トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 シャーシおよびそれを備えたプラズマディスプレイ装置
【発明者】 【氏名】平野 重男

【氏名】谷 豊

【氏名】今村 芳秀

【要約】 【課題】充分な放熱性を発揮するシャーシ、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)と好適に組み合わせて用いることのできるシャーシおよびそれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供する。

【解決手段】アルミニウム板2と、アルミニウム板2上にロウ付けされて設けられた放熱フィン5とを有し、放熱フィン相互間または放熱フィンとアルミニウム板との間に中空部6が形成されたシャーシ1によって、上記課題を解決した。特にガラス基板と透明電極とを有するPDPとそのPDPに画像情報を表示させるための駆動回路との間に配設されるシャーシとして用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルミニウム板と、前記アルミニウム板上にロウ付けされて設けられた放熱フィンとを有し、前記放熱フィン相互間または前記放熱フィンと前記アルミニウム板との間に中空部が形成されてなるシャーシ。
【請求項2】 前記放熱フィンがコの字形であって、前記コの字形の放熱フィン相互間に中空部が形成されている請求項1に記載のシャーシ。
【請求項3】 前記放熱フィンが連続する波形であって、前記波形の放熱フィンと前記アルミニウム板との間に中空部が形成されてなる請求項1に記載のシャーシ。
【請求項4】 前記アルミニウム板上にはブレージングシートが設けられ、前記ブレージングシートによって前記放熱フィンが前記アルミニウム板上にロウ付けされて設けられる請求項1乃至請求項3の何れかに記載のシャーシ。
【請求項5】 前記放熱フィン上であって、前記アルミニウム板と対向するように補助シャーシが設けられている請求項1乃至請求項4の何れかに記載のシャーシ。
【請求項6】 プラズマディスプレイパネルの背面側に、請求項1乃至請求項5の何れかに記載のシャーシを設けたプラズマディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱する部分を備えた装置内に設置されるシャーシに関し、更に詳しくはプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」という。)を用いた壁掛けテレビの構成部材として好適に用いられる放熱用のシャーシおよびそれを備えたプラズマディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発熱する部分を備えた装置内に設置されるシャーシは、用途・目的に応じて種々の形態のものが開発されている。
【0003】一方、PDPは、個々の使用目的に適合した表示容量のものが得られ、有効表示部分以外は必要最小限に小形で設置場所をとらず、表示のゆらぎ、ちらつき、ぼけ、歪、明るさ、コントラストなどで表わされる表示品質が優れ、種々の画像表示装置への実用化が図られている。
【0004】PDPの背面側には、PDPを支持するとともにPDPを動作させるための駆動回路を配設するシャーシが設けられている。
【0005】従来、このシャーシには、厚さ2〜3mm程度のアルミニウム単板を補強材で補強してなり、駆動回路基板を取り付けるための孔を設けてなるものが一般的に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウム単板を補強材で補強してなる従来のシャーシは、PDPに画像情報を表示させた時にPDPおよび駆動回路で発生する熱については考慮されていないので、放熱性が充分ではないという問題もある。
【0007】本発明は、充分な放熱性を発揮するシャーシ、特にPDPと好適に組み合わせて用いることのできるシャーシおよびそれを備えたプラズマディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明のシャーシは、アルミニウム板と、前記アルミニウム板上にロウ付けされて設けられた放熱フィンとを有し、前記放熱フィン相互間または前記放熱フィンと前記アルミニウム板との間に中空部が形成されてなるものである。
【0009】前記放熱フィンをコの字形または連続する波形とすることが好ましく、前記コの字形の放熱フィン相互間または前記波形の放熱フィンと前記アルミニウム板との間に形成される中空部は、風通しがよく、放熱性を向上させる。
【0010】前記アルミニウム板上にはブレージングシートが設けられ、前記ブレージングシートによって前記放熱フィンが前記アルミニウム板上にロウ付けされて設けられることが好ましい。
【0011】また、前記放熱フィン上であって、前記アルミニウム板と対向するように補助シャーシが設けられていることが好ましく、前記アルミニウム板または前記補助シャーシの所定部を必要に応じて切抜いて軽量化したシャーシであってもよい。
【0012】本発明によれば、アルミニウム板にロウ付けされた放熱フィンによって十分な放熱を行なうことができるとともに、中空部が形成されるように放熱フィンが設けられているので、通風がよく、放熱しやすい。さらに、プラズマディスプレイの輝度を上げた際の高い発熱に対しても、十分に放熱させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照しながら説明する。
【0014】図1はコの字形放熱フィン5を用いたシャーシ1を、図2は波形放熱フィン8を用いたシャーシ1をそれぞれ示している。シャーシ1は、アルミニウム板2と、アルミニウム板2上にロウ付けされて設けられた放熱フィン5、8とを有し、放熱フィン相互間または放熱フィンとアルミニウム板2との間に中空部6が形成されている。アルミニウム板2上にはブレージングシート3を設けることが好ましく、このブレージングシート3によって放熱フィン5、8がアルミニウム板2上にロウ付けされて設けられている。また、放熱フィン5、8は、アルミニウム板2上に整列して設けられていることが好ましく、さらに、放熱フィン5、8上にはアルミニウム板2と対向するように補助シャーシ7を設けることが好ましい。このシャーシ1は、通常、発熱する部分(以下「発熱部材」という。)を備えた装置内に装着される。
【0015】アルミニウム板2は、発熱部材に当接してその熱を放熱フィン5、8に熱伝導できればよく、その材質や厚さは特に限定されないが、放熱フィンをロウ付けして設けた後の強度等を考慮して適宜選択することができる。
【0016】アルミニウム板2上にはブレージングシート3が好ましく設けられる。ブレージングシート3は、放熱フィンをアルミニウム板2に接合するために設けられるものであり、その材質は、アルミニウム板と放熱フィンの材質によって適宜選択され、良好にロウ付けできるものが用いられる。また、その厚さも、放熱フィンとアルミニウム板との間の要求されるロウ付け強度に応じて適宜選択される。
【0017】放熱フィンは、アルミニウム板2または補助シャーシ7に当接する発熱部材からの熱を効果的に放熱させるために設けられる。放熱フィンの形状は、コの字形のフィン5や連続する波形のフィン8を好ましく用いることができるが、その他のフィン、例えば波形の形状が矩形状、正弦波のような曲線であってもよく特に限定されない。これらのフィンは、放熱性を高めるばかりでなく、シャーシ1が変形を起こさないようにする作用をも兼ね備えるものである。
【0018】放熱フィン5、8は、例えばブレージングシート3のようなロウ材によってアルミニウム板2上にロウ付けされる。このとき、アルミニウム板2上に整列して並べられるのが好ましい。放熱フィンをロウ付けすることによって、放熱フィン相互間に中空部6が形成される。この中空部6は、各放熱フィンが整列して配設されているので、何れも同じ方向に開口している。そのため、例えばPDPを用いたテレビ受像機内に設けられる風の通路となり、シャーシ1の放熱性をより向上させる作用乃至機能を有している。
【0019】また、放熱性は、放熱部分の表面積によってその効果をより大きくすることができるので、放熱フィンの形状をより表面積の大きい形状、例えばコの字形の放熱フィン5や波形の放熱フィン8に、突起等の形状をさらに付与したものであることが好ましい。
【0020】従って、設計段階において、シャーシ1の放熱フィンの形状、配列および設置間隔等を適宜に設定することにより、例えばPDPに画像情報を表示させる場合に、PDPおよび駆動回路から発生する熱に対する放熱性を充分なものとすることができる。放熱フィンの材質や厚さは、強度、放熱性等を考慮して適宜選択することができる。
【0021】補助シャーシ7は、アルミニウム板2と対向するように、放熱フィン上に設けられ、発熱部材の取付け板としての役割を担うと共に、この補助シャーシ7上にも発熱部材を当接して、その熱を放熱させることができる。補助シャーシ7と放熱フィンとは、通常、上述したような真空ロウ付け法で行われるが、他のロウ付け法またはリベットやネジ等によって連結することもできる。真空ロウ付け法で接合する場合は、補助シャーシ7にブレージングシート等のロウ材を設けてロウ付けするのが好ましい。補助シャーシ7は所定の部分を切抜いたものであってもよく、このような補助シャーシ7はシャーシ1を軽量化することができるので好ましく用いられる。尚、その強度を維持することができる範囲であれば、軽量化するためにアルミニウム板2の所定の部分を切抜いてもよい。補助シャーシ7の材質や厚さは、強度、放熱性等を考慮して適宜選択され、特に限定されるものではない。
【0022】図3は、図1のコの字形放熱フィン5で構成されたシャーシ1の実施の一例を示す正面図である。シャーシ1は、アルミニウム板2と、所定部が切抜かれた補助シャーシ7と、それらの間に整列して配設されたコの字形の放熱フィン5とから構成されている。
【0023】また、図4は、図3に示したシャーシ1の一例と、PDPと、その駆動回路との関係を示す説明図である。シャーシ1の一方の面側、好ましくはアルミニウム板2側にPDP20が配設され、他の一方の面側、好ましくは補助シャーシ7側に駆動回路30が配設される。このとき、PDP20は、両面テープによってシャーシ1のアルミニウム板2上に接着される。
【0024】図3において、補助シャーシ7には、駆動回路等の発熱部を配設するための固定ピン11を設けることができる。また、固定ピン11の代わりに、例えばリベット止めするための孔、メスネジ、スペーサー等を適宜設けることもできる。
【0025】図5は、シャーシ1にPDPの駆動回路30を配設した一例である。シャーシ1の補助シャーシ7上には、固定ピン11が設けられ、その上に橋渡すように駆動回路30が設けられる。駆動回路30の取付けは、駆動回路30をアルミニウム板31上に設け、このアルミニウム板31を固定ピン11にネジ止め等して行われる。また、アルミニウム板31をシャーシ1に直接ビス止めすることにより行うこともできる。
【0026】このシャーシ1は、通常、発熱部材を備えた装置内に装着される。特に、PDPを用いた壁掛けテレビの構成部材として、図4に示すように、PDP20と、PDP20に画像情報を表示させるための駆動回路30との間に配設されて用いられる。このシャーシ1は、プラズマディスプレイの輝度を上げることによる発熱の増加に対しても、十分な放熱性を有するので好ましく用いられる。また、放熱フィンが整列して設けられ、中空部6が形成されるので、風通しがよく、熱をより逃散しやすいので、放熱性に優れたプラズマディスプレイ装置とすることができる。そして、PDPの温度を下げるための通風ファンの数を低減したプラズマディスプレイ装置、または通風ファンの不要なプラズマディスプレイ装置を得ることができる。さらに、動作中のPDPの温度を低下させることができるので、PDPの高輝度化等の表示品位の向上や長寿命化を図ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシャーシによれば、アルミニウム板2上に、真空ロウ付け等の簡便な方法によって放熱フィンが設けられるので、表面積が大きくて放熱性に優れたシャーシを容易に得ることができる。また、放熱フィン相互間または放熱フィンとアルミニウム板2との間に中空部6が形成されるので、風通しもよく、送風等することによりさらに放熱性を向上させることもできる。
【0028】また、放熱フィンの切断寸法や整列状態を適宜選定することによって、極めて容易に所望のサイズ、例えばPDPのサイズに応じたシャーシ1を形成することができる。さらに、設計段階から放熱性を充分に考慮することが可能であり、しかも、軽量化や強度にも配慮することができるシャーシとすることができるという優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【識別番号】000176707
【氏名又は名称】三菱アルミニウム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開平11−233968
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−29615