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【発明の名称】 レール取付け型機器
【発明者】 【氏名】西崎 修次郎

【氏名】石川 和宏

【氏名】奥田 量一

【要約】 【課題】支持レールの上下の係合辺に係合連結するレール取付け型機器を部品点数少なく、かつ、製造工程少なく構成して、コスト低減を図る。

【解決手段】機器ケース3の背面に横向きに形成されたレール溝6の上側に、壁面に取り付けられた支持レールの上側の係合辺に係合する係合凹部7を備えるとともに、レール溝6の下側には、支持レールの下側の係合辺に係合する可動係合片8を備えたレール取付け型機器において、この可動係合片8を機器ケース3に一体形成する。ここで、可動係合片を、機器ケース横外方に向かう横向き片持ち状の弾性アーム8aの遊端部に、支持レールの係合辺に係合する爪部8bを設けて構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機器ケースの背面に形成されたレール溝の一側に、壁面に取り付けられた支持レールの上下の係合辺の一方に係合する係合凹部を備えるとともに、レール溝の他側に、支持レールの上下の係合辺の他方に係合する可動係合片を備えたレール取付け型機器であって、前記可動係合片を機器ケースに一体形成してあることを特徴とするレール取付け型機器。
【請求項2】 前記可動係合片を、レール溝に沿って延びる片持ち状の弾性アームの遊端部に、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある請求項1記載のレール取付け型機器。
【請求項3】 前記可動係合片を、両端が固定されたブリッジ状の弾性アームに、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある請求項1記載のレール取付け型機器。
【請求項4】 前記可動係合片を、弾性アームに支持された上下変位可能な可動部に、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある請求項1記載のレール取付け型機器。
【請求項5】 前記可動係合片を、レール溝の底面側から機器ケース背面側に向けて片持ち状に突設された弾性アームの遊端部に、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある請求項1記載のレール取付け型機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユニット電源、温度調節器あるいタイマ装置などの支持レールに取り付けられる各種のレール取付け型機器に関する。
【0002】
【従来の技術】図19は、従来のレール取付け型機器の一例であるユニット電源31を背面から見た斜視図であり、図20はその取り付け構造の側面図である。このレール取付け型機器を連結する支持レール32は、制御盤などの内壁面Wにネジ止めにより横架固定されるものであり、その上下にフランジ状の係合辺32a,32bが屈曲形成されている。また、レール取付け型機器31における機器ケース33の背面には支持レール32を係入する上下幅のレール溝34が横向きに形成され、このレール溝34の上部左右には支持レール32の上側の係合辺32aに係合される係合凹部35が形成されるとともに、レール溝34の下部中央には支持レール32の下側の係合辺32bに係合される樹脂製の可動係合片36が弾性的に上下スライド可能に備えられている。この可動係合片36は、ケース背面に上下スライド自在に嵌合装着されるとともに、可動係合片36の内部に片持ち状に一体形成した弾性アーム36aの遊端部がケース背面にピン係合され、この弾性アーム36aの弾性力によって可動係合片36がレール溝34側に付勢突出されている。
【0003】このレール取付け型機器31の取り付けに際しては、図20(a)に示すように、先ず、機器ケース33を少し傾けた状態で係合凹部35を支持レール32の上側の係合辺32aに係合させ、次に機器ケース33の下部を壁面Wに向けて押しつける。この押しつけによって支持レール32の下側の係合辺32bが可動係合片36を押し下げ変位させながら乗り越え、図20(b)に示すように、復帰上昇変位した可動係合片36が係合辺32bに係合して、レール取付け型機器31が支持レール32の長手方向の任意の位置に係合連結されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成された従来のレール取付け型機器においては、可動係合片を別体として成形していたので、この可動係合片を型成形する製造工程と、これを機器ケースに組付ける工程が必要であり、機器全体としての部品点数が増え、部品管理および製造工程管理、などで手数がかかるとともに、製造工程数が増えてコストアップを招く一因となっていた。
【0005】本発明は、このような点に着目してなされたものであって、部品点数、および、製造工程数の削減によりコスト低減を図ることのできるレール取付け型機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレール取付け型機器の構成および作用は以下のようである。
【0007】請求項1に係る発明は、機器ケースの背面に形成されたレール溝の一側に、壁面に取り付けられた支持レールの上下の係合辺の一方に係合する係合凹部を備えるとともに、レール溝の他側に、支持レールの上下の係合辺の他方に係合する可動係合片を備えたレール取付け型機器であって、前記可動係合片を機器ケースに一体形成している。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記可動係合片を、レール溝に沿って延びる片持ち状の弾性アームの遊端部に、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記可動係合片を、両端が固定されたブリッジ状の弾性アームに、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記可動係合片を、弾性アームに支持された上下変位可能な可動部に、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある。
【0011】請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記可動係合片を、レール溝の底面側から機器ケース背面側に向けて片持ち状に突設された弾性アームの遊端部に、支持レールの係合辺に係合する爪部を設けて構成してある。
【0012】
【作用】請求項1に係る発明によれば、機器ケースの製造工程において可動係合片を同時に形成することができ、また、可動係合片を機器ケースに組付ける工程も不要となる。
【0013】請求項2に係る発明によれば、片持ち状の弾性アームが弾性変形することで、その遊端部に設けた爪部がレール溝に対して出退し、支持レールの係合辺に係脱作用する。この際、弾性アームの先端部を機器ケースの横端から少し突出させておくと、外部から弾性アームを変形させて係合を解除することが可能となる。
【0014】請求項3に係る発明によれば、弾性アームが弾性変形して爪部がレール溝に対して出退変位するので、爪部はレール溝に対して略平行に出退変位することになる。また、この弾性アームはその両端が固定されているので、片持ち状の弾性アームに比較して弾性アーム自体の機器ケースに対する連結強度が高いものとなる。
【0015】請求項4に係る発明によれば、弾性アームに支持された可動部は、レール溝に対して平行に遠近変位することになるので、この可動部に設けた爪部は支持レールの係合辺に平行姿勢を保って係脱作用する。この際、弾性アームを複数本づつ備えると、可動部の平行移動の精度が一層高いものとなる。
【0016】請求項5に係る発明によれば、弾性アームの横幅や横方向での設置位置に制約がなく、レール溝長手方向の任意の位置に設置することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を制御盤などに組付けられるユニット電源に適用した場合の実施の形態のいくつかを図面に基づいて説明する。
【0018】〔第1例〕図1は、本発明に係るレール取付け型電気機器の一例であるユニット電源1を支持レール2に取付けた状態の前面側から見た斜視図、図2は、ユニット電源1を背面側から見た斜視図、また、図3はユニット電源1の背面図である。
【0019】支持レール2は板金プレス加工(あるいはアルミ押出し成型)によって製作された幅数十mm、長さ500〜1000mm程度の長尺部材であり、その上下の折曲げ側辺に沿って上向きおよび下向きにフランジ状に突出した係合辺2a,2bが備えられている。この支持レール2は、そのままの長さで、あるいは適当な長さに切断されて制御盤内などの壁面Wに横向き水平姿勢でネジ止め固定される。
【0020】ユニット電源1は、電源回路機構を内装したプラスチック製の機器ケース3の前面に、複数の接続端子を備えた2列の外部配線部4が設けられるとともに、機器ケース3の背面側の四隅に、ユニット電源1を壁面Wに直接にネジ止めする際に利用する取付け孔5が形成されている。また、ケース背面の上下中央箇所には、ユニット電源1を支持レール2に嵌合連結するために、支持レール2の上下幅と略同幅のレール溝6が形成されている。
【0021】レール溝6における上側縁の左右には、支持レール2の上側の係合辺2aに上方から係合する係合凹部7が形成されるとともに、レール溝6における下側には、支持レール2の下側の係合辺2bに係合する左右一対の可動係合片8がレール溝6に対して出退自在に配備されている。また、左右の可動係合片8の中間には、支持レール2における係合辺2bの先端を受け止めるレール受け止め部9が形成されている。
【0022】この可動係合片8は、機器ケース3に一体形成されたものであり、機器ケース横外方に向かう横向き片持ち状の弾性アーム8aの遊端部に、支持レール2の係合辺2bに係合する爪部8bを設けて構成されている。そして、この弾性アーム8aの先端部8cは、機器ケース3の横端より少し(数ミリ程度)突出されている。
【0023】本発明に係る第1例のレール取付け型電気機器は以上のように構成されており、ユニット電源1を取付けるに際しては、先ず図4(a)に示すように、機器ケース3を少し傾けた姿勢で支持レール2に近づけて、レール溝6における係合凹部7を支持レール2の上側の係合辺2aに上方から斜めに係合する。次に機器ケース3の下部を支持レール2側に押しつけてゆくと、支持レール2の下側の係合辺2bの先端が、突出状態にある爪部8bに形成した傾斜ガイド面sに当接し、この状態からケース3の下部を更に支持レール2側に強く押しつけると、傾斜ガイド面sのカム作用によって弾性アーム8aが下方に弾性変形されて、爪部8bが下方に後退変位される。係合辺2bが爪部8bを乗り越えてレール溝6の底面に到達すると、図4(b)に示すように、弾性アーム8aが弾性的に復帰上昇して爪部8bが係合辺2bに背部から係合する。
【0024】この係合連結状態では、可動係合片8における弾性アーム8aの先端8cが貴機器ケース3の横端から突出しているので、この先端8cをドライバーなどで強制的に押し下げることで、係合辺2bから爪部8bを離脱させて、ユニット電源1を取り外すことができる。
【0025】〔第2例〕図5〜図7に、本発明の第2例が示されている。この例の可動係合片8は、両端が固定された横長ブリッジ状の弾性アーム8aの長手方向中央部位に、支持レール2の係合辺2bに係合する爪部8bを設けて構成されており、レール溝6の長手方向中央で作用するように設置されている。また、この可動係合片8の左右には支持レール2における係合辺2bの先端を受け止めるレール受け止め部9が形成されている。
【0026】このように構成されたユニット電源1の取付け手順は、図7に示すように、先例と同様に行われる。また、この例では可動係合片8を外部から係合解除操作ができないので、前記爪部8bの係合作用側にも傾斜ガイド面rが形成されており、機器ケース3の下部を無理に支持レール2から引き離すように傾けることで、傾斜ガイド面rを介して爪部8bが後退変位されて、係合が解除されるようになっている。
【0027】〔第3例〕図8〜図10に、本発明の第3例が示されている。この例の可動係合片8は、左右の弾性アーム8aに支持されたプレート状の可動部8dの上辺に、支持レール2の係合辺2bに係合する爪部8bを設けて構成されており、レール溝6の長手方向中央で作用するように設置されている。また、この可動係合片8の左右には支持レール2における係合辺2bの先端を受け止めるレール受け止め部9が形成されている。
【0028】このように構成されたユニット電源1の取付け手順は、図10に示すように、先例と同様に行われる。この場合、左右の弾性アーム8aが同時に変形することで可動部8dは平行に上下変位することになる。また、この例では可動係合片8を外部から係合解除操作するために、前記可動部8dの下端に機器ケース3の下面より突出する操作片8eが連設され、この操作片8eに形成した孔8fのドライバーの先などを差し込んで強制的に引き下げることで、可動係合片8による係合を解除することができるようになっている。
【0029】〔第4例〕図11に、本発明の第4例が示されている。この例の可動係合片8は、第3例を変形したものであり、プレート状の可動部8dが左右から複数の弾性アーム8aによって支持され、可動部8dが一層平行に上下変位されるようになっている。
【0030】〔第5例〕図12〜図13に、本発明の第5例が示されている。この例の可動係合片8は、レール溝6の底面側から機器ケース背面側に向けて片持ち状に突設された弾性アーム8aの遊端部に、支持レール2の係合辺2bに係合する爪部8bを設けて構成されており、係合凹部7に対向した位置で作用するよう左右一対備えられている。また、左右のの可動係合片8の間には、支持レール2における係合辺2bの先端を受け止めるレール受け止め部9が形成されている。
【0031】このように構成されたユニット電源1の取付け手順は、図14に示すように、先例と同様に行われる。また、この例でも可動係合片8を外部から係合解除操作ができないので、前記爪部8bの係合作用側にも前例と同様にに機能する離脱用の傾斜ガイド面rが形成されている。
【0032】〔その他の変形例〕上記のように、係合凹部7と可動係合片8によって支持レール2の上下の係合辺2a,2bに係合連結された機器ケース2の背面と壁面Wとの間には上下の空隙Cが存在しており、外部から振動が加わったような場合に、機器ケース2がこの空隙Cのぶん上下に大きく動揺し、内部構造や回路が損傷したり、支持レール2との係合連結部に変形や損傷をもたらすおそれがある。このようなトラブルを未然に回避するために以下のような手段を備えておくとよい。
【0033】(1)図15および図16に示すように、機器ケース2の背面における左右下端に、前記空隙Cを埋める舌片状のスペーサ10を一体突設するとともに、取り付けた機器ケース2の背面と壁面Wとの間に別途準備したスペーサ11を上方から挿入する。なお、この下部のスペーサ10は、空隙Cの大きさに対応してその突出高さ選択できるよう、切り溝や切断マークなどの切断線12を入れてある。また、上部のスペーサ11は、空隙Cの大きさに対応してその厚さの異なった部分11a,11bを備えた階段状に形成してある。
【0034】(2)図17に示すように、機器ケース2の背面における左右下部に、前記空隙Cを埋める下片状のスペーサ10を一体突設するとともに、機器ケース2の背面における左右上部に、ゴムなどの弾性材からなるスペーサ13を装備しておいてもよい。
【0035】(3)図18に示すように、機器ケース2の背面における左右上下部に、ネジ14によって出退調整可能なスペーサ15を装備しておき、機器ケース2を支持レール2に係合連結した後、スペーサ15を進出させて壁面Wに押しつけることで、一層確実に機器ケース3の上下動揺を阻止するようにすることができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、可動係合片を別体製造する金型、および、製造工程が不要になるとともに、可動係合片を機器ケースに組付ける工程も不要となり、製造コストを削減することが可能となった。また、部品点数の削減にもなり、部品管理の手数を省く上でも有効となる。
【0037】特に、請求項2に係る発明によると、可動係合片を構成する弾性アームを機器ケースの横端から突出させて、外部から係合解除できる形態にすることも容易となる。
【0038】また、請求項3に係る発明によると、可動係合片の爪部を略平行に変位させて良好に支持レールの係合片に係合させることができるとともに、弾性アームの強度を高いものにして耐久性に優れたものにできる。
【0039】請求項4に係る発明によると、爪部の平行移動が一層好適に行わせて、支持レールの係合片への係合が更に的確なものとなる。
【0040】請求項5に係る発明によると、可動係合片をレール溝の長手方向の任意の位置に設置して、良好な係合連結状態を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
【公開番号】 特開平11−233969
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−29545