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【発明の名称】 電子機器の放熱構造とこの放熱構造を用いた電源装置
【発明者】 【氏名】大場 恒俊

【氏名】坪田 康弘

【氏名】大伴 高敏

【氏名】田邊 勝隆

【要約】 【課題】発熱部品(及びヒートシンク)から非発熱部品への不要な熱放射が軽減することができて、電子機器の信頼性を向上させることができる電子機器の放熱構造を提供する。

【解決手段】内部に発熱部品5及び非発熱部品6を収納し且つヒートシンク9を設けたケース2を備え、このケース2に、発熱部品5から非発熱部品6側への熱放射を遮断する熱遮断部3を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース内に発熱部品及び非発熱部品を収納した電子機器において、前記ケースに、前記発熱部品から前記非発熱部品側への熱放射を遮断する熱遮断部を設けたことを特徴とする電子機器の放熱構造。
【請求項2】 前記ケースにヒートシンクを設けて、このヒートシンクに前記発熱部品を接触させた請求項1に記載の電子機器の放熱構造。
【請求項3】 前記ケースに前記ヒートシンクに代えて閉塞部材を設けた請求項1に記載の電子機器の放熱構造。
【請求項4】 前記ケースの、前記発熱部品を含む空間部を形成する部位に、通風用のスリットを設けた請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の電子機器の放熱構造。
【請求項5】 前記発熱部品及び前記非発熱部品を基板に搭載して、この基板をケース内に収納し、前記熱遮断部で前記基板を押えた請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の電子機器の放熱構造。
【請求項6】 請求項1乃至請求項5の電子機器の放熱構造のいずれかを用いた電源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の放熱構造とこの放熱構造を用いた電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電源装置20にあっては、例えば、図7及び図8に示すようにケース21に内蔵された基板22には電解コンデンサ23、トランス24、半導体のような発熱部品25等の多数の電子部品が搭載してある。そして、この発熱部品25は発熱量が大きく、この発熱部品25が発生させる熱を放熱する必要がある。
【0003】従来の電源装置における放熱構造としては、例えば、電源装置20のケース21に多数の放熱用のスリット26を形成すると共に、ケース21の端部に金属性のヒートシンク27を取り付けて、このヒートシンク27の内面に半導体25を接触させるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の電源装置における放熱構造にあっては、発熱部品25そのもの、また、発熱部品25を放熱するヒートシンク27からの熱放射イで、ケース21内の基板22に搭載してある電解コンデンサ23に代表されるような他の非発熱部品が、その熱の煽りを受けてしまい、電源装置の信頼性を低下させるという問題点があった。
【0005】電源装置の信頼性を確保するために、発熱部品25の放熱に必要な大きさ以上のヒートシンク27を付けて熱放射の低減を図るようにはできるが、結果としてサイズの大型化に繋がる要因になっていたし、更に通風のために余分なスリット26を設けなければならず、ケース21の加工費アップの要因になるという問題点があった。
【0006】本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その第1の目的とするところは、発熱部品(及びヒートシンク)から非発熱部品への不要な熱放射が軽減することができて、電子機器全体の信頼性を向上させることができる電子機器の放熱構造を提供することにある。
【0007】また、本発明の第2の目的とするところは、発熱部品(及びヒートシンク)から非発熱部品への不要な熱放射が軽減することができて、信頼性を向上させることができる電源装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成するために、請求項1の発明に係る電子機器の放熱構造は、内部に発熱部品及び非発熱部品を収納したケースを備え、このケースに、前記発熱部品から前記非発熱部品側への熱放射を遮断する熱遮断部を設けたことを特徴とする。
【0009】かかる構成により、熱遮蔽部の存在により、放熱を必要とする発熱部品から非発熱部品側への熱放射を遮断することができるようになって、発熱部品から非発熱部品への不要な熱放射が軽減される。このために、電子機器全体の信頼性を向上させることができる。
【0010】また、発熱部品から非発熱部品への不要な熱放射が軽減されるために、ヒートシンクの形状については、発熱部品の放熱だけを考慮した最小のサイズを選択することが可能になるし、また、ケースの通風のためのスリットを設ける必要がないために、また、熱遮蔽部が設けてあるためにケースの強度が向上する。
【0011】また、上記の第1の目的を達成するために、請求項2の発明に係る電子機器の放熱構造は、請求項1に記載の電源装置の放熱構造において、前記ケースにヒートシンクを設けて、このヒートシンクに前記発熱部品を接触させた。
【0012】かかる構成により、熱遮蔽部の存在により、ヒートシンクから非発熱部品側への熱放射を遮断することができるようになって、ヒートシンクから非発熱部品への不要な熱放射が軽減される。このために、電子機器全体の信頼性を向上させることができる。
【0013】また、ヒートシンクから非発熱部品への不要な熱放射が軽減されるために、ヒートシンクの形状については、発熱部品の放熱だけを考慮した最小のサイズを選択することが可能になる。
【0014】また、上記の第1の目的を達成するために、請求項3の発明に係る電子機器の放熱構造は、請求項1に記載の電子機器の放熱構造において、前記ケースに、前記ヒートシンクに代えて閉塞部材を設けた。
【0015】かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、ヒートシンクを無くすことができる。
【0016】また、上記の第1の目的を達成するために、請求項4の発明に係る電子機器の放熱構造は、請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の電子機器の放熱構造において、前記ケースの、前記発熱部品を含む空間部を形成する部位に、通風用のスリットを設けた。
【0017】かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、発熱部品を含む空間部に閉じ込められた高温の空気をスリットから外気に放出することができて、より放熱効果を高めることができる。
【0018】また、上記の第1の目的を達成するために、請求項5の発明に係る電子機器の放熱構造は、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載の電子機器の放熱構造において、前記発熱部品及び前記非発熱部品を基板に搭載して、この基板をケース内に収納し、前記熱遮断部で前記基板を押えた。
【0019】かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、熱遮断部で基板を押えることができて、基板のケース側への固定を確実に行うことができる。
【0020】また、上記の第2の目的を達成するために、請求項6の発明に係る電源装置は、請求項1乃至請求項5の電子機器の放熱構造のいずれかを用いた。
【0021】かかる構成により、発熱部品(及びヒートシンク)から非発熱部品への不要な熱放射が軽減することができて、信頼性を向上させることができる電源装置を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る放熱構造を有する電子機器としての電源装置の縦断面図である。
【0023】電子機器である電源装置1は合成樹脂製のケース2を備えており、このケース2は、図2及び図3に示すように前、後面部2A、2B、上、下面部2C、2D及び右面部2Eを有していて、前面部2Aと下面部2Dと右面部2Eとが一体に形成してあって、前部ケースユニットN1を構成しており、また、後面部2Bと上面部2Cとが一体に形成してあって、後部ケースユニットN2を構成している。そして、そして、この後部ケースユニットN2の内面の左側に、後面部2Bと上面部2Cとに跨がってリブ状の熱遮蔽部3が形成してある。この熱遮蔽部3は後部ケースユニットN2と一体成形で製作してもよいし、また、熱遮蔽部3を別体にして、後部ケースユニットN2に適宜の固着手段により固着してもよい。
【0024】また、ケース2に内蔵される基板4には、その左側から右側に向かって半導体のような発熱部品5、電解コンデンサで代表される非発熱部品6及びトランス7等の多数の電子部品が搭載してある。
【0025】そして、前部ケースユニットN1内に、この下面部2Dにスペーサ8を介して基板4を設けて、前部ケースユニットN1と後部ケースユニットN2とが結合してある。この場合、熱遮蔽部3は、発熱部品5と電解コンデンサ6との間に位置していて、この熱遮蔽部3の前端部3Aは前面部2Aの内面に当接しており、また、熱遮蔽部3の下端部3Bは基板4の上面部に当接して、この基板4を上から押えている。
【0026】また、ケース2の左端部には金属性のヒートシンク9が固着してあり、このヒートシンク9の内面部9Aに発熱部品5は接触している。
【0027】次に、上記のように構成された電源装置の放熱構造による放熱作用を説明する。上記したように放熱を必要とする発熱部品5及びこの発熱部品5を放熱するヒートシンク9と、非発熱部品6との間に熱遮蔽部3が存在するために、発熱部品5及びヒートシンク9からの熱放射が熱遮蔽部3により遮蔽されることになって、発熱部品5及びヒートシンク9から非発熱部品6への不要な熱放射イが軽減される。このために、電源装置全体の信頼性が向上することになる。
【0028】また、発熱部品5及びヒートシンク9から非発熱部品6への不要な熱放射イが軽減されるために、ヒートシンク9の形状については、発熱部品5の放熱だけを考慮した最小のサイズを選択することが可能になるし、また、ケース2の通風のためのスリットを設ける必要がないために、ケース2の強度が向上する。また、ケース2においては、その後部ケースユニットN2の内面の左側に、後面部2Bと上面部2Cとに跨がって板状の熱遮蔽部3が形成してあるために、ケース2の強度が向上する。
【0029】また、前記熱遮蔽部3とヒートシンク9との間に溜る熱気をケース2外に出すために、図4に示すように熱遮蔽部3とヒートシンク9との間の空間部10の周壁部分に相当するケース2の前、後面部2A、2B及び上、下面部2C、2Dに多数のスリット11を設けてもよい。
【0030】また、図5及び図6に示すように、ケース2の前部ケースユニットN1に、これの前面部2A及び下面部2Dの左端部に跨がって閉塞部材である閉塞板12を設け、前部ケースユニットN1内に、この下面部2Dにスペーサ8を介して基板4を設けて、前部ケースユニットN1と後部ケースユニットN2とを結合して、ヒートシンク9を無くしてもよい。この場合、熱遮蔽部3は、発熱部品5と非発熱部品6との間に位置していて、この熱遮蔽部3の前端部3Aは前面部2Aの内面に当接しており、また、熱遮蔽部3の下端部3Bは基板4の上面部に当接して、この基板4を上から押えている。なお、熱遮蔽部3とヒートシンク9との間の空間部13の周壁部分に相当するケース2の前、後面部2A、2B及び上、下面部2C、2D及び閉塞板12に多数のスリット14を設けてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電子機器の放熱構造によれば、熱遮蔽部の存在により、放熱を必要とする発熱部品から非発熱部品側への熱放射(及びヒートシンク)から非発熱部品側への熱放射を遮断することができるようになって、発熱部品(及びヒートシンク)から非発熱部品への不要な熱放射が軽減される。このために、電源装置全体の信頼性を向上させることができる。
【0032】また、発熱部品(及びヒートシンク)から非発熱部品への不要な熱放射が軽減されるために、ヒートシンクの形状については、発熱部品の放熱だけを考慮した最小のサイズを選択することが可能になし、また、ケースの通風のためのスリットを設ける必要がないために、また、熱遮蔽部が設けてあるためにケースの強度が向上する。
【0033】また、本発明に係る電子機器の放熱構造によれば、ヒートシンクを無くすことができるし、発熱部品を含む空間部に閉じ込められた高温の空気をスリットから外気に放出することができるばかりか、熱遮断部で基板を押えて、基板のケース側への固定を確実に行うことができる。
【0034】また、本発明に係る電源装置によれば、請求項1乃至請求項5の電子機器の放熱構造のいずれかを用いたことにより、発熱部品(及びヒートシンク)から非発熱部品への不要な熱放射が軽減することができて、信頼性を向上させることができる電源装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青木 輝夫
【公開番号】 特開平11−233978
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−52918