| 【発明の名称】 |
電気機器のシール構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】福原 智博
【氏名】土居 仁
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| 【要約】 |
【課題】底板の周縁の隙間を迅速かつ確実にシールすることができる電気機器のシール構造を提供すること。
【解決手段】底板略中央のシール剤溜凹部と底板周縁等とを結ぶガイド溝を設け、該ガイド溝を利用して、前記シール剤溜凹部から前記底板周縁等の隙間へと液状シール剤を充填するようにした電気機器のシール構造において、前記ガイド溝と前記底板周縁との交点位置に、分流促進用突起を、設けたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底板略中央のシール剤溜凹部と底板周縁等とを結ぶガイド溝を設け、該ガイド溝を利用して、前記シール剤溜凹部から前記底板周縁等の隙間へと液状シール剤を充填するようにした電気機器のシール構造において、前記ガイド溝と前記底板周縁との交点位置に、分流促進用突起を、設けたことを特徴とする電気機器のシール構造。 【請求項2】 前記分流促進用突起は、前記底板周縁との嵌合部分をなすケース内面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気機器のシール構造。 【請求項3】 前記分流促進用突起を設けた交点位置まで継がるガイド溝は、前記分流促進用突起の先端部分を囲める位置まで延出されていることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の電気機器のシール構造。 【請求項4】 前記分流促進用突起を設けた交点位置は、前記ガイド溝と前記底板周縁部との交点位置が角部となる当該底板角部の交点位置を除外して、シール剤の硬化特性に応じて選定した位置に構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電気機器のシール構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、底板(ベース)を嵌合して形成されるケースに必然的に生じた隙間をシール剤で充填するようにした電気機器のシール構造に係り、特に毛細管現象を利用することにより、例えば電磁継電器等の電気機器の底板周縁の隙間を迅速かつ欠陥なくシール剤で充填するようにしたシール技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の電気機器のシール構造が適用される電磁継電器は、一般にリレーを収納するため、底板を嵌合して形成されるケースを用いており、また、ケースに嵌合される底板には、リレーに接続された端子をケース外部へ引き出すために端子突出孔が形成されている。 【0003】このため、底板周縁並びに底板の端子周りには厳密な寸法規制を行なっても必然的に微細な隙間が生じる。 【0004】これらの隙間をシールする従来の一例を図7に示す。同図に示されるように、電磁継電器の筐体101は、ケース102に底板103を嵌合して構成される。この構成において、底板103の略中央のシール剤溜凹部104と底板103の周縁部並びに底板103の端子突出孔105との間に、それらを結ぶガイド溝106を設け、このガイド溝106を利用して、上記のシール剤溜凹部104から底板103の周縁の隙間、並びに、底板103の端子107周りの隙間へと液状シール剤を充填するようにしていた。 【0005】この従来方式においては、底板103略中央のシール剤溜凹部104に液状シール剤を供給すると同時に、その液状シール剤が流れ込むことになるガイド溝106では、横断面形状が図8に示されるように平らな底面から両端部を直角に立ち上げた凹形状であるため、液状シール剤はガイド溝106の底面角部である両端部(2箇所)にて毛細管現象によりスピードが速くなる。よってガイド溝106では、液状シール剤の粘性も相俟ってその両端部での流れに引っ張られるかたちで液状シール剤全体が流れる。 【0006】一方、筐体101は、ケース102と底板103との嵌合構造であり、一般的に、図9に示されるように、底板103の周縁部分においてガイド溝106(底板103)の終端(周縁)とケース102との間にガイド溝106に対してほぼ直交される方向に延びる隙間Xが生じる。このため、図10(a)〜(e)にそれぞれに示されるように、ガイド溝106及び隙間XによりほぼT字形状の流路が形成される。 【0007】この場合、図10(a)〜(e)の如く液状シール剤Yの流れの先頭部が順次遷移され、ガイド溝106の終端部分では液状シール剤Yの流れの先頭部がカバー102に対し突き当り、次いで向きを変えて隙間Xに沿って広がる流れとなる。しかし、その突き当って広がる流れの状態では液状シール剤Yの流れに滞留が生じるため、この滞留が生じたガイド溝106毎に液状シール剤の流れのスピードが抑制される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来においては底板の周縁にて液状シール剤Yの流れに滞留が生じ、この滞留が生じたガイド溝毎に液状シール剤Yの流れのスピードが抑制されるため、シール剤の硬化特性で定まる所定時間内に図7における底板103の周縁の隙間まで液状シール剤Yが満遍なく行亘らなかったり、その所定時間を経過して液状シール剤Yが途中で硬化されたりする虞れがある。 【0009】従って、従来の電気機器のシール構造によると、その底板103の周縁の隙間を所望通りにシールすることができないという不具合がしばしば生じた。 【0010】本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、底板の周縁の隙間を迅速かつ確実にシールすることができる電気機器のシール構造を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】この出願の請求項1に記載の発明は、底板略中央のシール剤溜凹部と底板周縁等との間を結ぶガイド溝を設け、該ガイド溝を利用して、前記シール剤溜凹部から前記底板周縁の隙間等へと液状シール剤を充填するようにした電気機器のシール構造において、前記ガイド溝と前記底板周縁との交点位置に、分流促進用突起を、設けたことを特徴とする電気機器のシール構造にある。 【0012】そして、この出願の請求項1に記載の発明によれば、液状シール剤は、ガイド溝と底板周縁との交点位置にて、分流促進用突起により案内されて底板周縁に沿う2方向へ速やかに分流されるため、確実にその2方向へ移行される。 【0013】このため、シール剤の硬化特性で定まる所定時間内に、ガイド溝の受け持ち単位毎に、底板周縁の隙間全てにまで、液状シール剤を満遍なく行亘たらせることができ、底板周縁部分の良好な気密を確保できよう。 【0014】この出願の請求項2に記載の発明は、前記分流促進用突起は、前記底板周縁との嵌合部分をなすケース内面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電気機器のシール構造にある。 【0015】そして、この出願の請求項2に記載の発明によれば、ケース作製時に、ガイド溝に軸心が一致されるように、分流促進用突起をケース内面に設けることができるので、ガイド溝と底板周縁との交点位置に、別工程でその突起を設けることなく、本発明によるシール構造を構成できよう。 【0016】この出願の請求項3に記載の発明は、前記分流促進用突起を設けた交点位置まで継がるガイド溝は、前記分流促進用突起の先端部分を囲める位置まで延出されていることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の電気機器のシール構造にある。 【0017】そして、この出願の請求項3に記載の発明によれば、ガイド溝の延出部分にて突起の先端部分が囲まれているため、分流促進用突起により案内されて底板周縁に沿う2方向へ液状シール剤が分流される際、分流促進用突起の先端部分の周囲で、その分流作用が生じる。この状態では、分流促進用突起を設けた交点位置まで継がるガイド溝の受け持ち単位毎に、分流促進用突起の利用効率が高くなるので、液状シール剤の広がりスピードがより速くなる。よって、底板周縁の隙間全てにまで、液状シール剤を満遍なく行亘たらせるための所要のリードタイムが短縮されよう。 【0018】この出願の請求項4に記載の発明は、前記分流促進用突起を設けた交点位置は、前記ガイド溝と前記底板周縁との交点位置が角部となる当該底板角部の交点位置を除外して、シール剤の硬化特性に応じて選定した位置に構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電気機器のシール構造にある。 【0019】そして、この出願の請求項4に記載の発明によれば、角部の交点位置では、液状シール剤の広がりスピードが速くなるように設ける分流促進用突起が無くても、液状シール剤の広がりスピードが速くなるため、底板角部の交点位置を除外して、シール剤の硬化特性に応じて選定した位置に、分流促進用突起を設けた交点位置を構成できよう。この構成の場合、シール剤の硬化特性で定まる所定時間内に、底板周縁の全域に亘る隙間へと液状シール剤を満遍なく行亘たらせるために必要となる分流促進用突起を設けた交点位置の数を最小限に抑えることができ、本発明によるシール構造を構成する際、工数や作製コスト等の低減を図る観点で有利になるであろう。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された電磁継電器のシール構造の好ましい実施形態につき、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の適用構造とされた電磁継電器の底板面側をシール前状態で示す平面図である。同図において、1は電磁継電器の筐体、2はケース、3は底板、4はシール剤溜凹部、5a〜5iは端子、6a〜6uはガイド溝、7は底板周縁溝、8a〜8dは分流促進用の突起、9a〜9dは本発明適用の交点位置である。 【0021】同図に示されるように、電磁継電器の筐体1は、ケース2に底板3を嵌合して構成される。この構成において、底板3の略中央のシール剤溜凹部4と底板周縁溝7並びに端子5a〜5i周りとの間に、それらを結ぶガイド溝6a〜6uを設け、このガイド溝6a〜6uを利用して、上記のシール剤溜凹部4から底板周縁溝7、並びに、端子5a〜5i周りへと液状シール剤を充填するようにした電磁継電器のシール構造のものである。この点に関しては、従来と実質的に同じである。 【0022】本実施形態では、上記基本構成に加えて、ガイド溝と底板周縁溝7との交点位置のうち、底板角部A1,A2,A3,A4の交点位置を除外し、シール剤の硬化特性に応じて、ガイド溝6aと底板周縁溝7との交点位置9a、ガイド溝6dと底板周縁溝7との交点位置9b、ガイド溝6qと底板周縁溝7との交点位置9c、ガイド溝6jと底板周縁溝7との交点位置9dを選定し、この選定された各交点位置9a,9b,9c,9dでは、各々突起8a,8b,8c,8dを設けた構成のものにしている。 【0023】即ち、本実施形態にあっては、図2(a),(b)の詳細説明図に示されるように、前記選定された各交点位置9a〜9dにおいて、底板3の周縁との嵌合部分をなすケース2の内面には、ガイド溝6a,6d,6q,6jに軸心を一致させるようにして、ガイド溝6a,6d,6q,6jよりも幅狭に形成した突起8a〜8dを、設けている。また、各交点位置9a〜9dまで継がるガイド溝6a,6d,6q,6jは、突起8a,8b,8c,8dの先端部分を囲める位置まで延出させている。なお、同図(a)は底板を上向き配置したときの要部上面図、同図(b)はその要部側断面図である。 【0024】このため、前記選定された各交点位置9a〜9dにおいては、図3に示されるように、ノズル10から液状シール剤を吐出させて底板3略中央のシール剤溜凹部4に液状シール剤が供給され、同時にその液状シール剤がガイド溝6a,6d,6q,6jに流れ込んだ際、図4(a)〜(e)に示されるように、液状シール剤Yの流れの先頭部が順次遷移され、ガイド溝6a,6d,6q,6jの終端から送り出される。この送り出された液状シール剤Yの流れの先頭部がケース2の内面に突き当り、次いで向きを変えて底板周縁溝7に沿って広がる流れとなる。なお、この時点で、端子5a〜5i周りには液状シール剤が充填された状態となる。 【0025】詳しくは、液状シール剤Yの流れの先頭部が各交点位置9a〜9dまで移動してくると、各交点位置9a〜9dでは、図4(c)に示されるように、液状シール剤Yの流れの先頭部がケース2に対し突き当るとき、各突起8a〜8dにより各々案内されて底板3の周縁に沿う底板周縁溝7上の2方向へ速やかに分流されるため、確実にその2方向へ移行される。 【0026】特に、ガイド溝6a,6d,6q,6jの延出部分6Aにて突起8a〜8dの先端部分が囲まれているため、突起8a〜8dにより案内されて底板周縁に沿う2方向へ液状シール剤が分流される際、突起8a〜8dの先端部分の周囲で、その分流作用が生じる。この状態では、突起8a〜8dを設けた交点位置9a〜9dまで継がるガイド溝6a,6d,6q,6jの受け持ち単位毎に、突起の利用効率が高くなるので、液状シール剤Yの広がりスピードが速くなる。よって、底板周縁の隙間全てにまで、液状シール剤Yを満遍なく行亘たらせるための所要のリードタイムが短縮されることになる。 【0027】一方、底板角部A1,A2,A3,A4の各交点位置では、上記したように液状シール剤の広がりスピードが速くなるように設ける分流促進用突起が無くても、液状シール剤の広がりスピードが速くなる。このため、底板角部A1,A2,A3,A4の各交点位置を除外して、シール剤の硬化特性に応じて選定した底板3各辺の略中央位置に、突起を設けた各交点位置9a〜9dが構成されたものにしている。 【0028】この構成の場合、シール剤の硬化特性で定まる所定時間内に、底板周縁の全域に亘る隙間へと液状シール剤を満遍なく行亘たらせるために必要となる分流促進用突起を設けた交点位置の数を最小限に抑えることができ、本発明によるシール構造を構成する際、工数や作製コスト等の低減を図る観点で有利になる。また、ケース作製時に、ガイド溝に軸心が一致されるように、分流促進用突起をケース内面に設けることができるので、ガイド溝と底板周縁との交点位置に、別工程でその突起を設けることなく、本発明によるシール構造を構成できる利点もある。 【0029】以上のようにして、端子5a〜5i周りと、底板周縁溝7とに、液状シール剤が満遍なく行亘たると、図5に示されるように、液状シール剤Yが充填された状態でその液状シール剤Yが硬化され、シールの信頼性が高い電磁継電器のシール構造が得られる。 【0030】また、図1に示される底板面側の構成にすると共に、例えば、実開昭61ー36938号公報に開示されている技術、即ち、図6に示されるように、ガイド溝6の底面に、この溝6に沿って延びる例えばV字状細溝6Bを形成する技術を応用すると、ガイド溝6に対し角部を増加させて毛細管現象を促進させる効果を発揮できる。よって、底板周縁の隙間全てにまで、液状シール剤Yを満遍なく行亘たらせるための所要のリードタイムを、更に短縮させること可能になる。 【0031】また、本発明は電磁継電器以外の電気機器について、前述の実施形態のようにガイド溝と底板周縁との交点位置に、ガイド溝に軸心を一致させるようにして形成した分流促進用突起を、設けたシール構造とすることができる。これらの実施形態については前述の実施形態と作用及び効果がほぼ同様なので、ここでは説明を省略する。 【0032】 【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明によれば、底板の周縁等の隙間を迅速かつ確実にシールすることができる電気機器のシール構造を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002945 【氏名又は名称】オムロン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】飯塚 信市
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| 【公開番号】 |
特開平11−233963 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−46301 |
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