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【発明の名称】 蓋付気密箱体
【発明者】 【氏名】佐竹 明宏

【氏名】早川 政春

【要約】 【課題】蓋が取り付けやすいと共に、気密性及び水密性の向上を図った蓋付気密箱体を得る。

【解決手段】箱体本体1の開口2にねじ座8を設け、開口2に応じた封止部材16を介して開口2に蓋18をかぶせる。蓋18の貫通孔22及び封止部材16の貫通孔20を貫通する雄ねじ24をねじ座18のねじ孔10に螺入して蓋18を固定する。ねじ座8にねじ孔10を中心とした円形の環状凸部14を形成し、封止部材16を蓋18と環状凸部14とにより押しつぶして封止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 箱体本体の開口にねじ座を設け、該開口に応じた封止部材を介して前記開口に蓋をかぶせて前記封止部材を貫通する雄ねじにより前記蓋を固定する蓋付気密箱体において、前記ねじ座にねじを中心とした環状凸部を形成したことを特徴とする蓋付気密箱体。
【請求項2】 前記ねじ座にねじ孔を形成し、前記環状凸部は前記ねじ孔を中心とした円形であることを特徴とする請求項1記載の蓋付気密箱体。
【請求項3】 前記環状凸部の直径は平ワッシャの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の蓋付気密箱体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防水や気密を要する機器や配線等が納められる蓋付気密箱体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、防水や気密を要する蓋付気密箱体は、図4に示すように、箱体本体50の開口52の内側に、ねじ座54が溶接等により固定されており、ねじ座54にはねじ孔56が形成されている。ねじ孔56はねじ座54を貫通しないように形成されている。
【0003】開口52には封止部材58を介して蓋60がかぶせられており、雄ねじ62がねじ孔56に螺入されて、蓋60が固定されている。雄ねじ62は、蓋60に形成された貫通孔64と、封止部材58に形成された貫通孔66とに通されると共に、スプリングワッシャ68、平ワッシャ70を介して蓋60を固定するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうした従来のものでは、蓋60の貫通孔64を介して水や空気が侵入しやすいので、貫通孔64の直径をできるだけ小さくするようにしている。しかし、ねじ座54は一般に多数設けられるので、雄ねじ62と貫通孔64の間に余裕が少ないと、ねじ孔56の位置と貫通孔64の位置とが一致しなくなり蓋60が取り付けられなくなる場合がある。その場合には、一致しない貫通孔64を大きくする等の調整作業を行わなければならず、しかも、蓋60が破損して交換するときに、再び、貫通孔64とねじ孔56とが一致せず互換性が保たれないという問題があった。
【0005】また、ねじ座54が多数設けられるので、各ねじ座54の上面54aの平面度の確保が難しく、上面54aと封止部材58との間に隙間が生じやすいという問題もあった。本発明の課題は、蓋が取り付けやすいと共に、気密性及び水密性の向上を図った蓋付気密箱体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、箱体本体の開口にねじ座を設け、該開口に応じた封止部材を介して前記開口に蓋をかぶせて前記封止部材を貫通する雄ねじにより前記蓋を固定する蓋付気密箱体において、前記ねじ座にねじを中心とした環状凸部を形成したことを特徴とする蓋付気密箱体がそれである。
【0007】また、前記ねじ座にねじ孔を形成し、前記環状凸部は前記ねじ孔を中心とした円形であってもよい。更に、前記環状凸部の直径は平ワッシャの直径よりも小さくするとよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、1は箱体本体で、一面が大きく開放された開口2が形成されている。開口2の縁に沿って溝3が形成されており、溝3内にはパッキン4が挿入されている。箱体本体1内には、図3に示すように、端子台6等が収納されている。
【0009】開口2の縁に沿って、箱体本体1の内側に複数のねじ座8が溶接等により溶着されている。ねじ座8の箱体本体1への溶着に際しては、図示しない治具に所定ピッチで複数のねじ座8を取り付け、ねじ座8を箱体本体1に溶着する。ねじ座8にはねじ孔10が形成されており、ねじ孔10及びその下孔12がねじ座8を貫通しないように形成されている。ねじ座8の上面8aには、図2に示すように、ねじ孔10を中心にして、円形の環状凸部14が形成されている。
【0010】また、開口2に応じた「口」字形状の封止部材16がねじ座8の上面8aと開口2の上縁とにかぶせられており、更に、蓋18が封止部材16を介して、開口2にかぶせられている。封止部材16には、複数のねじ座8のねじ孔10に応じた貫通孔20が形成されており、また、蓋18にもねじ孔10に応じた貫通孔22が形成されている。
【0011】そして、雄ねじ24に、スプリングワッシャ26と平ワッシャ28とを通して、雄ねじ24がねじ孔10に螺入されている。環状凸部14の直径は、平ワッシャ28の直径よりも小さくなるように形成されている。また、蓋18の貫通孔22は、雄ねじ24との間に十分な隙間ができるように、その直径を大きく形成しているが、環状凸部14の内径よりも小さく形成している。
【0012】環状凸部14の高さは、封止部材16の弾性に応じて適宜決定すればよく、弾性が大きいときには高く、小さいときには低くするとよい。また、環状凸部14は、その頂点が鋭角に尖っていると、封止部材16に食い込んだ際に封止部材16を切断してしまう場合があるので、その頂点には適度な平坦部14aがあったほうがよい。
【0013】次に、前述した本実施形態の蓋付気密箱体の作動について説明する。まず、開口2に蓋18をかぶせる際には、封止部材16をねじ座8の上面8aにねじ孔10に貫通孔20を合わせて載せた後、蓋18をねじ孔10に貫通孔22を合わせてかぶせる。次に、スプリングワッシャ26と平ワッシャ28とを取り付けた雄ねじ24を貫通孔22,20に通す。そして、雄ねじ24をねじ孔10に螺入する。
【0014】これにより、スプリングワッシャ26、平ワッシャ28、蓋18を介して封止部材16が環状凸部14に押圧される。環状凸部14が封止部材16に食い込んだ状態で、封止部材16がねじ座8の上面8aに押し付けられる。よって、環状凸部14と蓋18との間の封止部材16が強く押しつぶされる。
【0015】環状凸部14が封止部材16に食い込んで、封止を確実なものとし、また、貫通孔22及びねじ孔10を中心として環状に封止するので、貫通孔22の直径が大きくても、蓋18と封止部材16との間や封止部材16と上面8aとの間から水や空気等が箱体本体1内に侵入することを防止できる。
【0016】蓋18の貫通孔22は、余裕を持った直径に形成されているので、ねじ孔10と貫通孔22とのピッチに誤差があっても、雄ねじ24をねじ孔10に容易に螺入できる。更に、貫通孔22の直径が大きいので、蓋18を交換する場合、支障なく取り付けることができ、互換性を確保できる。
【0017】以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の蓋付気密箱体は、環状凸部が封止部材に食い込んで、環状に封止するので、ねじ近辺から水や空気等が箱体本体内に侵入することを防止でき、気密性及び水密性の向上が図れるという効果を奏する。また、蓋の貫通孔を、余裕を持った直径に形成できるので、雄ねじの挿入が容易になり、蓋を交換する場合でも互換性を確保できる。
【0019】更に、環状凸部の直径を平ワッシャの直径よりも小さくすると、封止部材を環状凸部と蓋とにより確実に押しつぶすことができる。
【出願人】 【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
【識別番号】593227899
【氏名又は名称】株式会社早川電機製作所
【出願日】 平成10年(1998)2月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
【公開番号】 特開平11−233962
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−36128