導体ユニット4を完成品として事前に製造することができるばかりでなく、プリント配線板への取り付けについてもプリント配線板上に乗せるだけで、ビス3と半導体素子1のリード部をはんだ付けすることができるために、プリント配線板シート板を扱うことによる手間を省くことができるものである。
【0019】図2は取り付け構成図である。図2において、予め完成された半導体ユニット4は、はんだ付けを行う前の最終工程にて手挿入或いは、ロボット等によってプリント配線板5上に実装され、半導体素子1のリード部6およびプリント配線板5よりはんだ面側へ突出したビス3の出代部をはんだ付け10とすることによりプリント配線板5との機械的保持を行うものである。
【0020】(実施例2)次に第2の実施例を図3を用いて説明する。上記実施例と同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0021】図3において、放熱板2のビス穴部に半導体素子1とを締め付けるためのビス3の径に合わせたタップ7を切ったことで、ビス締めによる半導体素子1と放熱板2との密着性を向上させることができる。
【0022】(実施例3)次に第3の実施例を図4を用いて説明する。上記実施例と同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0023】図4において、半導体素子1と、半導体素子1の発熱を放熱させるためのビス穴を有する放熱板2とを締め付けるためのビス3にバネ座金8とセットになったセムスコネジ9を用い、半導体素子1の有する放熱板取り付け穴と放熱板2とに設けたビス穴とを半導体素子1側よりセムスコネジ9を挿入、締め付けることで半導体ユニット4を事前に製造することでビス締めの作業性と締め付け強度を向上させることができる。また、ビスの緩みを抑えることができる。
【0024】(実施例4)次に第4の実施例を図5を用いて説明する。上記実施例と同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0025】図5において、半導体素子1と、半導体素子1の発熱を放熱させるためのビス穴を有する放熱板2とを締め付けるためのビス3にバネ座金8と角ワッシャ11のセットになったセットビス12を用い、半導体素子1の有する放熱板取り付け穴と放熱板2とに設けたビス穴とを半導体素子1側よりセットビス12を挿入、締め付けることで半導体ユニット4を事前に製造でき、かつ角ワッシャ11を用いるので、半導体素子1と放熱板2との密着性の向上および、放熱板2の反りを抑えることができるものである。
【0026】(実施例5)次に第5の実施例について説明する。上記実施例と同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0027】図1から図5において、半導体素子1と、半導体素子1の発熱を放熱させるためのビス穴を有する放熱板2とを締め付けるためのビス3にはんだつけ性の良いメッキ、特にニッケルメッキを施したビス3を用いることで、はんだ付け性が良くプリント配線板5への取り付け保持をより強固にできる。
【0028】(実施例6)次に第6の実施例を図6を用いて説明する。上記実施例と同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0029】図6において、予め完成された半導体ユニット4は、はんだ付けを行う前の最終工程にて手挿入或いは、ロボット等によってプリント配線板5上に実装されるが、このプリント配線板に両面プリント配線板13を用い、かつ半導体ユニット4を挿入するビス穴14内径部をメッキ処理を施したスルホール15とし、半導体素子1のリード部6およびプリント配線板13よりはんだ面側へ突出したビス3の出代部をはんだ付けすることで、プリント配線板13との機械的保持を行うことができ、ビス穴内部にもはんだが吸い上がり、はんだ付け強度が向上できると共に、半導体素子1のリード根元部に対するストレスを抑えることができる。
【0030】(実施例7)次に第7の実施例を図7を用いて説明する。上記実施例と同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0031】図7において、予め完成された半導体ユニット4は、はんだ付けを行う前の最終工程にて手挿入或いは、ロボット等によってプリント配線板5上に実装されるが、このプリント配線板5に両面プリント配線材13を用い、かつ半導体ユニット4を挿入するビス穴14内径部をメッキ処理を施したスルホール15とし、半導体素子1のリード部6およびプリント配線板13よりはんだ面側へ突出したビス3の出代部をはんだ付けしプリント配線板13との機械的保持を行うが、スルホール15の場合、部品面側にもランド16を有しておりはんだ付けの際に、はんだが部品面側上部まで吸い上がる現象が発生する。そこで、プリント配線板13部品面側のビス穴14部のランド16にレジスト17をかけることで、はんだの吸い上がりによる放熱板2および半導体素子1の浮きを防止できると共に、半導体素子1のリードはんだ付け部およびリード根元部のストレスを抑えることができる。
【0032】(実施例8)次に第8の実施例を図8を用いて説明する。上記実施例と同一機能を有するものについては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0033】図8において、予め完成された半導体ユニット4は、はんだ付けを行う前の最終工程にて手挿入或いは、ロボット等によってプリント配線板5上に実装されるが、このプリント配線板5に片面プリント配線材18を用い、かつ半導体ユニット4を挿入するビス穴14部にハトメ19を実装し、プリント配線板18よりはんだ面側へ突出したビス3の出代部をはんだ付けするもので、ビス穴内部にもはんだが吸い上がり、はんだ付け強度が向上できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプリント配線板の製造方法は次の効果を奏する。
【0035】本発明の請求項1記載の発明によれば、半導体素子と、半導体素子の発熱を放熱させるための放熱板と、半導体素子と放熱板とをビスにより密着させて締め付けた構成とした半導体ユニットを事前に製造し、プリント配線板への取り付けをビスと半導体素子のリード部をはんだ付けすることによりプリント配線板との機械的保持を行うようにしたものであり、プリント配線板なしでも半導体ユニットを完成品として事前に製造することができるばかりでなく、プリント配線板への取り付けについてもプリント配線板上に乗せるだけで、ビスと半導体素子のリード部をはんだ付けすることができるために、プリント配線板シート板を扱うことによる手間を省くことができる。
【0036】本発明の請求項2記載の発明によれば、放熱板のビス穴にタップを切ったもので、ビス締めによる半導体素子と放熱板との密着性を向上させることができる。
【0037】本発明の請求項3記載の発明によれば、ビスとバネ座金をセットにしたセムスコネジを用いることでビス締めの作業性と締め付け強度を向上させることができる。また、ビスの緩みを抑えることができる。
【0038】本発明の請求項4記載の発明によれば、角ワッシャを用いるので、半導体素子と放熱板との密着性の向上および、放熱板の反りを抑えることができる。
【0039】本発明の請求項5記載の発明によれば、メッキ処理を施したビスを用いるので、はんだ付け性が良くプリント配線板への取り付け保持をより強固にできる。
【0040】本発明の請求項6記載の発明によれば、両面プリント配線材を用い、ビス穴をスルホール化したので、ビス穴内部にもはんだが吸い上がり、はんだ付け強度が向上できると共に、半導体素子のリード根元部に対するストレスを抑えることができる。
【0041】本発明の請求項7記載の発明によれば、部品面側のビス穴ランド部にレジストをかけたので、はんだの吸い上がりによる放熱板および半導体素子の浮きを防止できると共に、半導体素子のリードはんだ付け部およびリード根元部のストレスを抑えることができる。
【0042】本発明の請求項8記載の発明によれば、片面プリント配線材を用い、ビス穴部にハトメを実装したので、ビス穴内部にもはんだが吸い上がり、はんだ付け強度が向上できる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−233981
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−30949