| 【発明の名称】 |
電子部品の真空吸着装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】笠原 一夫
【氏名】河合 秀政
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| 【要約】 |
【課題】高温で、長期間連続して使用しても大きな真空漏れを生じることのない電子部品の真空吸着装置を提供する。
【解決手段】複数の部材(プレート)3,5,7の、互いに当接する面(当接面)の対向する位置に、内部に形成される真空吸引用の空隙(真空吸引路)10を囲むように環状の溝3a,5a,5b,7aを形成し、この溝に、剛体からなる遮蔽部材11a,12aをはめ込むことにより、当接面間に形成される隙間Gからの真空漏れを抑制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の部材を互いに当接させることにより、内部に真空吸引用の空隙が形成されるように構成された電子部品の真空吸着装置において、前記複数の部材の、互いに当接する面(当接面)の対向する位置に、内部に形成される真空吸引用の空隙を囲むように環状の溝を形成するとともに、前記溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込んだことを特徴とする電子部品の真空吸着装置。 【請求項2】電子部品を真空吸着するための真空吸引孔を備えたプレートと、前記プレートと当接するベースプレートを当接させることにより、内部に真空吸引用の空隙が形成されるように構成された電子部品の真空吸着装置において、前記プレートと、前記ベースプレートの、互いに当接する面(当接面)の対向する位置に、内部に形成される真空吸引用の空隙を囲むように環状の溝を形成するとともに、前記溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込んだことを特徴とする電子部品の真空吸着装置。 【請求項3】前記遮蔽部材として、前記環状の溝に対応する形状を有する、一体に形成された環状の遮蔽部材を用いたことを特徴とする請求項2記載の電子部品の真空吸着装置。 【請求項4】前記溝を複数本形成し、各溝に遮弊部材をはめ込むことにより、複数段の真空漏れ抑制部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品の真空吸着装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、電子部品の製造工程などにおいて、電子部品を真空吸着する場合に用いられる真空吸着装置に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子部品の製造工程などにおいて、電子部品(素子)を真空吸着することが必要になる場合がある。例えば、チップ型のコイル部品の製造工程において、コアに巻線を巻き付けた後、溶融はんだにディッピングすることより巻き線をコア(電極)に接続した場合、接続に必要な量よりはるかに多くのはんだがコアに付着して、はんだのつのなどが形成され、実装時の安定性が損なわれるというような問題点があるため、はんだ付け後のコイル部品(電子部品)を真空吸着することにより、過剰のはんだ(溶融はんだ)を吸引して除去したりすることが行われている。 【0003】そして、その場合に、従来は、例えば、図6に示すような真空吸着装置を用いている。この真空吸着装置は、電子部品(例えばコイル部品)51を真空吸着するための真空吸引孔52を備えた上面側プレート53と、上面側プレート53と当接することにより、内部に真空吸引用の空隙(真空吸引路)60が形成されるように、空隙54が設けられたベースプレート55とを備えており、上面側プレート53と、ベースプレート55の隙間には、ゴムなどの弾性材料からなるシール材56が配設されている。なお、シール材56を用いない場合には、上面側プレート53やベースプレート55の熱膨張などにより、上面側プレート53とベースプレート55の間に隙間が形成され、大きな真空漏れを生じるという問題点がある。 【0004】ところで、上記真空吸着装置は、電子部品51に付着した過剰の溶融はんだを除去することを目的とするものであり、■はんだが溶融した状態で電子部品51が吸着される場合には、はんだが凝固しないように加熱(保温)することが必要であり、また、■はんだが凝固している場合には、加熱してはんだを溶融させた後、過剰の溶融はんだを除去することが必要になる。したがって、上面側プレート53は、上記■及び■のいずれの場合にも、適度の温度(通常は、はんだの溶融温度以上の温度)に加熱しておくことが必要になる。その結果、シール材56も高温にさらされることになり、短時間でシール材56が劣化して真空漏れを生じるという問題点がある。 【0005】本願発明は、上記問題点を解決するものであり、高温で、長期間連続して使用しても大きな真空漏れを生じることのない電子部品の真空吸着装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の電子部品の真空吸着装置は、複数の部材を互いに当接させることにより、内部に真空吸引用の空隙が形成されるように構成された電子部品の真空吸着装置において、前記複数の部材の、互いに当接する面(当接面)の対向する位置に、内部に形成される真空吸引用の空隙を囲むように環状の溝を形成するとともに、前記溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込んだことを特徴としている。 【0007】複数の部材の互いに当接する面の対向する位置に溝を設け、この溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込むことにより、複数の部材の当接面間から真空が漏れることを抑制することが可能になる。 【0008】また、遮蔽部材用の剛体として、金属やセラミックなどの耐熱性に優れた種々の材料を用いることができるため、長期間、安定して大きな真空漏れのない状態を保つことが可能になる。 【0009】また、本願発明(請求項2)の電子部品の真空吸着装置は、電子部品を真空吸着するための真空吸引孔を備えたプレートと、前記プレートと当接するベースプレートを当接させることにより、内部に真空吸引用の空隙が形成されるように構成された電子部品の真空吸着装置において、前記プレートと、前記ベースプレートの、互いに当接する面(当接面)の対向する位置に、内部に形成される真空吸引用の空隙を囲むように環状の溝を形成するとともに、前記溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込んだことを特徴としている。 【0010】真空吸引孔を備えたプレートと、このプレートと当接するベースプレートを備えた電子部品の真空吸着装置において、プレートとベースプレートの当接面の対向する位置に、内部に形成される真空吸引用の空隙を囲むように環状の溝を形成し、この溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込むことにより、プレートとベースプレートの当接面間から真空が漏れることを効率よく抑制することが可能になる。 【0011】また、上記請求項1の真空吸着装置の場合と同様に、遮蔽部材用の剛体として、金属やセラミックなどの耐熱性に優れた種々の材料を用いることができるため、長期間、安定して大きな真空漏れのない状態を保つことができる。 【0012】また、本願発明(請求項3)の電子部品の真空吸着装置は、前記遮蔽部材として、前記環状の溝に対応する形状を有する、一体に形成された環状の遮蔽部材を用いたことを特徴としている。 【0013】遮蔽部材として、環状の溝に対応する形状を有する一体に形成された環状の遮蔽部材を用いることにより、遮蔽部材の装填が容易になるばかりでなく、環状の遮蔽部材の周方向に隙間がなくなるため、真空漏れ抑制の効果を向上させることが可能になる。 【0014】また、本願発明(請求項4)の電子部品の真空吸着装置は、前記溝を複数本形成し、各溝に遮弊部材をはめ込むことにより、複数段の真空漏れ抑制部を形成したことを特徴としている。 【0015】溝を複数本形成し、各溝に遮弊部材をはめ込むことにより、真空漏れ抑制部を複数段構成とすることが可能になり、さらに効率よく真空漏れを抑制することが可能になる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。 【0017】図1は本願発明の一実施形態にかかる電子部品の真空吸着装置を示す断面図である。なお、この実施形態においては、チップ型のコイル部品の製造工程において、コアに巻線を巻き付け、溶融はんだにディッピングすることより巻き線をコアに接続した後、コイル部品に付着した過剰のはんだ(溶融はんだ)を除去するために用いられる真空吸着装置を例にとって説明する。 【0018】この真空吸着装置は、図1に示すように、電子部品(コイル部品)1を真空吸着するための真空吸引孔2を備えたプレート(上面側プレート)3と、上面側プレート3と当接することにより、内部に真空吸引用の空隙(真空吸引路)10が形成されるように空隙4が設けられた第1ベースプレート5と、第1ベースプレート5の下面側に配設され、同じく内部に真空吸引路10が形成されるように空隙6が設けられた第2ベースプレート7とを備えている。また、上面側プレート3、第1ベースプレート5、及び第2ベースプレート7の、互いに当接する面(当接面)の対向する位置には、真空吸引路10を囲むように溝3a,5a,5b,7aが2重の四角形の環を形成するように配設されている。 【0019】そして、この環状の溝3a,5a,5b,7aから形成される2重の四角形環状の空間11及び12には、セラミックや金属などの剛体からなる遮蔽部材11a,12aがはめ込まれている。なお、この実施形態では、図2に示すように、遮蔽部材11a,12aとして、遮弊部材用の板材11b及び12bを四角に組んで形成したものが使用されている。なお、遮蔽部材11a,12aは剛体のものが用いられているが、可撓性を有するものであってもよいことはいうまでもない。 【0020】この真空吸着装置を用いてコイル部品に付着した過剰の溶融はんだを除去する場合、少なくとも、上面側プレート3をはんだの溶融温度以上の温度に加熱した状態で、真空吸引路10から真空吸引し、コイル部品(電子部品)1を上面側プレート3上に載置して真空吸着し、コイル部品1に付着した過剰の溶融はんだ8を、真空吸引孔2から真空吸引路10側に吸引することにより除去する。 【0021】この実施形態の真空吸着装置においては、各部材、すなわち、上面側プレート3、第1ベースプレート5、及び第2ベースプレート7の当接面の対向する位置に配設された2重の環状の溝3a,5a,5b,7aから形成される、2重の環状の空間11及び12に、剛体からなる遮蔽部材11a,12aをはめ込んでいるので、図3(a),(b)に模式的に示すように、例えば、上面側プレート3及び第1ベースプレート5に反りがあり、両者の間に隙間Gが形成されているような場合にも、図4に示すように、隙間Gからの漏れ空気は、空間11にはめ込まれた遮蔽部材11aに遮られて方向を変え、溝3a及び溝5aの内壁と、遮蔽部材11aとの隙間を矢印Aで示すような経路で通過することになるため、経路が長くなって漏れ空気量が減少し、真空漏れが抑制される。さらに、この実施形態の真空吸着装置においては、環状の空間が2重に形成され、遮蔽部材が2重に配設されているため、さらに、高い真空漏れ抑制効果を得ることができる。 【0022】さらに、遮蔽部材11aが、セラミックや金属などの剛体から形成されているため、はんだの溶融温度より高い高温にさらされても劣化することがなく、真空漏れ抑制効果を長期間、安定して保つことができる。 【0023】なお、上記実施形態では、遮蔽部材用板材11b及び12bを四角に組み、2重の空間11,12にはめ込むことにより、四角形環状の遮蔽部材11a,12aを構成するようにしているが、セラミックや金属などの剛体を四角形環状に一体に成形した遮蔽部材を用いることも可能である。 【0024】また、上記実施形態では、溝及び遮蔽部材を四角形環状とした場合について説明したが、溝及び遮弊部材の具体的な形状に特別の制約はなく、四角形以外の多角形環状や円形環状など、種々の形状とすることが可能である。 【0025】また、上記実施形態では、所定の形状の遮弊部材を構成する遮蔽部材用の材料として、板状の剛体を用いた場合について説明したが、丸棒状のもの、角棒状のものその他種々の形状のものを用いることが可能である。 【0026】また、上記実施形態では、上面側プレート、第1ベースプレート、及び第2ベースプレートの3つの部材から真空吸着装置を形成するとともに、2重に環状の溝を形成し、各溝に遮弊部材を配設するようにした場合を例にとって説明したが、図5に示すように、電子部品1を真空吸着するための真空吸引孔2を備えたプレート(上面側プレート)3と、上面側プレート3と当接することにより、内部に、真空吸引用の空隙(真空吸引路)10が形成されるように空隙4が設けられたベースプレート15とを備えてなり、上面側プレート3と、ベースプレート15の互いに当接する面(当接面)の対向する位置に、真空吸引路10を囲むように形成された四角形環状の溝3a,15aから構成される一つの四角形環状の空間に31に、遮弊部材31aをはめ込んだ構成とすることも可能である。この場合、真空漏れ抑制部は単段となるが、この場合にも、本願発明の基本的な作用効果を奏する。 【0027】本願発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。 【0028】 【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の電子部品の真空吸着装置は、複数の部材の互いに当接する面の対向する位置に溝を設け、この溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込むようにしているので、複数の部材の当接面間から真空が漏れることを抑制することが可能になる。また、遮蔽部材用の剛体として、金属やセラミックなどの耐熱性に優れた種々の材料を用いることができるため、長期間、安定して大きな真空漏れのない状態を保つことが可能になる。複数の部材の互いに当接する面の対向する位置に溝を設け、この溝に、剛体からなる遮蔽部材をはめ込むようにしているので、複数の部材の当接面間に形成される隙間から真空が漏れることを抑制することができる。 【0029】また、本願発明(請求項2)の電子部品の真空吸着装置は、真空吸引孔を備えたプレートと、このプレートと当接するベースプレートを備えた電子部品の真空吸着装置において、プレートとベースプレートの当接面の対向する位置に、内部に形成される真空吸引用の空隙を囲むように環状の溝を形成し、この溝に剛体からなる遮蔽部材をはめ込むようにしているので、プレートとベースプレートの当接面間から真空が漏れることを効率よく抑制することが可能になる。また、上記請求項1の真空吸着装置の場合と同様に、遮蔽部材用の剛体として、金属やセラミックなどの耐熱性に優れた種々の材料を用いることができるため、長期間、安定して大きな真空漏れのない状態を保つことができる。 【0030】また、本願発明(請求項3)の電子部品の真空吸着装置のように、遮蔽部材として、環状の溝に対応する形状を有する一体に形成された環状の遮蔽部材を用いた場合、遮蔽部材の装填が容易になるばかりでなく、環状の遮蔽部材の周方向に隙間がなくなるため、真空漏れ抑制の効果を向上させることが可能になる。 【0031】また、本願発明(請求項4)の電子部品の真空吸着装置のように、溝を複数本形成し、各溝に遮弊部材をはめ込むようにした場合、真空漏れ抑制部を複数段構成とすることが可能になり、さらに効率よく真空漏れを抑制することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006231 【氏名又は名称】株式会社村田製作所
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西澤 均
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| 【公開番号】 |
特開平11−220297 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−38201 |
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