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【発明の名称】 操作釦装置を具備した機器
【発明者】 【氏名】黒沢 秀明

【氏名】成田 久弥

【氏名】毛利 晶成

【要約】 【課題】小型に構成された、しかしそれ故に操作性を一層向上させた磁気テープレコーダなどの操作釦装置を具備した機器を得ること。

【解決手段】本発明の実施形態の磁気テープレコーダ1は、前方にマイクロホン収納部3を突出させた状態で配設され、このマイクロホン収納部の後方に、記録再生部4が配設された一体構造で構成されており、そして前記記録再生部4の上部に操作部440が配設され、この操作部のマイクロホン収納部側の最先端部に押し釦構造のキューマーカ釦446と、その次の位置に記録釦441とが近接して配設されており、押圧されない状態で、前記キューマーカ釦の高さが前記記録釦の高さよりやや高く形成されている。そして、例えば、記録釦441の押圧中は発光素子LEDからの発光がキューマーカ釦を通じて放光されるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 不用意に押圧してはならない押し釦と、該押し釦の近傍にその押し釦の高さより高い透光性の樹脂で形成された突起部と、該突起部の近傍に配設され、前記突起部を通じて発光を放出する発光素子とから構成されていることを特徴とする操作釦装置を具備した機器。
【請求項2】 前記不用意に押圧してはならない押し釦が記録釦であり、前記突起部がキューマーカ釦であることを特徴とする請求項2に記載の操作釦装置を具備した機器。
【請求項3】 前記不用意に押圧してはならない押し釦が時間設定釦であることを特徴とする請求項1に記載の操作釦装置を具備した機器。
【請求項4】 前方にマイクロホンが収納されたマイクロホン収納部を突出させた状態で配設し、該マイクロホン収納部の後方に、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録する記録部が配設されて一体構造で構成されており、そして前記記録部の上部に操作部が配設され、該操作部の前記マイクロホン収納部側の最先端部にキューマーカ釦が押し釦構造で配設されていることを特徴とする操作釦装置を具備した機器。
【請求項5】 前方にマイクロホンが収納されたマイクロホン収納部を突出させた状態で配設し、該マイクロホン収納部の後方に、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録する記録部が配設されて一体構造で構成されており、そして前記記録部の上部に操作部が配設され、該操作部の前記マイクロホン収納部側の最先端部に押し釦構造のキューマーカ釦が、その次の位置に押し釦構造の記録釦が近接して配設されており、押圧されない状態で、前記キューマーカ釦の高さが前記記録釦の高さよりやや高く形成されていることを特徴とする操作釦装置を具備した機器。
【請求項6】 前記キューマーカ釦が透光性の樹脂で形成されており、そして発光素子が前記キューマーカ釦の近傍に配設されていて、該発光素子の発光が前記キューマーカ釦を通じて発光するように構成されていることを特徴とする請求項4及び請求項5に記載の操作釦装置を具備した機器。
【請求項7】 請求項2に記載の押し釦及び請求項3乃至請求項6に記載のキューマーカ釦が押圧された時、一軸を中心にして回動する構造で形成されていることを特徴とする操作釦装置を具備した機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、磁気テープレコーダのような操作釦装置を具備した機器に関し、特にその操作釦装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術のマイクロホンが内蔵された磁気テープレコーダ、特に小型の磁気テープレコーダは、ほぼ直方体に形成されたキャビネットで構成され、そのキャビネットの内部の大半のスペース部分にカセットテープの収納部とそのカセットテープを駆動する駆動部及びそのカセットテープに入力信号を記録し、またはこれより再生する記録再生部が配設され、前記キャビネットの外壁の一隅には独立したマイクロホンが取り付けられているマイクロホン収納部が、そして他の一隅のスペースにスピーカが取り付けられているスピーカ収納部が配設されており、そして前記カセットテープに入力信号を記録し、或いは再生するための操作部が前記キャビネットの一端面に配設されている形式のものが殆どであった。
【0003】特に、操作部に注目して説明すると、通常の磁気テープレコーダにおいては、前記操作部は記録釦、再生釦、停止釦(カセットイジェクト釦兼用)、早送り・巻戻し釦から構成されているものであるが、或る種の磁気テープレコーダには、これらの他、キューマーカ釦を備え、キューマーカ機能を備えたものもある。このキューマーカ機能は、録音中、キューマーカ釦を押圧して磁気テープにインデックス信号を記録し、再生時に、そのインデックス信号を再生して特定の録音個所を探し易くするためのものである。録音中、録音中であることを表示する発光素子、例えば、半導体の発光ダイオード(以下、「LED」と記す)が点灯し、かつ入力信号の強弱に応じて、そのLEDが明滅するように構成されている。この時、前記キューマーカ釦を押圧すると、百数十Hzの信号が数秒間磁気テープ上に記録され、その間、前記LEDの発光は消えて、キューマーカ機能が動作中であることが示すように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の操作部の構成は、キューマーカ釦とLEDとが別の場所に配設されているため、それらの関連性が分かり難い面があり、また、磁気テープレコーダを小型化し、コンパクトに仕上げようとする場合には、場所を取るという課題がある。また、磁気テープレコーダを落とした時などに、前記記録釦が押圧されて不要な録音が行われないように、通常、記録釦の不用意な押圧を防止するためのガードがその記録釦の周りのキャビネットに突起状の構造で形成されているものであるが、そのような突起はデザイン上、余り好ましいものではなく、また、キャビネットの金型の構造上、処理し難いものである。
【0005】そして、磁気テープレコーダの全体的な構造の観点から見ると、前記のような構成の磁気テープレコーダを用いて入力信号を記録する場合には、マイクロホン収納部を話者の方に向けて卓上に置かなければならず、マイクロホン収納部の配設位置によっては不安定な姿勢で置かなければならないという問題がある。また、前記のような構成の磁気テープレコーダは、収録者が磁気テープレコーダを手に持って、そのマイクロホン収納部を話者及び収録者の口許に近づけて両者の会話を収録することはできるが、そのマイクロホン収納部が一般的な小型円筒状のマイクロホンの形状とは異なり、前記のように磁気テープレコーダそのものが直方体のキャビネットで構成されているため、比較的広い面積の直方体の一面が話者の顔に対面することになり、話者に威圧感などの不快感を与え、良好な状態で情報を収録し難いという問題がある。更に、前記のように、このような構成の磁気テープレコーダを卓上に置いて、或いは片手に持って使用するにしても、片手では操作し難く、両手を用いて操作しなければならないという不便さがある。
【0006】本発明は、このような課題を解決しようとするものであって、全体形状があたかもマイクロホン装置であるがごとく強調された、そして出来るだけ小型に構成された、しかしそれ故に操作性を一層向上させた磁気テープレコーダなどの操作釦装置を具備した機器を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の第1の発明である操作釦装置を具備した機器は、不用意に押圧してはならない押し釦と、その押し釦の近傍にその押し釦の高さより高い透光性の樹脂で形成された突起部と、その突起部の近傍に配設され、前記突起部を通じて発光を放出する発光素子とから構成されていることを特徴とする。
【0008】本発明の第2の発明である操作釦装置を具備した機器は、第1の発明における前記不用意に押圧してはならない押し釦が記録釦であり、前記突起部がキューマーカ釦であることを特徴とする。
【0009】本発明の第3の発明である操作釦装置を具備した機器は、第1の発明における前記不用意に押圧してはならない押し釦が時間設定釦であることを特徴とする。
【0010】本発明の第4の発明である操作釦装置を具備した機器は、前方にマイクロホンが収納されたマイクロホン収納部を突出させた状態で配設し、そのマイクロホン収納部の後方に、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録する記録部が配設されて一体構造で構成されており、そして前記記録部の上部に操作部が配設され、その操作部の前記マイクロホン収納部側の最先端部にキューマーカ釦が押し釦構造で配設されていることを特徴とする。
【0011】本発明の第5の発明である操作釦装置を具備した機器は、前方にマイクロホンが収納されたマイクロホン収納部を突出させた状態で配設し、そのマイクロホン収納部の後方に、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録する記録部が配設されて一体構造で構成されており、そして前記記録部の上部に操作部が配設され、その操作部の前記マイクロホン収納部側の最先端部に押し釦構造のキューマーカ釦が、その次の位置に押し釦構造の記録釦が近接して配設されており、押圧されない状態で、前記キューマーカ釦の高さが前記記録釦の高さよりやや高く形成されていることを特徴とする。
【0012】本発明の第6の発明である操作釦装置を具備した機器は、第4及び第5の発明におけるキューマーカ釦が透光性の樹脂で形成されており、そして発光素子が前記キューマーカ釦の近傍に配設されていて、その発光素子の発光が前記キューマーカ釦を通じて発光するように構成されていることを特徴とする。
【0013】本発明の第7の発明である操作釦装置を具備した機器は、第2の発明における押し釦及び第3乃至第6の発明におけるキューマーカ釦が押圧された時、一軸を中心にして回動する構造で形成されていることを特徴とする。
【0014】従って、前記第1の発明によれば、押し釦の不用意な押圧を防止する突起部から機器の何らかの動作を表示する発光を放出することができるため、その操作部を小型化、コンパクトに構成でき、機器における占有面積を縮小できる。
【0015】また、前記第2の発明によれば、前記第1の発明を記録再生装置に適用して好適な場合であって、記録釦の不用意な押圧を防止する突起部をキューマーカ釦に用いることにより、その操作部を小型化、コンパクトに構成でき、記録再生装置をも小型化、コンパクトに構成できる。
【0016】更にまた、前記第3の発明によれば、前記第1の発明を時計装置及び時計装置を備えた機器に適用して好適な場合であって、時間設定中、時間設定釦の不用意な押圧を防止する突起部から発光素子の発光を放出させるように構成すると、その時間設定機能が動作していることが判り、デザインも向上する。
【0017】そして更にまた、前記第4の発明によれば、記録再生装置をあたかもマイクロホン装置のごとく、そして非常に小型でコンパクトに構成することができ、更に、キューマーカ釦の操作性が向上する。
【0018】そして更にまた、前記第5の発明によれば、記録再生装置をあたかもマイクロホン装置のごとく、そして非常に小型でコンパクトに構成することができ、更に、操作部の先端部にキューマーカ釦、続いてその後方に記録釦が配設されているので、キューマーカ釦により記録釦の不用意な押圧を防止でき、そしてキューマーカ釦の操作性が向上する。
【0019】そして更にまた、前記第6の発明によれば、前記第4及び第5の発明に加えて、動作中、前記キューマーカ釦から発光素子の発光を見て、前記記録再生装置の記録機能及びキューマーカ機能が動作していることが判る。
【0020】そして更にまた、前記第7の発明によれば、キューマーカ釦を一軸を中心にして回動できるように構成されているため、記録再生装置を保持してもしようしても、その操作性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら本発明の実施形態の操作釦装置を具備した機器を説明する。なお、以下の説明においては、前記操作釦装置を具備した機器の一例として小型カセットテープ用の磁気テープレコーダを採り上げ、これに本発明を適用して説明する。また、本明細書において用いる用語の「記録再生」とは、記録媒体に入力信号を記録し、そしてその記録した入力信号を再生する記録再生の両機能を意味するだけでなく、記録媒体に入力信号を記録する記録機能のみの場合も含むものであることを断っておく。
【0022】先ず、図1乃至図7を参照しながら、本発明の実施形態の磁気テープレコーダの構成及びその構造を説明する。図1において、符号1は本発明の実施形態の磁気テープレコーダを指す。この磁気テープレコーダ1は一体的に組み立てられた組立構造のキャビネット2で構成されていて、外観的には、そのキャビネット2の比較的小口径の円筒で形成されている前方部分をマイクロホンを収納するマイクロホン収納部3とし、このマイクロホン収納部3の後方部にあって、全体が丸みを帯びた、どちらかと言えば箱型形状で形成されているキャビネット2の本体部分を、前記マイクロホンで収音した音声信号を記録媒体に記録し、再生する記録再生部4として構成されている。言い換えれば、この磁気テープレコーダ1はマイクロホン収納部3が記録再生部4から前方に突出した構造となっており、この構造が本発明の一大特徴である。
【0023】前記マイクロホン収納部3の正面部分には金網構造のフード301が被せられており(図1、図2)、その右側面のキャビネット2には内部に収納されたスピーカからの音を有効に放出できるようにグリル302が形成されている(図1、図4〜図6)。
【0024】前記記録再生部4は、正面から見て右側面部にカセットテープを収納するホルダー410がキャビネット2の表面と同一面を形成するように配設されていて、その下端部をヒンジにして開閉できるように取り付けられている(図1〜図3、図5、図6)。そしてホルダー410と前記マイクロホン収納部3との間のキャビネット2部分には、マイク感度切り換えスイッチ420が、ホルダー410の上後方部には、テープカウンター421が、ホルダー410の上前方部には電池残量表示部422が、そして記録再生部4の正面上方部には音量摘み423が配設されている。なお、カセットテープTをホルダー410へ装着し、或いはホルダー410から取り出す場合の操作は後記する。
【0025】また、正面から見て左側面部の前記記録再生部4には、その内部に収納されている記録再生回路などに電力を供給するための電池Baを収納する電池収納部430が記録再生部4からマイクロホン収納部3の一部分に掛けて、その一部分を膨出した状態で、しかしキャビネット2の表面と同一のカーブ面を形成するようにして配設されていている(図2、図3、図5及び図7)。そしてこの電池収納部430の上方のマイクロホン収納部3側にはVOR(ボイス・オペレーテッド・レコーディング)オンオフスイッチ5とFAST PB (早送り再生)スイッチ6とが配設されている。
【0026】更にまた、前記記録再生部4の上面部分には、記録再生部4の内部に収納されている記録再生回路部、制御回路、記録媒体駆動機構を制御するための複数個の押し釦からなる操作部440が配設されている(図1、図4、図6、図7)。この操作部440が本発明の主要部分であって、その構成及び構造は後程詳詳しく記す。そして、この上面部後方のコーナーには、先端部に板状スタンド71が結び付けられているハンドストラップ7が取り付けられている。
【0027】更にまた、前記記録再生部4の背面部分には、記録再生部4の内部に収納されている記録再生回路部、制御回路、記録媒体駆動機構に接続されたテープスピード切り換えスイッチ451、外部イヤホンを接続するためのイヤホンジャック452、外部電源を接続するためのDC IN ジャック453が配設されている。そして前記記録再生部4の底面部分には、折り畳み構造の2脚スタンド460が取り付けられていて、図5は折り畳まれた状態を示している。
【0028】前記操作部440は、例えば、記録釦441、再生釦442、停止釦443、一時停止釦444、早送り・巻戻し釦445、そしてキューマーカ釦446とから構成されており、これらは2列に配列されていて、その右側(ホルダー410側)の1列には、前方(マイクロホン収納部3側)から記録釦441、再生釦442、停止釦443が、その左側(電池収納部430側)の一列には、前方から一時停止釦444、早送り・巻戻し釦445が、そして両列の先頭部に、両列にまたがった状態でキューマーカ釦446が配設されている(図1、図4、図6、図7)。
【0029】図8乃至図10に示したように、前記キューマーカ釦446は、幅が前記操作部440のほぼ全幅に近いほぼ三角錐形状の釦4461が記録再生部4の上部前方の一隅のキャビネット2内で軸4462で軸支され、その釦4461が図10に示した矢印Rcの方向に回動できるように構成されている。この釦4461の形状は、図示のように、マイクロホン収納部3と記録再生部4との連結部分のキャビネット2の上面形状に沿った傾斜面で前記記録釦441の前方の近傍で記録釦441の高さより高い頂点を形成し、その後はほぼ垂直状態で記録釦441の直前で終わる形状のものである。また、この釦4461の材質を透明な樹脂または乳白色などの半透明樹脂で形成しておけば、後記する発光素子LEDからの発光をその釦4461から放出させることができる。この実施形態では、釦4461は乳白色の樹脂で成形されて形成されている。
【0030】このようにキューマーカ釦446は不用意に押圧されてはならない記録釦441の前方近傍で、その記録釦441よりも若干高く形成されているため、不用意に磁気テープレコーダ1を落下した場合でも、記録釦441はこのキューマーカ釦446により防護されて押圧されることはない。また、この磁気テープレコーダ1の操作の説明で後記するように、前記三角錐の構造はこのキューマーカ釦446を押圧する時に指を掛け易いものである。また、実施形態の磁気テープレコーダ1においては、図10に拡大して図示したように、記録釦441の上面の押圧面がキューマーカ釦446側へ若干傾斜する形状の釦であり、そしてその記録釦441の直後に配設されている再生釦442はその記録釦441側の前端部4421を突起状に、そしてその高さを記録釦441の後端部の高さより若干高くなるように形成されていて、この再生釦442とキューマーカ釦446とで、記録釦441が不用意に押圧されることを前後で防ぐように構成されている。
【0031】再びキューマーカ釦446に戻って、キューマーカ釦446の下方の内部には、前記電池収納部430側に垂直に配設されている電子回路基板Pのキューマーカ釦446の近傍にキューマーカ用タクトスイッチSWが固定されており、一方の側のホルダー410側には、LED基板Pdが垂直に配設されていて、このLED基板Pdの上方部分のキューマーカ釦446の直下に位置するように発光素子、例えば、半導体発光ダイオードLEDが固定されている。
【0032】前記発光素子LEDは記録釦441が押圧された時に発光するように構成されていて、その発光回路は前記LED基板Pdを中心に形成されている。前記電子回路基板Pの一部にはキューマーカ用発振回路(不図示)が形成されていて、キューマーカ釦446が押圧された時に百数十Hzの周波数のキューマーカ信号が発振し、磁気テープに記録されるように電気配線されている。キューマーカ釦446が押圧された時、前記発光素子LEDの発光が消滅するように回路を構成しておけば、キューマーカ釦446の押圧によってキューマーカ用発振回路が作動したことを表示することができる。
【0033】キューマーカ釦446の後方の下端側面には押圧杆4463が固定されていて、その先端部はキューマーカ用タクトスイッチSWの釦に当接する構造で構成されている。そしてキューマーカ釦446の後方の下端面には、電子回路基板Pとの間に復元バネ4464が介在、固定されている。従って、キューマーカ釦446を押圧すると、この押圧杆4463の先端部がキューマーカ用タクトスイッチSWの釦を押圧し、この押圧によってキューマーカ用タクトスイッチSWを動作する。押圧を解除すると、復元バネ4464により、キューマーカ釦446及びキューマーカ用タクトスイッチSWは元の位置に復帰する。
【0034】次に、図11乃至図10を参照しながら、前記マイクロホン収納部3の構造を説明する。前記ほぼ円筒状のマイクロホン収納部3には、ほぼ円筒状の開口全面に被せられているフード301の背後に、縦方向に並列に2個のマイクロホンMa、Mbが配設、固定されている。これらのマイクロホンMa、Mbの内の一つは全指向性マイクロホンで、他の一つは単一指向性マイクロホンで構成されている。集音部周辺部の雰囲気を集音したい場合には全指向性マイクロホンを主として使用し、講義録音、取材などの特定の話者の声を録音する場合には単一指向性マイクロホンを使用し、これらはマイク感度切り換えスイッチ420によりそれぞれの感度を切り換えて使用できるように接続されている。
【0035】また、マイクロホンMa、Mbの背後の、そして前記グリル302の背後のスペースに、グリル302に向かって放音部が斜めに向いた姿勢でスピーカSpが配設、固定されている。スピーカSpを斜めに配設した理由は、前記のように電池収納部430が記録再生部4からマイクロホン収納部3の一部分にかけて形成されており、その電池収納部430に収納された1本の単3型バッテリーBaを避けるためである。従って、一般に、スピーカ収納部分は比較的広い面積を必要とするが、本発明のようにマイクロホン収納部3にスピーカSpを斜めに収納したことにより、磁気テープレコーダ1全体を比較的コンパクトに構成することができる。特に、磁気テープレコーダ1をマイクロカセットテープ用に設計すると、後記するように、前記記録再生部4を片手で握ることができる程、小さな体積にまとめ上げることができる。
【0036】次に、図11乃至図18を参照しながら、前記記録再生部4、ホルダー410及び電池収納部430の構成及びこれらの配置関係について説明する。記録再生部4は、電子回路基板P、駆動機構Mから構成されている。電子回路基板Pはキャビネット2のほぼ中央部に底面に対して垂直に配設、固定されている。この電子回路基板Pの前記ホルダー410側にはカセットテープTを駆動する駆動機構Mが電子回路基板Pにほぼ並行に配設、固定されている。カセットテープTはこの駆動機構Mの前記ホルダー410側から装着され、電子回路基板Pに組み込まれている制御回路、記録再生回路などの下に、この駆動機構Mにより駆動制御される。
【0037】前記ホルダー410は、図15において、前記駆動機構Mの右側に配設されていて、図16に示したように、ホルダー410の下端縁がキャビネット2の開口縁にヒンジなどで連結されており、停止釦443を深く押圧することにより、ホルダー410の上方が矢印Raの方向に開くような機構でキャビネット2に取り付けられている。
【0038】前記電池収納部430は、例えば、単3型電池Baが2本直列に、磁気テープレコーダ1の長手方向に収納できるスペースで構成されており、図15において、前記電子回路基板Pの左側に膨出部431を形成して設けられている。そして、その膨出部431の一部は、図18に示したように、前記電池収納スペースに沿った蓋432で形成されていて、電池収納部430への蓋432の装着は、その蓋432を前記電池収納スペースに沿って摺動して差し込むことにより行われ、蓋432の取り外しは、この逆の動作で行うことができる。
【0039】本発明の実施形態の磁気テープレコーダ1は、以上説明したような構造で構成されている。次に、この磁気テープレコーダ1の取扱いについて説明する。先ず、図18に示したように、電池収納部430の蓋432を摺動しながら引き抜き、電池収納部430に2本の電池Baを所定の極性で装着し、その後、蓋432を摺動させながら閉じる。次に、図16に示したように、停止釦443を深く押圧して、ホルダー410を矢印Raの方向に開く。そして次に、図17に示したように、カセットテープTをホルダー410の内部に装着し、その後、ホルダー410の上部を矢印Rbの方向に手指で押圧して閉じる。この状態でこの磁気テープレコーダ1は録音ができる状態になる。
【0040】講演会などでの話者の話を録音する場合には、マイクロホン収納部3のフード301部を話者の方向に向け、操作部440を上にして机上に載置し、必要に応じてマイク感度切り換えスイッチ420を切り換え、マイクロホンMa、Mbの内、単一指向性のマイクロホンが有効に作動する状態にして、記録釦441を押圧すれば、記録再生部4が作動し、カセットテープTが走行し始めて録音が開始される。この磁気テープレコーダ1を机上に載置する場合に、マイクロホン収納部3が話者の方向に出来るだけ正確に向き合うようにするために、図1に示した板状スタンド71を記録再生部4の底面に履かせて仰角を持たせるか、更に、仰角を持たせたい場合には、図5に示したスタンド460を引き出してマイクロホン収納部3を起こせばよい。
【0041】磁気テープレコーダ1がマイクロカセットテープ(例えば、ソニー株式会社製のMC−30、60など)や切手サイズの超小型カセットテープ(例えば、ソニー株式会社製のNT−2)用に設計されておれば、その磁気テープレコーダ1を極めて小型に構成することができる。従って、図19に示したように、そのような小型の磁気テープレコーダ1を用いてインタビューする場合は、その磁気テープレコーダ1を片手に持ってマイクロホン収納部3を話者の口許に向けることができる。この場合、右手の掌を電池収納部430側に添え、右手親指を操作部440に、他の4本の指は記録再生部4の底部からホルダー410側に添えて持って、マイクロホン収納部3を話者の口許に向ける。しかも、このような持ち方をした場合、右親指の付け根が電池収納部430の膨出部431の上部に引っ掛かる感じで当たり、磁気テープレコーダ1の記録再生部4をしっかりと把持することができる。
【0042】収録者がこのよな持ち方をすると、収録者は親指のみで操作部440の各種釦を操作でき、しかも磁気テープレコーダ1の記録再生部4を殆ど全て掌内に納めることができ、手から露出している部分は殆どマイクロホン収納部3だけとなって、話者から見た場合は、あたかも単独のマイクロホンのみを向けられたように感じ取られ、違和感無く、気安くインタビューに応じることができる。
【0043】インタビュー中、話の要点などをメモにとりたい場合には、開いている左手で筆記することができる。ただし、前記のように電池収納部430が正面から見て磁気テープレコーダ1の左側に形成されていて、収録者が左利きの場合である。もし、収録者が前記磁気テープレコーダ1をインタビュー用に、しかもメモを取りながら使用するであろうということに重点を置いて設計されるならば、前記のような形態の左利き用磁気テープレコーダ1のみならず、電池収納部430が正面から見て記録再生部4の左側に形成されているような磁気テープレコーダ1を用意しておけばよい。このような磁気テープレコーダ1があれば、右利きの収録者でも、左手の掌に記録再生部4を納めて把持して、右手でメモを録ることができる。
【0044】磁気テープレコーダ1を片手に持って磁気記録する場合にも、机上に置いて磁気記録する場合にも、前記のように記録釦441を押圧すると、発光素子LEDが発光し、図10に上向きの矢印で示したように、その光が前記キューマーカ釦446の釦4461を通して放光される。そして、この記録中、後刻、再生する時の頭出しの印を付けておきたい場合には、前記キューマーカ釦446を押圧して磁気テープの所望の収録個所にキュー信号を記録しておけばよく、キューマーカ釦446を押圧すると、キューマーカ用タクトスイッチSWが入り、キュー信号が磁気テープ上に記録される。その押圧の間、前記発光素子LEDの発光は中断し、キューマーカ釦446の釦4461からの光の放出は止まるが、この現象によりキューマーカ回路が作動していることが判る。キューマーカ釦446の押圧を止めると、キューマーカ釦446はキューマーカ用タクトスイッチSW内のバネにより元の位置に復帰する。収録が終わり、その記録済み磁気テープから所望の記録個所を再生したい場合には、その記録済み磁気テープを早送りすることにより、記録したキュー信号が聴取でき、その聴取した個所を頭出しの印となり、所望の記録個所を再生、聴取することができる。
【0045】以上記した実施形態では、操作釦装置を具備した機器の一例として磁気テープレコーダを採り上げて説明したが、本発明はカセットテープに入力信号を記録する磁気テープレコーダのみに限定されるものではなく、記録媒体として磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体集積回路メモリを利用した各種装置にも適用できることを付言しておく。
【0046】また、操作釦装置を具備した機器としての他の一例としては、電気時計装置或いは電気時計装置を具備した機器を挙げることができ、その電気時計装置に設けられている「現在時刻設定装置」に本発明を適用すると効果的であることを付言しておく。この場合の「不用意に押圧してはならない釦」とは「現在時刻設定釦」であり、その釦が配設されている周囲のキャビネットの表面に防護突起を形成するとか、防護突起を形成するまでもなく、平面状であっても、その部分のキャビネットを2色成形などにより透明或いは半透明の樹脂で成形して、その部分から内蔵させておいた発光素子の光を放光させるように構成することができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態の操作釦装置を具備した機器によれば、不用意に押圧してはならない釦の元々の保護機能を備えている他、他の機能を兼備させることができ、そして更に、不用意に押圧してはならない釦の動作状態を表示させることができる。そして本発明を記録再生装置に応用した場合には、記録釦とキューマーカ釦との関連のある機能釦を隣接させることにより、一層操作性を向上させることができ、そのキューマーカ釦自身が点滅するように構成しておけば、収録中或いはキュー信号の記録中であることが表示でき、使用者にとって、記録再生装置の作動中の機能が判り易くなる。更に、人目を引くユニークな操作釦装置として構成でき、外観形状も記録再生部の本体からマイクロホン収納部を突出させたユニークなものとなり、この構造により、話者にあたかも単独のマイクロホン装置のような、威圧感などの不快感を与えることがない。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 光男
【公開番号】 特開平11−233959
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−27529