トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 キーボードユニット
【発明者】 【氏名】二上 明久

【要約】 【課題】本発明の課題は、不用意な大型化を招くことなく、押しボタンを押下した際に、良好なクリック感および所期の押荷重を得ることのできる、キーボードユニットを提供することにある。

【解決手段】本発明のキーボードユニット5は、押しボタン3a、ベース3b、およびスカート3cを有するとともに弾性材料から形成されるスイッチシート3と、薄板から形成されるとともにスイッチシート3のベース3bに設けられ、電気的な絶縁性およびスイッチシート3におけるベース3bの変形を抑え得る硬度を備えたサポートシート4とを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性材料から形成され、押しボタン、ベース、および前記ベースに前記押しボタンを支持するスカートを備えたスイッチシートと、薄板から形成されるとともに前記ベースに設けられ、電気的な絶縁性および前記スイッチシートにおける前記ベースの変形を抑え得る硬度を備えたサポートシートと、を具備して成ることを特徴とするキーボードユニット。
【請求項2】 前記スイッチシートを透明とするとともに、前記サポートシートの前記スイッチシートと対向する面を白色または鏡面とし、光源を備えた回路基板上に設置されることを特徴とする請求項1記載のキーボードユニット。
【請求項3】 前記サポートシートを、絶縁材料から成るベースシートと、導電材料から成るシールドシートとを、互いに接合することによって構成したことを特徴とする請求項1記載のキーボードユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器のキーボードスイッチを構成するキーボードユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器、例えば図6に示す携帯電話機Aでは、ケーシングを構成する前面ケースBaおよび背面ケースBbの内部に、回路基板(印刷配線板)Cが収容設置されているとともに、この回路基板Cには、キーボードスイッチを構成するキーボードユニットとしてのスイッチシートDが設置されている。
【0003】図7および図8に示す如く、スイッチシート(キーボードユニット)Dは、所定個数の押しボタンDa,Da…と、平板状のベースDbと、このベースDbに対して押しボタンDaを支持するスカートDc,Dc…とを具備し、シリコンゴムやエラストマー等の柔軟な弾性材料によって一体に形成されている。
【0004】上述の如きスイッチシート(キーボードユニット)Dを要素とするキーボードスイッチでは、押しボタンDaを押下した際に、スカートDcが反転する態様で変形することにより、使用者にクリック感を与えるとともに、押しボタンDaの底面に設けた接点Deが、回路基板C上のスイッチパターン(図示せず)と接触することにより導通する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した構成のスイッチシート(キーボードユニット)Dでは、押しボタンDa,Da…同士の間隔を小さく設定した場合や、ベースDbの肉厚を薄く設定した場合、図8に示す如く押しボタンDaを押下した際に、スカートDcの変形に伴ってベースDbが変形してしまい、これによって良好なクリック感を得ることができず、また押しボタンDaに対する押荷重が所期の設計値より低くなってしまう虞れがある。
【0006】このような不都合を解消するには、押しボタンDa,Da…同士の間隔を大きく設定したり、あるいはベースDbの肉厚を厚く設定することが有効であるが、スイッチシートDの大型化、延いては電子機器の大型化を招来する不都合を免れ得ない。
【0007】本発明は上記実状に鑑みて、不用意な大型化を招くことなく、押しボタンを押下した際に良好なクリック感、および所期の押荷重を得ることのできる、キーボードユニットの提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく、本発明に関わるキーボードユニットは、押しボタン、ベース、およびスカートを備え、かつ弾性材料から形成されるスイッチシートと、薄板から形成されるとともにスイッチシートのベースに設けられ、電気的な絶縁性およびスイッチシートにおけるベースの変形を抑え得る硬度を備えたサポートシートとを具備している。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。図1乃至図3は、本発明を携帯電話機のキーボードユニットに適用した第1の実施例を示しており、図1に示す如く携帯電話機1は、前面ケース1aおよび背面ケース1bを備え、その内部には回路基板2が収容設置されているとともに、スイッチシート3とサポートシート4とを備えて成るキーボードユニット5が収容されている。
【0010】キーボードユニット5を構成するスイッチシート3は、図2および図3に示す如く、所定個数の押しボタン3a,3a…と、矩形状を呈するベース3bと、該ベース3bに各押しボタン3a,3a…を支持するスカート3c,3c…とを具備している。
【0011】また、スイッチシート3を構成する押しボタン3a、ベース3b、およびスカート3cは、それぞれシリコンゴムやエラストマー等の弾性材料によって、互いに一体に形成されている。
【0012】一方、サポートシート4は、約 0.1mm厚のポリエステルシートから構成されており、上記スイッチシート3のベース3bに対応した矩形状を呈し、かつスイッチシート3の押しボタン3a,3a…、およびスカート3c,3c…に対応する部位には、図1〜図3に示す如く開口4a,4a…が形成されている。
【0013】さらに、サポートシート4は、スイッチシート3の押しボタン3a,3a…、およびスカート3c,3c…に、各開口4a,4a…を合致させた態様で、スイッチシート3におけるベース3bの底面に、接着剤6を用いて取り付けられており、このようにスイッチシート3とサポートシート4とが一体に結合されることでキーボードユニット5が構成されている。
【0014】ここで、ポリエステルシートから成る上記サポートシート4は、電気的な絶縁性を備えているとともに、スイッチシート3におけるベース3bの変形を抑え得る硬度を備えており、接着剤6を用いてスイッチシート3のベース3bに接合されることにより、該ベース3bの剛性を高めるべく作用するものである。
【0015】なお、上記サポートシート4は、スイッチシート3と別個に形成したものを、接着剤6によって接合するのみならず、例えばスイッチシート3を型成形する際に、スイッチシート3とサポートシート4とを互いに一体に成形することも可能である。
【0016】上述の如く構成されたキーボードユニット5は、図2および図3に示す如く、回路基板2のパターン面に、サポートシート4を密接させた態様で装着されており、回路基板2とキーボードユニット5とによって、キーボードスイッチ(押しボタンスイッチ)が構成されている。
【0017】図2に示す如く、キーボードユニット5におけるスイッチシート3の押しボタン3a,3a…が常態位置にあるとき、各々の押しボタン3aは前面ケース1aに形成された開口から外部に臨み、また各押しボタン3aの底面に設けられた接点3eは、回路基板2上のスイッチパターン(図示せず)から離隔している。
【0018】一方、常態位置にある押しボタン3aを押下すると、図3に示す如く、スカート3cが反転する態様で変形することにより、使用者にクリック感を与えるとともに、押しボタン3aの底面に設けた接点3eが、回路基板2上のスイッチパターン(図示せず)と接触することによって導通することとなる。
【0019】ここで、本発明に関わるキーボードユニット5は、上述の如くスイッチシート3のベース3bにサポートシート4を接合することにより、該ベース3bの剛性を高めているので、押しボタン3aを押下した際の、スカート3cの変形に伴うベース3bの変形が可及的に抑えられることとなる。
【0020】これにより、押しボタン3aを押下した際、使用者は良好なクリック感を得ることができ、また押しボタン3aを押下した際には、所期の押荷重を得ることが可能となる。
【0021】一方、押下した押しボタン3aから指が離され、スカート3cの弾性復帰力によって押しボタン3aが常態位置に復帰する際にも、サポートシート4によってベース3bの剛性が高められているため、押しボタン3aは確実に復帰動作し、回路基板2上のスイッチパターン(図示せず)から、接点3eが確実に離隔することとなる。
【0022】このように、本発明に関わるキーボードユニット5では、スイッチシート3のベース3bにサポートシート4を接合し、ベース3bの剛性を増大させたことにより、押しボタン3aを押下した際に、スカート3cの変形に伴ってベース3bが変形することを抑制しているので、押しボタン3aを押下した際に、良好なクリック感および所期の押荷重を得ることができる。
【0023】また、サポートシート4によってベース3bの剛性を増大させたことにより、スイッチシート3における押しボタン3a,3a…の間隔を狭く設定することが可能となり、これによってキーボードユニット5の小型化、さらにはキーボードユニット5を採用した携帯電話機1の小型化が達成されることとなる。
【0024】さらに、ベース3bの底面に接合されるサポートシート4は、肉厚の極めて薄いポリエステルシートから形成されているので、キーボードユニット5の厚さを徒らに増大させることなく、ベース3bの剛性を向上させることができ、これによってキーボードユニット5の薄型化、さらにはキーボードユニット5を採用した携帯電話機1の薄型化が達成されることとなる。
【0025】図4は、本発明を携帯電話機1′のキーボードユニット5′に適用した第2の実施例を示している。この携帯電話機1′は押しボタンの照明機能を備えており、キーボードユニット5′は、光源(LED:発光ダイオード)Lを備えた回路基板2′に設置され、かつキーボードユニット5′には、光源L,L…を収容するための凹部5a′,5a′…が形成されている。
【0026】キーボードユニット5′のスイッチシート3′は、その全体を透明なシリコンゴム等によって形成されており、またサポートシート4′は、その表面、詳しくはスイッチシート3′に対向する面(図4中の上面)が、光の有効な反射を目的として、白色または鏡面によって構成されており、スイッチシート3′とサポートシート4′とは、透光性を備えた接着剤6′によって接合されている。
【0027】なお、上述したキーボードユニット5′の構成は、スイッチシート3′が透明であること、サポートシート4′の表面が白色/鏡面であること、スイッチシート3′とサポートシート4′とに光源Lの収容部が設けられていること以外、図1から図3に示したキーボードユニット5と基本的に同一なので、キーボードユニット5′の構成要素において、キーボードユニット5の構成要素と同一の作用を成すものには、図4において図1〜図3と同一の符号に ′(ダッシュ)を附して詳細な説明は省略する。
【0028】上記構成のキーボードユニット5′によれば、先に述べたキーボードユニット5と同様の作用効果と併せ、光源Lからの光をサポートシート4′の表面で反射させ、スイッチシート3′の内部を押しボタン3a′まで導くことにより、各押しボタン3a′,3a′…を効率よく照明することができ、視認性の向上や省電力化を達成することが可能となる。
【0029】図5は、本発明を携帯電話機10のキーボードユニット15に適用した第3の実施例を示しており、該キーボードユニット15を構成するサポートシート14は、ポリエステル等の絶縁材料から成るベースシート14aに、接着剤14bを用いて、銅箔等の導電材料から成るシールドシート14cを接合することにより作成されている。
【0030】なお、図中の符号11aは前面ケース、12は回路基板、13はスイッチシート、13aは押しボタン、13bはベース、13cはスカート、16は接着剤であり、上述したサポートシート14以外の構成は、図1〜図3に示したキーボードユニット5と基本的に変わるところはない。
【0031】上記構成のキーボードユニット15によれば、先に述べたキーボードユニット5と同様の作用効果と併せ、回路基板12から生じる電波や、外部から侵入する電波に対して、有効なシールド効果を持たせることが可能となる。
【0032】なお、上述した実施例においては、携帯電話機におけるキーボードユニットを例示したが、本発明は携帯電話機のみならず、様々な電子機器におけるキーボードユニットとして有効に採用し得ることは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明に関わるキーボードユニットは、押しボタン、ベース、およびスカートを備え、弾性材料から形成されるスイッチシートと、薄板から形成されるとともにスイッチシートのベースに設けられ、電気的な絶縁性およびスイッチシートにおけるベースの変形を抑え得る硬度を備えたサポートシートとを具備している。上記構成によれば、サポートシートを設けたことにより、スイッチシートにおけるベースの剛性が増大し、押しボタンを押下した際に、スカートの反転に伴ってベースが変形することを防止できる。また、サポートシートによってベースの剛性が増大させたことにより、スイッチシートにおける押しボタンの間隔を小さく設定することができる。さらに、サポートシートは薄板から形成されているため、キーボードユニットの厚さを徒らに増大させることがない。かくして、本発明に関わるキーボードユニットによれば、不用意な大型化を招くことなく、押しボタンを押下した際に良好なクリック感、および所期の押荷重を得ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成10年(1998)2月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
【公開番号】 特開平11−233973
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−34990