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【発明の名称】 電子回路パッケージ及びその誤実装保護方式
【発明者】 【氏名】多田 則久

【氏名】福地 信之

【氏名】小林 信之

【氏名】須田 晃司

【氏名】村田 和久

【要約】 【課題】電子回路パッケージ及びその誤実装保護方式に関し、パッケージやケーブルの誤実装から電子回路を有効に保護できることを課題とする。

【解決手段】給電端子と、前記給電端子間に接続され、かつ他の所定の端子を介して入力される信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力する実装状態判別部と、前記制御信号に従い回路の出力信号を付勢/消勢される、又は回路への給電を付勢/消勢される1又は2以上の電子回路とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給電端子と、前記給電端子間に接続され、かつ他の所定の端子を介して入力される信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力する実装状態判別部と、前記制御信号に従い回路の出力信号を付勢/消勢される1又は2以上の電子回路とを備えることを特徴とする電子回路パッケージ。
【請求項2】 給電端子と、前記給電端子間に接続され、かつ他の所定の端子を介して入力される信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力する実装状態判別部と、前記制御信号に従い給電をON/OFFするスイッチ手段と、前記スイッチ手段を介して給電される1又は2以上の電子回路とを備えることを特徴とする電子回路パッケージ。
【請求項3】 電子回路はパッケージの信号出力端子に信号を出力する回路であることを特徴とする請求項2に記載の電子回路パッケージ。
【請求項4】 実装状態判別部は、複数の端子を介して入力される各信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力するデコーダ回路よりなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の電子回路パッケージ。
【請求項5】 実装状態判別部は、一つの端子を介して入力される信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力するレベル検出回路よりなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の電子回路パッケージ。
【請求項6】 複数の電子回路パッケージが架構成のスロットに実装される装置の前記電子回路パッケージの誤実装保護方式において、自パッケージの識別ID情報を保持する複数の被監視パッケージと、前記各被監視パッケージにつき夫々の識別ID情報と実装されるべきスロット位置情報とを関係付けたテーブルを保持すると共に、前記各被監視パッケージとの間でデータ通信を行う監視パッケージとを備え、前記監視パッケージは、各実装位置の被監視パッケージから夫々の識別ID情報を収集すると共に、これらと前記テーブルの情報とを比較し、比較一致が得られた被監視パッケージの出力信号を付勢するように制御することを特徴とする電子回路パッケージの誤実装保護方式。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子回路パッケージ及びその誤実装保護方式に関する。例えば伝送装置やコンピュータ装置等では同一形状をした異なる機能の多数の電子回路パッケージ(基板)が架構成のスロットに実装される。このため、装置の設置や保守時にはパッケージや該パッケージ間を接続するケーブルを誤実装したままで電源ONしてしまうことが少なくなく、これを放置するとパッケージを破壊してしまう可能性が大きい。
【0002】
【従来の技術】従来は、専ら基板を機構的に誤挿入できなくするような所謂誤挿入防止キーを設けていた。しかし、基板毎又はケーブルコネクタ毎に異なる誤挿入防止キーを設けるのは製造や管理が煩雑であり、装置のコストアップにもつながる。このため、誤挿入防止キーを設けていない装置も多く見受けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その結果、装置の設置や保守時にはパッケージやケーブルを誤実装したままで電源ONしてしまうことが少なくなく、その際にはパッケージ間の出力信号が衝突し、しばしば信号出力回路が破壊されていた。従って、本発明の目的は、人為的ミスから電子回路を有効に保護できる電子回路パッケージ及びその誤実装保護方式を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は例えば図1の構成により解決される。即ち、本発明(1)の電子回路パッケージ10は、給電端子と、前記給電端子間に接続され、かつ他の所定の端子を介して入力される信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力する実装状態判別部と、前記制御信号に従い回路の出力信号を付勢/消勢される1又は2以上の電子回路とを備えるものである。
【0005】本発明(1)によれば、パッケージ10が例えばバックプレーン20に誤実装された場合は、これを検出した実装状態判別部の出力の制御信号により電子回路の出力信号は消勢され、よって他のパッケージの電子回路の出力信号と衝突することは無い。又は、図示しないが、パッケージ10に例えば他のパッケージからの信号ケーブが誤実装された場合は、これを検出した実装状態判別部の出力の制御信号により電子回路の出力信号は消勢され、よって他のパッケージの電子回路の出力信号と衝突することは無い。従って、人為的ミスから電子回路を有効に保護できる。
【0006】また、本発明(2)の電子回路パッケージ10は、給電端子と、前記給電端子間に接続され、かつ他の所定の端子を介して入力される信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力する実装状態判別部と、前記制御信号に従い給電をON/OFFするスイッチ手段と、前記スイッチ手段を介して給電される1又は2以上の電子回路とを備えるものである。
【0007】本発明(2)によれば、パッケージや信号ケーブルの実装に関して人為的ミスがあっても、当該パッケージの電子回路には給電されないため、電子回路を有効に保護できる。好ましくは、本発明(3)においては、上記本発明(2)において、電子回路はパッケージの信号出力端子に信号を出力する回路である。
【0008】本発明(3)によれば、少なくともパッケージの信号出力端子に信号を出力するような電子回路への給電を制限することにより、少ない容量の給電スイッチで人為的ミスから電子回路を有効に保護できる。また好ましくは、本発明(4)においては、上記本発明(1)〜(3)において、実装状態判別部は、複数の端子を介して入力される各信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力するデコーダ回路よりなる。従って、簡単なデコーダ回路により多数の実装状態を識別できる。
【0009】また好ましくは、本発明(5)においては、上記本発明(1)〜(3)において、実装状態判別部は、一つの端子を介して入力される信号レベルに基づき自パッケージに関する実装状態の適/否を判別して対応する制御信号を出力するレベル検出回路よりなる。従って、実装状態の適/否を判別するための信号数(基板端子数)を少なくでき、残りの基板端子を有効に利用できる。
【0010】また、本発明(6)の電子回路パッケージの誤実装保護方式は、複数の電子回路パッケージが架構成のスロットに実装される装置の前記電子回路パッケージの誤実装保護方式において、自パッケージの識別ID情報を保持する複数の被監視パッケージと、前記各被監視パッケージにつき夫々の識別ID情報と実装されるべきスロット位置情報とを関係付けたテーブルを保持すると共に、前記各被監視パッケージとの間でデータ通信を行う監視パッケージとを備え、前記監視パッケージは、各実装位置の被監視パッケージから夫々の識別ID情報を収集すると共に、これらと前記テーブルの情報とを比較し、比較一致が得られた被監視パッケージの出力信号を付勢するように制御するものである。
【0011】本発明(6)においては、監視パッケージは各被監視パッケージにつき夫々の識別ID情報と実装されるべきスロット位置情報とを関係付けたテーブルを保持している。そして、今、あるスロットに被監視パッケージが実装されていたとすると、該スロットの被監視パッケージからその識別ID情報を取得し、前記テーブルの情報と比較する。この場合に、比較一致が得られた場合は、当該スロットには適正な被監視パッケージが実装されていることになり、よって該被監視パッケージの出力信号を付勢(又は電子回路部に給電)するように遠隔制御する。また、比較一致が得られなかった場合は、当該スロットには他の被監視パッケージが誤実装されていることになり、よってその被監視パッケージの出力信号を付勢しない。従って、人為的ミスから電子回路を有効に保護できる。
【0012】この場合に、本発明(6)によれば、テーブルの情報を変えるだけで、どのような基板構成の装置にも柔軟に対処できるので、極めて汎用性の高い誤実装保護システムを構築できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。図2は第1の実施の形態による電子回路パッケージ(基板)を説明する図で、図2(A)は基板の構造及び該基板が実装されるバックプレーンとの関係を示している。
【0014】図において、10は基板、11はそのコネクタ端子、12は電子回路部、13は出力回路部、BFはバッファ回路、14はデコーダ(DEC)、20はバックプレーン、21はそのコネクタ端子である。バックプレーン20において、端子P1には+Vが、また端子P21にはGNDが夫々不図示の装置電源より給電される。また、端子P17〜P19は、バックプレーン20のスロットアドレスSADを表すために用いられ、この例ではバックプレーン内で端子P17,P19=1(ハイレベルH)、かつ端子P18=0(ローレベルL)に夫々接続されれいる。
【0015】この接続は、図2(B)に示す如く、スロットアドレスSAD=5に対応している。バックプレーン20の各スロットアドレスSADのコーディングはスロット毎に異なっており、この例ではスロットアドレスSAD=0〜7に対応するバイナリコードで各端子P17〜P19にH,L(+V,GND)の信号レベルが加えられている。なお、必要ならスロットアドレスSAD=8以降は上記と同じ又は逆等の順序でバイナリコードが振り分けられる。これは、アドレス端子数の節約と、実際に基板の誤実装が離れたスロット間では起こり難いことを考慮した一例の配置である。
【0016】図2(A)に戻り、この基板10はスロットアドレスSAD=5に挿入すべき基板の回路構成を示している。ここで、電子回路部12にはアナログ方式やデジタル方式の様々な機能を有する電子回路が含まれる。出力回路部13は、上記電子回路部12の一部に含まれ、ここには基板10の出力端子に信号を出力するような複数の電子回路(例えばバッファ回路BF1〜BFn)が含まれている。バッファ回路BF1〜BFnは、3ステートの出力モードを持っており、ゲート端子G=1(ハイレベル)の時は、その出力はハイインピーダンスに保たれ、またゲート端子G=0(ロ−レベル)の時は、その出力信号は入力信号のハイ/ローのレベルに応じてハイ/ローのレベルにドライブされる。そして、デコーダ14は、例えば3入力のNANDゲート回路から成っており、この例では上下の2入力端子がハイレベルで、かつ中央の1入力端子がローレベルの時、その出力はローレベルとなり、それ以外の入力の場合の出力はハイレベルとなる。なお、基板毎に異なるデコード方法のデコーダ14が用いられることは言うまでもない。
【0017】係る構成により、基板10をバックプレーン20に挿入し、装置の電源を上げると、端子P1,P21を介して電源+V,GNDが基板10に供給される。これにより電子回路部12及び出力回路部13には一斉に給電され、各電子回路は活性化される。但し、各バッファ回路BF1〜BFnのゲート端子G1〜Gnにはデコーダ14の出力信号が入力されており、これにより各バッファ回路BF1〜BFnの出力に関しては基板10の実装状態の適否による制限を受けることになる。
【0018】即ち、図示の如く、スロットアドレスSAD=5に挿入されるべき基板10がスロットアドレスSAD=5に挿入された場合は、デコーダ14の出力信号=0となり、各バッファ回路BF1〜BFnは夫々に入力信号に応じた出力信号を出力する。適正に挿入された基板10の出力信号は他の基板の出力信号とは衝突しないからである。しかし、スロットアドレスSAD=5に挿入されるべき基板10が例えば隣のスロットアドレスSAD=6に誤挿入されたような場合には、デコーダ14の出力信号=1となり、各バッファ回路BF1〜BFnの出力は一斉にハイインピーダンスとなる。従って、この場合の各バッファ回路BF1〜BFnは他の基板の出力回路に損傷を与えることも無いし、また自らの出力回路が損傷を受けることも無い。従って、基板の誤実装による出力回路の損傷を有効に防止できる。
【0019】なお、図示しないが、デコーダ14の出力信号=1に基づき、例えば赤色のホトダイオードが点灯するように回路を構成しても良い。こうすれば、保守者は基板10が誤実装状態にあることを容易に認識でき、速やかに対処できる。また、上記デコーダ14を設ける代わりに、ディップスイッチやジャンパ回路等による自アドレスの設定保持部と比較器とを備え、外部入力のスロットアドレスSADと自アドレスとが一致した場合は比較器から出力信号=0を出力し、それ以外の入力の場合は比較器から出力信号=1を出力するように回路を構成しても良い。なお、以上のことは、以下の各実施の形態についても同様である。
【0020】図3は第2の実施の形態による電子回路パッケージを説明する図で、誤実装された基板10の出力回路部13に給電しない場合を示している。図3(A)において、15は給電スイッチ部、GA1〜GAnはゲート回路である。ゲート回路13はAND,OR,EX−OR、バッファ、インバータ等の各種ゲート回路からなる。また、他のフリップフロップ回路、LSI素子及びアナログ回路等が出力回路部13に含まれていても良い。要するに、この出力回路部13には基板10の端子から信号を出力するような全ての電子回路が含まれ得る。
【0021】給電スイッチ部15には色々なスイッチ素子を使用できる。図3(B)にはコイルLとリレー接点とからなるリレー回路、図3(C)にはホトダイオードPDとホトトランジスタQとからなるホトカプラ、図3(D)にはpMOSFETで構成された給電スイッチ部が、夫々示されている。係る構成では、基板10をバックプレーン20に挿入し、装置の電源を上げると、端子P1,P21を介して電源+V,GNDが基板10に供給される。これにより電子回路部12には一斉に給電され、各電子回路は活性化される。一方、出力回路部13へは給電スイッチ部15を介して給電される構成となっており、これにより出力回路部13への給電に関しては基板10の実装状態の適否による制限を受けることになる。
【0022】即ち、図示の如く、スロットアドレスSAD=5に挿入されるべき基板10がスロットアドレスSAD=5に挿入された場合は、デコーダ14の出力信号=0により給電スイッチ部15がONとなり、出力回路部13にも一斉に給電される。しかし、スロットアドレスSAD=5に挿入されるべき基板10が例えば隣のスロットアドレスSAD=6に誤挿入されたような場合には、デコーダ14の出力信号=1により、給電スイッチ部15はOFFしたままとなり、出力回路部13には給電されない。従って、この場合の各ゲート回路GA1〜GAnは他の基板の出力回路に損傷を与えることも無いし、また自らの出力回路が損傷を受けることも無い。
【0023】図4は第3の実施の形態による電子回路パッケージを説明する図で、誤実装された基板10のデコーダ14を除く全電子回路に給電しない場合を示している。図において、デコーダ14を除く電子回路部12には給電スイッチ15を介して給電される構成となっており、またこの電子回路部12の一部である出力回路部13にはゲート回路GA,コンパレータCMP,オペアンプOPA等の様々な出力回路が含まれている。
【0024】係る構成では、基板10をバックプレーン20に挿入し、装置の電源を上げると、端子P1,P21を介してまずデコーダ14に給電され、デコーダ14は活性化される。一方、電子回路部12へは給電スイッチ部15を介して給電される構成となっており、これにより電子回路部12への給電に関しては基板10の実装状態の適否による制限を受けることになる。
【0025】即ち、図示の如く、スロットアドレスSAD=5に挿入されるべき基板10がスロットアドレスSAD=5に挿入された場合は、デコーダ14の出力信号=0により給電スイッチ部15がONとなり、電子回路部12にも一斉に給電される。しかし、スロットアドレスSAD=5に挿入されるべき基板10が例えば隣のスロットアドレスSAD=6に誤挿入されたような場合には、デコーダ14の出力信号=1により、給電スイッチ部15はOFFしたままとなり、電子回路部12には給電されない。従って、この場合の各出力回路は他の基板の出力回路に損傷を与えることも無いし、また自らの出力回路が損傷を受けることも無い。
【0026】図5,図6は第4の実施の形態による電子回路パッケージを説明する図(1),(2)で、単一端子の信号レベルに基づきスロットアドレスSADを識別する場合を示している。図5(A)において、バックプレーン20の端子P5には端子P21よりローレベル(GND)が加えられている。図5(B)に示す如く、これはスロットアドレスSAD=3であることを表している。バックプレーン20のどの端子にローレベルを加えておくかはスロット毎に異なっている。この例ではスロットアドレスSAD=0〜4に対応して端子P2〜P6に順々にローレベルが加えられている。なお、必要ならスロットアドレスSAD=5以降は上記と同じ又は逆等の順序で各端子にローレベルが順に加えられる。この場合に、他の基板から出力されるロー信号レベルが本基板10において誤ってスロットアドレス信号と認識されるのを避ける為、好ましくは、各基板10の端子P2〜P6は信号の入出力には使用されない。
【0027】図5(A)に戻り、この基板10はスロットアドレスSAD=3に挿入すべき基板の回路構成を示している。ここでは端子P5と各バッファ回路BF1〜BFnのゲート端子G1〜Gnとが接続され、かつこの端子P5はプルアップ抵抗Rを介して端子P1(+V側)に接続されている。なお、このプルアップ抵抗Rは一種のレベル検出回路である。
【0028】係る構成により、基板10をバックプレーン20に挿入し、装置の電源を上げると、電子回路部12及び出力回路部13には一斉に給電され、各電子回路は活性化される。但し、各バッファ回路BF1〜BFnのゲート端子G1〜Gnには端子P5からの信号レベルが入力されており、これにより各バッファ回路BF1〜BFnの信号出力に関しては基板10の実装状態の適否による制限を受けることになる。
【0029】即ち、図示の如く、スロットアドレスSAD=3に挿入されるべき基板10がスロットアドレスSAD=3に挿入された場合は、端子P5からの信号レベルがローレベルとなり、各バッファ回路BF1〜BFnは夫々に入力信号に応じた出力信号を出力する。しかし、スロットアドレスSAD=3に挿入されるべき基板10が例えば隣のスロットアドレスSAD=4に誤挿入されたような場合には、端子P5からの信号レベルがプルアップ抵抗Rの働きによりハイレベルとなり、各バッファ回路BF1〜BFnの出力は一斉にハイインピーダンスとなる。
【0030】従って、この場合の各バッファ回路BF1〜BFnは他の基板の出力回路に損傷を与えることも無いし、また自らの出力回路が損傷を受けることも無い。図6はスロットアドレスの配線の仕方が異なる場合を示している。即ち、この例では基板10の側にロ−レベルの供給端子P17とその受信端子P5とを備えており、一方、これに対するバックプレーン20の側では前記供給端子P17と受信端子P5との間を短絡するように配線が設けられている。この場合も、他の基板から出力されるロー信号レベルが本基板10において誤ってスロットアドレス信号と認識されるのを避ける為、好ましくは、各基板の端子P2〜P6及びP16〜P20は信号の入出力には使用されない。
【0031】図6の方法によれば、ロ−レベルの供給端子とその受信端子との組み合わせにより多様な配線パターン(スロットアドレス)を実現可能である。例えば図示の如くロ−レベルの供給端子とその受信端子とを夫々5個とすると、トータルで25種類のスロットアドレスを生成でき、かつ識別可能となる。なお、以上はバッファ回路BF1〜BFnの出力を制限する場合を述べたが、電子回路部12又は出力回路部13への給電を制限するように回路を構成しても良いことは明らかである。
【0032】図7は第5の実施の形態による電子回路パッケージを説明する図で、複数の基板間が、バックプレーン20では無く、フラットケーブル等で接続される場合への適用例を示している。図において、10は基板、12は電子回路部、16は基板に設けたコネクタ、22はフラットケーブル、23はフラットケーブルに設けたコネクタ、Dはドライバ回路、Rはレシーバ回路である。
【0033】ここで、フラットケーブル23は、基板10A,10B間の信号を接続すると言う意味ではバックプレーン20と同様に考えられる。但し、フラットケーブル23のそのものにスロットアドレスなる信号源を設けるのは困難であるため、対向基板のコネクタ16からスロットアドレスSADに相当する信号(コネクタアドレス)を供給することとする。従って、この例では、基板の誤挿入と言うよりも、むしろケーブルの誤挿入から電子回路を保護することになる。
【0034】図において、正常な場合は、コネクタ16bとコネクタ23b及びコネクタ16dとコネクタ23dとが夫々接続される。この状態では、コネクタ16dからの特定の端子を介するGNDレベル(コネクタアドレス)がケーブル22Bを介してドライバ回路D1のゲート端子に加えられ、これによりドライバ回路D1は出力信号を出力可能となる。ケーブル22Aの側についても同様に考えられる。
【0035】しかし、もし誤ってケーブル22Aのコネクタ23aを基板10Aのコネクタ16bの側に接続すると、ドライバ回路D1,D2の各出力ラインが衝突することとなり、ドライバ回路D1,D2が破壊される恐れが生じる。しかし、本第5の実施の形態によれば、係る誤接続をした場合でも、コネクタ16cからはドライバ回路D1のゲート端子にローレベルが提供されず、またコネクタ16bからもドライバ回路D2のゲート端子にはローレベルが提供されない。従って、ドライバ回路D1,D2の双方から出力信号が出力されず、よってドライバ回路D1,D2は共に損傷を受けない。
【0036】なお、上記コネクタアドレスは複数の信号線を使った符号方式により表示可能である。また、コネクタアドレスは1本のケーブルにつき双方の基板から双方向に表示可能である。また、コネクタ誤挿入の判定に基づき、電子回路部12や出力回路部13への給電を制限するように回路を構成しても良い。図8〜図10は実施の形態による電子回路パッケージの誤実装保護方式を説明する図(1)〜(4)で、架構成の特定のスロットに挿入された監視基板が他の複数の被監視基板の誤実装保護制御を集中して行う場合を示している。
【0037】図8はバックプレーン20の正面図を示している。監視基板30は例えばカラム#0のスロット0に挿入され、他の複数の被監視基板40はカラム#0及び#1の残りの各スロットに挿入される。なお、図示しないが、カラム#2以降が存在していても良い。バックプレーン20の端子P1には+Vが、また端子P13にはGNDが夫々給電され、また各スロットの端子P10〜P12には夫々に固有のスロットアドレスSADのコーディングが施されている。また、各スロットにおける端子P9は監視基板30と各被監視基板40との間でシリアルデータ通信を行うための端子に用いられる。
【0038】図9は監視基板及び被監視基板の回路構成を示している。図において、30は監視基板、31は電子回路部、32は監視制御を行うCPU、33はCPU32が実行する図11の監視制御処理及び図10(A)の基板実装テーブル等を記憶しているメインメモリ(MM)、34は被監視基板40とデータ通信を行うための通信インタフェース(CIF)、35は通信ラインを切り替えるためのスイッチ部(SW)、36はCPU32の共通バス、40は被監視基板、41は被監視基板本来の機能(伝送装置の各種機能等)を実現するための電子回路部、42は被監視制御を担当する被監視制御部、43は被監視基板の識別ID情報を保持すると共に、図11の被監視制御処理を実現する制御部、44は監視基板30と通信するための通信インタフェース(CIF)である。
【0039】監視基板30は適正に実装されているとデコーダ14を満足し、給電スイッチ部15を介して自ら給電される。一方、各被監視基板40では通信制御に必要な被監視制御部42のみが無条件で給電され、電子回路部41への給電は監視基板30からの制御部43を介する遠隔制御により行われる。また、この制御部43には端子P10〜P12から供給されスロットアドレスSADがデータとして入力しており、監視基板30との間のデータ通信時のアドレス情報として使用される。
【0040】図10(A)は基板実装テーブルの記憶構造を示している。基板実装テーブルは、カラムとスロットで特定される位置にどの様な識別IDの非監視基板40が実装されるべきであるかを予め記憶している。但し、カラム#0のスロット0には監視基板30が実装されるため、このエリアの情報に関しては非関知である。図において、例えばカラム#0のスロット3にはID#07の被監視基板が、またスロット4にはID#10の被監視基板が、またスロット5にはID#03の被監視基板が、夫々実装されるべきであることが記憶されている。他の欄についても同様である。なお、識別IDの記憶されていない欄は、このスロットに被監視基板40が実装されなくても良いことを表す。
【0041】図10(B)は監視基板30と被監視基板40との間でやり取りされる通信フレームのフォーマットを示している。ここで、「開始フラグ」はフレーム開始を表す特定のビット情報(例えば8ビット)からなる。「スロットアドレス」には被監視基板40が実際に実装されているスロットのスロットアドレスSADが搭載される。「識別子」はフレームの機能種別を表す。フレームの機能種別にはポーリング、ポーリング応答、コマンド等がある。「情報」には基板ID情報又は電源ON/OFF等のコマンドの内容情報が搭載される。「フレーム検査」にはスロットアドレスの欄から情報の欄までの内容のパリティー検査情報(又はCRC検査情報等)が搭載される。そして、「終了フラグ」はフレーム終了を表す特定のビット情報(例えば8ビット)からなる。
【0042】図11は基板誤実装時の電子回路保護処理のフローチャートを示している。なお、図はカラム#0に実装された各被監視装置40に対する処理を示しており、カラム#1以降の被監視装置40に対する処理も同様に考えられる。監視基板30に電源投入されると監視制御処理に入力する。ステップS1では必要な初期処理を行う。例えばスイッチ部35をポートPT0の側に接続する。ステップS2ではカウンタIに「1」をセットする。ステップS3ではポーリングフレームを生成し、CIF34,SW35を介して端子P9のラインに送信する。この時、送信先「スロットアドレス」=1、「識別子」=ポーリングが搭載されている。
【0043】ステップS4では被監視基板40からのポーリング応答フレームの受信を待ち、受信されない場合は、ステップS5でタイムアウトか否かを判別する。なお、この例ではカラム#0のスロット1には被監視基板40が実装されていないので、最終的にはタイムアウトとなる。この場合はステップS9でカウンタIに+1し、続くステップS10ではI≧7か否かを判別する。I≧7でない場合は次の被監視基板40を処理するためにステップS3に戻る。
【0044】こうして、やがてステップS3では送信先「スロットアドレス」=3のポーリングフレームを送信することになる。ステップS4ではポーリング応答フレームの受信を待ち、受信されるとステップS6に進む。この時、ポーリング応答フレームには送信元「スロットアドレス」=3、「識別子」=ポーリング応答、「情報」=被監視基板40の識別ID#07が搭載されている。
【0045】ステップS6では基板実装テーブルのスロット3の登録IDとポーリング応答フレームの受信IDとを比較し、ステップS7では一致か否かを判別する。このとき、スロット3に正しい被監視基板40が実装されている場合は両ID情報が一致し、また誤った被監視基板40が実装されている場合は不一致となる。一致の場合はステップS8でコマンドフレームを生成し、当該被監視基板40に送信する。この時、送信先「スロットアドレス」=3、「識別子」=コマンド、「情報」=電源ONが搭載されている。また不一致の場合はステップS8の処理をスキップする。即ち、電源ONコマンドを送信しない。
【0046】ステップS9ではカウンタIに+1し、以下、同様にして進む。そして、やがてスロット7の被監視基板40に対する処理が終了すると、ステップS10の判別ではI≧7を満足し、カラム#0に対する処理を抜ける。一方、被監視基板30に電源投入されると被監視制御処理に入力する。ステップS31では必要な初期処理を行う。ステップS32では監視基板30からの何らかのフレーム受信を待ち、受信されるとステップS33で受信フレームの送信先「スロットアドレス」が自己のスロットアドレスSADと一致するか否かを判別する。一致しない場合はステップS32に戻り、次のフレーム受信を待つ。
【0047】また一致する場合は、ステップS34で更にポーリングフレームの受信か否かを判別する。ポーリングフレームの場合はステップS35で被監視基板の識別ID情報を獲得する。ステップS36ではポーリング応答フレームを生成し、監視基板30に送信する。この時、例えば送信元「スロットアドレス」=3、「識別子」=ポーリング応答、「情報」=ID#07が搭載されている。
【0048】また上記ステップS34の判別でポーリングフレームの受信でない場合は、ステップS37で更にコマンドフレームの受信か否かを判別する。コマンド受信の場合は、更にステップS38で電源ONコマンドか否かを判別し、電源ONコマンドの場合はステップS39で給電スイッチ部15に対する制御信号S=0とする。これにより給電スイッチ部15がONし、電子回路部41に給電される。なお、誤実装の被監視基板40には電源ONコマンドが送信されないので、その電子回路部41には給電されない。
【0049】また上記ステップS38の判別で電源ONコマンドで無い場合はステップS40で電源OFFコマンドか否かを判別する。電源OFFコマンドの場合はステップS41で電子回路部41への給電をOFFにする。なお、この電源OFFコマンドは、上記ポーリング処理では生成されず、例えば保守者の保守端末入力等により起動される。
【0050】かくして、本実施の形態によれば、正常に実装された被監視基板40のみが電源供給されるため、正常に実装された各被監視基板40の出力回路は他の基板の出力回路に損傷を与えることも無いし、また自らの出力回路が損傷を受けることも無い。また、基板実装テーブルの内容を変えるだけで、どのような基板構成の装置でも基板誤実装から電子回路を有効に保護できる。
【0051】なお、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、及びこれらの組合せの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0052】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、パッケージやケーブルの誤実装を検出して出力回路への給電又はその信号出力を制限することにより、人為的ミスから電子回路を有効に保護できる。
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼須 宏
【公開番号】 特開平11−233974
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−28341