トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 オーディオ装置のケース
【発明者】 【氏名】亀田 克久

【氏名】赤木 直夫

【要約】 【課題】コストを掛けることなくケース用の金型を製作でき、また、前後のケース半体の周壁の合わせ面どうし、および、仕切り壁の合わせ面どうしを確実に密着した状態で合わせられるオーディオ装置のケースを提供すること。

【解決手段】オーディオ装置のケース2は前後のケース半体4,6の合わせ面8A、10A、8B、10Bを合わせることで構成される。周壁8の内側で両側の仕切り壁10の左右外側にスピーカ収容空間202がそれぞれ仕切られ、周壁8の内側で両側の仕切り壁10の間に中央空間204が仕切られる。前ケース半体4の左右の仕切り壁10の上下に間隔をおいた2箇所にねじ孔用ボス部12が形成され、後ケース半体6の左右の仕切り壁10の上下に間隔をおいた2箇所にねじ挿通用ボス部14が形成され、ねじ挿通用ボス部14に挿通されたねじ16がねじ孔用ボス部12に締結され、前後のケース半体4,6が固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下面と左右面を構成する周壁と、周壁の内側で左右両側にそれぞれ形成された仕切り壁を有する前ケース半体と後ケース半体からなり、前ケース半体の後部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面が、後ケース半体の前部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面に合わせられ、前記二つのケース半体は、一方のケース半体に前後に延在形成されたねじ挿通用ボス部に挿通されたねじを、他方のケース半体に前後に延在形成されたねじ孔用ボス部のねじ孔に螺合して固定され、前記周壁の内側で両側の仕切り壁の左右外側にスピーカ収容空間がそれぞれ仕切られ、周壁の内側で両側の仕切り壁の間に中央空間が仕切られたオーディオ装置のケースであって、前記ねじ挿通用ボス部は一方のケース半体の仕切り壁に一体に形成され、前記ねじ孔用ボス部は他方のケース半体の仕切り壁に一体に形成されている、ことを特徴とするオーディオ装置のケース。
【請求項2】 前記ねじ挿通用ボス部は一方のケース半体の仕切り壁の厚さ方向の中央部に位置し、前記ねじ孔用ボス部は他方のケース半体の仕切り壁の厚さ方向の中央部に位置していることを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置のケース。
【請求項3】 前記ねじ挿通用ボス部は後ケース半体の仕切り壁に、後ケース半体の後部からねじが挿通されると共に、ねじの頭部を後ケース半体の仕切り壁の合わせ面よりも後方に位置させねじの軸部を後ケース半体の合わせ面よりも前方に突出させるように構成され、前記ねじ孔用ボス部は前ケース半体の仕切り壁の合わせ面にねじ孔が開口するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置のケース。
【請求項4】 前記ねじ挿通用ボス部は後ケース半体の仕切り壁の前後方向における仕切り壁の全長にわたって形成され、前記ねじ孔用ボス部は前ケース半体の前後方向における仕切り壁の全長にわたって延在形成されていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置のケース。
【請求項5】 前記前ケース半体において、前記スピーカ収容空間の前方を塞ぐように周壁の前端と仕切り壁の前端にわたりネットが張設されていることを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置のケース。
【請求項6】 前記前ケース半体と後ケース半体は合成樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置のケース。
【請求項7】 前記ねじ挿通用ボス部は、前記一方のケース半体の仕切り壁に一体に形成されたものとは別に、一方のケース半体の仕切り壁の左右外側で前後に延在形成され、前記ねじ孔用ボス部は他方のケース半体の仕切り壁に一体に形成されたものとは別に、他方のケース半体の仕切り壁の左右外側で前後に延在形成され、前記二つのケース半体が固定される時に、前記仕切り壁の左右外側のねじ挿通用ボス部に挿通されたねじが仕切り壁の左右外側のねじ孔用ボス部のねじ孔に螺合されることを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置のケース。
【請求項8】 上下面と左右面を構成する周壁と、周壁の内側で左右両側にそれぞれ形成された仕切り壁を有する前ケース半体と後ケース半体からなり、前ケース半体の後部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面が、後ケース半体の前部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面に合わせられ、前記二つのケース半体は、一方のケース半体に前後に延在形成された複数のねじ挿通用ボス部に挿通されたねじを、他方のケース半体に前後に延在形成された複数のねじ孔用ボス部のねじ孔に螺合して固定され、前記周壁の内側で両側の仕切り壁の左右外側にスピーカ収容空間がそれぞれ仕切られ、周壁の内側で両側の仕切り壁の間に中央空間が仕切られたオーディオ装置のケースであって、前記複数のねじ挿通用ボス部の少なくとも一つは、一方のケース半体の仕切り壁に一体に形成され、前記複数のねじ孔用ボス部の少なくとも一つは、他方のケース半体の仕切り壁に一体に形成されている、ことを特徴とするオーディオ装置のケース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特にラジオ付きカセットテープレコーダー(ラジオ付きCDプレーヤーやラジオおよびCDプレーヤー付きカセットテープレコーダーを含む)などのような携帯用のオーディオ装置に好適なケースに関する。
【0002】
【従来の技術】図2(B)は従来のオーディオ装置のケースの断面平面図、(A)、(C)はそれぞれ(B)のA矢視、C矢視図を示す。ラジオ付きカセットテープレコーダーなどのような携帯用のオーディオ装置のケース52は、一般に、金型を用いて形成された合成樹脂製の前ケース半体54と後ケース半体56を合わせて構成されている。前ケース半体54と後ケース半体56は、それぞれ上下面と左右面を構成する周壁58と、周壁58の内側で左右両側にそれぞれ形成された仕切り壁60を備えている。また、後ケース半体56の周壁58の内側で上下左右の側部と仕切り壁60の左右の上下部にはねじ挿通用ボス部62が前後に延在形成され、前ケース半体54の周壁58の内側で上下左右の側部と仕切り壁60の左右の上下部には左右の側部にはねじ孔用ボス部64が前後に延在形成されている。
【0003】そして、前ケース半体54の後部における前記周壁58の合わせ面58Aと仕切り壁60の合わせ面60Aが、後ケース半体56の前部における前記周壁58の合わせ面58Bと仕切り壁60の合わせ面60Bに合わせられ、ねじ挿通用ボス部62に挿通されたねじ66がねじ孔用ボス部64のねじ孔68に螺合して前ケース半体54と後ケース半体56が固定される。これにより、周壁58の内側で両側の仕切り壁60の左右外側にスピーカ収容空間70がそれぞれ仕切られ、周壁58の内側で両側の仕切り壁60の間に中央空間72が仕切られ、スピーカ収容空間70の前方を塞ぐように前ケース半体54の前面にネット74が張設され、スピーカ収容空間70にはスピーカが収容され、中央空間72には、アンプやチューナー、電源回路、カセットテープレコーダーのメカニズム部分、CDプレーヤーのメカニズム部分が収容される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種のケースにおいて音質を高めるため、スピーカ収容空間70は、前後のケース半体54,56の周壁58の合わせ面58A、58Bどうしが、また、前後のケース半体54,56の仕切り壁60の合わせ面60A、60Bどうしが確実に密着した状態で合わせられて構成されることが望ましい。しかしながら従来のケースでは、前ケース半体54や後ケース半体56において、仕切り壁60とは別にねじ挿通用ボス部62とねじ孔用ボス部64が前後面から延在形成されており、金型の製作時に、仕切り壁60を形成するための部分と、ねじ挿通用ボス部62とねじ孔用ボス部64を形成するための部分とが別部材とならざるを得ない。
【0005】そのため、金型の製作にコストが掛かることは無論のこと、製作時の金型のほんの僅かのずれが製品に影響を及ぼし、前後のケース半体54,56の周壁58の合わせ面どうし58A、58Bの間に、また、前後のケース半体54,56の仕切り壁60の合わせ面60A、60Bどうしの間に隙間が生じてしまい、音質を高めることができない不具合があった。また、ねじにより締め付ける箇所も多く、組立作業の簡易化も臨まれていた。本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、コストを掛けることなく金型を製作でき、また、前後のケース半体の周壁の合わせ面どうし、および、前後のケース半体の仕切り壁の合わせ面どうしを確実に密着した状態で合わせることができ、さらに、組み立ての簡易化を図れるオーディオ装置のケースを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため本発明は、上下面と左右面を構成する周壁と、周壁の内側で左右両側にそれぞれ形成された仕切り壁を有する前ケース半体と後ケース半体からなり、前ケース半体の後部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面が、後ケース半体の前部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面に合わせられ、前記二つのケース半体は、一方のケース半体に前後に延在形成されたねじ挿通用ボス部に挿通されたねじを、他方のケース半体に前後に延在形成されたねじ孔用ボス部のねじ孔に螺合して固定され、前記周壁の内側で両側の仕切り壁の左右外側にスピーカ収容空間がそれぞれ仕切られ、周壁の内側で両側の仕切り壁の間に中央空間が仕切られたオーディオ装置のケースであって、前記ねじ挿通用ボス部は一方のケース半体の仕切り壁に一体に形成され、前記ねじ孔用ボス部は他方のケース半体の仕切り壁に一体に形成されていることを特徴とする。また、本発明は、上下面と左右面を構成する周壁と、周壁の内側で左右両側にそれぞれ形成された仕切り壁を有する前ケース半体と後ケース半体からなり、前ケース半体の後部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面が、後ケース半体の前部における前記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面に合わせられ、前記二つのケース半体は、一方のケース半体に前後に延在形成された複数のねじ挿通用ボス部に挿通されたねじを、他方のケース半体に前後に延在形成された複数のねじ孔用ボス部のねじ孔に螺合して固定され、前記周壁の内側で両側の仕切り壁の左右外側にスピーカ収容空間がそれぞれ仕切られ、周壁の内側で両側の仕切り壁の間に中央空間が仕切られたオーディオ装置のケースであって、前記複数のねじ挿通用ボス部の少なくとも一つは、一方のケース半体の仕切り壁に一体に形成され、前記複数のねじ孔用ボス部の少なくとも一つは、他方のケース半体の仕切り壁に一体に形成されていることを特徴とする。
【0007】本発明によれば、ねじ孔用ボス部とねじ挿通用ボス部がそれぞれ仕切り壁に一体に形成されているので、前後のケース半体成形用の金型製作時、仕切り壁を形成するための部分と、仕切り壁の近傍に配置されるねじ挿通用ボス部とねじ孔用ボス部を形成するための部分を単一の部材で形成することが可能となる。そのため、これら金型のコストを削減できる。また、前後のケース半体の合わせ面の精度を高めることが可能となり、前後のケース半体を確実に密着した状態で合わせられ音質を高めることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1(B)は実施の形態に係るオーディオ装置のケースの断面平面図、(A)、(C)はそれぞれ(B)のA矢視、C矢視図を示す。本発明の実施の形態に係るオーディオ装置のケース2は、ラジオ付きカセットテープレコーダー(ラジオ付きCDプレーヤーやラジオおよびCDプレーヤー付きカセットテープレコーダーを含む)用のもので、金型を用いて形成された前ケース半体4と後ケース半体6とが合わせて構成されている。前ケース半体4と後ケース半体6は合成樹脂製で、それぞれ上下面と左右面を構成する周壁8と、周壁8の内側で左右両側にそれぞれ形成された仕切り壁10を備える。
【0009】そして、前ケース半体4の後部端面をなす周壁8の端部と仕切り壁10の端部が後ケース半体6への合わせ面8A、10Aとなり、後ケース半体6の前部端面をなす周壁8の端部と仕切り壁10の端部が前ケース半体4への合わせ面8B、10Bとなっている。このような前後のケース半体4,6の合わせ面8A、10A、8B、10Bを合わせることで、周壁8の内側で両側の仕切り壁10の左右外側にスピーカ収容空間202がそれぞれ仕切られ、周壁8の内側で両側の仕切り壁10の間に中央空間204が仕切られ、スピーカ収容空間202の前方を塞ぐようにネット11が周壁8と仕切り壁10にわたって埋め込まれている。なお、スピーカ収容空間202にはスピーカが収容され、中央空間204には、アンプやチューナー、電源回路、カセットテープレコーダーのメカニズム部分、CDプレーヤーのメカニズム部分が収容される。
【0010】前ケース半体4の左右の仕切り壁10の上下に間隔をおいた2箇所にねじ孔用ボス部12が形成され、後ケース半体6の左右の仕切り壁10の上下に間隔をおいた2箇所にねじ挿通用ボス部14が形成されている。ねじ孔用ボス部12とねじ挿通用ボス部14はそれぞれ仕切り壁10の厚さ方向の中央で前後のケース半体4,6の前後方向の全長にわたって延在形成されている。ねじ孔用ボス部12は仕切り壁10の厚さよりも大きな直径の断面が円形に形成され、合わせ面10Aにねじ孔1202が開口するように形成されている。ねじ挿通用ボス部14は仕切り壁10の厚さよりも大きな直径の断面が筒状に形成されており、後ケース半体6の後部からねじ16を挿入でき、合わせ面10Bの後方箇所でねじ16の頭部が係止し、ねじ16の軸部が合わせ面10Bの前方に突出するように形成されている。また、前ケース半体4の左右の仕切り壁10の外側で側壁寄りの上下に間隔をおいた2箇所にねじ孔用ボス部12が形成され、後ケース半体6の左右の仕切り壁10の外側で側壁寄りの上下に間隔をおいた2箇所にねじ挿通用ボス部14が形成されている。これらのねじ孔用ボス部12とねじ挿通用ボス部14も前後のケース半体4,6の前後方向の全長にわたって延在形成され、ねじ孔用ボス部12は合わせ面10Aにねじ孔1202が開口するように形成され、ねじ挿通用ボス部14は筒状に形成され、後ケース半体6の後部からねじ16を挿入でき、合わせ面10Bの後方箇所でねじ16の頭部が係止し、ねじ16の軸部が合わせ面10Bの前方に突出するように形成されている。そして、前後のケース半体4,6の合わせ面8A、10A、8B、10Bを合わせ、ねじ挿通用ボス部14に挿通したねじ16の軸部をねじ孔用ボス部12のねじ孔1202に螺合することで、前後のケース半体4,6が締め付け固定されている。
【0011】本実施の形態によれば、仕切り壁10の近傍に配置されるねじ孔用ボス部12とねじ挿通用ボス部14がそれぞれ仕切り壁10に一体に形成されているので、金型の製作時に、従来のように仕切り壁60を形成するための部分と、仕切り壁10の近傍に配置されるねじ挿通用ボス部62とねじ孔用ボス部64を形成するための部分とが別部材となることがなく、一体の部材で形成することが可能となる。そのため、これら金型のコストを削減できることは無論のこと、前後のケース半体4,6の合わせ面8A、10A、8B、10Bの精度を高めることが可能となる。これにより、前後のケース半体4,6の周壁8の合わせ面8A、8Bどうし、および、前後のケース半体4,6の仕切り壁10の合わせ面10A、10Bどうしを確実に密着した状態で合わせることができ、音質を高めることが可能となる。また、前ケース半体4では仕切り壁10にねじ孔用ボス部12が形成され、後ケース半体6では仕切り壁10にねじ挿通用ボス部14が形成され、これにより前後のケース半体4,6の仕切り壁10の強度、剛性が高められるので、前後のケース半体4,6を確実に密着した状態で合わせる上でも有利となる。また、ねじを締め付ける箇所も図2の従来構造の12箇所から8箇所に減り、組立作業の簡易化を図ることが可能となる。
【0012】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明は、前ケース半体の後部における周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面が、後ケース半体の前部における記周壁の合わせ面と仕切り壁の合わせ面に合わせられ、前後のケース半体は、一方のケース半体のねじ挿通用ボス部に挿通されたねじを、他方のケース半体のねじ孔用ボス部のねじ孔に螺合して固定され、周壁の内側で両側の仕切り壁の左右外側にスピーカ収容空間がそれぞれ仕切られ、周壁の内側で両側の仕切り壁の間に中央空間が仕切られたオーディオ装置のケースであって、ねじ挿通用ボス部は一方のケース半体の仕切り壁に一体に形成され、ねじ孔用ボス部は他方のケース半体の仕切り壁に一体に形成されている構成とした。そのため、コストを掛けることなく金型を製作でき、また、前後のケース半体の周壁の合わせ面どうし、および、前後のケース半体の仕切り壁の合わせ面どうしを確実に密着した状態で合わせることができ、さらには、組立作業の簡易化を図ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月17日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−233958
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−34994